徒然日記
2011年7月分

 日記と言うより、自分の行動記録からの抜粋と日々の雑感です。

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7/31(日)快晴 
1:00 起床。文献・新聞チェック他。日本史勉強。ネコトイレ、洗面所大掃除他。文献整理他。16:30車病院。重症患者回診対応。19:00帰宅、夕食、パソコン関連の勉強、20:30就寝。

日本の医療の現状と課題(3)優れた制度だが裏がある
 2002年に日本医師会は日本の医療制度について一般向けに以下のように評価し、記述している。

■世界の人々の健康を守るため活動している世界保健機関(WHO)が、昨年世界各国の保健医療制度を比較した結果を発表しました。
 ■その中で日本の医療は、極めて高い評価を受け世界のトップにいます。 このような高い評価を受けながら、低い医療費に止まっていることも日本の医療制度の特徴のひとつです。
 ■日本の医療制度は、世界一の長寿国、世界一低い乳幼児死亡率の実現に大きく貢献しています。
 ■一方、世界各国の医療費を調べている経済協力開発機構(OECD)は、日本の医療費が世界の各国と比べてとても安いことを指摘しています。 
 ☆私たちは、このようなことを当然のことのように受けとりがちですが、他の国の人々からみると、うらやましい限りなのです。このような国民の財産ともいえる制度を守り続け、質のいい医療を準備していくことが、日本医師会の責任だと考えています。

 
 折しも、2001年4月に小泉内閣が発足、従来の価値観とは異なる独自の政治を繰り広げていた。
 首相は厳しい低医療費政策を行い、医療界にも競争の原理と自由化を押しつけようとした。マスコミの論調も親首相であり、医療、医療関係者側はバッシングの対象となった。具体的には「株式会社の医療への参入」「混合診療解禁」などが進められ、医療界は危機感を募らせた。日医はこれに対して全国の医師会の先導に立ち反対運動を推し進めた。

 当時のことを思い出すと、前々から医療への不満を募らせていた国民も首相やマスコミの意見に同調していたと思う。
 上記の記述はその時期の国民向けの広報である。「世界の医療制度の中でわが国の制度の評価は高い。だからこの制度を守っていかねばならない。この制度の素晴らしさを分かっていただきたい」という主張である。

 私もわが国の国民皆保険制度は、国民の側から見て最高の制度だと思っている。しかし、一方の立場にとって最高という裏には辛酸を舐めさせられている立場がある、と言うことであり、その立場にある者は現場で働く医療関係者であった。

 WHO、OECDの高い評価には「医療関係者が置かれている厳しい立場」の評価が反映されていない。「高い評価を受けながら、低い医療費に止まっている」「日本の医療費が世界の各国と比べてとても安い」ことを日医も評価しているが、要するに医師や医療関係者は安上がりの医療制度の維持に身を削りながら制度を維持して来た、と言うことである。

 わが国の医療制度は医療関係者の奉仕や犠牲の上に成り立っている。私は各国の医師の立場を具体的に理解している訳ではないが、先進国の中で日本の医師ほど労務環境、報酬等の評価において厳しい環境に置かれている所は無いのでは?と思っている。

 中曽根政権以来の日本の低医療政策は小泉政権で一層推し進められたが、結果的に、医療関係者、特に病院勤務医師は徐々に悪化する厳しい労働環境に耐えられなくなり次々と現場を離れていった。
 それが医療崩壊としての具現化した。
 国民皆保険制度を堅持するなら、このアンバランスを是正する方向も明確にしないと医療崩壊は止まらない。


7/30(土)曇り・降雨 ・快晴と変化 開腹手術4周年 No7日本医師会男女共同参画フォーラム 
1:00 起床。文献・新聞チェック他。病棟より電話頻回。11:00車病院。重症患者回診対応。13;00日本医師会男女共同参画フォーラム、秋田県医師会担当でViewで開催された。村木局長の講演中心に聴講。いつものごとく中座し15:00病院、重症者回診そのほか 。17:00帰宅。18:30外食、20:30就寝。膀胱頚部硬化症+膀胱憩室で開腹手術4周年、術後経過良好。この点は夢のごとし。

日本の医療の現状と課題(2)最良の医療制度とされるが、満足度は最低レベル
 世界の医療制度は国の歴史、文化、経済力などで各国独自の制度で行われている。従って同じ制度はほとんど無い。それらには一長一短があり簡単には比較できない。私が知る限りで、いままで数件の調査結果が報告されている。

 代表的なのはWHOと OECD、カナダの非営利調査機関のデータである。ともに日本の医療制度はトップにランクされている。前者は権威のある機関の結果であることからよく引用され、有名である。
 しかし、自国の医療への満足度を調べた別の調査では日本人の医療への満足度はとても低い。この乖離は何なのか、といつも思う。
 私は、医療の受け易さがあまりにも日常的になりすぎたこと、医療関係者や為政者たちが苦しい背景、台所事情を積極的に語らなかったことに由来していると思う。
 医療崩壊が肌で感じられるようになり、目に見えるようになったことで若干変わってきたとは言え、わが国の国民の医療に対する無理解はなかなか変わらない。
 以下が代表的医療制度の評価結果である。

 ■世界保健機関(WHO)と 経済協力開発機構(OECD)の評価
 WHOは各国の医療制度を調査し、主要8カ国、オーストラリア、フランス、イタリア、カナダ、ドイツ、英国、米国との間でランキングをつけた。日本の医療は健康寿命の維持面で第1位、医療の平等性で3位、健康達成度の総合評価で第1位とランクされ、日本の医療制度は世界に誇れる優れた制度である、と評価している。
 経済協力開発機構(OECD)の1998年の加盟国で行った調査では日本の一人当たり国内総生産(GDP)は加盟国中で5位であるが、国内総生産に占める総医療費は18位で、日本の医療が世界の先進国各国と比べてとても安く、効率的と指摘している。

 ■日米中など先進・新興22ヶ国を対象にした医療制度に関する満足度調査で、「手ごろで良質な医療を受けられる」と答えた日本人は15%で、22ヶ国中最低レベルであった。 
 この調査では自国の医療制度に満足している人の割合が高いのはスウェーデン(75%)とカナダ(約70%)で、英国では55%が「満足」と回答。韓国、ロシアなどの満足の割合は30%以下だった。国民皆保険制度が無く、オバマ大統領による医療保険制度改革の議論で国論が二分した米国は、回答者の51%が「手ごろな医療を受けられる」、と回答した。 ただ、この調査で日本は国民皆保険制度があり、長寿社会を誇っているが「高齢者の医療保険の財源確保で苦労している」と指摘した(ロイター通信2010.4)。

 ■カナダの非営利調査機関「コンファレンス・ボード・オブ・カナダ」は上記の半年ほど前に、先進国16カ国の医療制度ランキングを発表したが、日本は1位、カナダ10位、米国は16位となった。
 この調査は2006年のデータに基づき、平均寿命やがん死亡率、乳幼児死亡率など11項目で評価したもの。「A」ランクは日本、スイス、イタリア、ノルウェー。カナダは「B」、米国は英国、デンマークとともに最低の「D」だった。この調査では、医療保険制度の財政状況は勘案されなかった。
 国民皆保険制度がない米国では、皆保険制度のあるカナダが引き合いにされて比較させれる。カナダは米国より上位だったものの、急を要さない治療では長期間待たされる実態や、生活習慣病患者の多さなどが指摘された( 東京新聞2009年9月29日 夕刊)。


7/29(金)小雨後晴れ 歯治療 医療連携セミナー(欠)
1:30起床。文献・新聞チェック他。7:00車病院着、回診他。患者関連書類処理中心に過ごす。15:30帰宅、16:00-16:45歯科治療。帰宅、歴史関連書籍中心。夕食、20:30就寝。 新潟地方豪雨に見舞われている。

放射線測定器ガイガーカウンター(2)異常値が出たらどうする?
 低放射線汚染のリスクに関しては、人類がいままで経験してきた放射能被爆のデータから現時点で分かることを明らかにすることであろう。実際には広島・長崎とは状況が異なるし、近いのはチェリノブイリと思うが、実際はどうなのだろうか。

 簡易型放射線測定器に関して言えば精度が心配である。測定に当たってのゼロ補正やキャリブレーションはどうなっているのだろうか。
 微妙な線量値を測定するのだから測定器は高性能でなければならない筈であり、その様な規格の機器はそれほど普及していない。汚染した肉や食品、水等に含まれる放射線を測定出来る機器は秋田県には1台しかないはずだ。さらに、測定には何100gかのサンプル、水の場合は数リットルもの量が必要だし、測定には特別の技能も必要とされる。それに、測定には時間もかかる。

 測定器は一般的に最も感度が良い範囲が決まっていて測定限界ぎりぎりの値に対しては誤差が大きくなる。従って、私どもが安価に手に入れられる簡易型測定器は食品や水に含まれる放射性物質のレベルを測定するのに相応しい機器と言えないのではないか。信じられない値を出す機器ならデータが無い方が良い。あるいはそこまで読み取る習熟した洞察力も必要である。もし、高い測定値が出たらどうするのだろうか、とむしろ案じてしまう。

 例えば、診療において血液検査の値は日常的に重要であるが、白血球数は1立法ミリリットル中500ヶ、血小板数であれば10.000ヶ以下の値になれば大変な状態であることを示しているのであるが、具体的測定値は重視しない。測定限界近くでは誤差が大きいからである。同様に10万ヶ、100万ヶ以上の場合も同様である。

 厚生労働省の「緊急時における食品の放射能測定マニュアル」では緊急時における測定サンプルは5キログラムないし5リットル以上が必要で、同省はガンマ放射線への感度が低いとしてガイガーカウンターを食品や飲料の測定に用いないよう勧告している。食事の前に食品に計測器を差し向けるだけではほとんど無意味である。また、放射能の種類によって測定機器も異なる。測定結果は国際社会も住民も注視しているため、正確さが求められるので、現時点では政府が発表するデータを信用するのが安全だとしている。

 確かに、今回の牛さんのお肉に関しては汚染肉が市場に出てしまったが、いま流通している食品は安全である。また、ここまで分かった以上、これから流通する牛さんのお肉は大丈夫として良いだろう。

