徒然日記
2009年8月分

 日記と言うより、自分の行動記録からの抜粋と日々の雑感です。

徒然日記バックナンバーへ戻る       徒然日記へ戻る   トップページへ戻る

先月の日記          来月の日記



8/31(月)曇り・雨 管理会議 外来 療養病棟判定会議(欠) 長副会議 
1:45起床。ドック判定総括、文献チェック、その他。5:00出勤.6:30回診他、7:45-8:30管理会議.8:45-15;00外来,混雑。書類処理他。16:00療養病棟判定会議(欠)。17:00-19:30長副会議。20:55帰宅、夕食、21:40就寝。昨年、福田首相9月1日辞意表明で一年後政権交代となる偶然。

福田首相辞意からちょうど一年 その後全く姿が見えないが元気か?
 昨年の今頃を思い出すと、最も虚をつかれ、がっくり来たのは9月1日夜の福田康夫首相の辞任会見であった。
 福田首相は支持率低下で苦境に立たされていたけれど、政治の行き詰まりを何とか打開できるのではないか、という期待し、まだしばらくは耐えるだろう、と思っていただけに、心から驚いたものだ。

 安倍首相に続く政権放棄で「無責任」とのレッテルを貼られた。官房長官時代にも会見の場で時折キレていただけに、福田氏にはあれが限界だったのだろう。本人は、自らは首相の器ではないとかつて何かの時に語っていたが、ハプニング的に担ぎ出されてしまった。さぞやストレスフルだったのだろう。

 今回の選挙で元首相の動向とか,選挙の応援演説に元首相達がはせ参じたとかいろいろなニュースがあったが、この間全く名前も画像も私の目に触れなかったのが福田元首相であった。もしかすると地方遊説すら候補者達に断られたのかもしれない。
 しばらくその存在を私自身が忘れていたが、1年前の辞任をメモしてあり、それを改めて見て、昨晩新聞の当選者一覧で群馬県で小渕優子氏と共に当選していたのを確認して安心した。

 福田辞任の後、自民党は麻生首相の下で出直しを図ったが、2代続いて政権を投げ出したというマイナスの状況からのスタートは始めから厳しいものがあった。新政権がスタートしたら、直ちに衆院を解散、総選挙をするのが望ましいと考えられていたがその時期を誤り、かつ、米国発の金融危機の影響が一気に広がったことなどの直接的間接的ダメージを受けながら満身創痍の中一年間持ちこたえ、昨日の選挙結果を迎えてしまった。
 この間、麻生氏はよく頑張った。彼が途中で投げ出したら目も当てられない事態になっていた。選挙結果後に自民党総裁辞任の辞を述べた麻生首相の姿は立派だった。

 安倍も書いた。麻生も書いたが福田元首相は本を書かなかった。退陣表明時、「私は自分を客観的に見ることができるのです」と半ばキレかかって記者に投げかけた発言が、彼の在任期間の最もインパクトのある言葉であったのは何とも悲しい現実である。
 福田元首相の外交と経済についての見識は、もっと大きく評価されて良かったと思う。辞任一年を迎え政治が大きく動いたのを機会にちょっと懐かしんだ。


8/30(日)晴、 病棟拘束 第45回衆議院選挙 ACO第31回定期公演 
2:00起床、ドック判定総括x3、新聞チェックなど。6:00自転車病院、回診他。8:30救急カンファ。10:30自転車帰宅、持参業務。 14:00-16:30 アトリオン室内オーケストラ第31回定期公演。病院で業務、投票、19:00帰宅、夕食、20:45就寝。

第45回衆議院総選挙 自民・公明が歴史的敗退を喫す 
 第45回衆議院選挙が行われた、結果は予想通りと言っていい。国民は「変化、改革」を選択し、民主は300超の議席を獲得した。

 昨日まで政策そのものの真意、実効性の可能性よりも「先ず政権交代」「先ず交代」と繰り返し、「変化、改革」の順風ムードの中で選挙戦を闘ってきた主党、野党は、一夜明けた今日から180度立場が変わり、国民の厳しい目にさらされることになる。

 前回の選挙は小泉首相の「郵政民営化の是非を問う」であり、そのほかの重要な課題は訴えても殆ど通用しなかった。
 今回の選挙は自民に対しては「不満」、民主党に対しては「不安」を抱えたまま、「一度は政権交代しても良いじゃないか・・」と政権交代是認のムードの中で深い論議を欠いたまま、せいぜいマニフェストの比較程度で下された審判である。
 民主党の経済政策はばらまき政策であり、財源に不安があるし、ばらまかれたお金は景気対策に回らないだろうという見方も強い。しかも、今回は民主党の個々の政策は深い論議を呼び起こしてはいない。こんな中で「政権交代」ムードによって選ばれた政権である。選挙とはそういうものだ、と私は割り切っているが、選挙の結果は事実であるから、今日からは「不安」を「期待」に変えていきたいものである。民主党には是非、国民が納得し、これなら期待出来そうだという政策を実行して欲しいものである。

 ただ、攻める方が守る方より遙かに簡単である。現政権を批判し、攻める立場で作った政策である。立場が入れ替わった今、政策に対する攻防では鳩山氏を始め主だった方々は相当苦労するだろうと思う。
 医療福祉の面で日本がどう変わっていくのか、見守りたいものである。


8/29(土)曇りのち晴れ 病棟拘束 重症患者対応
1:30起床、ドック判定総括x 1他。2:00患者不調と。5:10自転車病院着、6:30回診その他重症者対応。8:30救急カンファ。16:00-16:45患者家族面談。19:00帰宅、夕食、20:45就寝。

猫の認知症に悩む日々  ペットの医療費事情
 我が家の飼い猫ナンナンはまもなく20歳にもなろうとしている老婆猫である。 
 5年ほど前から年に何回か死にかけて,私は骨壺まで購入してその日を待っていたのであるがなかなか逝かない。体調が悪くなると数日餌も摂らずにじっとしている。呼吸も浅めで止まりそうなので、今度こそか,と思うのであるが、いつの間にか起き出すようになる。そんなことをもう10数回繰り返している。たいしたものである。

 生きているだけで良い、と言うべきなのであるが、最近のナンナンに関する私の悩みは彼女の完全な昼夜逆転、夜間の奇声と徘徊である。猫は基本的には夜型なのだろう。そうは言っても通常は迷惑する様な行動には出ないのだが、ナンナンの昼夜逆転は本格的で、奇声と徘徊を伴うから大変である。外に出て徘徊してくれれば良いのだが戸を開けても外には出ない。

 家中を奇声を上げながら30分くらいかけて徘徊し、また疲れて30分ほど寝る。それの繰り返しである。結構うるさい。
 仕事中の私の脇に立って数分叫ぶ。可愛い猫の鳴き声でも続けざまだと耐え難いのだが,ナンナンの声はだみ声である。また、聴力が落ちてるのか声が大きく、何故か恨みがましくねちっこく鳴く。20年前、厳冬のある日、たまたま私と目があった事を機に野良から飼い猫に昇格したのだが、何で今更私を恨みがましく攻めるのだ・・と思ってしまう。

 家内も昼夜逆転しているし、私も早朝起床だから睡眠が邪魔されることはないが、とにかくうるさい。まだしばらく、私の悩みは続きそうである。
 
 ところで、私は「ペットは所詮ペットさ」、と思っているから関心がないのだが、最近「ペット様」用の医療保険が伸びているらしい。「ペット保険」で病気や怪我のとき、動物病院の医療費の半額を補償するという。
 少子高齢化、単身世帯の増加、世代間コミュニケーションの不足などで、ペットを子どもやパートナーのように家族の一員にしている人が増えていること、動物病院の医療費の高額化が背景にある。保険料は5歳のプードルなら年額約37.000円と決して安くない。

 一方、ペットの医療もCT装置や放射線治療などが導入されかなり高度化しているとのことである。それにつれてペットの医療費は年々増えているらしい。犬の保険はヨーロッパで普及しており、加入率が最も高いのはスウェーデンで43%だという。日本の加入率はまだ1-2%に止まっており後進国なのだそうだ。

 私は「人は人として」、「ペットはペットとして」の生き方の則があると思う。だが、これはペットを何よりも大事に思われている方々には通用しない論理だろう。


8/28(金)終日雨 入院患者対応 ドック診察 法人理事会
2:40起床、最近目覚めが若干遅く,ややきつくなった。ドック判定総括x1など。5:10病院着、6:30回診他、各種処理。8:00救急カンファ。入院患者対応、14:00ドック関連。17:30-19:00法人理事会。21:00帰宅、21:50就寝。

個性的かつカラフルな院内着へ 白衣の圧迫感が薄れて来た 
 私は日常白衣を殆ど着用しない。年中通して半袖Yシャツに通常のズボンである。

 希に、公的な、例えば保健所の立ち入り検査、中国からの視察団との面談、医療評価機構受審とかの時に着たことがある。
 TV取材の時にはたまに着る。白衣だとお医者さんらしいから、と取材陣から求められることがある。じゃあ、白衣を着ない私はどう見えるのだ?単なる白髪、初老の男かな。後日、患者から「先生の白衣姿を初めて見ました・・・」と言われる。

 医師が着る白衣と言えば、かつては古典的な長袖の白衣と、開放感があって動きやすい半袖の白衣、これを私はケーシースタイルの白衣と言うのだが、に二大別されていた。熟年、ベテランはどちらかと言えば前者、若手は後者が多い。それに加えて、外科系の医師は時に緑の手術衣を院内で着ていた。私は感染などの危険がある医療行為の時に、希に術衣を着ることはあった。ケーシースタイルの白衣はまだ着用したことがない。

