徒然日記
2009年9月分

 日記と言うより、自分の行動記録からの抜粋と日々の雑感です。

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先月の日記          来月の日記


9/30(水)快晴、外来 ドック診察 県医療審議会、ほか
3:00起床。ドック判定総括x1他。文献若干読む。5:10徒歩病院着。やや寒い。6:20回診等病棟関連業務。8:45-14:00外来+ドック診察、混雑。14:30-17:00県医療審議会。17:30徒歩帰院、21:00自転車帰宅、夕食、21:45就寝。

秋田聖霊高校ハンドベルクワイアの演奏(1) かなりハイレベルであった
 去る27日は秋田矢留ライオンズクラブ設立40周年記念式典が行われ、私は記念講演を依頼され、出席した。
 その場で秋田市にある聖霊高校のハンドベルクワイアの演奏を聴くことが出来た。聖霊高校のハンドベル演奏については新聞報道等を通じて広く活動していることは知っていたが、じっくり聴いたのは今回初めてである。


 演奏曲は、組曲惑星から「木星」、「崖の上のポニョ」そのほか2-3曲であったが他の曲名は覚えていない。両曲共にリズムの取り方がとても難しいと思われるが、何れもハイレベルの合奏を聴かせた。清んだハンドベルの音色は心と身体へ共鳴し、実に心地よく、私は充分満たされ、癒やされた。私はハンドベルについて全く知識がなかったが、ベルを振るだけでなくいろいろな奏法があるように見えたし、聞こえたが、席がやや離れており確認することは出来なかった。

 私は各種の講演会に行くときには録音機Roland HR-09を携えていくのであるが、この日の講演者は私であったし、こんな企画があるとも知らなかったから持たずに行って、この演奏を聴いてとても残念なことをした、と思った。

 私は鐘の音がとても好きで、名鐘と言われる寺の鐘の音を集めた録音も持っている。
 数ある鐘の中で最も好きな鐘と言えば、有名な寺のそれでなく、私どもの菩提寺である岩手県紫波町の江岸寺の本堂にある鐘の音である。この鐘はどちらかというと小型であるが、その余韻は実に長く、静かに減衰していく様は見事である。年に一度、盆の墓参りの際に住職の経と共に聴くのを楽しみにしている。時に自分でもたたいて余韻を楽しむ。この鐘は半世紀ほど前に父親が京都から取り寄せ、寺に寄贈したものである。父はそれほど信心深いとも思わなかったが、何故寄付などする気になったのか、私は問うたこともなく、知らないが、とても良いことをしたものである。

 ややお年の方の集まりであるライオンズクラブの記念式典に何で高校生のハンドベルなのか?私には必ずしも場に相応しいとは思えなかったが、クラブの設立 40周年記念事業として赤十字乳児院に乾燥機、私どもの病院に車いす、聖霊高校にはハンドベルが寄贈される事を知り、その意味をだいたい理解した。

 続いて行われた祝賀会では席が聖霊高校の校長先生と隣同士であり、ハンドベルを始め、いろいろ音楽関連の話題を交わすことが出来た。その席で、私は厚顔にももし録音があればご提供戴けないかと申し出たところ快く応じてくださり、翌日にはCDを病院に届けて戴き、恐縮した。

 ここ数日、自室の装置でそのCD聴きながら業務をこなしている。
 照明を落とし、スポットライトに百合の花が浮かび上がり、いい香りが満ちている部屋に、静かなハンドベルの音色が良くマッチしている。


9/29(火)雨 患者家族面談 外来 法人常務会 医局カンファ 市医師会NO3新型インフルエンザ研修会
2:30起床。ドック判定総括x1、他いつもと同じ。5:15病院着.6:15回診、病棟業務。7:00患者家族面談。8:00救急カンファ。 8:45-13:50外来+ドック説明x1。混雑。14:45-15:40法人常務会。17:30-18:30医局カンファ、がん化学療法。 17:00-20:30市医師会NO3新型インフルエンザ研修会。21:30徒歩で帰宅、22:10就寝。

早朝に朝の情景を思わせる曲を聴く  名曲グリーグの「朝」
 最近、私は主に自転車通勤にしているが、時に徒歩で通勤している。
 その時にi-Podやi-Phoneで時に音楽を、いつもは「こころの時代」や、講演会の生録を聞き返している。ここ何日かは作曲家グリーグの作品を集中的に楽しんでいる。イプセンの戯曲に付けた曲をオーケストラに編曲した組曲「ペールギュント」が特に有名であるが、その第一組曲の中の「朝」がとても良い。

 早朝、暗いうちに家を出て歩きながら聴くのにとても相応しい。ちょっと寒くなってきたが、フルートの導入を聴くだけでいろんな朝の情景が浮かんでくる。グリーグのイメージは北欧であるから寒くなってきた今が丁度良い。
 朝を連想させる曲はいろいろあるが、中でもざっと挙げてみるとR・シュトラウスの「アルプス交響曲」の導入部、ロッシーニ「ウイリアムテル序曲」の導入部が好きだ。加えて、忘れられないのは40年以上も前にTVで聴いたタイのプミポン国王来日歓迎演奏会でNHK交響楽団が演奏した国王の作品「Near Dawn」が思い出される。ちょっと「アルプス交響曲」の導入部に似ていた。

 いずれの曲も目の前に徐々に明るくなっていく朝の光景が浮かんでくる。広く考えればブルックナーの交響曲の前奏部分はほぼ共通のイメージである。これらも朝に立ちこめた霧や靄が日の出と共にきえていく情景を思わせる。

 グリーグはフィヨルドと森が豊かな北欧のノルウエーの作曲家である。どうしてもそのイメージがつきまとう。その中で最も北欧の情景を思わせる代表的曲だろう、と思ってきたが、最近知ったのはこの朝の情景は実は北欧でなく、戯曲の中の舞台設定は冒険家ペールギュントが北アフリカの大西洋側にあるモロッコの海辺で迎えた朝の情景なのだ、と知った。だから、これは暖かい地方の朝の情景の描写らしい、と言うことになる。これには驚いた。今までいろんな情景を浮かべながら聴いていたが熱帯地方の朝はイメージしたことは一度もなかった。尤も、それは私が行ったこともないし、見たこともない情景だから連想できないのは当然である。

 結局、何所の、どんなところで朝を迎えようと、朝を迎える喜び、新鮮さは世界共通で変わることがないと言うことだろう。
 そういう意味では大学生の頃からほぼ365日、欠かさず朝の情景を味っている私はとてつもない幸せ者と言うべきだろう。


9/28(月)雨 管理会議 外来 療養病棟判定会議 長副会議 
2:00起床。ドック判定総括x1他いつもの如し。5:10病院着。6:30回診、病棟業務。7:45-8:30管理会議。8:45-14:20 外来,シルバーウイーク関連で外来部門が患者で溢れかえり疲弊した。15:00新規開業医来訪、歓談。16:00-16:30療養病棟判定会議、 17:00-18:50長副会議。20:50帰宅、夕食、21:30就寝。

自転車(11)旭川の川沿を走る(2) 鯉 カモ カラス 老人達
 鯉に餌をやり始めて数日後から、河面には数羽の合ガモ?が現れるようになった。図鑑とか見なければ本当のことは分からないがカモの一種であることは確かだろう、多分合ガモと思う。食パンをちぎって投げ落とすのだがカモがいると殆どがとられてしまい、運の良い鯉しか食べることが出来ない。8-9割はカモに持って行かれる。「カモが来た・・」と言う言葉があるが、実際は逆でカモにとられている。

 更に数日後からは時折カラスが3-4羽、そう遠くない距離から私の様子をうかがっている。カラスは水面には降りられないから川面に投げ入れた餌は追わない。私が餌を橋上にこぼさないか、気が変わって私どもカラスにも分けてくれないカー、と待っている様子である。私はそういう目線に弱い。ついそっちにも投げてやる。次は私もカラスに生まれるかもしれないから、よろしくね、の心境である。カラスにも個性があって3-4片も一気にくわえるカラスがいるかと思うと一欠片もとれないカラスがいる。度胸の差、慣れの差なのであろう。

 やはり餌取りの主役は鯉であって欲しい。ところが、何度かやってもダメである。それで一計を考えてパンを大小にちぎって投げるのではなく、あらかじめハサミで豆粒ほどの大きさに細断してみた。こうして川面に撒くとカモも一生懸命食らいつくが、広く撒くから鯉も十分食すことが出来る。なかなか良いアイデアであった。

 別の日のこと、先客がいて同様にパンをちぎって投げている。そばでしばらく見ていたが殆どがカモにとられ憤慨している様子でカモに時折文句を言っている。カモから見れば「カモが来た」という感じなのであろう。当然一切無視である。
 早速、私はお節介焼気をする。「細かにしてくれば良い様ですよ・・」、と持参した細断パンを撒いて見せたらそのばあさんも感心していた。多分明日からは細断して来るだろう。
 
 ここひと月の間に私の通勤時間帯に餌をやっているのは私を含めて3人であった。お二人は私より二回りほど高齢の男女の方である。その中でカラスにも餌をやっているのは私だけである。


9/27(日)晴  病棟拘束 秋田矢留ライオンズクラブ40周年記念大会+特別講演+祝賀会
2:00起床、ドック判定総括x1。本日の講演準備。7:00Taxi病院、8:30救急カンファ。13:00約30年私を担当した某社スタッフが退職の挨拶に来訪、歓談。互いに時の移ろいを再確認。15:45矢留ライオンズクラブ40周年記念大会+特別講演+祝賀会。車いすの寄贈を受けた。18:30病院へ。業務、20:00帰宅、20:30就寝。

自転車(10)旭川の川沿を走る(1) 鯉に餌を与える 
 自転車はスピードこそ遅いが、それだからこそ行動範囲は随分広がる。
 私は基本的には道路交通法を守って左側車道を走る。時には自転車専用道路を走る。車との関係で危険を感じた際には歩道も利用する。帰路はいろんな路地を通ってみる。いろんな発見があって楽しい。

 幸いなことに、自宅の近くから秋田市内のほぼ中心部まで自転車道路を用いても行くことが出来る。半行程は秋田操車場駅脇からJR線路に沿って南下することになる。時折客車、貨物列車が通過するが、いつも見とれてしまう。
 次に秋田工業高校脇を通り旭川に沿って土手の上を走る。ここは歩行者専用なのだろうか?自転車道路とは明記されていないので若干気がかりであるが、時々利用させてもらっている。今まで特に注意を受けたことはない。

 秋田市の中央を流れる旭川はかつては汚れた河のイメージがあったが何度かのクリーン作戦が行われ、今はきれいな清流となっておりいろいろ目を楽しませてくれる。
 河には時折30-50cmほどの鯉が泳いでいるのを見ることが出来る。これに混じって錦鯉も泳いでいる。実にゆったりとのどかな光景である。

 途中に久保田新橋という小さな橋があるが、ここの橋下には何故か鯉が群れている。鯉にとって何か条件が良いのかもしれない。橋上で一休み、手を叩くと数10匹の鯉が反応して大きな口を開ける。
 黒い立派な和鯉が主役ではあるが、3-4割は色とりどりの錦鯉である。これ程見事な鯉は今までは池とかでしか見たことがなかったが、何で旭川にこれ程見事な鯉がいるのか不思議である。どこかの飼育池からたまたま逃げて住み着いたものか、どなたかが放流したのか、あるいは秋田市の環境関連部署が放流したのかは知らない。