 周りが信用できないから、何でも自分で・・、と言う意気込みは良いのであるが、こと放射能に関しては誤った判断の因になりかねないと思う。


7/28(木)雨 外来 
2:00起床。新聞・文献等。7:00車病院着。回診他病棟業務。8:45-14:00外来。16:00帰宅。歴史関連,夕食。20:50就寝。

放射線測定器ガイガーカウンター(1)ずいぶん売れているらしいが・・・
 放射線への不安が被災地から離れた場所にも広がっている。
 いま、福島第一原発からどれだけの放射能が漏れているのかよく分からないが、かなり制御されているらしい。

 放射能汚染は目に見えないだけに発表される数値だけが頼りである。過去には、一時的ながら、東京で水道水で、静岡で茶で基準を超えていた事で住民の不安をかき立てた。ここ2週間ほどは汚染した稲わらを介して牛さんのお肉が汚染されていたこと、秋田では関東から運ばれてきた焼却灰の放射能汚染問題、腐葉土汚染等で放射能汚染はより身近な問題となっている。
 そのような背景もあって、県や自治体は食肉や給食の食材、教育現場などの汚染状態をチェックを進めている。しっかり進めて欲しいし、数値は公表して欲しいと思う。

 ところが、最近、個人でも心配になって簡易型の放射線測定器、いわゆるガイガーカウンターを購入して環境や食品を測定する方々が増えてきているらしい。

 私は放射線測定は結構大がかりな装置が必要なこと、簡易型は誤差等も大きくあまり実用的でないと思っていたから、遠い世界の問題だと思っていたが、身近な知人の家でも購入したと聞いて驚いた。どのような精度の機種なのか、何を何のために測定するのか確かめていないので詳細は分からないが、3人の子育ての最中にある若い世代で、いてもたってもいられない気持ちで購入したらしい

 新聞、TV等では連日数字が発表されるが、自分の周辺では実際にどうなっているのか分からない。
 低線量の放射線の危険性については、実際にはそれほど分かっているわけではない。そうは言っても、子どもは大人より放射線の影響を受けやすいから、親世代は心配するのは当然である。心配し、鋭敏になっている方たちに過剰反応だ、それほど心配することはない、といっても本人たちは安心できないのだろう。どこまで心配し、安全策をとるか。個人の価値観で判断が分かれるところが出てくる。これは理屈の問題でないから、感じ方の違いはまず尊重し、より客観的な知見を集めつつ正しい方向を模索していくしかない。

 簡易型放射線測定器ずいぶん売れているらしいが、私はまだ上記のごとく不案内なので私は自分で測定しようなどという気持ちは今のところは一切無い。むしろ、簡易型放射線測定器が売れていることの方が心配である。


7/27(水)早朝降雨雷鳴 外来  
1:30起床、3:00頃より大荒れとなる。降雨と雷鳴。7:00小雨の中車出勤。7:30回診。8:45-13:50外来。15:00車帰宅、夕食、 22:30就眠。

電子レンジ(2)日立加熱水蒸気オーブンレンジ  うーん難しい?
 
10日ほど前に注文していた電子レンジが届いた。重い!! 20Kgもある。何でだ!!、が最初の衝撃であった。

 取り寄せた日立のカタログには6機種掲載されている。私は物品の購入に当たっては複合的機能を持った製品は原則的に選ばない。回転する部分を持つ器機、高熱を発する器機は特にそう思う。どうしても一部の機能だけが劣化し、他の部分はまだ使えるのに廃棄せざるを得なくなることがある。で、電子レンジなんて今迄通り加熱する機能だけで良い・・と主張したが、わが家の台所奉行にいとも簡単に却下された。

 届いた製品は、電子レンジとオーブンレンジの複合機で「加熱蒸気」機能付きというのになった。
 加熱蒸気は私の記憶の中では、大型のボイラーの熱源や蒸気機関車の動力に用いられる蒸気で、100℃の蒸気をさらに加熱して作る・・としか思いつかない。何10年振りかでお目にかかった懐かしい単語である。
 加熱蒸気はかなり大がかりのシステムの中で用いられる蒸気というイメージであったがそれが台所用品の中でも用いられているなど、考えもつかなかった。通常の飽和水蒸気はウエットであるイメージが伴うが、加熱蒸気は乾燥した気体であり、直ぐには水に戻らない、高比熱である、などの特長がある。これを生かして物品の乾燥、加熱、焼成、焙煎、炭化、殺菌等の様々な用途に、食品、医療、環境機器業界等で用いられているのだという。

 へーそうか、と分かった段階でも家庭用調理器の中での役目など思いつかない。加熱蒸気を作るのにかなりのエネルギーを用いるのではないか,とご時世柄心配になる。

 またこのレンジはやたらスイッチが多い。前のはタイマーとOn Offの2つのスイッチしかなかったのであるが、8ヶほどついている。それと殆どの料理のメニューが既にセットされオート化されている。食品の量もレンジの方で測定し適正なワット数と時間が決まる。その条件に合わせなければならないから初心者にはその事前のセッティングが大変である。 使用説明書は60ページもある。私はマニュアルを読むのは苦手である。

 と言うことで,新型になってから私は食品の暖めもまだ出来ていない。単純な内容から少しずつ学んで行くこととする。
 私が楽しんでいる音楽はまだ90%以上LPレコードである。それで十分満足している。新しい時代に乗ると言うことは私にとって実に大変である。


7/26(火)曇りのち晴れ 外来   ?
2:00起床、ドック総括x1他。7:00雨模様の予報で車病院着。7:30回診、8:45-13:55外来、16:00車帰宅。実際はかんかん照り。歴史本に集中。夕食、20:30就眠。

電子レンジ(1)重宝だった1978年製レンジが火を噴きダウン 
1978年母が死去した。
 盛岡に一人残してきた父親は結構新し物好きであったが、口うるさい母が生きていたうちはグッと我慢していたのであろう。独居になってから堰を切ったようにいろいろな物品を買い揃えた。私は時折見舞ったが行くたび毎に新しい電化製品が次々と増えていった。

 小物もいろいろあったが、大きな物では27型のブラウン管式TV、VHSビデオテープレコーダー、2槽式洗濯機、冷凍冷蔵庫、新型の掃除機、電子レンジ、オイルヒーターなど等である。

 僅かな恩給と私共からの7-8万円/月程度の援助で二人でつつましく暮らしていたのであるが、母が亡くなり一段落したときに、「一人になっても援助額は減らさないで欲しい」と私にソッと言ったことを思い出す。私はそれほど長くもないだろう、これも親孝行、と何も考えずに了承したのであるが、考えてみれば当時にしてみればそれほど少ない額では無い。そうは言っても先の物品は当時はまだ高額で200万円分はあったと思う。恐らく亡き母は私どもからの仕送りをコツコツとため込んでいたものと思う。父は鬼が居なくなったのを良いことに次ぎ次ぎと買い込んだのであろう。

 その父も1963年、徐々に不自由になって私のところに引き取られて約一ヶ月、日本海中部地震でショックを受けた様子であったが数日後急性心筋梗塞で急逝した。
 両親の住んでいた住宅を整理し、先に挙げた物品はすべて秋田に持ってきて我が家で用いたのであるが、おかげで随分贅沢させて貰った。

 物品は次々と寿命を迎えたが、その中で電子レンジはもっとも長持ちした。つい2週間ほど前、家内がなんか動作がおかしい、と言うのでいろいろ試してみたが庫内で火花が飛んだのでついに寿命を迎えた、と判断した。我が家では電子レンジで調理をすることはなかったが、食事時間が各人ばらばらなので食品を暖めるにはとても重宝していた。私にとっても便利な道具であった。東芝製でタイマーがついているだけの単純な機能であったが、30年以上もよく働いたものである。

 で、10日ほど前に懇意にしている店から日立製の電子レンジを購入した。これが私にとっては怪物である。まだ食品の暖めにも難渋している。


7/25(月)晴れ 入院外来患者関連書類処理?
1:30頃起床、新聞、文献収集その他。7:00自転車病院、回診その他病棟業務。患者対応その他書類処理。16:00自転車帰宅、歴史本に集中。夕食、20:45就寝。

菅首相(29)マニフェストは嘘だった!!(2) 実現性の乏しい机上プランだった
 遡って見れば、政権交代を実現した選挙に用いた民主党のマニフェストは、日本の将来を見据えたビジョンを公約として発表する姿勢というよりは、政権交代のための道具であったからではないだろうか。ここに民主党のマニフェストの根本問題が潜んでいると思う。

 実際に選挙を闘うに当たって民主党の各議員や新人候補はマニフェストの勉強をかなり強いられたと聞いている。要するにマニフェストは党内でじっくり練り上げらて作成されたものではなく、小沢、鳩山氏らが少人数で短期間に作り上げたものと見なすことが出来る。その作成過程では政権を取った後の実効性は二の次にして、財源の裏付けもないまま、自公の政策に対立的にあれもこれも並べ立てたもののように思える。要するに選挙対策用の文書だったということ。政権交代がなければ問題にもならない絵空事文として問題にもされなかったはずである。

 行き詰まった自公民の政策とは異なる視点からことさら目新しさを強調した。とはいえど、現に子ども手当や医療福祉の分野に関しても耳あたりの良い政策が並んでいる。民主党はかつてはこの分野に厳しい目を向けていたはずだが、それがほとんど表に出てきていない。民主党の年金関連の政策も根拠を欠くばらまきであった。誰でも最低7.7万円受給できる様な年金は成り立つはずがない。だから、関係者は始めから実現が危ぶまれる内容ととらえて冷えた目でことの成り行きを見守っていた。

 公約の見直しは政権を取って間もなくからやるべきだった。本当にここまでこなければ問題点を自ら表現できなかったのだろうか。世界で最大の借金財政にある我が国がばらまきを行って、収入増の方を考えないとどうなるのか、誰でも分かることである。それを未修正のまま進めようとしてきた。

 公約不履行をわびた民主党に対し野党は民主党は政権政党でい続けること自体が欺瞞だとか、鬼の首を取ったような反応を示している。もっと冷静に,国政を考えて欲しい。
 民主党はここまで表明したのだから見直しを急がねばならない。その際、今回は実現性を重視した具体的なものでなくてはならない。
 「菅おろし」に時間と力を使うより大切な宿題が民主党に新たに課せられた。前向きな論議を望む。