 最近、私どもの医局の医師はこの半袖のタイプの院内着を着用しているが、かつての白衣と呼べる白い色のは殆ど姿を消したようである。デザインも色調も各人いろいろである。これも時代の推移なのだと理解している。ところが、その個性化の中で院内着としての印象が変わっていっている。要するに白衣が持っていた圧迫感が薄れていると言うことで、これはとても良いことだと思う。

 病院として各人の病院医をどうするか決めていない。院内着として色調やデザインが非常識なものでなく、名札をきちんとしていれば良いとして推移を見守ることにしたが、そのディスカッションの中で私が白衣を着用していないことが問題?だと遡上にあがったらしい。

 私は20数年白衣を着ないで平服で診療しているが、そのルーツは患者に庄迫感を与えないで、双方が心を開いて接することが出来る様に、と言う配慮からである。これは病院の理念にある「患者の立場で・・」と言うことの実践の一つだと思っている。

 それでも医師=白衣姿というのが一般的感覚らしく、「先生、何で白衣を着ないのか・・」と言われて苦笑することもある。その際、冗談半分で、白衣を着れば誰でも医師らしく見えるからだよ・・と答えている。


8/27(木) 曇天 新型イン対策会議 外来+ドック説明 臨床研修マッチング 県新興感染症部会
2:10起床。ドック判定総括x2。5:35自転車病院着、6:20回診その他、7:45新型インフ対策会議、8:45-14:00外来、 15:00マッチング2名、16:00-18:00県医療審議会新興感染症部会+マスコミへの説明。21:00自転車帰宅.夕食。21:50就寝。

ブタインフ(28)ワクチンを輸入(2) エネルギー、食料、資材・・血液、ワクチンまでも?
 ワクチンは可能な限り自国内でまかなう方針で国は厳しい検定を行い安全性を確保してきた。過去にポリオワクチンを緊急輸入した事があるが、あくまでも例外措置だったはずである。

 だから、国内の生産量を可能な限り伸ばすべきだし、間に合わなければ生産できた範囲で何とかやりくりしなければならない。日本のワクチンの生産技術は優秀とされる。まず、その技術を求める国に供与し、世界のワクチン生産に寄与すべきだろう。その上で一定量を確保するというならまだ理解できる。

 危機管理の中では種々のエゴイズムが表面に出やすいが、国が早々にこんな方針出すことに私は納得できない。
 8月26日、厚労大臣は新型インフワクチンの輸入や接種の優先順位について専門家の意見を聴取した。出席した専門家からはワクチンの輸入に関して全く異論が出なかった、と言うから驚きである。加えて、輸入ワクチンには思いがけない副作用があるから治験をすべき、経済格差で接種が受けられない子供が出るから無料化にすべき、副作用が生じた際には国が補償すべき、等との意見が出たという。

 世界が同時に感染の危機的状況ある。平時の際の治療薬の輸入とは異なる。我が国が1.500-2.000万人分のワクチンを輸入することによって接種の機会を失う人たちに思いを馳せないのだろうか。日本以外の国のワクチン生産は順調で自国の需要を超えて余剰があるのだろうか。それでも買い占めは良くない、と思う。

 専門家集団として一体どんな方々が集められたのだろうか。国は委員会とかを作る際にはあらかじめ結論ありきで、それを論じる会として設置するのがかつての姿であったが、まだ変わっていないらしい。

 我が国は国際関係の中で協調路線を敷いている。八方美人的と言えるかもしれない。その背景はエネルギー、食料などを調達するところに大きな目的があるように見える。結果的にいろんな国際的摩擦を生じながらも、われわれ国民は問題点を自覚するどころか、無批判に豊かさを享受している。私どもは何か重大なことを忘れていないのだろうか。

 微妙なバランスの中で危うく成り立っているのであるが、かつて、血液製剤用の原料である血液をかなり輸入に頼っており「世界の吸血鬼、日本」と非難を浴びていたことを知る人は少ないと思う。そのことが薬害エイズ問題にもなった。
 いのちや健康に関する血液や薬、ワクチンを含め、何でも世界から買い集めることの異常性に対する感覚が政治家のみならず有識者達も狂っているのではないだろうか。

 それとも私がおかしいのか。


8/26(水)晴れ 外来 入院患者家族面談 発熱外来担当 NHKとAKT収録 県医療機関感染症対策研修会 県医師会理事会
2:00起床。ドック判定総括x1、他。5:20自転車病院着.20分で着く。 6:10回診、入院患者家族面談。8:00救急カンファ。8:45-14:00外来、混雑。14:30NHK、発熱外来診察、15:30AKT収録。 16:30-18:50県医師会理事会。21:00帰宅。夕食、21:45就寝。

ブタインフ(27)ワクチンを輸入??(1)これは無謀だ 先に技術供与をすべきだ
 新型インフルエンザは県内でも感染は急速に拡大し、私どもの病院の発熱外来への受診患者はうなぎ登りに増えてきている。このままではいずれ病院機能に影響を与え始める。厳しい状況になりつつある。

 個人的、集団的感染予防の他に重要な感染対策はワクチンである。
 ワクチンに関連しては当初は厚労省は甘い見通しを立てており、9月ないし10月頃から接種可能にもなり得るとの見解を出していたが、最近はウイルスの増殖能が低く十分なウイルス量が得られないために生産が遅れ、かつ当初の計画の5.000万人どころか最近は1.200〜1.700万人程度分しかできない、下方修正している。これでは国民の期待に沿う事は到底無理であり、どう対応すべきか国は模索している。

 前から輸入の話はチラチラと出てはいたが、河村官房長官は23日、埼玉県川越市で、新型インフのワクチンについて「妊婦、子供、持病を持つ方を優先しなくてはいけないが、国民が要ると言ったら対応したい。生産が間に合わなければ輸入したい」と述べた。1.500-2.000万人分輸入するとの意向で、 25日の閣議で麻生首相が指示を出す。そのための費用の数100億円は予備費を活用する。
 厚労省はワクチンは任意接種とする意向で、桝添厚労大臣は26日に新型インフルでワクチンの副作用が出たら国が補償したいとまで述べている。輸入ワクチンは検定をかなり単純化して早急に投与したいとの意向であるが、ワクチンは副反応として小児はけいれんなどを起こしやすいため、輸入に前向きな?専門家達は、有効性と安全性を確かめる臨床治験を、たとえ短い期間で対象は少数であっても実施するよう求めている。

 私はワクチン輸入に関しては安易に考えるべきではない、と思う。国の方針には驚いた。
 世界的に潤沢にあるのであればそれも良いだろう。しかし、まだ一本もないし、全世界的に見て人口の一握り分しか生産出来ず、不足することは明らかである。希少で貴重なワクチンを日本が金に任せて買い漁る発想は同意できない。新型インフの健康被害は回避できる国など無い。新型インフ蔓延は全世界的な危機で何所の国でも対応に困難している。

 その中でワクチン輸入は他国の人たちの命や健康を奪う事になりかねない発想で、私は理解も賛同もできない。
 世界共通の危機管理はまず各国内で解決すべきで、次に連携、余裕が出来ればトレードと言うことになろう。


8/25(火)超快晴 入院患者家族面談 外来 法人常務会 県医療審議会法人部会 医局カンファ 
2:30起床,ドック判定総括x1ほか。5:15半分徒歩病院。6:30回診他病棟業務。7:00家族面談。8:00救急カンファ。 8:45-14:20外来。14:45-16:00法人常務会。17:00-18:00。県医療審議会法人部会。徒歩で帰院18:25-19:20医局カンファに合流。21:10自転車帰宅、22:00就寝。

ブタインフ(26)流行期に入り、関連して以下のような質問が寄せられた
 県内でも感染は急速に拡大して発熱外来への受診患者はうなぎ登りで、病院機能に影響を与え始めている。そのことを受けて以下のような質問が寄せられた。 

■国では流行期に入ったとしているが、このことの意味づけは?
 県内50ほどある定点医療機関で一週間における受診患者数が1人以上になった時を流行期に入った指標としている。先週の秋田県は0.95にんあった。だから秋田も流行期間際と言える.沖縄は30に近く、全国平均は1.7ほどである。
 感染拡大期は拡大抑制策を採る異議はあったが、流行期になると感染をとどめることは困難な状況になり対策の主眼は集団発生の予防、重症患者の治療に移る。しかし、爆発的感染が生じないようにする防御対策の重要性は一層高まる。

■何故夏場か
一つはウイルスの性質によるものと感染力に関連していると考えられる。次いで、誰一人として免疫を持っていないと言うこと。更に、夏場に人が集う会、例えば、祭り、スポーツ大会、お盆など民族大移動の時期でもあり、人から人への感染が続いたものと考えられる。盆の時に私も盛岡駅に行ったが、隣接のデパートの人混みを見て、大変な状況と考えた。

■県の発生状況の評価は
先ず全国と同じ、標準レベルにあると考える。

■学校とかの予防について
 今後、人が集う場所として学校、職場、病院などがあり、この中で集団感染が生じうるし、それを契機に爆発的な感染が生じうる。

 これらの施設では集団感染を防ぐ必要がある。個人的手洗い、マスク等の防御をきちんとすることは当然として、体調が悪い人の登校や出勤を控える、体調の申告を受けて早めに帰宅させる等の配慮が必要であろう。
 施設として、手洗い設備を用意する、消毒用具を用意する。定期的に換気する、などの配慮が必要なほか、不用意に人同士が密集する状況を作らない、などの配慮が必要。
  