 かつて、倉敷市内で、より狭い川で鯉が多数泳いでいるのを見たことがあるような記憶があるが、それ以来である。池とかに飼われている鯉も良いが、清流の中にいる鯉は一層風情がある。
 鯉に餌をやってみることとし買い置きの食パンを古い順に持ち出し、ほぼ毎日、この橋を通る度にちぎって投げ入れている。鯉どもは大喜びである。
 ところが、何度かやっているうちに餌をさっと横取りする鳥たちが現れた。横取りの技術は大変なものでなかなか鯉たちが餌にありつけなくなった。


9/26(土)晴れ 病棟拘束 患者家族面談 県医師連盟執行委員会+西島議員講演+壮行会
2:00起床、新聞チェック、情報収集。6:00自転車病院着、6:30回診他。病棟業務。書類処理。8:30救急カンファ。11:00病棟対応。12:30入院患者家族面談。重症患者対応。18:10県医師連盟執行委員会+西島議員講演+壮行会。20:30帰宅、23:00就寝。

わが国は本当に少資源国なのか?(3)自給率たったの4%で先進国で最低
 日常生活や経済活動で国全体で必要なエネルギー資源のうち、自国で生産する割合を示す指標がエネルギー自給率である。我が国の自給率を見るとこれが何と2006年で4%でしかない。カナダ140%、英国66%、米国の62%などに比較にならない低さである。
 私が高校生の頃の1960年の自給率は57%もあった。これは国産の石炭が主たるエネルギー源であったためであるが、高度経済成長期にエネルギーの供給が石炭から石油への切り替わったために自給率が急速に低下した。

 石油危機以降、原油高騰の度毎に政府は輸入頼みの石化燃料だけでは国家の危機管理上も間題があるとして、太陽光や風力の自然エネルギーの活用で自給率向上を目指しているが、その度毎に一時的に盛り上がるが国際的に供給が落ち着き始めるとどこかに消えてしまい、ここ20年ほど4%ほどで低迷したままである。ガソリン価格は高騰はしているが供給が途絶えることが無く、民生のエネルギーの消費量は年々増加傾向にある。

 食糧自給率はカロリーベースで40%に届かないが、食料品も潤沢である。
 
 我が国のモータリゼーションと電化生活、飽食・過食による糖尿病を始めとする生活習慣病高比率の文化は、とてもエネルギー、食料品の自給率がこれ程低い国に住んでいるとは思えないほどである。しかも、両者と有効に用いられているなら納得も出来るが、かなりの部分が浪費されている。

 鳩山首相が今回の「国連気候変動サミット」で我が国のCO2排泄量を1990年比25%削減」と国際的に公約した。産業界とかからいろいろな意見が出てくるだろうが是非とも達成して欲しいものである。こう言う以上、私も具体的に何かしなければならない。

 私はもともとケチな人間で、エネルギーの浪費、食料品の廃棄に神経をとがらせてきた。家でも職場でも無人のところに灯りとかTVが付けっぱなしになっている事もよくあるが、こんな状況は見るに忍びない。食事も一日一食を基本にしているし、自宅では廃棄の候補に挙がった食品をまず引き受けてみる。
 私個人のエネルギー消費量、食材消費量は多分かなり少ない方だと思うが、評価しようもない。
 さらに、本年7月以降、私はなるべく車、バイクに乗らないように努め、雨さえ降っていなければ徒歩か自転車にしている。これだけで私の生活は一層幅が広がった。この移動に用いているエネルギーの一部は初老肥りで蓄積された脂肪である。折角貯めたものだから何とか有効に利用したいものである。


9/25(金)晴れ 新型インフ対策会議 発熱外来担当 ドック診察 県医務薬事課スタッフ来訪打ち合わせ 法人理事会 
1:30起床、ドック判定総括x1等.6:00自転車病院着。感冒様症状・発熱・全身違和感あり。7:30感染制御ナースと新型インフ対策打ち合わせ。 8:00救急カンファ(欠)。9:00-12:00発熱外来担当。12:30入院患者対応と面談。14:00ドック診察、16:00県医務薬事課スタッフ来訪打ち合わせ。17:30-19:00法人理事会。21:00帰宅。22:00就寝。

自転車(9)装備品(2)ブレーキ ベル バックミラーについて  
 自転車は道路交通法の中で軽車両として位置づけられている。法の規制を受け権利も義務もある。装備も整備も十分行って一定の規格であることが求められている。

 道路運送車両法第45条には以下の事項について、「国土交通省令で定める保安上の技術基準に適合するものでなければ運行の用に供してはならない」とある。その規格は、■長さ、幅、高さ■接地部、接地圧■制動装置■警報機である。
 ライトはこの文面にはないが、どこかで必需品として規定があるらしい。要するに、上記が規格に達していなければ乗ってはならないことである。こんな重い文面で書くべき内容かいな?と思う。

 今回購入した自転車は恐らくこの規格には合致しているだろう。
 
 ブレーキは前後とも実に良く効く。前後車輪共に比較的簡単にロックする。だから前後バランスをとりながら静かに制動をかけなければならない。こんなに制動が効く自転車は私は初めてで感激ものである。乗っていてとても安心である。

 警報機とは何のことか??あのチンチンベルのことである。何とまあ大げさな、と思う。自転車のベルが警報の役目をするとすれば誰に対してか?バイクや自動車に警報を鳴らしながら軽車両としての権利を主張しても何の役にも立たない。そんなことしたら命がいくらあっても足りない。だから無用の長物である。歩行者に対してなのか?自転車は車道を走るのが原則で、歩道を走ることが出来るのは例外的であって、決して我が物顔で走ってはならない。ここが完全に誤解されている。歩いていて近くで突然ならされると驚くし、多少頭に来る。ベルを鳴らすより徐行が必要である。

 道路運送車両法にはないが、私は自転車にはバックミラーは必需品と思う。一週間ほど前に私はハンドルの右端に軽いプラスチック製のミラーを装着した。これで車道左側をより安心して走ることが出来るようになった。それまでは歩道の左側を走るのは正しいことと分かっていても実際には恐くてなかなか出来なかった。装着後は高速の車、大型の車が迫って来たときには左側に寄るか、歩道に避難出来るようになった。ミラーがないときには車を視認して身の安全を守るために車道の右を走ることもあったが、自転車が車道を逆走するのは交通法規違反である。

 ヘルメットはかぶる方がベターだと思っているが、あの自転車用のヘルの効能はそんなに期待出来るのだろうか。さりとてバイク用のを用いる気にはならないし、私はまだ迷っている。


9/24(木)晴 外来 療養病棟診療部会議 
1:30起床、ドック処理。5:50自転車病院着、6:20回診、病棟業務。8:00救急カンファ。8:45-14:30外来。連休明けで混雑。17:00療養病棟診療部会。20:55自転車帰宅、夕食、21:45就寝。

わが国は本当に少資源国なのか?(2)巨大な埋蔵脂を燃やせばCO2削減25%は達成可能
 「国連気候変動サミット」の開会式で鳩山首相は「2020年までに1990年比25%削減」という積極的な国際公約を表明した。首相の地球環境保全への呼びかけに90カ国以上の首脳が好意的で拍手でこたえた、と報じられた。一つの外交問題であるが、鳩山首相はオバマ。胡錦濤氏らと共に世界に向けてとても良いスタートを切ったと言えよう。
 しかし、CO2削減25%の目標達成は言うは易しいが実行は実に困難である。されど、言ったからには達成しなければならない。

 私は首相が掲げた目標を達成するために協力を惜しまないつもりである。
 私は目標達成のための具体的な方策の一つとして、全エネルギーに占める非化石燃料の割合を高めることだと考えている。それしか無かろう。非化石燃料と言えば誰でも原子力や風力、地熱、太陽光などの自然エネルギーのことを考えるが、尤もな話であるが、これらの装置を作る段階で既に大量のCO2を発生させている、と言う現実を忘れてはなるまい。そう考えると私が使っているハイブリッドカー、プリウスは確かに燃費が他に比較すれば良いのだが、生産される段階から廃棄され処分されるまでのコースをトータルに考えてみれば、本当に省エネになるのだろうか。疑問に思っている。

 ところが、私どもの周囲にどんなに燃やしてもCO2を発生しない、理想的なエネルギー源がある事は知られてはいるものの、エネルギー源として一切当てにされず、殆どが利用されることなく死蔵したままで、最後は中近東から輸入した貴重な石油を燃やしてCO2を発生させて処理されている。人は、特に日本人は何と勿体ないことをしているのか、と思う。

 温暖化対策は景気への悪影響や、企業の国際競争力がそがれる危険もあるのだが脂の有効利用はその心配もない。こんな理想的なエネルギーはない。
 それは、言うまでもなく私を含め、多くの方々が体内にかかえている脂肪である。わが国は成人の3人に1人がメタボリック症候群近い状態だと言うことを考えれば、立派な産油国でもある。
 しかも、やはり都市に多いから「都市鉱山」ならぬ「都市油田」とでも呼ぶべきだろう。


9/23(水)秋分の日 雨模様 病棟拘束
1:00起床。ドック判定総括x1、文献検索、新聞チェック、本読み他。7:10自転車病院着。バックミラー装着し快適。7:20回診、病棟業務。 8:30救急カンファ、10:00帰宅、11:00離秋の長女送り再度病院。15:30帰宅。業務。20:10夕食、20:50就寝。

ブタインフ(33)各界の治療指針発表(2)妊婦、透析患者,厚労省通達
■ 日本産婦人科医会は9日に開いた記者懇談会で、新型インフ対応の指針「新型インフルエンザ罹患(疑いを含む)の妊産婦の分娩施設における対応について」の案を提示した。
 発熱等で新型インフが疑われる妊婦については原則としてかかりつけ産科医療機関への直接受診を避けることとして来た。しかし、今回、一般病院へのアクセ スに時間がかかる、あるいはアクセスが困難と判断された揚合はかかりつけ産婦人科医が対応する、という方針を盛り込んだ。
 切迫流産など産科的問題に関しては、新型インフが疑われる場合でも、重症でない限りかかりつけ産婦人科施設が対応することも明記した。妊婦へのタミフル 投与については、妊娠何週目かにかかわらず速やかに行うべきとした。妊婦が産科医療機関に発熱入院した場合、簡易検査で陰牲であってもインフルエンザを否 定できないので、罹患妊婦に準じた対策を実施する。

■ 日本透析医会は透析患者向けの説明の中で、患者が新型インフルエンザに罹患したら、透析日なら透析後にタミフル1回服用させるとしている。タミフルは腎排 泄なので1回の内服で健腎者が2錠を毎日飲んだときと同様の効果が期待出来るとしている。タミフルは透析で除去されるが、透析後もまだ十分な血中濃度が保 てると言う。その後、1日2回体温をつけさせ、症状によって追加投与を検討する。
  リレンザにはデータが無く、シンメトレルは副作用の問題があり、透析者には投与しない,とのことである。

■厚労省が簡易検査陰性でも治療薬の投与を、と通達を出していた。
 厚労省は9月18日、新型インフの簡易検査で陰性でも「タミフル」などの治療薬を投与するよう、都道府県などに通知していた。新型インフに感染して17 日に死亡した横浜市の小学生は、新型インフの簡易検査は3回陰性で、抗新型インフ薬を投与されていなかった。この死亡例を受け、厚労省は簡易検査で陰性の 場合でも、患者の症状から感染を疑った場合、治療薬を投与するよう都道府県などに通知した。

 国の通達は連休体制などもあり私が気づかなかった、と言うことである。
 要するに、国も新型インフを疑った場合には検査結果の如何にかかわらず抗新型インフ薬を投与することを推奨したと言う事になる。そうであれば、その是非は別として国の方針であるならば私どもも方針変更していく必要がある。