7/24(日)曇り後快晴 自宅自室の片付けなど
1:30起床、新聞チェック・文献検討等など。午前は孫の相手しながら久々自室、二階の書庫の片付けなど。孫は知恵ついて自己主張も旺盛。二階への階段中央付近から転げ落ちた。怪我無し。11:00孫・嫁盛岡に戻る。歴史勉強その他。夕食、 20:00就寝。病棟が落ち着いているとのことで今日は病院には行かず。

菅首相(28)マニフェストは嘘だった!!(1) 陳謝したことは良いが相手が違う
 菅首相は22日の参院予算委員会で、「マニフェストに掲げた政策は、財源などの見通しがやや甘く、不十分な点があった。国民の皆さんにおわび申し上げたい」と語った。民主党の岡田幹事長は自民党、公明党との幹事長会談の席上で「政策の必要性、実現見通しの両面で検討が不十分だった。率直におわびする」と、謝罪した。

 両人の発言の背景は、11年度予算の財源的裏付けとして必要な「特例公債法案」成立に自公両党の協力が欠くことができないことで、民主党が両党の主張を認めて国会運営に協力を求めるためである。その課程での発言である。

 民主党はマニフェストの一つの目玉政策であった子ども手当を、手取り年収1.000万円以上の世帯、中学生を対象に支給額を減らす案を自公に提示した。この動きに激しく反発したのが、鳩山前首相、松野衆院議員らで「謝罪発言」の撤回を強く求めた。ここで、もう登場して欲しくない鳩山氏がまた動いている。鳩山氏が首相の際にあれほど国民を愚弄したのに全く自覚がない。

 私は首相や岡田氏がやっと重要な議論の口火を切った、と評価する。その一方、やはり発言のプロセスが良くない。
 このような重要な発言の場合にこそ、菅首相が脱原発について「個人的な思い」と後で訂正した脱原発表明の記者会見のごとくに国民に向かって直接表明すべきであった。その理由は、選挙時のマニフェストは党が国民に提示した約束だからである。決して自公に対して行った約束ではない。

 政府・民主党は「税と社会保障の一体改革」として、消費税率10%への引き上げを決めている。選挙時のマニフェストに背くこの路線変更に、党内からも激しい反発が生まれ、民主党の混迷振りは党外のみの問題でなく、党内にも極まっている。

 政権交代から2年になる。選挙時のマニフェストが財源の背景を欠いた空言であったこと、無駄の根絶で16.8兆円を生み出すという公約が、いかに現実離れした皮算用であったか分かったはずである。だから、民主党は早急にマニフェストの見込み違いを検証して方針変更を図らなければればならなかったのだ。なのに、政策が立ち往生してから、自公を相手に謝るなど、いかにもまずいやり方だと思う。国民不在のキャッチボールをしているようなものである。


7/23(土)晴 回診 飯川病院 回診後帰宅
2:00起床、新聞・文献他。11:00孫来る。12:00病院、不調患者回診。12:45-17:00飯川病院日直。病院に戻り不調の患者対応。19:00車帰宅、20:30就眠。

ボーイング787機 ついに初飛来
 全日空は本年5月、新型機のB787型機が7月3日に羽田に初飛来すると発表していた。
 当日、朝6:00に予定通りシアトルから直行で飛来した。羽田空港は初飛来を一目見ようと多くの見学者が集まったという。B787型機は翌4日から8日にかけて、羽田から伊丹、関西、岡山、広島空港へのテストフライトと運航確認作業を行った。何れもの空港で見学者が多数集まったという。大変な人気である。

 B787の第一号機は全日空に納入されることになっている。 全日空は50機発注しており、9月以降まず国内線から就航させ、今年度中には欧州便、米国東海岸便に就航させるという。

 初飛来した機をTVニュースでみたが既に通常の全日空機の塗装に仕上げられていた。機の胴体は意外とズングリムックリした感じで、主翼が異様に長く感じられた。一対のエンジンもビヤ樽のごとく太く短い。B777の様なスマートさは感じられない。むしろB767に近い。何れは長胴型も開発されるだろうから少しは格好がよくなるだろう。エンジンの後方はのこぎり歯のごとくギザギザである。騒音と燃焼効率の結果からこうなったらしい。飛来した機は全日空に納入されるだろうが、全日空では1.2号機は787の数字をボディに強調した特別塗装をするというから、今回の機は3号機以降の機体かもしれない。

 B787は効率性、経済性の高さから全世界が注目し期待を集めていたが、開発の遅れからも注目されることになった。初飛行は2007年秋の予定であったが、2009年12月15日で約2.5年も遅れた。新素材を大胆に用いたことで手間取ったことと、従業員の長期ストが影響した。機体は半分に炭素繊維用い、強度と軽量化を達成した。そのため飛行中の機内の気圧は地上並に維持出来ると言う。燃料消費率も20%ほど改善しているとのことで、燃料高騰に悩む航空業界にとってB787の手頃なサイズと共にその意義は大きい。

 この機には三菱重工などの企業も複数参加し、全体の35%ほどが日本製ということである。すでに世界各国から830機超の受注を受けている。それだけ経営上燃費の良さが求められている。日本航空も35機発注しているから、現時点では世界のB787のうち10%を我が国の航空会社が発注していることになる。

 何れは秋田便としても用いられるようになるだろう。


7/22(金)晴 書類処理日 歯科治療
1:30起床、文献・新聞チェック他。6:00病棟より電話、6:35車病院着、患者死去。回診他、見送り。事務処理。退院院患者対応ほか書類記入中心に。16:00-16:55歯科医院に。17:30帰宅、21:00就眠。

日本の医療の現状と課題(1)「税と社会保障の一体改革」って消費税を上げること?  
いま「税と社会保障の一体改革」が論議されている。  6月末に「2010年代半ばまでに消費税を10%に引き上げる」という大きな政策判断が閣議決定された。私には「一体改革」=「増税論議」のように見えたが、実際には子育てや介護などの社会保障をどう充実させるのか、と言うことを中心に議論されたらしい。  負担増が論議されたのは最終段階のことで増税そのものに対する論議は少なく、増税方針をいかに曖昧に表現するのかが議論の中心だったという。  委員会や検討会の内容はいちいち外に報告はなくてもやむを得ないだろうが、私どもが知りたいのは我が国の社会保障の将来ビジョンの提示である。何をするにしても財源に問題があることは政権交代前のマニフェストをみた時点から明らかであり、目玉の仕分け作業で多額の余剰金が出るからそれを使うという方針も実際には捕らぬ狸の皮算用であった。  

にもかかわらず子供手当や高速道路の無料化など経費のかかることをばらまき的に進めてきた。  もう政府・与党の国民への約束自体は破綻している。にもかかわらず増税に対する方針変更に関しては曖昧なままである。一年前に菅首相が唐突に消費税問題を持ち出したが、私はやっと本音を出したかと思ったのであるが、国民の理解も得られず、選挙で大敗し民主党には迷惑な結果となった。私は菅首相の方針は正しかったと思うのだが、表明するための下準備、根回し等があまりにも少なかった。  正論なら何時、誰が、何処でいったとしても正しいのだということはできない。利害関係がが必ず伴うからである。  ところで、この一体改革の内容であるが、。私はこの「税と社会保障の一体改革」の中で医療問題はどのように扱われているのだろうか。なかなか見えてこないのが不満であり不安材料である。  

我が国の医療には課題が山積みである。それを政府・野党はどのようにとらえ、どのようにしようとしているのか、早急に示して欲しいものである。


7/21(木)快晴 患者家族面談 
1:30起床。文献,新聞、録音データなど処理。6:45自転車病院。7:30入院患者家族面談。8:45-14:20外来、16:00帰宅。歴史関連読書、20:00夕食、20:50就寝。

激辛の「ビーフカレーLEE 辛さX30倍」を45Xにして食べた
 先日の我が家の夕食はカレーであった。 私は辛いものが好きであるが、家内を始め家族はどちらかというと甘口が好みである。そのために私の分はより辛いタイプのを別に作ってくれる。

 今日のはいつもとは格が異なるほど辛いカレーを用意したという。賄いの石井さんが30倍とか45倍とか変なことを言っていた。これらのうち、どっちが良いのか?と聞いていたらしい。私は単純に辛い方が良いとを辛い方を作ってもらうことにした。そのときまでカレーの辛さに何Xとかの指標があることを知らなかった。
 出てきたカレールーはやや黒っぽい。私の場合はご飯の倍ほどカレールーを盛りつけてくるのだが、その日のはまるで外食のレストラン並みの盛り合わせで若干不満であった。

 確かにすごい辛さである。石井さんが私の表情を伺っている。確かに辛過ぎるが,食べられないほどではない。ルーが少なめで良かった,というよりはこれ以上の量だと口の中が熱くしびれてとても食べられなかっただろう。私にとって許容出来るギリギリの激辛であった。一緒に添えられて来た自家製きうり中心のサラダを口直しにバリバリと食べ,冷茶をガブガブ飲んだが、素材本来の味がほとんどしなかった。
 食後もしばらくは口が痛かったし,胃の辺りが熱く感じられた。翌日まで何となく全身に熱感があった。胃が空になった時点で内視鏡をすれば粘膜面に拡張した毛細血管が浮き出て見えたかも知れない。

 きいてみるとこれは「ビーフカレーLEE 辛さX30倍」というグリコ社製の季節限定品のカレーで、基本は30倍だがこれに15倍の辛さの添加用の小袋をが付いており、合わせると45倍の激辛カレーになるのだそうだ。
 本品のカレーソースには高温で深煎りした焙煎唐辛子と焙煎黒胡椒をダブルでブレンドし、これだけでも汗がにじみ出る辛さ,と評されているらしい。それにアマゾンの激辛唐辛子 “ピメンタ・デ・シェイロ” から取ったエキスを15倍用に添附したという。グリコはこの製品を毎年改良して夏期限定品として発売している。2011年版は5月1日に発売となっている。簡単には入手できないらしい。

 家族達は私がやせ我慢して食べたのだろうと訝ったが,そうではない.確かに辛かったが楽しんで食べた。あまりしつこく言うので一昨日2回目を味わった。「あと3回分買い置きしてありますからね」と言い残して賄いの石井さんは夏期の長期休暇で北海道へ発っていった。まだ疑っているのが見え見えの口調であった。
 私は何とかギリギリ楽しめているが,正直言ってよほど辛さ好きな方以外はお勧めできない。あえて挑戦するなら別ですが・・・。