■今後の発生について
 感染力は通常のインフルエンザの約2倍とされているので、季節性インフルエンザと共に県民の30%前後が罹患する可能性がある。ただ幸いなことに大多数の方は数日で改善するのでそれほど心配はありません.もともと持病を持っている方は主治医にあらかじめどうすればいいのか相談しておくべきであろう。

■ 一般家庭で何に気をつけるべきか
 手洗い、不要不急の外出、特に多くの人が混み合うようなところに出かけるのを控える、そのためには生活用品の備蓄も2週間分ほど用意しておくのが良い。
 感染しても在宅治療となるが、基本的に個室で過ごさせ、マスクを着用させる。ドアノブ等触った部分は消毒する。

 受診は必ずかかりつけの医師、あるいは地域の保健所に相談してから受診を。受診時には発熱で来た旨を受付でしっかり申告して指示を受けましょう。勝手に院内に入ってはいけません。また、知り合いの方がいるからと言って病室にはお見舞いに絶対に行ってはいけません。


8/24(月)晴れ 管理会議 県地方独立行政法人評価委員会 療養病棟判定会議9名分 長副会議 
2:20起床、ドック判定総括x1、紹介状他作成。5:10病院、6:15回診他。7:45-8:30管理会議。重症患者対応、患者家族面談。13:30-15:45県地方独立行政法人評価委員会、16:00-16:50療養病棟判定会議。17:00-19:30長副会議。再度回診、さすがに歩く気力無し、21:15帰宅、夕食。22:00就眠。

運動不足解消(2)歩きながら音楽、講話を聞く イヌ、カラスなども
 急に歩き始めたために痛めた足底も水疱部分は表皮化し、亀裂部分も底の方から肉芽が盛り上がってきて歩行時の痛みも軽減、ほぼ自然の姿で歩けるようになってきたのでまた少しずつ、30分程度歩いている。

 時速6Km程度なので、車なら10-15分程度のところ1時間かかるから時間的に見れば惜しい。しかし、毎日一時間はやむを得ないと割り切る。この歩いている時間を有意義なものに出来れば問題は少ない。

 まずは見えるものは見てみようと考えた。普段は全く入ることの無かった路地も通る。思いがけないところに知り合いの診療所の看板を見る。普段連携を通じて親しいのだがこんなところに医院があったのか、と一層身近に感じられる。道路沿いの家々の庭木等にも目がいく。花も美しい。
 散歩中の犬もいい。飼い主は雑種なのだが、雑種と思われる犬を連れている方は先ずいない。よくまあこんなに多くの種類の犬がいるものだと思う。今朝すれ違ったチワワ?なんかやせて目だけが大きく目立ち、足腰も弱そうでヨタヨタと歩いている。そういえば飼い主はでっぷり太っていたが足腰も弱そうでヨタヨタしていたから妙に調和がとれていた。

 この歩いている間、耳も無駄に出来ない。最近やっているのはヘッドフォンで音楽を聴きながら別のiPodにイヤフォンをつなぎラジオ深夜便「こころの時代」の録音をながしている。音楽はモーツアルトあたりがリズミカルで良い。だから、結構忙しい。

 旭川の鯉も立派。色とりどりの錦鯉が数10匹見られる.だれが放したのだろうか、等と考えながらしばし橋の上から楽しむ。
 朝に歩くとよく見るのがカラスである。ハシボソカラスなのだろうか、あまり人を恐れない。こんなにいるなら勿体ないから、しばらくの間秋田市のカラスの生態をじっくりと観察してみようと思っている。


8/23(日)快晴夜一時雨 病棟拘束 日医羽生田常任理事来訪歓談
2:00起床、ドック判定総括、その他作文多少。7:00Taxi出勤、回診。8:30救急カンファ。11:30自転車帰宅、自宅で業務継続。午睡若干、14:00花巻東準決勝敗退。16:00自転車で病院。文献等整理。18:00-19:30日医羽生田常任理事来訪歓談。20:00帰宅、 20:30就眠。

運動不足解消(1)最近、歩き始めた
 ここ2年ほど全くの運動不足である。
 運動としては最後の砦であった家内とのテニスも昨年春若干やったが私が体調を崩したこともあって中止している。

 職場では日常エレベーターやエスカレーターには一切乗らず、担当病棟である7階には日に何度か階段を昇降している。そんな程度では運動不足は否めない。更に、家内は最近すっかり昼夜逆転し、私が出勤してから就寝するようになり、毎日ではないが私に朝食を用意するので、ついつい太り始めた。私自身は朝食を摂りたくないのだが、一日一食だと体に良くないと言って強要する。断ると機嫌を害するからやむを得ない。だから、昨年以降、一日一食でなく一日1.5食ほどになってしまった。

 それと共に私の体重が増加し始めた。66Kg程度が良いのだが2Kgほど増えてしまった。家内の機嫌を維持するために健康を害しそうである。だから、運動で過剰摂取部分を消費せねばならなくなった。

 本音ではランニングやジョギングしたいのだが不整脈等があって無理は出来ない。ならば、歩いて通勤してはどうだろうか、と思い立って今月初頭から始めてみた。
 数回歩いた。運動目的だから意識的に速めに歩いた。

 片道約6Km、万歩計では6.000歩前後、所要時間は丁度1時間であった。このレベルなら何とか出来そうだし結構良い運動になりそうである。ところが、靴とか用意せずにいつも履いているスリッパのままで歩き始めたものだから、3回目ほどで左足底に直径3cmほどの水疱が出来てしまった。
 疼痛はそれほど無かったために更に何度か歩いたが、中旬についに破水し痛みも強くなり、更に水疱付近の皮膚に新たに2cmほどの浅い亀裂も生じたためにそれ以降残念だが歩行通勤は休んでいる。

 歳かな、傷の治りは遅い.やっと水疱部分は表皮化し、亀裂部分も肉芽が盛り上がって疼痛も軽減しきた。まもなく再開できそうで楽しみである。
 最近優れたウオーキングシューズなるものがあるというので、今度は求めてみようかと考えている。


8/22(土)快晴 午前病棟拘束 能代産業員研修会講演
2:00起床、ドック判定総括x1、本日の講演準備。5:25病院着。6:10回診他。8:30救急カンファ。重症患者対応など。講演準備、その後は書類と格闘。13:30医師会公用車にて能代に、15:00-16:15講演「職場におけるインフルエンザ対策」。19:00帰宅。夕食、20:45 就寝.

ブタインフ(25)19日厚労大臣が蔓延期宣言 
 国立感染症研究所が18日に発表した結果によれば、定点医療機関当たりのインフルエンザの患者報告数が、全国平均で0.99(患者報告数4,630)となった。大部分は新型インフルエンザと考えられる。この数値が1以上になると流行期に入るとされている。
 これを受けて19日に舛添厚労大臣が「新型インフルエンザ(A/H1N1)の流行入りを迎えるに当たって」と見解を提示した。以下が要旨である。

■定点当たりの患者報告数が、全国平均で1.0に近づいた。
■急激に患者が増加すると医療機関への負担が増大し、重症患者への対応に支障がでる。
■患者数増加を抑えことで社会全体への影響を最小限にし、安心して治療を受けられる環境を維持することができる。
■感染拡大防止には、各人が感染防止対策を実践すること。
■慢性呼吸器疾患や慢性心疾患等の基礎疾患を有する方、妊娠中の方、乳幼児等はリスクが高い。早期受診、早期治療が必要。
■地域内における医療体制の整備のため、地方自治体と医療機関の間で医療連携について速やかにご検討必要。
■地方自治体に対し、集団発生を確認した場合に拡大防止策を要請する。
■情報提供の強化、抗ウイルス薬の備蓄など、重症化防止のための取り組みを一層推進する。
■正確な情報を迅速に提供したい。冷静に対応いただきたい。

 まず妥当な内容である。
 新型インフは感染防止が困難であるし、罹患してもたいしたことはない,との誤った情報が先行してしまっている。実際はそんなことはない。未だそんなことは言えない。
 今,最も大事なことは感染の爆発的増加の防止である。インフは人から人へと感染していく。不特定多数が集まる集会などの他、医療機関内での感染が危惧される。困難といえども目に見える対策が必要である。
 地域の基幹病院では発熱患者が急増し対策が負担になり始めている。
 一方、秋田では明日から学校が再開される。感染が急激に拡大する可能性がある。私ども医療関係者は心しておく必要がある。


8/21(金)雨後晴 患者家族面談 桜丘会特養ホーム竣工祝賀会 
2:10起床、ドック判定総括x1等.5:20病院着、6:30回診、入院患者家族面談、救急カンファは欠。明日の産業医研修会講演準備。 16:00桜丘会特養ホーム竣工祝賀会、余興は土崎港みなと囃子。最近太鼓ついている。17:30中座帰院、業務。21:00帰宅。21:20就眠。

「自民党をぶっ壊す!!」のスローガンを現実にしつつある小泉元首相
 7月21日衆議院がついに解散した。第45回衆議院議員選挙は約一ヶ月時間を置き、先日8月18日公示された。