9/22(火)何故か休日 雨模様 病棟拘束  
1:30起床。ドック判定総括、メール返事他.新聞チェック。7:10病院着。事務処理,8:00回診他。8:30救急カンファ。12:00帰宅、ドック総括他。午睡若干、17:00再度病院、19:00長女・次男夫婦で家内の誕生日会食。21:30帰宅、就寝。

ブタインフ(32)各界の治療指針発表で診療現場は混乱(1)早く国の指針を

 秋田市の新型インフ診療体制は4病院から100余の医療機関に広げられたが、夜間、土日祝祭日の診療体制に関しては従来と何ら変わらない。そのためこの一週間ほどは私どもの病院を含む市内の救急病院に患者が集中しており、一般の救急患者、重症患者の診療に支障を来している。
 この時間帯における診療体制の確立について、先に秋田市保健所と市医師会長に申し入れたが具体的な検討は進んでいるのだろうか。当院の発熱外来は連休前から患者が急増している。医師不足、過重労働状況下での新型インフ対応である。そのためにスタッフは疲弊しており、病院としての対応は限界を迎えつつある。何とかして患者を分散しないとやっていけない。

 治療に関してであるが、WHO,小児科学会、感染症学会が治療に対する考え方を独自に発表しており、それらが統一性を欠いているので診療現場は混乱している。患者や家族からの処方希望が増え,説明するのに時間がとられ、診察医を疲弊させている。当院でタミフル不要と判断された患者が他の医療機関で処方を受け、当院に激しくクレームをつけてきた例もある。
 国は各界が発表した治療指針を評価して国としてのガイドラインを早急に作り、診療現場に徹底すべきである。

■ 世界保健機関WHOは8月21日に治療ガイドラインで、軽症の若年者や基礎疾患のない成人には、抗インフルエンザウイルス薬の投与は必ずしも必要ないとの見解を示している。
 これがつい先日までのスタンダード的考え方であった。私どももこれを踏襲してきた。

■日本感染症学会は9月15日、患者の重症化を防止するため、ハイリスク者に限らず、基礎疾患のない成人や小児にも早期に抗ウイルス薬を投与すべきとする診療ガイドラインと提言をまとめた。
 学会では、日本で確立している迅速診断を実施し、早期に抗インフルエンザウイルス薬で治療するという診療を徹底して実施することが、目指すべき新型インフルエンザ対策であるとし、薬の積極的な投与を推奨している。
 迅速診断キットは特に発症初期の感度が低いことから、臨床的に新型インフが疑われる場合は、迅速診断が陰性でも治療を開始すべき、と定め、診断の確定を待つことで薬物療法が遅れないようにすべき、とした。
 提言では、また、わが国の被害が比較的少ないのは、患者の早期受診と早期治療開始によると考えられ、可能な限り全例に対する発病早期からの抗インフルエンザ薬による治療開始が最も重要である、としている。

■日本小児科学会は新型インフルに感染した子どもへの治療方針として、外来受診の1-5歳児には全てタミフルなどのインフルエンザ治療薬を投与するとしている国立生育医療センターの治療法を、全国の小児科医に推奨することを明らかにした。ただし、学会としてのガイドラインとするのではなく、使用法の紹介にとどめる、としている。
 同学会によると、今回紹介する治療法では、入院を必要とする患者は年齢を問わずすべての患者に治療薬を投与する。また外来患者の場合は1-5歳では全例に、重症のぜんそくや先天性心疾患、慢性冒不金など甚礎疾患がある子どもについては、年齢に開係なく治療薬を投与することをそれぞれ勧めている。タミフルの場合、1歳未満では安全性が未確認とされている。また、10代については服用後の異状行動との関連が疑われるため原則使用中止となっているが、医師が投与を必要と判断した場合は使用できるとした。
 小児科学会では明日緊急にフォーラムを開催し再検討することとしているが,恐らく、より早期に治療開始すべきとの判断が出るものと予想される。


 要するに、わが国の関連学会の指針ではほぼ全員に、確定診断を待たずともタミフル等の投与をすべきとの見解であり、従来から言われてきた軽症の若年者や基礎疾患のない成人には、薬の投与は不要という動きから大きくシフトしている。
 そのために医療現場は混乱している。

 問題は、国の方針がしっかりしないために、現状の治療方針に沿って治療薬を投与しなかった患者が重症化した際に医療機関の責任が問われかねなくなってきているという実態である。新型インフの診療に協力している医療機関が過重な負荷を負っているほかに、国の方針があやふやなために医療機関が診療上の責任を問われるようであっては大いに問題である。
 この混乱の責任は国にある。早急に国の指針の確立・徹底を望みたい。
 なお、日本感染症学会の指針に沿った場合、診断キット、治療薬共に枯渇してしまう恐れがある。その際には、一昔前の医師の勘と推定によるインフルエンザの診断・治療に戻ってしまう。その際、合併症を持つ方々、重症者の方々にも対症療法しかできず、なすすべが無くなってしまうだろう。


9/21(月)敬老の日 晴れ 病棟拘束
2:00起床。ドック判定総括x1他.6:10自転車病院着。カルテ総括 事務処理,6:20回診、他。8:30救急カンファ、13:00新国道 経由帰宅、バックミラー購入装着。午睡若干。居間のレコードプレーヤー再セッティング。何枚か聴きながら自宅で業務。19:30夕食。20:40就眠。

春のゴールデンウイークをもじって秋のシルバーウイークではない
 今日は「敬老の日」で祝日であった。
 静かな「敬老の日」であった。連休が続いているが、本日が敬老の日による休日ということすらあまり意識されていないように見える。僅かに新聞やTVで高齢化の人口動態を特集的に伝えたにすぎない。私の目には少なくともそうしか映らなかった。

 暦上では秋の大型連休である。世はレジャー・レジャーで観光地や遊興施設は大混雑である。高速道路は渋滞が凄い。地球温暖化が叫ばれ,政府はCO2削減25%と言っているのに、そんなことは我関せずなのだろうか??

 今回の大型連休は暦通りに見れば5連休である。春のゴールデンウイークに対比してシルバーウイークとも呼ばれている。私はこの連休は「敬老の日」を中心に挟んでいるからシルバーウイークと称するのはとても良いことと思って来たが,そのためではないようで落胆した。
 「敬老の日」が祝日となったのは1966年で約40年前とのことである。
 当時の日本人の平均寿命は、男が68.35歳、女が73.61歳であったが、それが今年のデータでは、男79.29歳で世界では第4位、女86.05歳 で世界一である(総務省)。どなたか忘れたが風刺川柳をお借りすれば、「寝たきりを増やして今年も世界一」である。そうはいってもわが国の平均寿命は今後 も更に延びて行くであろう。

 今や、65歳以上の高齢者の割合は22.7%となった。女性で1/4が,男性で1/5が高齢者と言うことになる。100歳以上の方も今年全国で40.399人となったという。最高齢は男性112歳、女性が112歳の方である(厚労省)。
日本の高齢化率がこ れほどでなかった20年ほど前まで、敬老という言葉は輝いていたと思う。まさしくお年寄りを見る目は敬老のまなざしであった。それが最近は殆ど死語に近く なってしまった。時代は変わった。高齢者は孤立している。寂しがっている。核家族化で高齢者単独所帯が大部分となった。若い世代は健康でも害さない限り父 母や祖父母のことを思うこともないだろう。

 少子高齢化を社会維持、経済面からだけとらえる風潮は小泉政権時代に一気に目立 つようになったが,彼は自民党も,国も、日本古来の人道観・倫理観すらもだめにしてしまった。時代の流れと言いたくないが、「軽老の日」と表した文章が新 聞のコラムに掲載されたことがあるが、確かに、その風潮にあるようだ。
 現に、高齢化率がこれほどになると右を見ても老人、左を見ても老人である。私は高齢者の医療を担当していると言うこともあるが、外来患者の7割超、入院 患者35名中9割超が70歳以上である。だから、敬老の精神は持ち合わせているが、現実的には日々高齢者の健康問題への対応に追われている。  

 高齢者には「健老」を望みたい。しかし、「嫌老」という言葉も使われるようになってきた。これに対抗するには高齢者達に自ら身を守るために「賢老」になっていただきたいものである。

 ここまで書いて,ちょっと待てよ、自分だって来年からは高齢者への仲間入りである、とのと立場を再び自覚した。こ高齢者問題はもう人ごとでなく自分自身の問題なのだ。


9/20(日)快晴 病棟拘束 家内休宝寺講話 
2:30起床、若干風邪気味。ドック判定総括x1、新聞チェックほか。6:00自転車出勤、回診。8:30救急カンファ。9:30帰宅、家内達を 休宝寺に送る。15:00-18:30病院にて業務。19:30自転車で大きく遠回りして帰宅、自転車変速機調整、夕食、21:00就眠.

懐かしのチキンラーメン 進化を忘れた歴史的逸品
 昨日19日は受け持ち患者さんが不調と言うことで,0時過ぎに病院に出かけた。寝入りばなで、かつ未だ若干酔いは残っていて動悸など生じて実に 辛かった。患者対応後中途半端なために帰らずに自室で椅子に座ったまま仮眠を取り、いつもの如く3時前から起きだしドックなどの業務をこなした。

 前の晩の宴会の食事が些か少な目であったこともあって、5時頃に空腹感あり医局談話室でインスタントラーメンを半分ほど食べることとした。
 数種のラーメンの中に昔懐かしいチキンラーメンがあったので迷わず選んだ。片手鍋で2分ほど煮込み、生卵を落としてクッキング終了。誰もいない早朝の医局、良い雰囲気である。半分残すつもりがついつい全部食べてしまった。実に美味しい。懐かしい味である。

 チキンラーメンは本当に久々である。
 私は高校生の頃はこのチキンラーメンに,大学生時代はチャルメララーメンに随分世話になった。他の銘柄のラーメンは殆ど記憶にも残っていない。この両者 のラーメンには思い出がいろいろある。後者はパチンコの戦利品として持って帰ると寮で飛ぶように売れて、その儲けは次のパチンコの軍資金,生活費の一部と なった。

 日清食品の安藤百福会長がこの「チキンラーメン」をこの世に送り出してから、昨年で半世紀になったらしい。世界に誇るべき大変な発明品である。
 私は高校1年と3年の時の2回盛岡市内に下宿したが,高校3年の時の下宿では台所を使用できなかったためにこのチキンラーメンをよく利用したものだ。学 校からの帰りに店でチキンラーメンを一袋だけ買って来るのだが、捕食だから一袋は多い。袋のまま手でたたいてかつ揉んで適当なサイズに麺を粉砕し、1/3 ほどを寿司屋で見るような厚手で大きめの茶飲み茶碗にいれ、ポットの湯を注ぎ,箸で攪拌ましながら三分待った。その間、立ちのぽってくる湯気は実に良い匂 いがした。世の中にこんな旨いものがあるのか、と思うほど旨かったものだ。

 昨日のも旨かった。実に懐かしい味であった。しかも麺が長かった。
 懐かしいと言うことはこのチキンラーメンは殆ど変化あるいは進化していないと言うことである。変化、進化しなかったから,あるいはさせなかったからこそ 今まで生き延びているのかもしれない。カブトガニのようなものだ。ただ、昔の製品には「卵ポケット」は無かったような気がする。当時、卵だって贅沢品だっ たのだ。