7/20(水)快晴 外来
2:00起床。新聞・文献チェック、歴史関連書籍他。6:45自転車病院.7:15回診、病棟業務。8:45-14:20外来。16:00自転車帰宅。歴史勉強、20:00夕食、20:40就眠。

年金(3)年金は最も信頼できる制度なのだと思う
 国民年金の保険料納付は納付対象者は義務ではあるが、自分で納付の手続きをしなければならない。このために納付しない人、納付できない人、無関心無知で手続きをあえてしない人が生じることになる。

 月15.020円は収入が少ない方々にとって決して安い額とは言えない。生活苦で年金どころではない方々も大勢いると思われる。このような方々には保険料の減免制度があるから、これを利用すればいい。実際に納付が全額免除されている方は、国民年金加入者の2割近い350万人もいる、と言う。この方々への国の補助分は納入されているから、それに見合う額の年金を受け取る権利は維持されることになる。

 恐らく、国民年金加入者のうち60%程度を占める未納者の方々は、経済的に困難な方々と年金制度に対する知識不足や誤解があるためにせっかくの権利をむざむざ放棄している方々ではないだろうか。どちらも年金そのものを十分ご存じない状態で自己判断しているのではないだろうか。私もつい2ヶ月ほど前まではその通りであった。

 新たに発足した年金機構は前の社会保険庁がおかした間違いや不備を正すだけでなく、年金制度の維持のために、そっぽを向いた国民に年金の正しい仕組みを周知させる努力も必要である。
 国の財政状態は悪い。だから、年金の将来は危うい。今苦労して掛け金を納めても将来どうなるかわからないではないか、と言う意見は時折聞かれる。だから、公的年金よりは個人年金の方が割が良い、とか、最後は生活保護という手がある、どんなときでも働くから良いではないか、等とも言われる。確かにそれも一考だろうが、国が国民に年金を支給出来なくなるような事態の中では個人年金は存続できるはずはないだろうし、生活保護は認定基準が大幅に厳しくなることは必定である。働き口は、今だって厳しいではないか。

 これからも年金制度は改訂されるであろう。支給比率は低くなる可能性がある。確かに不透明な点はあるが、国が存続する限り加入者は平等に扱われ支給されるるハズである。
 にわか勉強であるが、私が到達した、現時点での結論である。


7/19(火)晴れ 外来 
1:30 起床,総括、その他。6:50自転車病院着、回診。8:45-14:20外来。16:00自転車帰宅、19:30夕食、21:30就眠。

年金(2)国民年金納付率が毎年低下!! 何と59.3%と言う
 遅ればせながら私は年金等の勉強を始めた。いろいろ読み始めると新聞とか年金問題が目に飛び込んでくる。税金や社会保障制度について知っておくことは自分のためにとても重要であることを私も今になってやっと気づき始めた。

 厚労省は今月13日、2010年度の国民年金保険料の納付率が59.3%で、前年度よりも下回り過去最低を記録したと発表した。2年続けて60%を下回り、5年連続で納付率が低下し続けているという。
 自営業やフリーターなど会社に入らずに働いている人、無職の人は国民年金に加入することになっている。年金は制度上は強制加入の制度である。国民年金の保険料は今年度で月額15.020円で、収入の少ない人には結構つらい額と思われる。

 保険料を2年以上払っていないと「未納者」となる。これと制度未加入者を合わせると約330万人で、公的年金の加入対象者の約5%にあたる。この状況では将来、年金が無い人、低額の年金受給者が増えて行くことになり得る。この状況は健全な年金制度の維持にも、社会の安全性にとっても、かつ、個々人にとっても大きなマイナスになり得る。
 国民年金は半額国が補助している。国が、と言うか国民が税金で補助しているから、将来の給付額に比して徴収額が少ない、割の良い制度となっている。だから、対象者全員が年金を受け取る権利を確保しておくことは意義のあることということになる。そのためには納付の義務に応じなければならない。

 この年金の国庫負担分は消費税を含む税金が財源である。だから、年金を貰っていない人は年金受給者に自分のお金を払うことになり、支給の権利を放棄するほかに他人の年金のために出資すると言う、実に勿体ない状況に陥ることになる。
 会社勤め、あるいは公務員であれば収入の15-16%を強制的に天引きされる。だから天引き額等に不満はあっても何れは自分に戻ってくる。私は恥ずかしながら年金について具体的なことは何も知らなかったが、制度のおかげで自動的に給付を受けることが出来るようになっていた。


7/19(月)海の日 快晴 なでしこW杯優勝 MacMini入手
2:00 起床、新聞チェック。歴史本など。5:15頃よりTVにて女子サッカー観戦。驚いた。13:00長女離秋、病院、重症者回診、病棟関連業務。16:00帰宅。MacMini再構築奮闘。文献チェック他。19:30夕食。20:30就眠。

なでしこW杯優勝  初めて実況中継を見た 感動した  
サッカーの女子ワールドカップ(W杯)決勝で、「なでしこジャパン」が劣勢を盛り返しPK戦で米国を下し優勝した。  

私はこの時間、いつもの如くラジオ深夜便を聴きつつ歴史関連の本を読んでいたが,時々試合のニュースが入ってきた。0-1となった時点では、決勝までは来たものの現実はやはり厳しいか,と思った。次いで1-1となり延長戦となり、この時点でTV実況中継に切り替えてじっくりと観戦した。  
前半再び1-2とリードされ後半に入ったが、米国チームはこの時点で責めが消極的になり,時間稼ぎと思われる緩慢なパスワークを繰り返している様に思われた。リードしている米国側も疲れているだろうから一つの戦略だろう。しかし、この状況なら同点のチャンスはあり得るのではないか、と祈るような気持ちで見ていた。時間切れ間近のコーナーキックを受け継いだキャプテンのゴールが一瞬にして決まった。最高の舞台でゴールを見事に決めたのはすごい。  

PK戦でゴールキーパーも素晴らしいブロックを見せた。第一球を横跳びの姿勢のまま足でブロックしたシーンは何と表現して良いのか、言葉が出ない。結果的に3-1で米国を制して優勝した。驚く様な試合展開で,私は感動した。  実は,私はサッカーがそれほど好きでない。子どもの時は遊びで若干はやったが、実際に正式な試合を観戦したこともない。W杯では世界中が何でこれだけフィーバーするのか理解出来なかったし,TV中継を見たこともなかった。せいぜいニュース番組だけであった。  

女子サッカーにもW杯があることも今回初めて知った。本日は延長戦からであったがその後の推移をじっくり観た。初めての経験である。試合時間が90分で、30分の延長があり,PK戦は2点差で決定・・と言うこともこの中継の解説を聞き初めて知った。  私が驚いたことは、日本の選手達は厳しい局面でも終始笑顔を絶やさなかったことであった。PK戦でも同じであった。笑顔と共に冷静にプレーした選手たちはすごい。何が彼女らをここまで頑張らせたのであろうか。積みに積んだチームワークがもたらした自信だったのではないだろうか。  表彰式の演出も良かったが,選手達の歓喜の表情も素晴らしかった。  
「なでしこジャパン」の活躍は単に女子サッカーW杯の優勝という枠を越え、日本全体の士気を高めた、と捉えたい。私も良い一瞬に立ち会ったという満足感を味わった。  

もう一つの驚きは、7:00のNHK-TVニュースの扱いである。トップから他のことは一切取り上げず延々30数分、「なでしこジャパン」の優勝を伝えた。とてもニュース番組と思えないドキュメンタリー調である。  大型の台風が接近しつつあり、一方福島県では食肉の放射能汚染が重大な局面を迎えつつある時に、如何に素晴らしい活躍であったとしてもこの扱いには疑問を覚えた。トップニュースとして扱うのは当然だとしても、ニュースでは淡々と事実を伝えればいいのだ。NHKのニュースや番組の構成は,私からみて納得し難いのが少なくない。


7/18(日)快晴 秋田室内合奏団演奏会
2:00 起床、新聞、文献チェック。6:00-7:30家庭菜園草取り。これで腰を痛めたらしい。15:00アトリオンホールへ、秋田室内合奏団演奏会。中座し16:00病院、回診他、18:00自転車にて帰宅したが腰痛にてダウン。家族は外食、私は残って軽食。20:00就眠。

秋田室内合奏団演奏会 ベートーヴェンVn協奏曲他
7月17日(日)秋田市アトリオンホールで第35回秋田室内合奏団定期演奏会があり、招待券を戴いたので聴きに出かけた。 ? 今回は独奏と指揮はE・ダーネル氏でベートーヴェンVn協奏曲と交響曲第二番が予定されていた。  

第一曲として、プログラムには無かったが、東日本大震災の犠牲者を悼んでエルガー作曲だったと思うが弦楽合奏曲「悲歌」が演奏された。演奏に入る前に演奏前後に拍手はなさいませんように、との案内があった。  

秋田室内合奏団はほぼ毎回楽しんでいる。アトリオン室内オケが活動を休止した現在、秋田青少年オケと共に最も親しみ深い合奏団である。第25回定期演奏会からスロヴァキア室内オケの指揮者であるE・ダーネル氏を指揮者・ソリストとして招聘しているから、私もこれまでにこの組み合わせの演奏会を何度も聞いている。  ベートーヴェンVn協奏曲は数ある協奏曲の中で、私にはもっとも親しみやすく大好きな曲の一つである。  

今回、ダーネル氏は指揮と独奏を兼ねて演奏した。オケ部分の音はアトリオンホールに豊かに共鳴し、厚みのあるハーモニーとなって響いた。ソロパートは繊細な美しい音色で、スタジオ録音CDのとかレコードとかでは聴くことが出来ない自由な表現が随所にみられた。ただ、私の感覚からいえばバックの音が総じて高すぎた様な気がする。それと、編成が小さいバックではあったが果たして独奏と指揮を兼ねることがいい結果をもたらすとは言えないような気がする。バックの音量が大きいのもこれと関連があるのではないかと思われる。  とはいえ、そう滅多に演奏会で聴ける曲ではない。そういう意味では私は十分に堪能した。  