 18日の新聞各紙の社説は世論調査の結果を中心に政権交代を話題の中心に据えて論を張っている。その論調は,解散前後は政権交代があるか否か,恐らくあり得るだろうという論調であったが、最近は政権交代が当然であるような、もう決まったが如くの雰囲気になってきている。朝日は民主が300議席以上、自民は半減か・・とまで具体的に挙げて報道している。
 マスコミの関心は、自民党でなく民主党に移っている.自民はもう影が薄くなっている。

 各政党の代表者も既に政権交代そのものから、総選挙後の政治,民主党による采配についての関心が高めている。
 
 つい先日の党首討論会では麻生総理への質問はなく、鳩山代表に質問が集中したという。
 民主党の目玉はいろいろある。しかしながら、どう見ても金のばらまきである。財源はどうするのかが、今になってもよく見えない。徹底した倹約によって財源を生み出すとしているが、31万2千円もの子供手当支給、高速道路の無料化などに要する費用を見ると果たして実現できるのか,私も未だ納得できていない。

 2005年、296席の議席を獲得し大きく議席を伸ばした小泉元首相は今回は立候補していないが,応援演説の際に「政権交代になる可能性が高い。自民は一時野党になるのも悪くない・・」と述べたとされる。元首相をつとめた重鎮の言葉等は到底思えない、半ば諦めムードの無責任な発言だと思う。

 2002年首相になる際に「自民党をぶっこわす」と驚くようなキャッチフレーズを掲げて登場し、絶大な支持を集めたが、3年で公約通り郵政民営化を成し遂げた。たいした実行力である。しかし、今回の政権交代の方向性のルーツは小泉政権時代の政策の歪み、則ち、競争原理を優先にした社会の混乱、社会不安、国民の不満を背景にしている。阿倍、福田、麻生総理達の責任ではない。
 小泉元首相は就任から7年かけて「自民党をぶっこわす」というスローガンを現実のものにしそうである。たいした実行力である。

 ただ、自民党が壊れるのはかまわないが、それは結果であって、その根本は誤った政策の強行によることを小泉元首相は何と考えているのか。それに対する反省の弁は聞かれない。


8/20(木)晴れ・曇り 新型インフ対策委員会 外来 秋大泌尿器科医局訪問 市医師会新型インフ研修会 
 5:10起床,さすが寝不足。5:30出勤。6:30回診そのほか。8:40-14:15外来。15:00秋大泌尿器科医局訪問、16:00新型インフルエンザ対策会議、19:00-20:45市医師会新型インフルエンザ研修会、21:10帰宅、夕食、22:00就寝。

ブタインフ(24)患者急増 死者もでた 秋田市では夜間・土日祝祭日の発熱外来は必要だ
 今月10日、秋田県は県内新型イの感染段階を拡大期に引き上げた。一昨日厚労大臣は沖縄での記者会見で蔓延期に至った、と見解を述べた。

 秋田市では特に竿灯祭りの頃を契機に新型インフルエンザ疑い患者の受診が明らかに増えている.私も連日のように診療にあたっている。当院での診療体制も見直しが必要になってきた。

 H1N1は病原性は低い、と言われて来たが、我が国で3人が死亡した、いずれも重大な基礎疾患を有している方達であった。いよいよ感染者が急増し患者の裾野が広がって来たので今まで明らかでなかった重症化例が出始めた、と言うことであろう。全世界ではWHOも集計を止めたので明らかに出来ないが数千人規模の死者が出ていると想定する。小児の重症例も出ている。決して侮ってはいけないと言うことが我が国でもやっと分かり始めてきた。

 大体、H1N1の病原性について弱毒、弱毒と言い始めたのは主に関西の行政であった。
 感染対策が限界に来たために、対策方針をゆるめて欲しいがために言い始めたことである。対策をゆるめることは妥当であったが、医療関係者は、私も含めてであるが、病原性に関しては感染母集団があまりにも偏っているし、まだ少ないから判断できないという立場をとっている。

 今後、蔓延が低年齢層、高年齢層者にも広がって行くであろうから、当然基礎疾患を有する患者にも感染し、重症者、死者が大量に出る可能性がある。勝手に弱毒性と決めつけて侮ってはいけない。
 来週から学校が始業する.これを機会に一気に感染が拡大する可能性が高い。

 秋田県では今月までは感染症指定医療機関、協力医療機関が中心になって対応してきたが、9月1日をめどに新型インフルエンザの診療は原則、全医療機関で診療することになっていて、いま県医師会、郡市医師会の協力の下に県では登録医療機関を集約する作業に入っている。秋田市の対応は若干遅れており本日がそのための研修会であった.市保健所の大会議室に入りきれないほど、200人以上も集まっただろうか、質疑応答を中心に協議された.会場に誰か新型インフルエンザの感染者が居たら、秋田市の医療は崩壊するのではないかと思われるほどの高密度であった。この時期を迎えてやっと関心が高まってきた、と言うことだろう。

 ただ、気になったのは秋田市の新型インフルエンザ対策の主役である市保健所の対応である。
 説明、話しぶりは医療機関に対応を丸投げしているとの印象である。市保健所の責任ある立場の方々の発言は聞かれなかった。果たして会場におられたのだろうか。

 私はいろいろ言いたいことはあった。私は秋田市では人口が多いし医師も多い。だから、全医療機関が診療を担っていただけることは意義が大きい。しかし、週末や夜間祝祭日は救急病院に患者が集中すると言う問題点は解決されない。だから、秋田市では発熱外来は必要だと考えている。市医師会理事から、今日は市の医師会の研修会だから、発言を控えるようにといわれたのでもっぱら聞くだけにした。
 本日は開業を中心とした医師の多様な考え方の一端がよく分かった。

 これをまとめていくには市医師会長、市保健所長のリーダーシップが必要であるが、ご両人とも会場には居られなかったようである。


8/19(水)早朝雨・曇り 麻酔科科長と打ち合わせ 外来 県医療審議会 
2:20起床,ドック判定総括x2、中間報告x1。5:10出勤。6:30回診、病棟業務他。8:00麻酔科科長と打ち合わせ。 8:45-13:30外来+ドック診察。14:30秋田銀行スタッフ来訪。15:00-17:00秋田県医療審議会。21:00帰宅、夕食、21:45就寝。23:30病棟より電話で病院へ。患者死去、見送り、2:00帰宅、ドックなど業務、4:00就寝。

「生き活き(いきいき)健康フェア」より、盛会で生き活きしていたサプリメントとヘルストロン(?)のコーナー
 中通総合病院の創立50周年を記念して、地域に開かれた医療機関として院外で定期的に保健活動を行なっている。秋田市民市場からの要望もあり、市場内で「生き活き健康フェア」という催しを平成18年12月から毎月第三土曜日に10:00-14:00まで開催している。

 健康相談や健康チェックのコーナー、専門職種スタッフによる毎月の特別企画などが行われ、中通総合病院を中心に法人職員が運営にあたっている。具体的には血圧、骨密度などを測定し、その結果をもとに医師による健康相談、健康指導を受けられる。

 もう何回目の開催になるのだろうか。今年の8月はお盆の時期でもあることから一週早めて第二土曜日、8月8日に開催され、医師としては私が担当した。私としては2回目である。
 
 買い物に来たのであろう、私が担当する外来へ通院されている患者も数人私に声をかけていった。この様な方達は日常診療で会話しているから声かけだけである。
 私の顔を見て相談コーナーに直接座ったお二人は、私は面識がなかったが病院に対する苦情を述べていった。共通して「先々代の院長の頃の病院は良かった.今はなっていない・・・」と言う内容であった。患者の立場では言いたい気持ちは理解できたが、共通して医療制度の変化を理解しておらず、何でも病院が、職員が悪くなったのだ、と取り違えていた。
 我が国の医療制度は目まぐるしく変わるが、国による広報に問題があるから何でも病院への苦情となっている。
 
 相談は全部で10数名だったろうか、昼少し前に空いたので市場内を見て歩いた.食品が豊かに陳列され、売れ行きも良さそうで活気が感じられた。

 驚いたのは二回にはヘルストロン体験コーナー、サプリメントの解説・即売会のコーナーが設けられており、前者では10台ほどのベットが用意されいずれも満杯で待っている方も10人ほどいた。後者では8畳ほどの広さの部屋だろうか、30脚ほどの椅子が置かれ、いずれも満席、立ち見の方もいた。真ん中で20 代前半の若い男性の宣伝員だろうか、身振り手振り豊かに、白板に絵を描き込みながら盛んに参加者を沸かせていた.あの雰囲気なら随分売れただろうと思う。

 両者とも立場上そうジロジロと観察するわけに行かず、内容まで踏み込むことは出来なかったから、どんな効用をうたっているのかも分からなかった。しかし、両者の盛況ぶりには些か驚いた。これに比較すると私どものコーナーはちょっと寂しかった。

 今は健康志向が著しい。しかも、お金がかかっても良い、楽をしながら健康になりたい、と言う雰囲気である。だから、医療外の健康グッズ、食品、サプリメントなどが隆盛である。
 9月にはあるロータリークラブで講演することになっているが、その演題は「アンチエイジングについて」であった。その中では楽をしながら健康になる方法など無いのだ、と強調するつもりである。


8/18(火)晴れ 入院患者家族面談 新型インフ関連打ち合わせ 外来 東北厚生局集団的個別指導 法人常務会(欠) 新型インフ対策委員会 
2:20起床,ドック他いつもの如く。5:10病院着。6:00回診、6:40入院患者家族面談。7:30新型インフ関連打ち合わせ。 8:45-13:10外来、14:00-15:10東北厚生局集団的個別指導。常務会は欠。16:00-17:10新型インフ対策委員会。20:40帰宅、夕食。21:45就眠。