 この間、日本は大きく変わった。それ以上に変わったのは私である。当時は夢多き高校生であった。今は初老の域に達してしまっている。この間、頑なに守り 続けたチキンラーメンの個性は今となってみるととても貴重である。何でも短命で、消え去るのが早い時代に,じっくりと懐かしさを感じさせてくれる、実にす ばらしい発明品である。


9/19(土)快晴 病棟拘束 患者死去・剖検 「秋田9条の会」5周年記念憲法講演会 
0:00起床、重症患者対応でTaxi病院。回診他の後自室椅子で就眠。3:00起床、ドック判定総括x1,患者対応など。7:20患者死亡。 8:30救急カンファ。10:00-12:00剖検立ち会い。13:00-16:30児童会館にて「秋田9条の会」5周年記念憲法講演会、品川正治氏講演聴講。19:00自転車帰宅,夕食、20:30就眠。

わが国は本当に少資源国なのか??(1) メタルだってアブラだって十分あるじゃないか
 携帯電話など使用済みの電子機器などには、金,銀などの希少資源などが多く含まれている。それらは人が使うものだから人口の多い都市に集中して存在している。これらを資源と見なし「都市鉱山」などと呼ばれている。

 わが国の「都市鉱山」の量を推計すると、金は世界の鉱山の2割弱、銀は2割強に達すると見られている。にもかかわらず、その重要性が国民に理解されておらず、実際には多くは廃棄物とされて処理されている,と言う驚くべき現実がある。実に勿体ないことである。これらの「都市鉱山」から貴重な金属の回収に秋田県の産業が先進的に寄与していることもあまり知られていない。「都市鉱山」の発掘、回収は行政も産業界も真剣に考えるべき問題であり、国民にもっと啓蒙すべきである。

 一方、レアメタルについても同様である。
 レアメタルは一般的には、量が少ないか、取り出すのが困難なために産出量は少ないが,産業関連で私どもの生活に重要な金属で世界的に奪い合いの状況にある。中国四川大地震が起きた時、希少金属であるマンガンやバナジウムの価格が2割近く高騰したと言うニュースが飛び交った。中国は世界有数のレアメタル産出国である事と、レアメタルの流通がいかに緊迫しているか分かろうというものである。
 わが国がレアメタルとみなしている金属は、白金、マンガン、ニッケル、チタン、クロム、パリウム、タングステン・・・など、よく知られているものをはじめとして31種類ある。実際には生活に深く関与していながら一般の方々には存在すら知られていない金属の方が多い。国はこれらの金属の一部を備蓄し始めている。これらもリサイクル出来れば状況はかなり改善するだろう、と思う。

 「都市鉱山」にしろ、レアメタルにしろ,自然の土壌から抽出するよりも部品中の濃度は高く、かつ、混在している物質も明らかなはずで、回収は簡単なように思うのだが、これなど私ごときのど素人の甘い幻想に過ぎないのだろう。実際には、企業機密で部品中の組成が公開されておらず、回収は困難なのだそうだ。どちらにせよケチな私から見て勿体ないものだと思う。

 次はもっともっと身近なアブラ(体脂肪)の問題であるが,わが国は巨大な産油国でありながらその多くが死蔵されている。これもよく知られていない。残念なことである。


9/18(金)快晴 発熱外来担当 ドック診察面談 内科病棟歓送迎会
2:30起床、ドック判定総括ほか。5:30自転車病院。途中鯉に餌撒き。6:30回診その他。8:00救急カンファ。午前は発熱外来、午後は新入院患者3名対応、13:30人間ドック診察・面談。19:00内科病棟歓送迎会。21:00Taxi帰宅。途中から歩くも偶然次男に拾われた。 21:30就眠。長女帰秋。

迷入してくる虫を捕獲する網を用意した
 私は生活パターンから言えば朝型人間である。連日、2:00am前後にごそごそと起きだし、自宅でドック総括、新聞・文献チェック、徒然日記を書く。ホントは歳と共にだんだん体力気力が落ちてきて、正直なところこの様な生活パターンが辛くなってきた。惰眠をむさぼるつもりはまだ無いが、同じ起きるなら、せめて、業務でなく自分のために時間を用いたいものである。ただ、今の私の環境ではこの方法しか考えられない。解放される時期が来るのを楽しみにしている。

 この間、漏れる光を求めて、網戸やガラス戸の隙間をかいくぐって大小さまざまいろいろな虫が家の中に迷い込んで来る。多くはそのままにしておいてもいつぞやどこかに行ってしまうが、一部は電気スタンドの周囲やディスプレイの周りをしつこく飛び回る。こんな虫はさすがに邪魔になるので、机上に降りた時にティッシュペーパーとかを被せて捕らえて外に出す。ただ、部屋中を元気良く飛び回る虫はこの方法ではなかなか捕獲できないし、無理に捕獲すると傷を負わせてしまう。それでは残り少ない命に対してあまりにも気の毒である。

 そのため、先日、虫を捕獲する網を用意した。室内で昆虫採取するなんて考えてもいなかったが、良いアイデアである。室内用だから長い柄は必要ない。柄は 15cmほどに切断した。これで十分で重宝している。これでまず100%怪我させず優しく捕獲できる。窓から逃がしてやっても全員元気で飛んでいく。

 当たり前のことであるが、すべての生き物は何に生まれるかなど、自分の意思とは100%かかわりがないし、選べない。
 生まれたからにはそれぞれ、与えられた環境と運命の中で必死に生きていかざるを得ない。だから、せめて最善と思われる生き方をして欲しいものであり、させたいものである。個々の天命を果たさせてやりたい。たまたま我が家に迷入し、そこで生を終える事があるようでは、あまりにも気の毒過ぎる。

 捕獲用の網を用意してから2ヶ月ほどになるが、この間数10匹の虫たちが元気に去っていった。うまく子孫を残して、力尽きて土に帰ったのだろうか?あるいは何かの餌になって生を終えたのだろうか?
 是非そうあって欲しいものである。わずかな時間生きている伸びただけかもしてないが、それでも生きる意味はあったのではないだろうか、と考えて一人満足している。


9/17(木)快晴 外来 患者家族面談x3 ドック説明1名
2:30起床,ドック判定総括x1他、5:30自転車病院着。テニストランクス通勤は寒い。今日で修了。6:30回診、病棟業務。8:00救急カンファ。8:45-14:30外来、超混雑。患者不調で対応。21:30自転車帰宅、夕食、22:15就寝。

鳩山代表が第93代内閣総理大臣に(2)不退転の決意の総理に期待
 今回の選挙でこれ程大差が付いた事は私にとっては予想外のことであった。

 ほぼ体制が決まった頃の麻生総理と小澤氏の表情を後日TVで見たが、麻生氏の表情には落胆の様子と共に一種の諦観というか、開放感を読み取った。一方、小澤氏の表情は極めて厳しかった。彼自身もこれほど大差の付く勝利は想定外のことでなかったのだろうか。

 昨日から鳩山内閣が発足した。ここまで来れば期待するしかない。
 鳩山総理もいろんな事を発言しているらしく、面白おかしく語録にもまとめられているらしい。私は残念ながら、それらを知らない。

 彼の発言の中で注目しているのは先月26日に新潟県新発田市での講演で「総理大臣を辞めた後政界に残ってはいけない」と述べ、記者団から自分も総理大臣になったらそうするのかとの質問にも「基本的にはその様に考えている・・」と答えたと言う報道である。発言の背景には森、小泉、安倍、福田らの総理経験者の発言がむしろ政界を混乱させているのでは?との意見を持っているらしい。

 私もそういう考えに賛成である。
 降ろされた森元総理は表舞台に出るべきでないし、自ら政権を投げ出した二人は政界から去ってしかるべきと、私も思う。それから見ればまだ小泉氏は潔い。特に福田元総理は選挙演説の中で政治家としてまだまだやり残したことがある、と有権者に支持を訴え、顰蹙を買ったとされる。何とか当選したものの、総理を辞めてから言うべき言葉でなかった。総理経験者の今回の選挙戦は、落選者が出た等、決して安泰でなかった様である。総じて有権者の空気を読めなかったらしい。従来はこんな選挙など無かったはずである。
 
 さて、鳩山氏はどうだろうか。
 総理退任後に本当に止めるか否か、言葉尻をとらえて今から楽しみにしているわけではないが、その姿勢は評価したい。責任者が自ら退路を断っていると宣言し、自らを緊張状態に置いて全力投球することの異議は絶対的に大きい。周囲が如何に感じていようとその地位を退いた後のことは100%自分の問題である。
 責任を放棄しながら安全な元の鞘に収まるという姿勢は何としてもいただけない。


9/16(水)雨のち晴 外来 患者家族面談 院内感染症対策委員会(欠) 県医師会理事会
2:30起床。ドック判定総括x1。5:20Taxi病院着。6;30回診他。8:00救急カンファ。8:45-14:00外来+ドック対応。 15:00患者家族面談、16:00院内感染症対策会議(欠)。16:30-18:20県医師会理事会。20:50帰宅、夕食、21:30就寝。

鳩山代表が第93代内閣総理大臣に指名された
 特別国会は16日に召集され、鳩山代表が第93代内閣総理大臣に指名された。
 新たな内閣の顔ぶれ、まだよく分からない。中でも厚労大臣となった長妻氏(49)はどんな方なのだろうか。新型インフルエンザ対策を含めてその手腕が気になるところである。

 新内閣にとって国の運営に多くの困難が待ち受けているが、特に医療福祉分野に関しても懸案が山積みである。
■ 後期高齢者医療制度の廃止
■ 療養病床再編計画の凍結
■ 中医協改革
■ 年金問題など
 上記はマニフェストや政策集で明言している項目であるが、今日以降、一体どのような形で進められるのだろうか。

 鳩山代表は自身の政治理念として「友愛」をあげている。これは鳩山家に伝わる言葉というが、私はとても良い言葉だと思う。一方、政治そのものは「脱・官僚依存政治」を進めていく考えを強調した。かねてから表明している政治理念を力強く進めてほしいものである。

 有権者の手による政権交代は明治以来の我が国の近代政治史上初めての出来事だと言うが、歴史的な大事件の割には実に静かな交代と、新政権のスタートに思えてならない。
 特に、主権者である国民、有権者に高揚感はない。有権者は本当に新政権に日本の将来を託したのであろうか??
マスコミによって煽られた政権交代のムードの中、まず今回は民主党に入れてみようと言う雰囲気で軽い気持ちで投票し、民主党の大勝をみてむしろ驚いたのではなかろうか。私は僅差はないだろうと思っていたが、これ程の大差が付くとは思ってもいなかったから結果を見てとても驚いた。

 私は今回の政権交代を上記のように感じているが、いつまでもこんな事を言ってはいられない。今日からは新政権の舵取りに委ねる事になるのだが、淡い期待はたやすく幻滅に変わりうる。そのもろさの中での船出である。鳩山氏は、藁にもすがる思いで民主党に票を投じた国民の期待に応えなければ、国政にとって取り返しのつかない状況になる、と述べ、緊張感を持って政権運営にあたると決意を述べた。その通りであろう。

 私は不安も感じているが期待もしている。新政権の運営をじっくりと見定めていきたいと思う。


9/15(火)晴れ 外来 法人常務会 マッチング判定会議 全体学習会「接遇」  研修医との懇談会
2:00起床、ドック判定総括x1、文献ほか。5:40自転車病院着、早朝はかなり冷える。ウインドウブレーカー着用となる。6:15回診。 8:45-14:10外来。14:45-15:40法人常務会。16:00マッチング判定会議。17:30全体学習会「接遇」(欠)。 18:30-20:45研修医との懇談会。21:30途中まで自転車、若干酔っていて無理。引き返しTaxi帰宅、22:00就寝。