協奏曲終了で休憩に入ったが、私は交響曲第二番を聴かずに中座し病院に向かった。昨年の定期演奏会でもそうであったが、私にとって終始音が大き過ぎると感じられる演奏は楽しみを越えてストレス因となる。次の曲は恐らく豊かな音量で演奏されるであろうと予想したからである。  

演奏と直接関係ないが、気になることが一つあった。  秋田さきがけ新聞の文化欄の記事である。数日前の文化欄に本日の演奏会の紹介が載っていた。そのときに「ダーネル来秋、演奏」といった見出しがあり、文中数回出てくるダーネル氏の名前はすべて敬称無しであった。私はこれを読んで違和感を持った。せめて「氏」をつけて欲しいと思った。他の講演会や催し等の記事は「さん」あるいは「氏」付けで掲載されている。一貫性がないではないか。記事記名記事であったので機会があったら記者に真意を聞いてみたいと考えている。


7/16(土)快晴 友の会楢山支部総会健康講話 
1:15起床、新聞文献チェック他いつもの如し。8:00自転車病院着.回診他。10:00-11:45中通病院友の会楢山支部総会健康講話。入院患者面談。12:00自転車帰宅。歴史本読書、秋月りす作品検討ほか。19:30夕食。20;30就眠。

東日本大震災(25)昨年の今頃は口蹄疫感染 今年は放射能汚染牛問題
 昨年の今頃は、宮崎県で28万頭以上の家畜を処理して口蹄疫が終焉したが、民間の種牛の扱いをめぐって県と農水省と対立していた。東国原知事は特例で種牛の延命の方針を取ったが、最終的には国に拒否され解決した。この間、知事の方針が揺らぎ、ことを複雑化した。 口蹄疫の問題はもうずっと前のことのように思えるが、まだ一年余でしかない。私はこの大量に命を失った牛や豚のことを思うと牛肉、豚肉とはいえない。

 今度は放射能汚染牛の問題である。先日、福島の緊急時避難準備区域内の農家の牛からセシウムが見つかり、放射能に汚染された稲わらが原因であったことが判明した。遠く離れた福島県浅川町から出荷され、東京都や山形県に流通した牛さんの肉からも国の基準を超えるセシウムが見つかった。次々と汚染牛が見つかり100頭ほどが出荷されたとされている。その一部は秋田県内にも流通している。

 飼料としての稲わらの扱いについて畜産農家に対する情報が無かったらしく、関連した農家では大変困惑しているようだ。原発から遠く離れていることから出荷時の検査対象でなかった牛から検出されたことで、福島県が農家に対して、牛の出荷の自粛を要請した。放射能汚染は「想定外」の区域まで広がっている。

 これからも、この様な事態は別な食品でも次々と生じていく可能性がある。生産者と消費者をまもるために従来からの知識にとどまらない、柔軟な想定で対策を練らなければならない。その基本は検査態勢の充実、効率よいサンプリング検査だろう。

 救いは,今回汚染が分かったからこそ、次の対策が打てる様になったと言うこと、食べたとしても今のところ実害が生じる可能性は殆ど無いことであろう。実際に対策が始まっているようである。食料、水の汚染状態については国の主導で可能な限りの手を打ってほしい。

 一方、国は6月28日、一般廃棄物焼却施設の焼却灰中の放射性セシウムを測定するよう関係自治体に依頼、8千ベクレル/Kgを超える灰は一時保管するよう通知している。 しかし、数日前に国の基準値を上回る放射性セシウムを含むごみ焼却灰が千葉県から県内に運び込まれていた。汚染灰である可能性については通達のごとく発生源の方でチェックすべきだし、その情報が受け入れ先にもたらされなければならない。3.11後、県内に運び込まれた焼却灰は2万tもあるらしい。イメージもわかないほどの大変なスケールで驚くが、3県のがれきの量は2千万t以上だというから、これまた気が遠くなる量である。東日本大震災に関連したゴミやがれき処理もずいぶん広域で行われているものだ、と思う。


7/15(金)晴時々雨 書類処理 歯治療
2:00起床。文献読みなど。7:00車病院着。回診、事務処理終日。文献整理、廃棄。 16:00-17:00歯治療。歴史本読み、19:30夕食、20:30就眠。

大関魁皇 なでしこジャパンの快挙
 大関魁皇(38)が7月14日に、元横綱千代の富士の記録を抜いて通算勝ち星1046勝の新記録を達成した。富士よりも高い金字塔である。初日から三連敗したところで大丈夫かと心配したのであるが,その後勝利を重ねている。

 魁皇関は1988年が初土俵で貴花兄弟、曙達と同じという。彼らと同じだったと聞き驚いてしまった。世代が違うのではないかと思っていた。大関在位も史上一位の65場所というからすごい。私は詳しくはないが、大関として横綱候補に挙がったことは無かったのではなかろうか。

 38歳と言えば体力・気力が落ちて来る年齢である。にもかかわらず大関の地位を守り続けていると言うことは大変なことと思う。健康に恵まれ、更に、稽古・精進もし続けているからだろう。それでも最近は故障続きで満身創痍らしい。

 魁皇は派手な活躍をしなかったから、むしろ長持ちしたといえよう。元横綱千代の富士、貴花の場合はまだまだ続けられたであろうが、横綱としての安定感を欠き始めたので自ら線引きをせざるを得なかった。幸い、魁皇の場合はそんなプレッシャーはない。体調からいつまで土俵に上がれるかわからない。今場所だけかもしれないが、しばらく注目していきたいと思う。

 昨年の今頃もサッカーの話題で盛り上がっていた。今年は女子ワールドカップで、なでしこジャパンがドイツ、スウェーデンを破り、決勝に勝ち進んだ。たまたま実況中継の時間には私はラジオを聴いている時間帯で、その勝利の瞬間のニュースを聞くこと出来た。

 女子の代表チームが初めて編成されたのは1981年で、これまでの最高成績は、08年の北京五輪の4位だったという。女子サッカーの人気は世界的に高まっているとのことであるが、今回のなでしこジャパンの活躍で私は初めて女子サッカーの存在を知ったようなものである。4位が最高位でありながら世界ランキングも4位だと言うからかなりこつこつと地道な成績は残してきたのであろう。次は米国との決勝戦である。厳しいだろうが是非とも頂点を極めてもらいたいと思う。


7/14(木)晴れ 外来
2:30起床。新聞チェックし文献、歴史書を読む。6:50自転車病院着、7:10回診ほか、8:40-14:10被爆者検診+外来。16:00帰宅。医学文献整理、19:45夕食、20:30就眠。

MDウオークマンの生産を中止(2)不要になったMDメディアを差し上げます
 2008年秋に私は録再系をMP3方式にした。

 またもやMDとMP-3の著しい機能差に気づいたからである。私が購入したMP3録音機は2種で、一つは100時間以上、もう一つが1200時間録音可能である。加えて音質も良い。利便性を高めるためにMDの録音データは半年ほどかけてほぼMP3化した。

 時代の進歩に伴い種々の機器が機能が充実していく。特に記憶装置の発展はめざましい。しかし、一つの方式には自ずから限界があり、そこに達した際には別方式が台頭し、やがて旧方式は駆逐されていく。
 オーディオもしかりであるが、私は超保守的で、まだ、LPレコードにこだわって聴いている。CDはあまり取り出すことはない。レコードは30-40年前に購入したもの、オーディオ機器も30年ほど使い込んだもので、アンプは古い真空管である。それでもあまり問題を感じていない。まだまだ大事に使い続けたいと思っている。

 保守的な私でも上記の如くに次々と新方式に替わり機能が充実していくのは驚きでありよろこびでもあるが、とても寂しい。
 ただ、私はもうカセットやMDに戻ることはない。私の残り時間を考えると蓄積したデータは余るほどあるから今のMP-3化が最後だろうと思っている。カセットはほぼ処分したがMDメディアはまだ廃棄していない。

 不要になったMDメディアはもし利用していただける方がおられるなら差し上げたい。
 とりあえずラジオ深夜便午前1時からと4時からの「こころの時代」「明日への言葉」を3年間録音した約200枚であるが、深夜便愛好の方には録音を消去せず、録音目録もつけて差し上げようと思う。FM放送から録音してるので音質は良い。ただし、4倍速なのでMDLP規格のプレイヤーでなければ再生できない。
 興味ある方はご連絡いただきたい。


7/13(水)快晴 外来 患者家族面談 
2:00 起床。文献・新聞チェックなど。7:00自転車病院着。回診、8:45-14:00外来。16:00帰宅、歴史本中心に取り組む.自宅のマックG4不調。19:30夕食。 20:20就眠。

MDウオークマンの生産を中止(1) ちょっと寂しいが、時代の流れだ
 ソニーの MD(ミニディスク)ウオークマンが今年の9月に出荷終了となる。昨年3月にはカセットウオークマンが出荷終了となったばかりなのに早い。小型の音楽プレーヤーがメモリータイプになり、MD型の需要が無くなったという。
 確かに、実際に使ってみてカセットもMDもメモリータイプの録再機器の機能には太刀打ち出来ない。私はMDをラジオ深夜便の録音に随分利用したので、ちょっと寂しく感じた。

 もっとも、カセットもMDもラジカセ、コンポや据え置き型の機器としては、現ユーザーがこの世から消えていくまでは細々と用いられるだろう。大体、両者のユーザー、特にカセットのユーザーは年寄りが多くて、もう次のに乗り換えられない。
 私は講演会等は録音を録りながら聞く。1970-80年代は弁当箱よりもやや大型のカセットデンスケを用いたが、世はホントにMD時代となった。高校進学した次男がMDウオークマンを欲しがったから、1979年頃からだった。

 私自身は2003年6月に小型のMD録再器を購入した。MDとカセットの機能差は歴然としていることに遅まきながら気づいたからである。録音時間だけ見てもカセットは最大120分、MDはカセットよりはるかに薄く小さいが320分可能であった。加えて音質も頭出しを含む操作性もとても良かった。
 私が購入した時にこども達は「保守的なわが家の父が購入したと言うことは、もうMDも終わりだろう」と言っていたが、確かに、その2-3年後にはAppleのiPod等の内蔵メモリー型の音楽プレーヤーが急速に普及した。娘、息子から使わなくなったMDウオークマンが3台私に届けられ、私は一気にMD機器に囲まれた。