夏休み(2) 94歳の叔父は死去していた 一瞬、良寛の漢詩を思う

 私の年一回だけの郷里訪問、墓参は江岸寺のご住職、ご本家、兄の家族達、叔父の家族の方々等と短時間ながら互いを確認し親交を深める重要な機会でもある。我が家の家族にとっても一緒に過ごす少ない機会の一つである。

 叔父は確か93歳ほどだったと思うが、高齢である。
 我が家から出られた方であり、私は家を継いでいるという立場と責任感から年に一回だけだが殆ど欠くことなく毎年叔父宅を訪問してきた。会う度に今回が最期の機会なのだと思って来たが,ついにその時が来ていて今年は会えなかった。
 
 高齢であるだけにどんな状況でおられるのか予想も出来ない。お元気ならばせめて玄関先で挨拶だけでも,と思って立ち寄ったのであるが,6月下旬に死去されていた。ご遺体は医大に献体されたとのことで葬儀も行っていない、余所にも知らせていない、との事であった。
 実に割り切った見事な対応である。私に知らせもなかった。立場上ちょっと驚いたが、死去されたことは想定内のことである。高齢者のみならずひとの死はいろいろな考え方があって当然、基本的には本人と家族の問題であるのだから、こんなやりようもあって然りである。

 実は、これは私の感覚にぴったりである。
 昨年3月、私は肺がんを濃厚に疑われたが、運命と覚悟し、精査も受けようとしなかった。その際、葬儀のことも含めていろいろ考えた。願いはひっそりと世を去りたいものだ、ということであった。私は父親からの影響か、世や人間関係に関してかなりすねた考えを持っている。

 全てを隠蔽して,と言えばややオーバーだが、自立する度胸もなかったし、如何にすねていても結局は世にどっぷりと浸かって世の人たちの世話になりながら生きているのだから、出来るだけふつうであらねばならぬと心がけ、自分の本心とはちょっと違った世界の中で過ごして来た。その結果が今の私であって、私が自ら描いている自分像とはかなり異なっている。だから、せめて自分の社会的な立場の最期、いのちの最期だけは自分の好みで、マイペースで行きたい、逝きたいものだと思っている。

 叔父の死を告げられた瞬間、私の頭をよぎったのかつて何かで読んだ良寛和尚の漢詩である。なかなか味わい深く記憶の中に残っていた。原本を引用したいと考えたが見つからない。詳細は忘れたが以下のような趣旨であったと思う。
 友人の「うがん」和尚と会いたくなって、酒でも酌み交わそうと用意して、山を越え谷を渡りはるばるやってきたが、着いてみると庵は扉が閉まっており、ひっそりとして人の影もない。聞けばとうに亡くなった、とのことである。私はあなたに会いたいという一心で数日かけてはるばるやってきたのだが、残念だ。寂しい。私は庵の前に呆然と立ちつくした・・と言う内容の漢詩である。

 なかなか良い詩で改めて感じ入った。これを思い出しながら、叔父との交わりを回想し、長かった人生を祝福し、ご冥福を祈りたい。


8/17(月)晴れ 管理会議 外来 長副会議 
2:00起床,ドック判定総括x1、文献チェック他。5:20バイク病院着。6:00回診、7:45-8:15管理会議.8:45-14:10外来、盆明けで若干混雑、緊急入院1名。定例の療養病棟判定会議なし。17:00-19:10長副会議。21:20帰宅、夕食、22:00就寝。

夏休み
 私共の病院では夏休みの制度はない。医師はその診療科の業務状況を見ながら、互いに融通しあって週末を挟んで5日間程度の有給休暇を取る。

 今年もいつの間にかお盆を迎えた。業務の多忙さのためにその実感は殆ど無いのだが、横浜在住の長女が夏期休暇と言うことで帰省し、墓参り前後のことが時折話題になり、若干家の雰囲気が賑やかになることで意識したというところである。
 私は8月15日(土)に有給休暇をとって、週末を墓参と郷里の盛岡近郊の施設を訪れ、短くもはかなく、静かに、あっという間に終了した。それでも時間がゆっくり流れ、家族達と共に過ごす良い時間が持てた。
 昨年は盛岡市の先人記念館で歴史の一端に触れたし、今年は四十四田ダムと岩手県立博物館を訪れた。後者では有史前から近代にまでに至る種々の出土品等を楽しめた。

 が、楽あれば苦あり、である。
 本日から通常業務であるが、今週は月曜から木曜の定期的外来の他、院内や県、県医師会の会議等が目白押しである。更に机の周辺には総括を待つ退院カルテ、外来患者関連の書類、チェック待ちの人間ドック関連の書類が並んでいる。これらの処理をどういう風にかたづけるか、考えるだけで気が重くなる。
 何で診療以外の書類がこんなに多いのだ、といつもながら思う。

 考えてみれば、今週の土曜日は能代地区の産業医の研修会で新型インフルエンザについて話すことになっているが、これから職場の対策についてまとめなければならない。まだ手が着いていない。ちょっと焦っている。
 わずかに週末の一日半秋田から離れただけであるが、時間的には苦しくなった。楽あれば苦あり、である。


8/16(日)盛岡・秋田快晴 岩手県立博物館見学 帰秋 夜から病棟拘束
3:00四季亭で起床、入浴、新聞チェック、本読みなどのんびり。入浴6回で終わり。8:00朝食、10:00発、矢巾の滝を見に行くもアブが多くて退散。11:30四十四田ダムと岩手県立博物館へ、15:娘夫婦駅に送り帰秋。18:00帰宅、20:00次男夫婦と犬一匹来訪、夕食、21:00就寝。

オールド・ボロ・ハーレー(14)初の立ちゴケ 何とか起こしたが腰を痛めた

 去る15日、秋田地方は久々の快晴で出勤はバイクとした。早朝、ひんやりした風を受けながら、車の少ない横山・金足線を大型のバイクでゆったりとしたスピードで走るのは最高の気分である。

 当日は8:30amから年休を取る予定であったために、いつものバイク置き場まで入れず、駐車場の一隅に駐輪したが、結果的にこれがいけなかった。
 帰りに、バイクに跨ってさてエンジンをかけようと垂直に起こしたとたん、右側の足がズルズルと滑り、支えきれず右側に倒してしまった。いつもの如く満身の力で何とか保持しようとしたが、何せ右足下のアスファルトの上に小砂利があって靴が滑りやすくなっていて何ともしようがなかった。

 ただ、激しく倒さず何とかソフトに横にしたという感じでそっと置くことが出来た。そのために幸いながら足を車体の下に挟んで捻挫や骨折したりもせず、また、バイクに傷が付いたわけでもなかった。ガソリンが若干漏れただけで済んだ。

 次いで渾身の力で起こそうとしたが、力不足と足下の小砂利で足が滑って立てられず、次にリュックを下ろし、足下の小砂利を寄せてトライし何とか起こすことが出来た。その時に若干腰に負担がかかったらしい。直後から若干腰痛を感じた。当日、翌日は墓参りで長時間の運転もあり、腰のあたりに張った感じがあってちょっと大変であった.幸い、今朝になってかなり軽快し業務には全く支障がなかった。

 このバイクに乗ってから約20年近いが、立ちゴケは初めてである。足場の問題も勿論あるが私の体力不足、筋力不足のためもあるような気がする。だとすると初老の私にとってこのサイズのバイクはそろそろ限界なのかもしれない。
 今シーズンもう1-2ヶ月乗ってみて、場合によっては長年親しんできたこのバイクに乗るのを諦める決断をすることになるかもしれない。

 そういう危機感をつい2,3日前に感じ取った。通勤時に運動不足解消をかねて歩こうとも考えているので、今シーズンはもうそれほどバイクに乗る機会はないだろう。心して味わいつつ乗りたいものである。


8/15(土)終戦記念日 盛岡・秋田快晴 年休 墓参り
2:00起床、ドック判定総括x1他。5:10バイク病院着、5:50回診、事務処理他。8:45帰宅。10:00盛岡に出発、13:00盛岡駅舩杉氏合流。13:30江岸寺墓参。当方5人、兄の家族12人参加。14:00読経、墓参り。15:00本家訪問、16:30矢巾の叔父宅訪問、6月に死去し医大に献体したとのこと。つなぎ四季亭泊。夕食後疲れて21:30就寝。

今年の墓参 父親の27回忌であった
 今日から二日間は墓参り等のために岩手で過ごす。
 盆の墓参はわが家にとって年に一回の行事であり、私にとって故郷訪問である。また、実兄に年に一度会う貴重な日でもある。

 今日一日年休を取った。朝、通常に病院で業務をこなし帰宅、家の仏壇に手を合わせた後、約束の時間に遅れないようどたばたと用意して岩手に向かった。
 昨年は雨天であったが今年は快晴に恵まれた。寺には兄の家族達12名、我が家は長女夫婦を含む5人、総勢17人が集まった。いつも7-10人程度なのだが今年は昨年に続いて特別多かった。次男は2003年の墓参を最後に参加できていない。今年はメンバーが1.5人増えたのだが,いつもと同様に業務があるというので、私の担当患者の対応も依頼した。