東北医連総会(福島) マンドリンクラブに気の毒 感銘受けた品川氏の特別講演
 9月12日-13日は東北医連総会があり、福島に出張した。
 医師会事務局にJRと宿泊をお願いしたが、会の前後が欠けるが、最短の滞在時間で済むように配慮されていた。

 だから、初日に開催されていた学校保健関連の大会の講演等は聴けず、夜の医連の懇親会から参加した。これも20分以上遅れての到着であったがまだ挨拶が続いていたから丁度良かった。懇親会のアトラクションは「郡山マンドリンクラブ」の演奏があったが誰も聴いていない状態の中での演奏で実に気の毒した。先の仙台での医連の時は弦楽四重奏団であったが、この時も気の毒であった。

 一般的に、この様な懇親会で音量も少ないデリケートな音楽をアトラクションに計画しても演奏家に気の毒なだけである。もしどうしてもそれにこだわるなら開会前とか、開催挨拶直後とかで座が乱れないうちがいい。最初から分かっていれば主催者に提言するのであるが残念なことであった。6曲もやったらしい。私は酒よりも演奏の方を、と思って最初は耳を澄ましてみたのだが、全くきこえず諦めて喧噪を増やす方の立場に替わった。
 この様な会では太鼓などの打楽器中心のもの、民謡、大音量でならすブラスアンサンブルなどが良い。その意味では会長自ら出演した昨年の秋田のジャズバンドは注目度も高くとても良かったし、秋田市医師会共済会主催の納涼会の「大館曲げわっぱ太鼓」は極上の選択であった。

 二日目はホテルの一室でチェックアウトぎりぎりまで粘ってドックなど処理したので午前のシンポジウムは後半から出席した。
 午後の品川正治氏の特別講演「戦争・人間・憲法9条」は実に感銘深かった。
 が、帰路のJRが14:12分発であったので半分ほどで、後ろ髪を引かれる思いで中座した。氏は現在85歳、東大卒、日本火災海上社長・会長を歴任し現在は相談役。又社団法人国際開発センター会長の要職にある方である。

 実にゆっくりとした話しぶりで、私の好むテンポとはかけ離れていて最初はどうなることかとガックリ来たが、5分、10分聴いているうちにぐんぐんと引き込まれた。前半は戦争体験の部分であったが、この話はこの数年前まではトラウマのためにとても話せなかったと言うが、最近になって何かをきっかけにしてやっと口に出せるようになったとのことであった。激することなく淡々と話された内容は戦争の現場を直接体験した方でなければ話せない、実にリアルな内容であった。会場は物音一つしないほど静まりかえり、途中で席を立つのもはばかられる雰囲気であった。

 9月19日には秋田市で「秋田九条の会」主催で氏の講演会が計画されている。案内はいただいたが、当初は予定に入れていなかったが、今回の講演を聴き、秋田で再度聴ける巡り合わせを喜びながら会場を後にした。

 病院では不調の患者が不安げな様子で私の帰りを待っていた。残念であったが中座して帰路について正解であった。
 間接的に事務局のセットアップに感謝である。


9/14(月) 晴れ 管理会議 外来 県健康推進課スタッフ来訪打ち合わせ 療養病棟判定会議 長副会議 
1:10起床。文献チェック。ドック判定・総括x2。5:30自転車病院着。6:30回診他病棟業務。7:45-8:25管理会議。 8:45-14:30外来。15:00県健康推進課スタッフ来訪,ワクチン関連打ち合わせ。16:00-16:35療養病棟判定会議。 17:00-18:45長副会議、20:30自転車帰宅、夕食、21:15就寝。

書評 出河雅彦著 「ルポ 医療事故」 朝日選書 903円 (2)
 医療は本質的にリスクを包含する。他の分野では安全を保障する数多くの試み工夫、改善がなされている。よく航空産業と比肩されることがあるが、本質的に全く異なっている。比較すること自体参考にはなるが、実効的意味は乏しい。

 医療はインプットとアウトプットの間に大きなブラックボックスをかかえている。だから予想された結果と実際の結果と異なることは日常茶飯事であり、医師を始め医療従事者はそれに対応し、ずれた結果の修復に心を砕く。ところがそこにもまた次のブラックボックスがある。そのように不確実性の中での業務である。
 不確実性というのはどの分野でも大なり小なりあるだろうが,医療ほど不確実性を包含した分野は他にあるのだろうか。私は不勉強にして知らないが,恐らくないのではなかろうか、と思う。これがもし航空機の実態と仮定したら一体誰が乗るのだろうか。パイロットですら搭乗を断るだろう。

 この様な不確実性の中での業務の遂行である。
 だから他の分野以上に医療従事者一人一人に細心の注意力とマニュアルに沿った確実な業務の遂行が求められる。ただ、それだけでは医療事故は決して無くならない。人は過ちを犯すものである。だから、過ちが途中で気づかれる二重三重のチェック機能も絶対に必要である。それでも事故は起り得る。その際、被害を最小限に止める対応を最大限に行うことは当然である。これらがすべてうまく機能すれば医療事故、医事紛争はかなり減少するだろう。

 これらが機能し得ない原因は何か。
 根源は医療従事者の劣悪な業務環境、労働環境にある。分かっていても出来ない、マニュアルがあるが見直す時間がない、チェック機能もどこかで落ちる・・等々である。そのような中で何とかミスを犯さないように最大限の配慮をしながら業務をこなしている。ある看護協会の調査では80%以上の看護師がミスを犯すのではないかという不安の中で働いている、と言う結果もあった。医療事故の背景にはとてつもない大きな労務環境上の問題点があるのだが、結果として起こった事故に対しては個々人の責任が問われてしまうのは納得いかないことである。高い不確実性があるのだから、必要なのは余裕であり、余裕を生み出すマンパワーである。

 本書、「ルポ 医療事故」は朝日新聞の編集委員である出河氏の著作であるが、決してニュースと同じ感覚で読者の注目を集めるような視点でまとめているのではない。又、一方的に被害者の立場に立った告発本でもない。著者は豊富な経験を元にあくまでも中立の立場で事実関係を淡々と述べていく。その際に個々の事故の背景因子、全体の中における医療界の問題にまで言及していく。
 だから、一般的な医療事故関連の書籍と異なり、医師としても安心して読めるし、自分がその渦中にいたらどのような行動をとるべきか等について深く考えることも出来る。

 この本は存在感のある本である。医療事故の資料集としての価値もある。多くの医療従事者に読んでいただきたい。


9/13(日)晴れ 東北医連総会 夕方から病棟拘束 
2:30福島View Hotelで起床、持参のドック判定総括x4、新聞チェック+本読み。6:00頃から病棟から頻回に電話。患者不調。電話指示と代理医への診察依頼で対応。10:30シンポジウム会場に。13:00講演「戦争、平和、そして憲法9条」。素晴らしかったが、患者不調もあり中座し14:12発新幹線に。仙台でこまちに乗り換え帰秋、17:00秋田着、病院、回診他20:00帰宅。家内も不調の様子、軽く夕食、21:00就寝。

自転車(8)装備品も様変わり  電子キーとLEDライト
 去る8月中旬自転車を購入した。一気に歩きすぎて足底を痛め歩けなくなったからである。
 通販でマウンテンバイク(MTB)を購入した。付属品は地元のショップで購入することとして全部外し、本体だけで送料込みで14.000円であった。超格安MTBという事になる。ところが、届いた説明書には山道とか荒れた道路での走行は禁止、とある。これは真のMTBではなく、MTB様仕様と言うことで、「みてくれだけのMTB」と言うことになる。

 超格安品に品質を求めるのはどだい無理な話である。実は最近、走り専門のロードバイクという範疇の自転車が欲しくなったのだが、これだと最低でも20、並で50、プロ仕様で100以上だという。恐ろしくて値段の単位を付けられない。これらのユーザーは室内で保管するのが常識とのこと。先ず、しばらくはこの1.4の自転車で自分としての可能性を探ってみようと思う。

 自転車は中学から大学まで用いたのを含めると3台全部盗まれた。だから、自転車はどんなのを購入しても結局は盗まれるという感覚が強くて今回は値段中心の選択をしたのであるが、今はちょっと後悔している。

 せめて付属品だけは言いものをと思い、比較的頑丈なチェーンキーを購入した。従来からチェーンキーは何本も購入したが、キー仕様のもの、番号あわせのものとあったが、共に一長一短であった。今回購入したのは専用のチェーンカッターでもなければ簡単には切れないだろうと言うほど太く頑丈なチェーンで、何と電子キーであった。自分としては驚いたのであるが,病院の駐輪場を見ると1/3ほどが電子キーになっていた。私が遅れていただけであった。

 もう一つの部品はLEDのライトで、高輝度白色LED5本がセットとなったライトで、目も当てられないほど強烈な明るさである。それでも単3電池2本で連続点灯で40時間、点滅で150時間も使用可能だという。驚くほどの省エネ仕様である。しかも、点滅の法が長持ちするというのは従来の光源と異なる点だろう。自転車にワンタッチ着脱式だから駐輪時には鞄の中にしまい込む。夜間歩行時にも役立つから一石二鳥である。

 このLEDライトは強烈な光であるが、道路の凹凸や異物の識別能は思いの外低い。だから走り慣れた道路でないと危ない感じである。対向車から認識してもらうための道具と割り切って使おう。


9/12(土)快晴 午前病棟拘束 東北医連総会懇親会 
2:30起床、ドック判定総括x2他.5:55自転車病院着、6:10回診、事務処理他。8:30救急カンファ。14:30駅に。書店で数冊買い込む。15:06こまちで仙台に。乗り換えて18:10福島着、駅前のViewにチェックイン、東北医連総会懇親会に出席。17:50中座し本読み、ドック判定など。22:00就寝。

書評 出河雅彦著 「ルポ 医療事故」 朝日選書 903円 (1)
 医療はもともとリスクの高い分野である。医療の定義はいろいろあるが,私は「医療とは、大きなリスクを回避するために小さなリスクを与える行為である」と定義している。だから、医療そのものには必ずリスクを伴うものだと思っている。

 産業や工学の分野では、99.99%とかのレベルまで安全を保証できる例もあると言うが、医療は本質的に桁が違う。しかも、医療を行う側にも受ける側にも個人差がある。だから、インプットとアウトプットは予測通りには行くとは限らない。医療には本質的に不確実性,不確定要素がある。しかも、人は過ちをおかす存在でもある。だから、産業や工学と同一レベルで安全は語れない。
 
 だから,この様なことを並べると医療の世界に身を置いていることに恐れを感じてしまう。さりとて、私どもいる医療人はこの現実に背を向けられない。だから、安全の追求を怠らないこと,事故が生じた際には最善の努力をして治療にあたること、かつ、一例ごとの経験を再発防止のために役立てること、は医療人の義務である。そのためには、プライバシー部分をのぞきすべてオープンにしていく必要がある。

 私は病院の管理者という立場上、個人的にも医療の安全については常に心配りをしている他に,医療機関として安全管理上のシステム化も充実・確立するようつとめている。

 私は個人的にも日常から医療事故に関するデータ,文献を集めている。しかし、私が手に入れられる資料は断片的であり、意外と少ない。

 本日は福島までJRで移動したが,車内は私にとって貴重な読書の時間と場所である。いつものことであるが、遅れそうになったので買い置いた書籍数冊を内容を確かめもせず鞄につめて飛び出したのであるが、その中にこの一冊があった。
 