 私は5年間以上講演会、ラジオ深夜便をMDに録りため、メディアは300枚近くになった。いま、このメディアをどなたかに差し上げようと思っている。


7/12(火)晴 患者家族面談 外来 
1:00 起床。文献など読む.7:00自転車病院、回診。 患者家族面談。8:45-13:30午前外来。16:00自転車帰宅、暑い。日本の歴史と年金関連文献。20:00夕食、45倍カレーなるものを食す、全身が熱る感じ。22:45就眠。

東日本大震災(24)4ヶ月経過 死亡15.550人、不明者5.344人、避難99.200人
 東日本大震災発生から120日経過した。
 内閣府によると全国の避難者数は99.200人で2週間前に比べて数値上では13.000人ほど減少している。しかしながら24.000人が公民館や体育館で不便な生活を強いられているし、旅館やホテルで過ごしている人達は2.5000人ほどだという。被災地の方々は少しずつ状況が良くなるにつれて,被災者はむしろ徐々につらさが増してきている,のではないかと思う。
 がれきの処理も遅遅としていて東北3県の約2.200万トンのうち仮の置き場に移動させたのが700万トン程度となっている。がれき処理は岩手が最も進み47%、宮城は絶対数が多いから29%、放射能汚染で福島では遅れており23%にとどまっている。秋田にもがれきの一部が運ばれ始めているようだ。
 復興は遅遅としており、原発も現状がどうなっているのか、この先どうなるのかサッパリ分からない。政治は震災そっちのけでまだ党利党略に走って混迷している。

 福島第1原発事故の処理は今はどうなっているのか? 土壌汚染は、学校生活、農業、水産業に大きな影響を与えている。現在も放射能物質をまき散らしているのだろうか。よく分からない。

 最近一ヶ月間の原発関連の新聞記事を並べてみてもいろんなことがあった。浜岡原発を停止にしたかと思ったら,他の原発には再稼働の許可を与え、そうと思ったら更にストレステストを行ってからにする、などと政府は迷走している。工程表では福島原発の冷却停止は来年1月を目処にしているが、メルトダウンした原子炉の中の燃料の取り出しは10年後の2021年からで、廃炉化には数十年もかかることが報告された。これは故障した場合だろうが,使用を終えた原子炉の廃炉にはどれだけの時間が必要なものだろうか。事故にあった際の廃炉には10年以上模様するなどということは原発周辺の住民に知らされていたのだろうか。

 遅まきながら復興基本法案が成立したが、任命された松本復興相は僅か8日間の在任で辞任した。陳腐なやりとりが交わされた。今回の大震災では国民は一流、官僚は二流、政治家は三流と評されているが、私は五流くらいにする方が良いと評価しているたが、その通りと言うべき事態であった。僅かなサンプルで全体を論じられないが、政治家の質はここまで落ちたのかというのが感想である。政権交代後の日本の政治の混迷はねじれもあるだろうが、政治家の質の低下に由来している。

 九州電力の玄海原発再稼働に関する意見交換会におけるニセメール事件にも呆れるばかりである。こんな下らんことが関与した何10人、あるいは100人程度の職員の誰からもおかしいと言われず、反対もされず,上位下達で行われてたことなど信じられない事態である。原発は建屋などをもっともっと丈夫にする必要があるのだろうが、電力会社はハード的に丈夫にせずに、ウソで塗り固めてきた実態が示されたような気がする。

 私も嘱託医生活に入った。何度も表明してきた様に退職後はボランティア活動をしたいと思っており、先月から開始した。その方法は岩手県に復興資金を送り続けること、ふるさと納税を行うことである。小さい参加であるが長く続けるつもりである。


7/11(月)快晴 34℃     
1:30起床。文献処理。新聞チェック。7:00自転車病院、重症者回診、入院患者対応と書類処理、16:00熱暑の中自転車帰宅、歴史と年金関連。20:00夕食、20:45就眠。

自転車(20)ランナーをよけ損ねて転倒 不注意を反省
7月11日6:30頃、出勤時に秋田市木内デパート脇の交差点を路地から出て横切ろうとしたが、歩道にさしかかったときに直進の信号が黄になった。幹線側の道路には車は全然来ていないしまだ横断には大丈夫だろうと交差点に入ったところ、右側からジョッギングの中年の男性が迫ってきた。左右を確かめたときに目に入ってこなかった。突然目の前に現れた,という感じであった。

 前後のブレーキを強烈にかけて停止したが、その時に男性と軽く接触した。その接触自体は軽く,双方とも実害がなかったのであるが、私の方は後輪が10cmほどだろうか、浮き上がりバランスを崩して、そのまま左側に転倒した。スピードゼロでそれほど衝撃はなかったが倒れた際左大腿骨付近を中等度打撲し,左足首あたりが自転車の下敷きとなった。男性の助けを借りて自転車を起こし立ち上がったが軽く痛みがあるだけで大丈夫そうであった。男性の方は全く無傷らしく2,3言葉を交わし,何事もなかったように走り去った。

 私もそのまま病院に着いたが左足が痛い。靴下を脱いでみたところ2カ所ほど表皮剥離があり出血していた。大腿部付近の傷みは徐々にひどくなって歩く度に痛みが走る様になり階段の昇降が多少辛かったが,夕方にいたって痛みは軽減した。

 私の自転車はマウンテンバイクに分類される格好している。更に折りたたみだから前後が短くできている。前輪のフォークは棒状でカーブしていないし,角度も通常のママチャリに比較して直立している。更に前後に衝撃吸収スプリングが付いている。それをサドルを最も高くし、ハンドルを下げた状態にして用いていたから重心が前よりになっている。ブレーキをかけた時に後輪が浮くことは通常から気付いていて危ないなと思ってていたが、今朝は急ブレーキをかけざるを得ず,その通りになったと言うこと。

 今まで用いていた自転車はいくら急ブレーキをかけても後輪が浮くということなどはなかったから,つい油断してしまった。
 交差点に入るときは身を守るために信号に注意し,更に車と歩行者には注意するのであるが、横から来る動きの速いランナーは目に入り難いようである。私は出来るだけ歩道を走らない。歩道は歩行者優先だからである。左側の車道を走るなど安全とルールは守っているつもりであるが,落とし穴があったということ。出来事は本当に一瞬であった。今後一層注意が必要であることを自覚した。?


7/10(日)曇り・晴れ 家庭菜園
1:30起床。新聞チェック、本読み、文献整理。11:00-12:00畠草むしりほか。16:00病院、回診。18:30帰宅。20:30夕食、21:30就眠。

年金(1)支給額が低い!! 遅ればせながら年金等の勉強を始めた
 はっきり言って年金は関心がなかった。よく知らなかった。

 私は地方公務員と国家公務員として10年の勤務歴があり、その後は同じ医療法人に25年以上勤務した。細かい動きはない。だから、制度の中で粛々と処理されているはず、と思って自らは殆ど動いたことはない。家内は退職後いろいろ動いて自分の年金を確立した。それを端で見ていて大変複雑だな、と言う感想は持っていたが、さりとて自分では全く動いていなかった。

 今回、退職したことで法人の人事課職員と種々の打ち合わせを行ったが,私の年金の提示額を前にして説明を受けた。実はこの時初めて自分の年金の状況を知ったのであるが、イメージとして予想していた額に比較してとても少なく,ガックリきた。年金のことで初めて抱いた正直な印象であった。人事課のスタッフの意見では私の過去の手続きは全て含まれており、遺漏はなさそうだと言うし、私の年金額は自分たちの感覚からは少ないとは言えない、と言うコメントであった。従って現時点では納得しなければならない。

 嘱託医として働いているので、まだ受け取っていないが、先々生きていれば年金は大事な収入源になるだろうから印象で金額を論じてはいられない・・、と言うことで数日前から年金について資料を集めて勉強を始めた。

 政府・与党は先月末「税と社会保障の一体改革」で年金を含む社会保障を維持するために「2010年代半ばまでに」消費税を10%に引き上げると決めた。やっとそこまで明言したか、と思った。今後更に議論を重ねて情報を提示して欲しい。これまでの様な及び腰で負担増や給付削減の論議を避けた姿勢では国民はどうしても甘い方の姿勢に期待を寄せる。

 年金も課題は多い。年金を「最低保障機能の強化」として総所得が高い人の年金を減らし総所得の低い人の年金に加算するらしい。厳しい財政事情の中で考えられる一案であろうが、年金は積み立て方式だから負担実績額と給付額とが大体連動していなければおかしいことになる。 第一、はたして年金を「最低保障機能」ととらえるべきなのだろうか?生活保護との関係はどうなっているのだろうか?などと疑問は尽きない。
 まあ、私はまだ何も知らないに等しいから、特にコメントできない。これから、である。


7/9(土)晴れ 飯川病院日直?
2:00起床、各種データチェック、。10:45車病院着、回診、12:30-17:00飯川病院日直、読書他。17:00書店経由で帰宅、歴史探訪.19:30夕食21;40就眠。?