 読経をしていただいたが、その場で父の27回忌と言うことを教えられた。 
 日常,年に一度だけ、この日しかご先祖のことを考える余裕はない。母の27回忌の時と同じ轍を踏んでしまった。こんな状況にあるのがとても残念なのであるが,これが現実なのだと割り切る。

 今年も墓参は私の業務に影響ないように土曜に年休を取った。
 私にとって墓参は特別である。寺のご住職、本家、兄の家族、叔父の家族等と年一回、短時間ながら互いを確認し親交を深める重要な機会でもあるのだが、叔父は93歳と高齢である。この様な状況の中、このメンバーでの墓参・親交は今年が最後なのかもしれない、といつも思っているからでもある。現に訪れてみると叔父は今年6月に死去し、遺体は医大に献体したとのことであった。私にとって一つの区切りである。

 もう、私の周囲は自分の健康状態を含めて歳の順にいろいろ問題を抱えている。
 私も変わりつつある。さいわい受け持ち患者は落ち着いている。新型インフルエンザの対応が気がかりであるが、今年は時間をゆったりと確保した。いつもは書類やパソコンを持参し、もっと駆け足で周り、早朝に旅館で業務をこなしてきたが、今年はそれら一切持ってきていない。私にとって初めてである。

 移動の際、駒ヶ岳の頂上が久々よく見えた、また奥羽山脈の山々の木々の緑が実にすばらしかった。


8/14(金)快晴 患者家族面談 新型インフ診察数件     
2:30起床、ドック判定総括x1他。5:10病院着、5:50回診、事務処理他。7:00患者家族面談。8:00救急カンファ。入院患者総括、紹介状返事、主治医意見書等机上書類処理。されど1/3も処理しきれない。その間、新型インフを発熱外来で診察数件。18:30帰宅、業務若干、夕食、 20:30就寝。

最近の天候不順は極端だ 自然災害防止対策が急がれる
 ここ数年、天候が変である。一昨年の猛暑、昨年は台風が殆ど来なかったなど、天候に関連して極端な変化が見られている。

 今年は台風9号で関西や山陰地方で豪雨である。
 これとは別に先月から山陰・山陽や九州北部の大雨などが長々と続いている。各地で集中豪雨により、河川の氾濫や土砂崩れ、土石流で多くの犠牲者を出している。

 ここ数日、東北地方は久々天候に恵まれるという。今まで曇天や降雨日が多かったことから、特に年一回の墓参りのために岩手まで移動する私どもにとって朗報であるが、ニュースを聞けば関西、九州地方には大雨警報が出されているとのことで真から喜べない。

 異状気候、降雨の要因として地球温暖化の可能性が高いとされているからこれから更に著しくなる可能性があり、種々の対策が必要になってくる。
 温暖化の防止は全世界的に、長期的に必要となっている。これが根本なのだろうが、快適、便利な生活と対策との両立は困難であり、先進国の抑制と途上国への許容とが必要で、国際問題であり、簡単ではない。

 私どもは今、子供の頃の生活から見れば夢のような便利さを享受している。ただ、如何に多大なエネルギーを無駄に消費しているかの自覚は必要である.TVや照明、これを人力発電でまかなったら誰も点けっぱなしなどしなくなるだろう。わずかな支払いで制限無く享受できるために、万人が知らず知らずに地球温暖化の共犯者となっている事に気がついていない。無論、私もその一人と言われれば、言いたいことはあるが実際どっぷり浸かっているだけに喉まで出ていても、反論できない。

 次に急ぐべきは、自然災害、特に天候に関連する事故防止対策である。
 国や自治体の対策として最近よく見えるのは、学校や病院などを始めとする不特定多数が集まる建造物の防振対策がある。国でもかなりの経費を割り当てている。水害や土砂崩れ防止対策はどの程度進んでいるのだろうか。

 天候による被害は予想が大体つく時代になったし、発生まで一定の時間があるだけに対策は可能と思われるが、実際にはそう簡単ではない事が先月からの状況見ると分かってくる。豪雨の際の危険箇所は恐らく自治体は把握していると思われる。ただ、安全な避難所の設置、避難勧告のタイミング等の危機管理は出来ているのだろうか。その辺のことがよく見えない。
 
 大規模な水害などは相手が自然の強大なエネルギーだけに到底防ぎ得ないが、最小限人命が失われないような対策だけは欲しいものである。


8/13(木)雨 外来 社会情報サービスKK調査協力 医師面談 教授と懇談
2:30起床、ドック関連総括、5:00出勤。6:30回診。8:00救急カンファ、8:45-13:30外来。さすがに盆で患者は少ない。 15:00-16:00社会情報サービスKK調査協力、医師の訪問あり歓談。18:30教授と歓談。21:00Taxi帰宅。22:00就眠。

「大館曲げわっぱ太鼓」(2)腹に響く野性的な音とリズム
 秋田市医師会の永年勤続者表彰+納涼親睦会で「大館曲げわっぱ太鼓」を楽しんだ。良い企画であった。

 この様な会で格調高くクラシックの室内楽等をやっても誰も聴かない。出演者達に気の毒なだけである。その点は民謡とか太鼓とか音量の大きくパフォーマンスを伴うのがいい。今回の演奏は見事であり、太鼓の音が腹に響き,会場の床を震わせた。

 太鼓の演奏は第一は音色、音域、音量、リズム、横笛等とのチームワークにあるのだが、メンバーの演奏中の姿も重要な要素である。こんなものをCDで聞いてもつまらない。今回、舞台に上がった子供達を中心にしたメンバー達の集中度は高く,演奏中あるいは合間にも見事なパフォーマンスであった。特に、チーフと思われる若い女性のソロは見事なものであったが,女性達が激しく、太鼓をたたき続ける姿,その表情はエロティックな雰囲気さえも伴った。

 10分ほどの長い曲もアンサンブルとして一糸乱れず、リズムの交錯は,移り変わりは自然であり、強弱の表現も見事であった。これほどの複雑な曲を誰一人として楽譜を見るものもなく、不安げな表情もなく自然に演奏していた。激しい訓練を通じ体や腕に染み付いているのであろう。

 太鼓はいい。何でなのか? 一言で言えば私どもひとに備わっている原始的感覚の鼓舞だろう。

 太鼓は太古の時代からの、音楽であり,通信手段であり,狩の道具であり、仲間意識の高揚に,あるいは戦闘意識の高揚等に用いられてきた最もプリミティブで,重要な楽器・道具である。全ての民族に古くから伝わった太鼓の文化がある。私どもの深層に、恐らく太鼓によって鼓舞されるレセプターが形作られているに違いないと思う。
 題名とか忘れたが,清張に太鼓を取り上げた作品がある。米軍が駐留していたある地方の夏祭りの太鼓の音色が、一部の兵士を興奮させ,脱走、陵辱等の犯罪に走らせた,と言う内容であったが、太鼓によって鼓舞され,抑制が外れる事も十分あり得ることだと思う。
 「大館曲げわっぱ太鼓」を見て,聞いて,参加している子供達の育成にも地域の文化の醸成にも良い影響を与えるだろう、などといろいろなことを考えた。この一団はもう高く評価されているとのことであるが、一層の発展を期待したい。


8/12(水)曇天 患者家族面談 外来 臨床研修マッチング 県医師会常任理事会
2:30起床。ドック判定x2。5:10-6:10徒歩病院着、6:30回診。7:00家族面談、8:00救急カンファ。8:45-13:00外来、予約患者30名程度で久々余裕ある外来。15:00マッチング8名。17:30-20:00県医師会常任理事会+新型インフ対策会議。疲れ果て Taxi直帰宅、夕食、21:40就寝。

「大館曲げわっぱ太鼓」(1)迫力十分 見事なチームワークであった
 去る7月28日は秋田市医師会の永年勤続者表彰+納涼親睦会であった。

 長い、なが-い医師会長挨拶の後、会員の医療機関に勤務する職員20数名が表彰された。医療に長年従事した方々が身につけた技能を直接評価するのは困難であるが、長い間、秋田市の医療に寄与したことは明らかであり、その方々を表彰することの意義は大きい。ただ、過去の医師会雑誌を見ても表彰された方々のお名前も掲載されていないのが実に寂しい。記録に残すべきだと思う。共済会主催だから扱いが軽いのかな??