 これは出版直後,4月頃に購入していたものであるが、今日まで読む機会が得られなかったものである。JR内とホテルの一室で一気に読み切ったが、とても優れた本である。約半年、読まずにいたことを悔やんでいる。

 本書の内容は多岐にわたるが以下の如くで、事故そのものは知っていても詳細を知り得なかったものも含む。だから、事故のまとまった資料集としてもとても価値が高い。

■京都大学病院エタノール誤注人事故
■東京都立広尾病院薬剤取り違え事故
■埼玉医科大学総合医療センター抗がん剤過剰投与事故
■東京慈恵会医科大学青戸病院腹腔鏡手術事故
■名古屋大学病院動脈損傷で大量出血事故
■大阪大学病院空気塞栓症
■東京医科大学病院相次いだ医療事故
■東京女子医科大学病院心臓手術事故
■福島県立大野病院事件
■医療事故から身を守るには
■医療事故調査の課題
■パロマ社製ガス湯沸かし器CO中毒事故
■大相撲力士傷害致死事件
■日本の死因究明の問題点


9/11(金)晴れ 入院患者対応 ドック診察 法人理事会  
2:00起床、ドック判定総括x2他.5:40自転車病院着、6:10回診、事務処理他。8:00救急カンファ。13:30ドック診察。入院患者対応。17:30-18:20法人理事会。21:00自転車帰宅、21:45就寝。

9.11から8年、安倍、福田退陣、政権交代も9月 だが、なんか静か過ぎないか 
 9.11は忘れられない日である。
 ハイジャックされた4機の旅客機のうち3機がNYの世界貿易センターやワシントンの国防総省に突っ込み、3千人以上が犠牲になった。あの忌まわしい同時多発テロが生じた日からもう8年経った。非道なテロに多くの人々が衝撃を受け、怒りを共有し、テロを根絶するために国際的に強い連帯感が広がった。

 当時のブッシュ大統領は犯人への報復を誓い、テロに対して宣戦布告した。日本もこの日を契機に、一定の条件の下に自衛隊を外国にも派遣しなければならなくなった。
 ビン・ラビンを追ってのアフガン攻撃はやがてイラク攻撃に繋がった。イラクだけで9.11テロの犠牲者数以上の米軍兵士が命を落とした。更に、それをはるかに上回るイラクの民間人、諸外国の人々が犠牲になった。

 これだけ大きな犠牲を払いながら、米国の武力行使によって破壊されたアフガンやイラクの地に一体何が生まれてきたのか、検証はどうなっているのだろうか。フセイン政権の終焉は分かるが、それがイラク国民にとって本当の意味でどうであったのか、私は不勉強にして知らないが、微妙なバランスをとりながら時を重ね維持されてきた地域の環境が、正義という命題を背景にしていたとしても、外力によって無理矢理線引きされた場合、その地の方達にとっては必ずしも良い環境になるとは限らない、と思う。憎しみの感情を抱いた新しい勢力が必ず台頭して新たな紛争の元になる。力による抑圧の限界である。

 今年、オバマ大統領が登場した。徹底した対話でイスラムとの和解を成し遂げようとしている。是非そうあって欲しいものである。

 日本でも、この9月にイラク戦争に反対した民主党に政権が交代し、鳩山内閣が発足する。
 9月は、我が国において政治的に激動する月のようである。古いことは調べてみないと分からないが、一昨年の9月12日は、安倍首相が、昨年の9月1日は福田首相が退陣表明した。昨年の9月に麻生政権が発足した。麻生氏は大丈夫だろうか、と危ぶまれたが、今年、8月30日の総選挙でついに自民党は野党に甘んじなければならない事態になってしまった。

 混迷した日本の政治をどう再建するかが今大きく問われているが、今回の政権交代の受け止め方を見ると、社会全体も国民もあまりにも冷静である。大騒ぎしているのは民主だけで、当の自民すら半ば諦めムードであまりにも静かである。本来なら政権交代というのは有権者一人一人の生活にとっても激震であるはずなのに、殆ど揺れていない。

 国民の多くは心底から本当に政権交代を願って民主党に投票したのだろうか??疑問である。
 尤も、米英の如くのようには日本の二大政党はそれほど対立的でない。そのことが国民に安息を与えている様だ。本音では自民支持なのだが今回だけは政権交代もやむないだろう。まあ、ダメモトで民主に一度やらせてみればいい。出来るはずないじゃないか・・こんな感じでないだろうか。

 民主には思い切った政局運営をして欲しい。
 政権交代の意味をしっかりと提示しつつ政策を展開して欲しいものだ。日本の政治の歴史の中に決して忘れられることのないような9月になって欲しいものである。


9/10(木)雨・晴れ 外来 +患者家族面談 県社会福祉審議会身体福祉専門分科会  県医師会顧問会議 家内帰宅
2:20起床。ドック判定総括x1、5:20病院着、6:20回診ほか。8:00救急カンファ。8:45-14:00外来。15:00-16:30県社会福祉審議会身体福祉専門分科会。18:00県医師会顧問会議。20:30帰宅、夕食、21:00就寝。家内そろそろ秋田空港着のはず。

自転車(7)実は、イヤフォンだけだと風きり音で話の内容が聞き取り難いのです 
 自転車で走行中、携帯は通話のほか画面を見ることも、操作することも違反となった。これは理にかなっている。高校生達が良くやっているが、路地や交差点などとても危ない。彼らは加えて夜に無灯火で走っている。携帯の光で顔の表情だけがドラキュラの如く青白く見えて、気持ち悪い。鏡の前で試してみてるのだろうか。

 私は徒歩あるいは自転車通勤の時間は景色を楽しみ、草花を楽しみ、風を楽しみたい。更に音楽や講話の録音を聴く時間にも充てたい。だから自転車走行中のヘッドフォンやイヤフォン禁止になったと聞いたときはガックリ来た。
 しかし、禁止内容をつぶさに読んでみると「周囲の音が聞こえないほどの」「大音量」で「音楽を聴く」事が禁止されたのであってヘッドフォンやイヤフォンの使用そのものが禁止されたわけではないことがわかった。

 ヘッドフォンは目立つから、注意を受ける可能性が高い。試みに一週間ほどイヤフォンだけにしてみたが、歩いているときは良いのだが自転車だと耳とイヤフォンの露出部からの風きり音のためにさっぱり聞こえない。音量を上げても風きり音が邪魔である。手のひらで耳を覆うとクリアに聞こえるが四六時中そうやって走るのは辛い。

 耳を幅広のバンダナ様のもので覆っても良いのだが、禁止されていないのならノイズキャンセリングヘッドフォンの方が遙かに良い。風きり音までキャンセルしてくれるから、イヤフォンの音量は下げても十分聞こえる。だから周囲の音も十分聞こえてくる。音という意味ではむしろイヤフォンだけよりノイズキャンセリングヘッドフォンを併用する方が安全だと、私は自賛している。
 
 そう言うことで私は一時止めていたが、再びヘッドフォンとイヤフォンを着けて走行している。私の行為は「周囲の音が十分聞こえる程度の小音量」で「講演や講話を聴く」のだから法にも抵触しないはずだ。勿論、危険防止、事故防止は自己責任である。十二分に配慮している。

 3-4年前だろうか、秋田市追分の市道で女子高校生が大型トラックにひかれて即死したことがあったが、彼女もインナーイヤー型のヘッドフォンを両耳に付けていたという。そんな使用法をしていたのか詳細は知らないが、痛ましく悲惨な事故であった。

 私は安全のために、行程の約半分を自転車専用道路を走る。残りは通常の道路を走らざるをえないのだが、対向車が来た場合など、状況に応じてさっと歩道へ避難する。私は自転車が歩道を走ることに賛成でないのだが、身の安全のためにはやむを得ない。ただ、私が走る時間帯は歩行者が殆どいないから、驚かしたり迷惑をかけることはまずない。その面では気が楽である。


9/9(水)雨・曇り 新型インフ打ち合わせ 外来 第12回秋田市救急医療協議会 県健康推進課スタッフ来訪 医師会常任理事会 
2:00起床、ドック判定・総括x1、文献検討、新聞チェック。4:00病院着、患者不調で出勤対応。6:30回診他。7:30新型インフ打ち合わせ。8:45-13:45外来+ドック診察。14:00-15;40第12回秋田市救急医療協議会。16:00健健康推進課スタッフ来訪、新型インフワクチン関連打ち合わせ。17:00医師会へ。17:30-19:10県医師会常任理事会。病院業務若干、21:00自転車帰宅、21:30就寝。

ブタインフ(31)秋田市保健所長、市医師会長に新型インフ対策申し入れ
 本日は第12回秋田市救急医療協議会が開催された。

 議事は■消防法の一部改正について■AED設置状況の報告、■新型インフルエンザで運用であった。
 消防法の一部改正はいつもの如く予算措置を伴わない改訂、秋田市におけるAEDではまだ市民による除細動ボタンを押したケースはないようであった。

 新型インフルエンザと救急という協議では多くの意見が交わされた。
 今日まで新型インフと事後に分かったケースを1例搬送したとのことで、消防隊の今後の対応などが説明された。基本的に感染症法による患者搬送は保健所の業務と言うことは変わらないようであるが新型インフ関連患者は事前に分からないこともあって柔軟に対応していただけるらしい。これに関しては病院への事前通告を徹底していただけるようお願いした。
 本日の会議は救急医療の協議会で本質から若干ずれるものの、遠からざる話題である。会議には秋田市保健所長、市医師会会長も委員として同席していたので秋田市の新型インフ問題を以下の4点にまとめ善処を申し入れた。
 双方から前向きの検討をする旨の返答を戴いた。

■ 秋田市の診療体制は4病院から100余の医療機関に広げられた。これは地域医療にとって朗報である、しかし、夜間、土日祝祭日の診療体制に関しては従来と何ら変わらない。これでは救急病院に集中し、重症患者の診療機能は維持できない。この時間帯における診療体制の確立を求めたい。方法としては公的発熱外来センターの設置、診療所輪番制、診療所の診療時間の延長等が考えられる。

■ 秋田市内の入院医療応需は4病院のみであった。これでは重症患者の対応は不可能である。新型インフの入院患者は2群に分けられる。軽症ながら在宅で過ごすことの出来ない、いわゆる社会的入院患者と呼吸不全対策が必要な重症患者である。このうち前者も救急病院に入院することとなると診療機能維持が困難となる。前者の患者を引き受けていただける病院を再度開拓いただきたい。

■ 4病院間で情報交換する新型インフ診療連絡協議会のような組織を作って情報交換する必要がある。呼吸器の台数も診療スタッフも限られている中でのぎりぎりの診療になるだろう。有機的連携が必要である。

■ 秋田市民に対して医療機関の受診の方法、救急車の使用などについて広報をしていただきたい。


9/8(火)雨のち晴れ 呼吸器科医と打ち合わせ 外来 法人常務会 病棟師長打ち合わせ 医局カンファレンス
2:10起床,ドック判定総括x1、その他。5:10自転車病院着、到着後降雨。6:30回診、7:45呼吸器科と新型インフ入院診療について打ち合わせ 8:45-13:45外来。新型インフ入院発生。14:45-16:00常務会。16:45-17:15病棟師長と新型インフ入院医療関連打ち合わせ。17:30-18:50医局カンファ、周術期血栓症。21:00自転車帰宅、21:30就寝。