嘱託医生活(8)近隣の病院の日直を初めて担当

 私が嘱託医として勤務している中通総合病院の近く,歩いて5分程度の所に40床の療養病床を持つ飯川病院がある。
 この病院は私共の病院と関連が深く、医師を始めとして看護師等の人的交流も行われ,患者に関しての連携も深い。創設者である飯川先生は循環器病学の権威で,秋田県の循環器病学を牽引なさったかたである。飯川先生とは医師会活動等を通じて親しくして戴き、いろいろご指導も戴いた。ご高齢のため昨年春に東京に移られ,今は名誉院長である。

 何時からかは分からないが、飯川病院の当直、土日祭日の日当直は中通総合病院の医師が担っている。
 私は昨日までは前を通ることはあっても病院に伺う機会は一度もなかった。今回、医局のマンパワーの充足のために初めて飯川病院の日直を担当することになり、昨日午後に医局や当直室の様子を見せて戴くために初めて訪問した。掃除が行き届き、とても清潔な病院,と言うのが第一印象であった。医局も整然と整理されていた。

 本日、午前に中通総合病院の担当患者を回診した後、12:30から飯川病院の日直に付いた。時間を有効に使いたいと考え、キャスター付きの旅行用バッグにパソコン、CRT、キーボード等一式、その他にラジオ、書籍を数冊つめて出かけた。
 昼食の検食も業務の一つなので到着後直ぐに給食に電話して届けていただいたが、主食は十分熱く,冷たい副食は十分に冷やされメリハリがはっきりした食事で,美味であった。食器を降ろしに行ったところ、厨房の脇のデイルームで看護のスタッフが数名昼食を摂っていたが、いずれも中通総合病院で共に働いた方々であった。

 患者は落ち着いているらしく、日直医としての出番はなく17:00過ぎまでため込んだ文献や音声データの整理、歴史関連書籍、年金関連の書籍を読みながら静かに過ごし得た。

 中通総合病院に勤務中にはリハビリテーション病院の日当直を月に1、2回担当してきたが、院長は担当できない。だから、日直は5年振りほどと久しぶりである。法人外の病院での日当直は実に27年振りである。

 医師不足は相変わらずで中通総合病院も例外ではない。嘱託となった時点でマンパワーのやりくりが付かない時などには可能な範囲で応援する、と表明していたが,早速本日これが回ってきたということ。これからも時折回ってくるかもしれない。


7/9(金)雨 患者家族面談 病院見学 歯科治療
2:20起床、文献検索、新聞チェック他.7:00車病院着。回診、紹介状その他。入院患者対応、家族面談。主治医意見書、13:30飯川病院日直打ち合わせに。患者関連書類処理。16:00歯科治療、17:00帰宅。歴史探訪。19:30夕食、20:30就眠。

節電対策(3)電力の使用状況をTVにリアルタイムに提示しては??
 政府の電力使用制限令によって 7月1日から9月9日まで東北電力管内で電力使用制限が始まっている。
 東京電力管内で10%、東北電力管内で7%供給量が不足し、大停電が生じる可能性があるからだと説明されている。制限は平日の9:00-20:00の間が対象だから、製造業等では平日を休みにし土日に操業するところが出てきており、保育関連にも影響が出ている。
 ただ、東北電力菅内では節電対象の大口企業、非対象の小規模事業所、家庭の消費量が各々30%ほどだから電力使用制限令だけでは不十分で,特に家庭での協力が重要である。

 1974年の石油危機の時にも電力使用制限令が出たが、この時は石油消費を抑制する目的だったから時間制限はなかった。今回は消費ピーク時に供給量を超さない様にするのが目的で、過去とは異なっている。そうは言えども使用総量抑制は必要である。

 わが家の家電も結構消費電力が多かった。総消費量を抑えつつ電力需要が高まる14:00頃の使用を避ければいい。食洗機、炊飯器はもともと夜間から早朝に用いている。状況によっては掃除、洗濯の時間を変える工夫もしなければならないだろう。

 家庭での消費抑制の協力を得るのであれば,単に節電節電と呼びかけるよりも誰にも分かる指標を提示することが必要である。
 YahooのHPの表紙には一時間毎の電力使用量が提示されている。興味を持って時々見ているが、早朝は60-65%程度、日中は90%超を示している。どれほどの信憑性があるのか分からないが、そう出鱈目ではなかろう。
 ただ、HP上への掲載では家庭での節電のためには殆ど役立たないだろう。TVが良いのではないか。これから盛夏に向けて電力需要が高まる時期を迎えることになるし、今の原発の状況から見て休止中の原発の再稼働は困難になりつつあり電力供給量は一層減少するだろう。

 消費電力と最大供給量の情報をリアルタイムにTV画面に小さく表示し,危険域に近づいたら大きく表示される様にするなどして各家庭の電力消費の抑制協力を得てはどうだろうか。
 ただ、放送局の協力はなかなか得られ難いだろう。消費電力がピークを迎えつつあると表示した途端にTVのスイッチを切られる可能性があるからである。半分冗談であるが、何らかの方法でこの様な情報も提供して欲しいものである。


7/7(木)晴れのち雨 七夕 暑い 外来大混雑  
2:00起床、文献チェックほか、7:05自転車病院。回診他病棟業務、8:45-14:45外来、体調不良で疲弊。書類処理。16:20帰宅。歴史の勉強、19:30夕食、20:50就寝。

東日本大震災(27)エリートパニックについて
 一般的に、大災害時に大衆の方がパニックを起こしやすいとされているが、実際には「エリートこそがパニックを起こしやすい」。これを「エリートパニック」と言う。この言葉を最近時々目にする様になった。

 この概念はレベッカ・ソルニット著「災害ユートピア」という書籍で紹介されたというが、「大災害時にエリート達は民衆がパニック状態に陥って収拾不能のひどい状態になると考え、その恐怖で自分たちがパニックを起こして混乱してしまう」ことを示している。確かにこの考え方は理解可能な様な気がする。

 大災害時に民衆がパニック状態に陥らないことはスリーマイル原発事故を始めとして否定されている事実だという。確かに今回の大震災で被災者達はパニック状態に陥っていないし、フクシマの原発事故でも住民の対応は整然としていてパニック状態になったと言うことは聞かない。むしろ、東電、保安院、政府の方が混乱していた。

 「エリートパニック」の背景を考えてみれば、第一に自分たちが安全な位置にいると言う安堵感、第二に民衆と自分たちは異なるのだというエリート意識、第三には民衆・大衆を信じていないこと、第四に民衆・大衆を軽視して十分な情報を与えていないことに由来する、と私は思う。

 多分、自らが「エリートパニック」に陥っていながら、住民が混乱を来さないようにと配慮して、情報を隠蔽して人々を危険にさらしたり、ウソにウソを重ねて説明してきたからでないだろうか。巨大な組織が大きくなり、複雑になるほど隠蔽体質も平行して深くなっていく。原発はその最たるものであろう。

 原発は「クリーン」、「安全」、「安価」、「高い安定性」をうたい文句に推進されてきたが今となってみれば、この全てが欺瞞であった。これらの標語こそがもの知らぬ一般大衆を欺くための道具となった。

 新型インフルエンザ国内発生時には厚労省が、厚労大臣こそが「エリートパニック」に陥っていた。今回の原発事故の説明も同様である。
 「被災者・一般大衆のパニック」は当事者達には起こり難いものだと思う。被害から如何に生命を守り、身を守り、被害をいかに少なくするかを真剣に考えて行動している現場にはパニックなど生じ得ない。「パニック」は安全面でも情報面でもより恵まれた状況にいるエリート達間でこそ生じうる。
 エリート達は「大災害時に一般大衆がパニックを起こす」という考えを捨てる必要があるし、そのためには情報を正しく一般住民に伝えた上で、市民の判断力を信頼するしかないのだ、と思う。


7/5(火)晴れ 患者家族面談 外来  
1:30 起床。新聞、音声データ整理.書類処理、7:00自転車病院着.回診・家族面談。 8:45-14:25、疲弊した。16:45古書店によって帰宅。昭和の歴史勉強。19:30夕食、20;30就眠。

嘱託医生活(6)ボランティア活動開始 捕らぬ狸の皮算用であった
 現役を退いたらボランティア活動をしながら過ごしたい、とかねてから考えていたが具体策を持っていたわけではなかった。

 東日本大震災では、郷里である岩手県が、また、医師として2年間過ごした宮古市も被災したので、ボランティアとして郷里への支援活動と決めた。さりとて、具体的に私が出かけて行っても役立たない。秋田で医師として働きながら収入の20%を岩手県に送金することとした。更に、ふるさと納税も行う予定で準備している。

 6月下旬に嘱託医として初給与を戴く予定であったので、契約書にある給与額の20%を秋田銀行を通じて岩手県の担当部所に送金した。県からは早速丁寧な礼状と領収書が送られてきた。ここまではマア良かったのであるが、一昨日給与明細書を見たら、驚いたことに給与から県民税とかいろいろ引かれて予想の半分程度しか支給されていなかった。私の心づもりは手取額の20%、と思って計算して送ったから手取額の約60%を送金したことになる。

 考えてみれば当然の話で、給与からは県民税、所得税、健康保険、厚生年金、社会保険料などが天引きされる。しかも、その額の一部は前年度の収入実績から算定されているから、給与が下がっても天引き額はさほど変わらない。こんな状態に気づき驚くこと自体が驚きである。普段からろくに給与明細書を見たこともなかったから、今になってこんなことに気づいてしまった。やはり、予想額の40%しか手元に残らないと寂しい。でも、浪費したわけでもないし、良い事したね、と考えることとした。

 問題は次回からである。今回と同じ額にするか、手取りの20%では少ないから30%にしようか、いや、20%のままで・・等と考えている。?


7/4(月)雨のち曇り 外来  
1:00起床、新聞・文献チェックなど。7:00車病院着。7:15回診他.8:45-14;40外来。数滴にも質的にも難儀した。定期注射等入力、16:00帰宅。運転と脳機能について検討。19:20夕食、20:45就眠。

節電対策(2)わが家も意外と使っているものだ
 7月1日から9月9日まで東北電力管内で電力使用制限が始まっている。企業の中では土日出勤や早朝出勤等の動きも出てきている。
 わが家としても考える必要もある。わが家の電気料金の平均は1.5万円/月でこの額がどのレベルなものか、私は比較するデータがなく、わからない。
 私の予想ではわが家の消費電力は多い順に、冷蔵庫>TV>食器洗い機>掃除機>洗濯機>炊飯他の調理関係>照明>>・・と思う。これらについて使用説明書で消費電力量を調べたところ冷蔵庫は400KW/h/年、TVは150W/h、食器洗い機1100W/h>掃除機1000W/h>洗濯機400W/h>炊飯他の調理関係1000W/h 、照明器具はザッと見て200W/h、・・・などなどで、今回調べてみたら一つ一つが結構な消費電力で驚く。
 ただ、これらは使用条件によって異なる、とある。一応、最大消費電力を記載している様であるが、具体的な電力消費量を実際に知ることは出来ない。各機種ごとの実際の電力消費量を知ることが出来るワットチェッカーなる測定器を注文している。

 わが家は省エネ家庭であると思っていたが、ここまで並べると、いろんな機器がハイパワー化しており、そうは言えない様である。トータルとしての消費電力が大きいと思うTVは老齢の従業員の数少ない趣味で、長時間使われていて私は心穏やかではないのだが、従業員福祉のために制限できない。