 新入医師会会員の自己紹介に続き懇親会に移ったが、今年の余興は「大館曲げわっぱ太鼓」の演奏であった。
 太鼓の勇壮な演奏は何度か聞いたことがあるがいずれも見事なものであった。中でも20年ほど前の佐渡の「おんでぃこ座」という名?の一団だったと思うが、どこかの学会の交流会で聞いたときは心底びっくりしたが、私の席は舞台からやや離れていたため、今回の印象とはちょっと異なっていた。

 今回は何故か舞台に最も近い特等席と言える席が指定されていた。
 小太鼓と中太鼓の組太鼓による演奏で、3人ほどの20-30代と思われる女性メンバーと小、中学生と思われる子供達を中心に10数人のメンバーであった。

 私は県内にこの様な団体が活動していることは全く知らなかった。
 大館は地場産業として杉の正目と漆を材料とした「曲げわっぱ」が有名である。大館の団体だからその名を単に冠しているだけかと思ったら、太鼓の一部、より小型の太鼓は曲げわっぱの技法そのもので出来ていた。

 本来、太鼓等の楽器、特に打楽器は音の立ち上がりが重要であり、物理的にも衝撃が激しいだけに堅い、丈夫な木で出来ているが、杉は柔らかいから必ずしも向かないだろうと思ったが、ややソフトではあるが結構いい音がしていた。ただ、普通の革の張りを保つために、また全体を締め上げるためにであろう、丈夫そうな金属の締め具が使われていた。


8/11(火)快晴 院内新型インフ対策会議(1)外来 院内新型インフ対策会議(2)臨床研修マッチング 市内4病院長他懇談会
2:30起床,ドック判定・総括x1など。虚脱・脱力感まだ若干。6:30回診等。7:30-8:40院内新型インフ対策会議(1)、 8:45-13:45外来。患者対応、14:00-15:10院内新型インフ対策会議(2)。16:00-18:00臨床研修マッチング4名。 18:30-21:30市内4病院院長他懇談会。21:45Taxi帰宅、22:00就寝。

ブタインフ(23)野放しではない 県市町村の公的対策が主役だよ
 今回、秋田県は県内の新型イの感染段階を発生初期から拡大期に引き上げた。 
 今後は以下の二点が重点的課題となる。
■ 急激な蔓延化を防ぐ。
■ 重症患者の治療を優先する。

 H1N1は病原性は低い、と言われているがまだ判断できない。通常の季節性インフは約1.000万人が罹患し1万人死亡している。H1N1はまだ日本では若年者を中心に数千人罹患しているだけで、重症者は小児の1名が集中治療室で治療を受けているだけとされている。しかし、全然母集団数が異なり比較は出来ない。全世界ではWHOが認定した正式集計で1.000人以上死亡している。決して侮ってはいけない。

 感染力は季節性インフルエンザよりは約2倍ほど強いとの評価があり、一部高齢者に抗体保持者がいる可能性は示唆されているものの国民の大部分は免疫を有していないから、蔓延防止対策を欠くと爆発的に蔓延する可能性がある。そうなると地域の基幹的医療機関の機能は破綻するし、社会機能も影響を受ける。蔓延が低年齢層、高年齢層にも広がって行くであろうから重症者、死者が大量に出る可能性がある。勝手に弱毒性と決めつけて侮ってはいけない。

 そうは言ってもメリット以上にコストやマンパワーを投入した危機管理は見直す必要がある。
 具体的には秋田県内でも8月10日以降、以下の如く視点を移した対応になった。
■ 感染者の全数把握をやめる。
■ 学校や施設などでの集団発生の早期把握や重症化防止策に重点を移す。
■PCR検査も、集団感染が疑われるケースなどに限る。それ以外は自費または病院負担。
■ 発熱相談センターは当面、現行通り対応する。
■ 9月1日をめどに新型インフルエンザの診療は原則、全医療機関で診療することになるが、県民に医療の情報を公開するために診療可能医療機関を登録し、公表する。

 今、県医師会、郡市医師会の協力の下に登録医療機関を集約する作業に入っている。最近、特に6月19日に国の対策方針の変更が発表になってから、市町村レベルの対応の影が薄くなっている。これは大問題である。あくまでも新型インフルエンザ対策の主役は県、市町村である。その求めに沿って、医療機関や医師会が協力することになる。

 この基本が忘れられていないだろうか。


8/10(月)曇り・雨 管理会議なし 県新型インフ対策会議 外来 医師面談 療養病棟判定会議(欠) 長副会議
2:50起床。ドック総括x1。文献処理他。寝不足で体調不調。5:20病院着、6:30回診、紹介状など。剖検の手続き他。8:00救急カンファ。9:00-10:00県新型インフ対策会議。感染拡大期に移行決定。外来、途中で剖検の家族への説明、見送り。13:30入院患者対応。16:00 医師面談打ち合わせ。療養病棟判定会議(欠)。17:00-18:50長副会議。20:45帰宅、夕食。21:30就寝。終日不調であった。

ブタインフ(22)集団感染の監視重視へ、県が対策切り替え
 秋田県は全国的に感染者が増えている段階でも発症者が少なく、国の方針とは別に拡大初期の対策を堅持し、PCR検査による確定診断と積極的疫学調査を行い二次感染、三次感染を防いできた。しかし、時と共に感染者が増え、つい先日50名に達し、もう感染ルートの特定は不可能になった。

 そのため県の新興感染症部会は8月4日に会議を開き、感染初期から感染拡大期に入ったことを確認し、県の対策本部に提起することとした。また、秋田県では感染拡大蔓延期という名称は用いないこととした。
 それを受けて県新型インフルエンザ対策本部(本部長・佐竹敬久知事)の会議が10日に県庁で開かれ、私から県内の感染段階を発生初期から拡大期に引き上げる事を提起し承認された。

 拡大期移行に伴い、同日から感染者の全数把握をやめ、学校や施設などでの集団発生の早期把握や重症化防止策に重点を移す。今後、集団感染の監視を重視する対策に切り替える。また、感染が疑われる全員を対象としていたPCR検査も、集団感染が疑われるケースなどに限る。もしどうしても検査したいときには自費になる。厳密には混合診療になるが厚労省では特例とするらしい。

 県が保健所に設けている発熱相談センターは当面、現行通り対応する。
 これを受けて当院では新たな対策に取り組むこととなった。


8/9(日)快晴→雨  病棟拘束 患者重症
2:00起床、ドック総括x2、文献整理、書類廃棄など。夜半以降病棟から何度か連絡あり患者不調。6:00徒歩病院、7:00着。患者対応、救急カンファは欠。11:30帰宅。17:00再度病院、重症患者対応、20:00帰宅、夕食、20:45就眠、21:45病棟から呼び出し、病院へ。患者死去。0:00帰宅、就寝。

酒井法子容疑者が出頭(2)母としての心情は一筋の光だが
 夫が麻薬所持で現行犯逮捕され、妻である酒井容疑者がショックで茫然自失となり、どこかをさまよい歩いているのか、あるいは身を隠していたのかと思っていたが、翌日には自身も所持容疑で逮捕状が出された。
 子供を知人に預けた事から、場合によっては厳しい結果となる可能性もあり得ると思ったし、過剰な報道が彼女を一層追い詰めるのでは、と心配していたが、出頭してきたことで良かったと思う。知人に長男の声を聞かせて欲しい、と電話をしたとか、長男宛に都内から荷物を送ったらしいことも報道され、母親としての心が垣間見られた。

 最近、母親による児童や乳児の虐待、遺棄、殺害などの嫌な事件が報道される中では、酒井容疑者の子を思う一面は一筋の光であった。そして、いろいろな事情はあったのであろうが、母親としての気持ちが出頭を決意させた、と私は思いたい。

 覚醒剤や麻薬は身心を狂わせてしまう。絶対に手を出してはいけないが、最近、芸能人の薬物事件が後を絶たない。
 NHKラジオでは酒井容疑差は関連のニュースの中で押尾学、小向美奈子(?)、加勢大周、ケン・ムッツオー(?)などの名をあげて報道していたが、全て「さん」付けで呼んでおり、後三人はいずれも執行猶予付き有罪判決を受けているのだから、私は違和感を覚えた。さりとて何と呼べばいいのかは分からない。ラジオなので正確な名が分からないので(?)を付けた。

 酒井容疑者はアイドル歌手で女優としても活躍、デビュー以来の清潔なイメージと、今回の事件はその間があまりにも懸け離れていて、方々で落胆の声が上がっている。ひとは良しにつけ悪しきにつけいろいろなイメージを抱かれ、それが時には一人歩きし徐々にふくらんでいき、実際の人物とは大きくかけ離れていくものだ。
 特に芸能人の場合には、大衆は本当の姿を見ることが少ないだけにその格差が大きくなっていく。どんなにアイドルであり、清純なイメージを持つ芸能人に対して、身近なひとはその実態に触れるからそんなイメージはまず抱かないはずである。

 ひとは自身の実態とかけ離れた良い方向でのイメージが作られた場合、そのイメージを護る事が優先される。そうなると他人の前では全てが演技と言うことになるが、そのことが新たなストレスとなる。M・ジャクソンもしかりだったのかな、と思う。
 恐らく、日々、ひとは自己擁護のために、社会に対しても、他人に対しても、自分に対してさえも嘘をつく。


8/8(土)快晴 活き生き健康フェア 書類処理 
2:30起床,ドック判定総括x1。文献チェックその他。5:50徒歩3病院着。6:30回診、8:30救急カンファ。10:00-14:00活 き生き健康フェアで医療相談担当。その他デューティなし。総括・DPC入力など終了。18:30徒歩帰宅。20:00夕食、21:00就寝。

酒井法子容疑者が出頭(1)逮捕されて良かった
 覚せい剤取締法違反容疑で逮捕状が出ていた女優酒井法子容疑者(38)が8日20:00頃、警視庁に出頭し逮捕された。夫(41)が同容疑で現行犯逮捕された3日から行方不明となっていた。出頭して良かった。

 容疑の内容に関しては私は分からない。罪は遙かに大きいのだろう。だから安易には比較できないが、4月のSMAPメンバーの全裸、逮捕の時以上にNHKラジオ、新聞はこの話題を大きく取り上げた。早朝のニュースは3日間から冒頭から、酒井、酒井・・であった。

 容疑内容から言えば決して軽視すべきでないが、ヘッドラインニュースとして、かなりの時間を割いたのはやはり尋常でないと思った。いま日本は岐路に立っているのに、である。
 人気タレント?のためであるのは明らかである。私は酒井容疑者の最近のことについて殆ど知らない。数年ぶりに聞いた名前である。清楚な顔立ちで美人だった。いつの間にか一児の母になっていた。