自転車(6)自転車走行中のヘッドフォンは大音量で音楽を聴かなければ良いらしい
 昨年から自転車の乗り方のルールが大きく変わっている。
 今年7月からは「3人乗り」も認められた。一方、ヘッドフォンで音楽を聴いたり、携帯電話で話しながら乗ることも禁止された。

 自転車も車両だから使用法のルールは道路交通法で決められている。この法のうち自転車関連部分が改訂されて新しいルールが生まれた。マナーの悪さが目立ってきたための改訂だという。

 歩道走行は殆ど当たり前に普及しているが、これまで許可されていたのは標識などで明示されている場合だけだった。歩道の自転車通行が許可されているのは世界広といえども日本だけらしい。狭い日本で車優先の文化で自転車や歩行者がないがしろにされていると言うことである。歩道走行については、今回、13歳未満の子どもと70歳以上の高齢者はOK、交通の状況からみてやむを得ない場合は一般人も歩道を走って良いことになった。

 禁止事項や乗るときのマナーをまとめた「交通の方法に関する教則」も改正された。携帯電話、ヘッドフォンやイヤフォンで音楽を聴いたりしながらの運転、傘差し遅転は止めるよう決められた。

 自転車の違反に罰則を科すか否かは、都道府県ごとに公安委員会が決めるので、地域によって違いがある。携帯電話は東京、大阪など22都道府県で、音楽を聴きながらは北海道や山口県など18都道県、傘差し週転はほぽ全国で禁止され、違反すれば5万円以下の罰金となった。なお、14歳未満の子どもは対象にならない。

 上記は全国的に共通の事のようである。

 秋田県ではちょっと異なる運用なようである。規制が緩いように感じられて私にとってはうれしい。生活空間のノイズを極端に嫌う私にとってはとても重要な問題であり、決して蔑ろに出来ない。
 秋田県では県道路交通法細則でこれまでも傘差し運転は禁止していたが、今回の改正では自転車走行中に携帯電話を使ったり、周囲の音も聞こえないような大音量でヘッドフォンやイヤフォンを便用する行為を禁止した、と報道されている。
 携帯は通話だけでなく、メール操作や画面を見る行為も違反となった。ヘッドフォンやイヤフォンなどの使用についても、「高音量で音楽を聴きながら」の運転は禁止とある。当面は注意喚起が主目的だが、悪質な場合は摘発するとのことである。

 私の場合、自転車に乗る場合、ノイズキャンセリングヘッドフォンで市井のノイズを消した上で小音量でモーツアルトなどを流す。更にイヤフォンでラジオ深夜便の録音をiPodで聴く。だから、お咎めは受けないことになる。これは私にとってはとても大きいことである。


9/7(月)晴れ 患者死去 管理会議 安全管理者・事務長との打ち合わせ 療養病棟判定会議 長副会議 
2:00起床。文献チェック。ドック判定・総括x1。3:30病院から電話、Taxiにて病院へ。患者死去。そのまま業務。6:30回診他病棟業務。7:45-8:25管理会議、9:00剖検、中座。10:00-11:00安全管理者・事務長と打ち合わせ。13:00入院患者対応。病棟業務。 16:00-16:45療養病棟判定会議。17:00-18:20長副会議、21:10自転車帰宅、夕食、21:45就寝。

自転車(5)自転車を購入 新品は中学以来2台目
 この8月上旬から運動不足解消のために歩いて通勤する事にした。丁度竿灯の頃である。

 片道6Km、これを丁度1時間、6.000歩で歩いた。ちょっと早足である。ところがいつも履いているスリッパで歩き始めたものだから足底には条件が悪かったのだろう、右足底に径3cmほどの水疱が出来た。それでも歩いたらそれが破れた。痛みをこらえて更に歩いたら水疱脇に長さ2cmほどに渡って皮膚にやや深い亀裂が入り、疼痛のために長距離は歩けなくなった。

 歩けなくなったが車に戻るのも惜しい。そうだ、自転車がある。今は自分用の自転車はないからこの際買うか、どうせ買うならスポーティなのが良い。一方、自転車は盗まれる確率が高い。だから、出来るだけ安いのが良い。中古品でも良い。その目でショップを数軒見たが気に入る価格のが無く、やむなく通販でマウンテンバイクを購入した。付属品は全部外し、本体だけで送料込みで14.000円であった。超格安品という事になる。

 注文するときには後ろめたい感じがした。
 私は基本的に物品を購入する際には大型店や通販を好まず、大概のものは市井のショップで購入する。これは住民の努めだと思っているからである。せめて付属品は地元のショップで、と自転車屋で購入した。比較的頑丈なチェーンキーとLEDのライトでこれだけで5.600円だったから若干肩の荷が下りたが、如何に廉価な自転車か分かろうというものである。だが、質的には6段変速はShimano製が使われているなど、そう劣った品ではないように見えるしほぼ満足している。

 私は自転車を好むのだが、新車を自分のために購入するのは中学生以来で2台目である。中学の時の自転車、昭和33年の春であったが、その当時珍しかった輸入品の内装3段ギアが付いており、その当時ですら今回購入したのより高価だった。これで冬期間をのぞき中学2年間、高校3年間、盛岡まで往復32Km走り、更に仙台で1年間、新潟で2年間使った。10年ほど大事に使ったが、結局最後は盗まれてしまった。

 その後、中古で手に入れた総アルミ製のスポーツ車と、余所から戴いて再生したマウンテンバイクは病院の駐輪場で共に盗まれた。後者は2年かけて整備してやっと乗れる状況にしたのであるが、わずか二日目で盗まれた。外見はボロだからよもや持って行かれまいと鍵を付けることを後回しにしたのが裏目に出た。

 私の3台の自転車はすべて盗まれたので、自転車イコール盗まれる、と言うことがどうしても頭から離れない。


9/6(日)快晴 病棟拘束 患者家族面談  終日書類処理 
3:00起床、ドック判定・総括X1、文献・新聞チェック。6:30自転車病院着。回診、8:30救急カンファ。10:00入院患者家族と面談。その後は重症患者対応しつつ夕方まで総括、意見書等々処理。20:20バイク帰宅、夕食、21:10就眠。

オールド・ボロ・ハーレー(15)満月に誘われてついふらふらと遠回り
 今はバイクのシーズンなのだが今期は車検を取ったもののあまり用いていない。特に8月以降は通勤に徒歩と自転車も加えたので出番がぐっと少なくなってしまった。

 日曜は出来るだけ家で過ごすよう心がけており、いつもなら11時頃一旦帰宅するのであるが、本日は家内が旅行中と言うこともあって帰宅する必要もなかった。これぞ良い機会と、早朝から夕方まで病院で重症患者への対応と机上に積み重なった書類の処理に費やした。これで書類の1/4位ほどは処理できたのではなかろうか。これでも床の上には未処理のドックのカルテ、資料が10数人分積み重なっていてプレッシャーをかけてくる。

 ほぼ12時間ディスプレイを見て過ごしたのでさすがに疲れ果て、帰宅は久々バイクにすることとした。ハーレーのバッテリーはエンジンの割には容量が少ないから、時々は乗って充電する必要もある。幸い天候も悪くなさそうである。

 20時になるともうかなり暗い。空に雲がないので一層暗い雰囲気である。病院周辺のビル、住宅の屋根は黒いシルエットとなって雰囲気を高めているが、空全体はほのかな月明かりである。月は病院の建物に隠れて見えない。

 夜の帰宅のコースは数種類あるが、どのルートで帰宅するか決めずにとりあえず道路に出てみた。最初の交差点でふと東の方を見たら、昇って間もないのであろう、満月がまだ低いところにある。大きく白く光る見事な月に感じ入ってふらふらと東側にハンドルを向けた。何という美しさであろうか。東に向かう道路は丁度月が正面である。道路を走っていると言うより月に向かって走っている感じでもう最高である。

 やがて道路は突き当たりとなり、横山金足線を北側に向かう。満月は右後ろから私を追ってくる。水道山付近では広い道路脇にバイクを止めしばし眺めた。ひときわ高い丘の木々の脇に満月である。美しい。

 自宅付近では今度は農道を西に進む。満月は何も視界を遮るもののない広い空にポッカリと浮かび、左後ろから私を追ってくる。ゆっくりバイクを走らせての20数分、満月と共に至福の時を持った。バイクだからこそ味わえたひとときである。
 雲一つ無い天候である。この調子だと明朝も西の空に高く輝く小さくなった満月に又会えるだろう。それを楽しみに休むことにしよう。
 ハードな一日であったが、満月にすっかり癒された。


9/5(土)晴 病棟拘束 横手市市民医学講座「新型インフルエンザ」 
2:45鹿角パークホテルで起床、持参のドック総括x1他本日の講演準備。6:00Taxi大館駅に。7;14特急秋田に。9:00病院着。業務若干。11:30JR横手に。14:00-16:30第57回横手市民医学講座。医師会副会長に送られ帰院。帰院直後救急入院あり受け持って対応。 18:50 出前食。20:00自転車帰宅、23:50就寝。家内は旅行で、賄いの石井さんは不幸があって不在。

アトリオン室内オーケストラ(ACO)第31回定期公演
 8月31日(日)14:00から「渡辺玲子マイ・フェバリッツ」と題してACO第31回定期公演が行われた。
 今回は指揮者なしでヴァイオリン独走は県立教養大学特任教授で国際的評価も高い渡辺玲子氏。ACOと渡辺氏との共演は3度目とのこと。フルート独奏は高橋雅博氏。
 今回は渡辺氏のお気に入りの作品を中心にプログラムを組んだと言うことで上記の名称の演奏会になったとのことである。

 演奏曲目は、■バツハ作曲パルティータ第3番ホ長調BWV1006より2曲(編曲独奏渡辺氏)、管弦楽組曲第2番ロ短調BWVlO67より5曲(独奏高橋氏)、パルティータ第2番二短調BWVlOO4より「シャコンヌ」(独奏渡辺氏)■メンデルスゾーン作曲ヴァイオリン協奏曲二短調(独奏渡辺氏)■ボロデイン作曲弦楽四重奏曲第2番より「夜想曲」■バルトーク作曲ルーマニア民族舞曲より(独奏渡辺氏)■アンコールは愛の挨拶他2曲。

 パルティータは原曲はヴァイオリン独奏曲であるが、クライスラーがピアノ伴奏を付けた楽譜をもとに渡辺氏が編曲した弦楽合奏伴奏による演奏であった。バックの歯切れが悪くソロと若干かみ合わないかな?と思ったが、実際のところよく分からなかった。
 「シャコンヌ」は当然のことながらソロによどみはなく、美音で流麗ささえ感じられた。
 メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲二短調は13歳の時の作品である。私はグリュミオーの演奏のレコードで20年近くも親しんでいるが、スラーのフレーズが多い名曲である。
 ボロディンの夜想曲は半世紀も前のことだろう、NHKラジオ23:05からの「夜の名曲」のテーマ曲であり私は小中学生の頃毎日聴いていた懐かしい曲の一つ。今回の弦楽合奏の演奏も楽しめた。
 バルトークのルーマニア民族舞曲も何度か聴いている。民謡が素材なので聞きやすいが記憶には残らない。いつ聴いても初めて聴くような感じである。

 ソロの渡辺氏はとても有名な方であるが、県立大学の特任教授として毎年来秋され、その度に演奏会を持たれるから私どもはとても恵まれている、と言える。
 昨年はベートーヴェンのヴァイオリンソナタ数曲の作曲上の意味づけ、演奏上の工夫等を分かりやすく分析して紹介したレクチャーコンサートが催された。時間的に一部しか聴けなかったが、作曲・演奏上の深淵を感じさせられた。この会では、楽譜をなぞって音を出すだけでは音楽とは異質のものなのだと教えられ、当然と思う反面、ちょっとショックを受けた。