 ただ、私個人はかなり省エネ的である。一人の時は部屋の照明を点けない。TVは一人では見ない。 パソコンは2画面を並べて使っているので職場のが36インチ。自宅のが40インチの画面サイズである。贅沢だ、と思う。だから、必要に応じて片画面にし、頻回にスリープさせて用いている。オーディオのアンプは真空管だから出力は小さいが消費電力は小さくはない。カタログ値では両者とも最大で200W/h程度とある。出来るだけ電力消費を押さえるよう工夫しながら用いている。
 更に、私は多くの方々が休んでいる早朝が私的な活動時間だから電力使用制限時間に影響することはない。そう考え早朝に十分な音量で音楽を楽しんでいる。

 ところで、よく電気の深夜料金の話が出てくる。確かに夜間電力料金は昼間料金の1/2-1/3程度だと言うが、夜の電気料金が一律に安くなると言うわけでなく、電力会社との間で特別な契約が必要である。


7/4(日)晴 
1:30起床、新聞・文献チェック。10:30家内メトロポリタンホテルに送り病院へ。重症者回診ほか、13:00帰宅、家の掃除、ヘルスメーターの掃除と機能回復に成功。文献整理と自炊。19:30夕食。20:50就眠。

節電対策(1)私にやれることは多くはない
 7月1日から9月9日まで東北電力管内で電力使用制限が始まっている。本県も昨年比15%減が目標とのこと。大規模な電気エネルギー供給のことはよく分からないが、少しでも,短時間でも供給量を上回ると電圧、周波数が不安定になり発電装置に急激に負荷がかかりダメになるらしい。それは発電システムにとって致命的故障にもなりかねない重大な状況なのだそうだ。その予防のために電力供給をカットするが、これが大停電とのこと。

 15%減は企業・団体・県民一丸となれば達成不可能な数字ではないレベルだとのことで、いろいろキャンペーンが行われている。
 東北電力の電力供給力は大震災の被害で大幅に減少し、8月に迎えるピーク電力需要1480万KWに対し、供給量は最大1370万KWで、110万KW不足するという。?節電対策として政府が電力使用制限令を発動し、契約電力500KW以上の大口需要家に対し、平日9:00-20:00の15%削減を義務付け、小口需要家や家庭にも15%の自主削減を求めた。
 
 東北管内の大口需要家は約3.700で、規模が小さめだからなのだろう、15%削減しても63万KWにしかならない。だから、東北では特に小口需要家や一般家庭の節電が重要である (データは秋田さきがけ新聞によった)。

 病院は節電対象から除かれた。県民の健康をまもるために当然と思う一方、とても有り難い措置である。それだけに一層厳しい自主節電が求められる。制限できない部門意外では徹底した節電が求められる。病院だけでなく、例外として儲けられた30分野では、スタッフは一層節電に努めるべきである。それが選ばれた者の社会的責任である。

 要するに節電不要の分野など無いのだ。
 節電対策としては、■照明ダウン■エアコン温度設定■電気機器の待機電力カット■パソコンは省エネモード■洗濯・掃除・炊飯などは早朝や夜間に■冷蔵庫設定変更■TV輝度変更■・・と家庭で取り組めることも多い。

 これを私が使用している機器に当てはめてみると、大画面のパソコンと真空管メインアンプが問題になる。これをつかれると苦しい。ただ、一人でいるときは天井の照明は付けずスポットだけ、エアコンは熱帯魚救命用だったから用いない、TVは殆ど観ない。配線を工夫し待機電力を少なくしたし、・・と、生活スタイルでエネルギー消費量で分類すると私はあまり消費していない方に属すはずである。だから、一見して協力できる分野は多くはない。


7/2(土)晴れ 畠若干 駐在所に盗難被害届 歯科受診 
2:00起床、新聞、文献など。10:00畠若干、14:00駐在所に盗難被害届。15:00佐々木歯科医院受診。19:00病院、重症者回診他、19:30帰宅。夕食、20:30:就眠。

書評:「フィールドワーク花岡事件ー学び・調べ・考えよう」(2) 花岡の地日中不再戦友好碑をまもる会編 平和文化発行 2011年 630円
 1945年6月30日(7月1日説もあるらしい)、現大館市の花岡地区で苛酷な労働,飢えと病気、多数の仲間の死、虐待等に堪え忍んできた中国人労働者約850人が「人間の尊厳をまもるために」一斉蜂起した日で花岡事件と呼ばれている。蜂起は結果的に失敗したが,後に中国人労働者に対して行われてきた虐待等の事実がこれによって明らかになった。
 この小冊子は60ページにも満たない。そのうち花岡事件そのものについての記述は第一章「花岡事件について学ぼう」の22ページで,第二章は「花岡事件を歩く」、第三章は「大館市周辺を歩く」,第四章は「花岡事件を通して考える」という構成になっている。だから一気に読み切ることが出来る。ただ、記述は難しい漢字、用語の使用が多く、なかなかスッとは入ってこない。それでも当時の中国人達が如何に過酷な状況に置かれていたのか、理解することは出来る。

 この冊子の記述は基本的に被害者達の立場に立って記載されている。勿論、花岡鉱山に何故朝鮮人、中国人が強制連行されてきたのかの歴史的背景にも触れているが、物足りない。約4万人の中国人が日本国内の135の事業場に配置され、炭坑業務などに従事させられ、そのうち7.000人ほどが死亡し、死亡率は17.5%にも達している。特に、鹿島組花岡出張所他の6事業所では40%を超える死亡率であったとされ,如何に苛酷な状況に置かれたか推定できる。

 この冊子が作られた目的は事件の詳述が目的ではないことは明らかである。本名の副題に「フィールドワーク花岡事件ー学び・調べ・考えよう」と言うことにあり、第二、第三章はその目的にそっている。だから、それなりの存在感がある。手軽に手にとって読むにはちょうど良い。お勧めである。

その他の資料としては、
■野添 憲治「聞き書き花岡事件」1983/3
■石飛 仁、 西川 塾「花岡事件」1996
■池川 包男「花岡事件-異境の虹?企業の戦争犯罪」1995/9等がある。私もこれから入手を試みる積もりである。

 それにしても戦争の場においては異常な虐待、殺戮等が数多く行われた。ナチ関連のホロコーストを始めとして枚挙に暇はない。日本軍の大陸での残虐行為、広島長崎への原爆投下、シベリア抑留・・しかりである。これらの多くは関係者や歴史家によって研究されている。加害的に関係した個人個人は恐らく良き人間、家庭人であっただろう。人々が、異常な心理状況において陥った心理と行為と言えばそれまでであるが、 集団を形成し、権力を背景にすれば、ヒトはここまで残虐になれるものなのかのか、と驚くばかりである。

 しかもこれらの事件の共通点として、十分な総括と責任の追求、補償、総括がなされたとは言えない。確かに、第二次世界大戦後にはニュルンベルク裁判、東京裁判が行われたが、これとて異常な裁判だったと思う。何故、他の大量虐殺事件は、虐待事件は取りあげられなかったのかも、疑問である。今後この辺のことを勉強していきたい。


7/1(金)雨・晴れ 患者家族面談 紹介状そのほか
2:00起床、文献・新聞チェック。6:45車病院着、7:30回診他、患者家族面談。紹介状、主治医意見書など作成、患者対応。15:55車帰宅。夕は花岡事件関連。19;30夕食、 20:45就眠。

書評:「フィールドワーク花岡事件ー学び・調べ・考えよう」(1) 花岡の地日中不再戦友好碑をまもる会  平和文化発行 2011年 630円
 1945年6月30日(7月1日説もある)は現大館市の花岡地区で苛酷な労働等に堪え忍んできた中国人労働者約850人が「人間の尊厳をまもるために」一斉蜂起した日で花岡事件と呼ばれている。

 今年も大館市花岡町の十瀬野公園墓地で6月30日に花岡事件の中国人殉難者慰霊式が行われた。事件の犠牲となった中国人の遺族や市民ら約150人が参列し、慰霊碑の前で犠牲者の冥福を祈った。小畑市長が事件で死亡した中国人の名簿を奉納し、全員で黙とうをささげた。参列者全員が献花し、遺族が中国の風習に従って碑の前で紙幣を模った紙を燃やし犠牲者を追悼した。

 本日1日は市民有志からなる実行委員会の主催で「花岡事件フォーラム」が大館市で開かれ,遺族や当時のことを知る住民らが当時のことを生々しく証言し,研究者らによる講演も行われた。県内外から30人が出席した,と言う(秋田さきがけ新報)。

 私は医師として医学的な面から「人」の身体的なこと、個々人のこころの動きなどについては学ぶ機会が多かった。このなかから「人の本質」の一部を学べたし、これからも学び続けたいと思っている。その面では素晴らしい職業に就けたものだと満足している。

 しかし、私が本当に興味を感じていることは個々人から得られる「人の本質」ではなく、人同士が集合した際に形成される「人間社会」についてであり,社会の中で個々人を対象とした研究からは知り得ない、全く別の「人間の本質」があると考える。後者の世界には必ず権力が伴う。だから、「権力の根源」とは何なのか、も知りたい。さらに、社会を通じて権力と共に発揮される「人間の本質」とは何なのか,追求したい。

 その方法論として私が出来ることは歴史から学び取ることだろう。一月前から嘱託医となり自由に使える時間が若干増えたので,早速人間社会の歴史を再度勉強し始め,いろいろ資料を集め始めている。とりあえず手を付け始めているのが「ホロコースト」、「ニュルンベルク裁判」,「東京裁判」などである。

 この小冊子「フィールドワーク 花岡事件ー学び・調べ・考えよう」は数日前に刊行されたばかりの本である。文献を探している過程でこの小冊子の発行を知り、急ぎ注文をし発行翌日に入手した。

花岡鉱山 - Wikipedia


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   年を通じてワンパターンで淡々とした毎日です。AM2:00-5:00にメールチェック・返事送付、人間ドック(HDD)判定・報告書作成、新聞切り抜き、病院・医師会業務など。
  月〜土曜は6:00頃出勤、HDD報告書印刷、外来書類処理など。病棟回診、HDD受診者とミーティングと診察。8:45-14:00外来とHDD受診者に結果説明。昼食は摂りません。午後は病院業務・医師会業務、各種委員会等に出席など。20:00頃帰宅。
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