9/4(金) 発熱外来担当 ドック診察 鹿角市医師会「新型インフルエンザ」講演
 1:30起床、講演準備他。5:00自転車で出勤。6:00患者不調の連絡。回診その他。9:30発熱外来。11:30入院患者対応。 13:30ドック診察。17:30JR大館に。迎えの車にて鹿角パークホテルに。20:00-21:30鹿角市医師会「新型インフルエンザ」講演。夕食、 22:30就寝。

ブタインフ(30)国、県、自治体の広報が拙い 厚労大臣の会見は不快
 先日たまたまNHK海外ニュースを見ていたら世界各国の新型インフルエンザ対策が紹介されていた。

 市井の様子の紹介の中ではマスク姿は先進国の中では我が国が最も多いようであった。私もマスク着用を勧める立場であるが、屋外では状況にもよるが感染防御の意味では殆ど価値がない。空気の流れが感染性飛沫を一気に薄めてくれるからである。

 その中で私が感心したのはフランスの政府の広報である。国が監修した内容で国民に衛生思想、具体的手洗い、マスクの効能、医療機関の受診の仕方などについて、公衆衛生担当大臣他多くのスタッフが登場して論理的に解説している。
 これらの政府広報が一日に何度も流されているという。これほどの広報番組が頻回に流されていると、見たことがないという意見は通らないだろう。だから、国民の大部分には新型インフルエンザへの対応について十二分に理解が浸透しているのだという。

 振り返って我が国の姿である。
 国は国民に対して継続的に何か広報しているのだろうか?と思う。少なくとも私の目には一切触れていない。新聞にも政府監修の広報はない。
 TVで見るのは大部分はニュースで舛添大臣が頻回に登場して見解を述べている。内容は専門家が書いたものだから間違いはない。それはさておき、彼の表情は演技っぽい。何とか気取りに見える。彼の表現は何も知らない国民に対し不安を与える。私から見れば薄っぺらな張り子の虎である。彼自身が新型インフルエンザをかなり誤解している、としか思えない。発表の時は勇ましいが、記者達からちょっと突っ込んだ質問が出るととたんにキョトンとした顔になり、答えられない。最後は自分は専門家でないから、と言って逃げる。彼は広報という立場では決して相応しくない。

 昨日のニュースによると政府もついに広報を始めたらしいが、何と、インターネット上でのことであった。厚労省のホームページの中で動画によって説明しているのだと言うが、誰がそんなの見るか。当たり前のメディアを使ってこそ国民向けの広報である。

 同様に、県、自治体レベルの広報も見えない。
 だから医療機関が「受診の仕方」、「治療薬タミフルについて」、「在宅での過ごし方」、「手洗いやアルコール消毒」等のいろいろなパンフレットを作成して患者に提供して丁寧に説明している。しかし、これだと各病院間で患者説明に差が出てしまうし、多忙な診療の合間に時間が無くてとてもやってられない。この辺のことは行政の仕事であるが、見えない。

 マスコミは独自に情報を流してくれている。速報性があってとても良いのだが視聴者、読者の気を引くために表現が過剰にセンセーショナルで、気になる。

 標準的内容の広報で国民、県民、住民に適宜情報を提供し教育するのが国や自治体の仕事であるが、その分野までも医療機関がやらされている。
 こんな状況では息の長い感染症対策など困難である。政府監修の広報をしっかりやって戴きたい。


9/3(木)晴・暑 外来  新型インフルエンザ講演準備
2:30起床、ドック判定総括x2他、時間なし。5:45半行程徒歩で病院着。6:30回診+病棟業務、8:00救急カンファ。8:45-14:00外来。レセプト、患者関連書類処理。週末の2講演の準備、20:45自転車帰宅、夕食、21:15就眠。

ブタインフ(29)県内新型インフ事情 秋の連休の有効利用は名案だ
 県では8月10日の基本的対処方針の改定後、一般医療機関でも受診できる医療体制の整備を進めてきた。新型インフ診療を受け入れる医療機関を手あげ方式で募集し、9月1日より登録医療機関でも診療することになった。これは朗報である。
 それに先立ち県新型インフルエンザ対策本部長の秋田県知事が記者会見した。以下はその要旨である。

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新型インフルエンザにかかる医療体制の変更について                 平成21年8月31日

○患者の発生状況
 県内の患者数は、一定点医療機関の患者数が1.95人(全国2.47人)と8月に入ってから感染が急速に拡大してきている。

○医療体制の変更
 急速な患者の増加に対応するとともに、基礎疾患を有するハイリスク者に対する適切な医療を提供できるよう、明日から医療体制を変更する。登録医療機関や「かかりつけ医(主治医)」が連携し、県民の皆様が多くの医療機関で治療を受けられる体制に移行する。

○受診の仕方
9月1日から医療機関を受診する際は、これまでどおり発熱相談センターに相談してから受診するケースに加え、登録医療機関に直接電話してから受診するケース、「かかりつけ医」に電話相談してから受診するケースがあり、新しい体制についてご理解をお願いする。
○相談体制の拡大
患者の増加を踏まえて、これまでの電話による相談日に加え、日曜日及び祝日も相談ができるよう、県健康推進課と秋田市保健所において対応する。

○県民へのお願い
急速な感染の拡大を防止するために、県民の皆様一人ひとりが咳エチケットなどの感染防止対策を自覚をもって自ら実践することが大切であり、ご協力をお願いしたい。
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 これまでは患者数はそれほど多くなかったと言え、秋田市で言えば新型インフ関連の患者は4病院が診療を担ってきた。病院当事者にしてみれば相当の負荷であった。実効性はまだ分からないが県全体で354の医療機関、秋田市においては10病院、92診療所がエントリーした。これは朗報である。

 しかし、どうだろう。夜間帯、土日祝祭日、多くの病院診療所は休診またはそれに近い体制である。その間、患者は地域の基幹病院に集中するのでないだろうか。だから、その時間帯は各地域毎に地域に相応しい形で公的な発熱外来センターや診療所の輪番体制を確立していって欲しいものである。また、市内の10病院がエントリーしているが入院応需可能は相変わらず4病院のみであった。これらの医療機関、あるいは老人保健施設等から入院適応患者が次々と送られてくるようになると4病院の機能は破綻する。公的な立場で解決を図っていただきたい。

 先日、県の健康推進課スタッフが来訪して打ち合わせをした際に、秋の連休の前後を県内の全学校休校にして外出を控えるよう要請すれば県内の新型インフ事情は大きく改善するはずだと言っていた。これは名案である。
 私もかねてから、一週間、国民の移動、人的接触を断てばそれで新型インフの流行は阻止できるのだが・・・と発言していたが、具体的に実行することなど無理と思っていた。しかし、学校について言えばこの連休を用いれば不可能なアイデアではないという事になる。恐らく一時的であろうが県内の患者の発生はかなり抑制できると思われる。
 しかし、これも夢物語の一つであろう。

 本日発表になった感染症動向調査においてほぼ倍々と急増していた感染者数が先週より若干減少している。全国ニュースでは急増中と言っているし、県内の他の地域では相変わらす増えているのでその評価は難しい。 が、私は朗報として受け取った。
 それにしても、国や県の国民向けの広報が少なすぎる。


9/2(水)晴 外来 外来 健康推進課スタッフ来訪 全職員学習会「当院における新型インフルエンザ対策」
2:00起床。ドック判定総括x2.家内講演準備等。5:10自転車病院着.6:30回診その他。8:00救急カンファレンス、8:45-13:40外来。15:00県健康推進課スタッフと打ち合わせ。病棟書類書き。 17:30-18:45新型インフ全職員学習会。20:40半行程徒歩帰宅,夕食。21:45就寝。

「ヘルスチャレンジ2009」はウオーキング60万歩/2ヶ月にエントリー
 法人共済会では9月から2ヶ月間「ヘルスチャレンジ2009」と称するキャンペーンを展開した。
 全部で13項目あって「ジョギング100Km」、「完全禁煙」、「ウオーキング60万歩」・・・と身近な項目である。

 私は「ヘルスチャレンジ2007」の時には「スリム3Kg作戦」、「エレベーター・エスカレーターを使わない」の2項目にエントリーし、双方とも完全達成。2000円分の図書券を戴いた。体重のデーターは66.9Kgから63.4Kgまで減らした。このときは「いつでも簡単に痩せられる」と公言していたことがウソではないと証明出来たことが嬉しかった。

 最近また太ってきたが、その一因は昼夜逆転の家内が不定期に朝食を作るものだから、どうしても摂取カロリーが増えるからで、実は私は困っているのだが、断ると機嫌を害するから出されればありがたく戴く事にしている。だから、今回の「ヘルスチャレンジ2009」はカロリーを消費する側で調節しようとウオーキング60万歩/2ヶ月、「エレベーター・エスカレーターを使わない」の2項目にエントリーした。後者は日常の生活そのものだから難なく達成できると思う。

 8月上旬から通勤時に歩き始めている。往復12Km。突然準備もなくスリッパで歩き始めたので数日で左足底を痛めた。この間は自転車とし、やっと傷が回復しかかって来たのでまた歩き始めている。 

 通勤を兼ねているといえども、連日2時間をウオーキングに時間を費やすのは困難で、業務量は変わらないから失った分は睡眠時間で調整するしかない。最近寝不足に徐々に弱くなりつつあるので、健康のためと言えこれ以上の睡眠時間短縮は不健康である。だから無理せず、早朝あるいは夜間帯のスケジュール、天候に応じては自転車、バイク、歩行、日によっては半行程タクシーの徒歩、など適宜選んで時間を調整している。

 だから、エントリーはしたものの、共済会の「ヘルスチャレンジ2009」のうち「ウオーキング60万歩」は私にはちょっときついような気がする。それでも頑張る。この2日間の万歩計の積算は15.700を示している。スタート時点から遅れをとっている。


9/1(火)雨のち晴れ 外来 法人常務会 医局会 
1:30起床,ドック判定総括x3。書類処理他、5:10病院着.6:30回診、定期処方他、8:00救急カンファ(欠)、8:45-13:25外来。14:45-16:20常務会。17:30-18:25医局会。20:45帰宅、21;10就寝。

院長就任5年目に  心境「時、我を待たず」
 今朝、院長就任5年目の朝である。
 まる4年経過した。これは長副会議のメンバーをはじめ、全職員の協力、サポートがあればこそであった。

 この一年、公私、いろいろあったが、振り返る時間も持てず今日を迎えた。
 公的な面でいろいろあったが、言及する暇はない。私的な面では現状ではダメだ、と思う。心境は「時、我を待たず」である。

 まず、5年目の朝のスタートである。この一年支えていただいた方々に心から感謝し、言葉少なく、否、字数少なく、前向きにまた一歩を踏み出すこととする。


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   年を通じてワンパターンで淡々とした毎日です。AM2:00-5:00にメールチェック・返事送付、人間ドック(HDD)判定・報告書作成、新聞切り抜き、病院・医師会業務など。
  月〜土曜は6:00頃出勤、HDD報告書印刷、外来書類処理など。病棟回診、HDD受診者とミーティングと診察。8:45-14:00外来とHDD受診者に結果説明。昼食は摂りません。午後は病院業務・医師会業務、各種委員会等に出席など。20:00頃帰宅。
  日曜・祭日もほぼ同様ですが、病院には午後出かけます。時間的に余裕無いのが悩みです。


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