 報道の扱いは犯した罪の内容に応じた扱いで良いのでないか。酒井容疑者の自宅から覚せい剤や吸引用のストロー等が見つかり、DNA鑑定の結果、容疑者のものと一致した、という。自身も吸引していた事はほぼ明らかで あろう。有名なタレントだから社会的責任がより大きいということでの報道であろうが、芸能人などはそんな訓練も教育も受けていない。画面や舞台などの姿と それ以外の姿との間には格差が大きいと思うが、大衆は私生活面まである種のイメージでヴェールを被せてしまうが、私人としては当たり前の方々なのだ。


8/7(金)快晴、曇り 外科関連打ち合わせ ドック診察 患者対応 県健康推進課スタッフ来訪打ち合わせ Prius整備

2:30起床,ドック判定総括x1。文献チェックその他。5:20バイク病院着。 6:30回診、8:00救急カンファ。外来なし。11:00病棟患者対応。13:30ドック診察。重症者回診後。20:50徒歩途中で降雨、Priusで帰宅。夕食、22:00就寝。長女帰省。

もう立秋で早朝の空はもう秋 
 本日8月7日は立秋である。本日から立冬前日までが秋と言うことになる。

 季節の挨拶は、昨日までは暑中見舞いを、本日からは残暑見舞いとなる。そうは言っても、実際には残暑が厳しく、これからが最も気温の高い時期となる。

 立秋は秋の息吹が感じられる時期と言うことになっているが、夏至と秋分の中間点と言うことで、秋が感じられると言っても、気温ではなく、恐らく空の雲の様子のことを言っているのだろうと思う。これからの時期、熱せられた大地からの上昇気流によって大気が激しく撹拌され、巨大な積乱雲が東の空に勇姿を現してくる。入道雲とはよく言ったものである。また、一般的に雲は高度が高くなってくる。天高く・・の季節である。

 それにしても今年の天候は変である。
 秋田は梅雨明け宣言はあったのだろうか?もし今日までに宣言が無ければ今後は宣言をしない事になっている。連日のニュースは全国的な異常な降雨、水害を報じ、一方、地方によっては猛暑を報道している。NHKラジオは熱中症にご注意、と日に何度も呼びかけている。

 もう暦の上では立秋になったが、私にとって夏らしい日はまだ無い。 
 私は四季の中では桜が散って緑の季節となり、秋の息吹を足下の露で感じる時までの間、その中でも特に太陽がギラギラと照りつける夏が最も好きである。今年もまた夏を味わうことなく私の好きな季節が去っていくのか・・と少しだけ寂しい。今年は秋田地方も降雨、曇天が多かった。そのためバイクによる出勤の機会も少ないから実感できていない。

 先週から運動不足もあって通勤を徒歩にしている。全行程6Kmほどを歩くには1時間要し、ちょっと時間が勿体ないので片道3-4Kmに押さえている。だから、しばらくの間、今までと違う季節感を味わえるかもしれない。


8/6(木)快晴 竿灯最終日 外来 秋田県老人クラブ連合会講演 院内新型インフ対策会議 医師面談
1:30起床、寝不足感。本日の講演準備。ドック判定総括。文献など。5:25半行程徒歩4.200歩、6:00病院着。6:30回診、8:00 救急カンファ、8:40-13:00外来。13:30-14:55秋田県老人クラブ連合会講演。国県方針変更に応じたたまった院内新型インフルエンザ対策検討、医師面談、入院患者家族面談。21:50半行程徒歩帰宅、夕食。22:10就寝。

携帯料金5月42.850円、6月も2万ほどでびっくり(2)料金体系を理解できていない私
 家庭で利用している固定電話などと同じように、携帯でも基本料金がかかるが、携帯の場合には自分のライフスタイルに応じて、複数の料金プランの中から選ぶことが出来る様になっている。頻繁に電話をかける人向け、あまり電話をかけずに受ける人向け、ピジネスユーザー向けに「夜間割高、昼問割安」タイプ、子ども向けに「上限額を超えたら発信停止」といった選択が出来る。学生向け割引プランもあるようだ。

 これは実に便利なことなのだし、無駄を廃するという意味でも便利だろう。各社がいろいろなプランを売り出している。
 実は私ども携帯に不案内なものにとってはこれがわかりにくいのだ。

 私は年末に所持していた機種がまもなく使えなくなるのことでi Phone 3Gを購入した。その時、店員がいろいろ説明してくれたが殆どちんぷんかんぷんで、帰省していた娘が契約を代行してくれた。多分、「ホワイトプラン」というのに加入したような気がする。これがまた理解できない。
 それまでは基本の月額2.900円を超えたことは一度もなかったが、i Phone 3G以降の請求書は7.900-2.660円と実に幅が大きい。i Phone 3Gを頻用しているが殆どが電話以外の、ミニコンピュータ的使用で、自ら電話をかけることは数日に一度、自宅への連絡は多くは数秒以内で済ませる。

 何でこんなに月々差が大きいのだとあきれてしまうが、その理由が一切分からない。料金明細を知る方法もあるようだが、ソフトバンクにどうアクセスしたらいいのか分からない。だから、毎月請求が来るまで不安でもある。
 
 それでも私は電話嫌いだからせいぜいこんな程度であるが、家内はTV視聴とインターネットアクセスの違いを理解していなかったし、電話もしょっちゅうである。こんな人こそ上限設定プランが良いのだろうが、何故か上限料金設定はしていなかったと言うことになる。多分購入時に理解できなかったからであろう。

 ところで、時々話題になるパケット料金って何んなのだ??
 ソフトバンクのパケットは下限額が390円で上限が4.410円らしいが、これと家内の料金体型はどんな関係にあるのか??それも理解できていない。私のはどうなっているのだろうか。

 携帯電話は犯罪に関連しても繁用されているようだが、料金体系についても実に恐ろしいものだ。


8/5(水)曇り 竿灯三日日 外来 ふれあい看護体験 患者家族面談 秋大訪問
2:15起床,ドック判定総括x1。文献チェックその他。5:00徒歩で病院へ。1時間で5.900歩。6:30回診。8:00救急カンファ、 8:45-13:30外来、疲弊。14:00来客。15:00患者家族面談。16:00-16:30秋大訪問。21:20久々バイク帰宅。夕食、 22:10就寝。

携帯料金5月42.850円、6月も2万ほどでびっくり(1) 無知のなせる技だが
 今年の5月中旬から下旬にかけて家内が旅に出た。

 無事帰ってきたのだが、この間私にはそれほどの連絡はなかったが、いろいろな方に携帯をかなり使って連絡を取り合い、かつ、好きなTVはワンセグなる番組を携帯で見たらしい。
 その時は、従来あまり使うことがない携帯を十分に駆使出来るようになったらしいことを単純に喜んだのだが、翌月の請求書を見て目が飛び出た。5月分が何と4万円超であった。一月後に更に6月分として2万円ほどの請求が来た。通常は家内の分の通話料は6-7.000円前後で1万円を超えたことは一度もなかったから、である。 

 原因はよく分からず何かの間違いでないか、とまで考えたのであるが、実際にはインターネットへの接続にあったらしい。恐らく、通話やメールだけではこれ程にはならないだろうし、基本的にTVは無料のはずである。やはり、そうであった。家内にはTVとインターネット接続の違いが理解されていなかった。そこに原因があった。

 我が家では結構古いときから携帯を用いていた。アナログのころは利用者も少なく、契約料も通話料もかなり高額であり、よく分からないので使用は慎重であったから使用量としてはそれほど多くなかった。いつの間にかデジタル化し、会社もボーダフォン、ソフトバンクと変わった。そんな中で自分の携帯がどのような条件で契約されているのか殆ど忘れてしまっていた。
 それでも使用が少なかったことから問題は発生せず、私は基本料金を上回ったことは一度もない。


8/4(火)快晴 竿灯二日目 患者死去 外来 法人常務会 県新興感染症部会 医局会
2:30起床,ドック判定総括x1。4:00病棟より呼び出し、出勤、患者死去、見送り。病棟から見る早朝の空は高く、雲雲には既に秋の雰囲気が漂う。6:30回診、7:00患者家族面談。8:00救急カンファ。8:45-14:20外来、混雑、疲弊。14:45-15:20法人常務会。 16:00-17:20県新興感染症部会、新型イ対応変更確認。18:00医局会に合流。重症者回診、20:40徒歩帰宅3200歩で迎えの車に。 22:00就寝。

昨年は指揮者カラヤンの生誕100年(3)死して後、真価を発揮
 私は力ラヤンには人としての興味がある。
 音楽そのものは違いが分からないからカラヤンでなければ、と言うほどではない。持っている全ての録音を楽しんでいる。

 車のCDチェンジャーにはカラヤン、クライバー、他の演奏によるベートーヴェンの交響曲がセットされているが、ざっと聴いた範囲では区別できない。どれも素晴らしい。だから、誰の演奏でも良いのだ。わずかにレガート奏法から何とか判別できる程度である。私はカラヤンを含め、この人でなければと思うような音楽家はいない。そんな聴き方すれば視野、聴野と言うべきか、が狭まるだけ。

 カラヤン自身が自分に対する風評等を何と思っていたのか知らないが、彼は音楽以外のところの行動でも注目され、そのことから彼の奏でる音楽の評価を悪しきものにしていた。馬鹿な話である。
 金権主義、旺盛な自己顕示欲、商業主義、万人受けを狙った表層的演奏、ジェット機やポルシェを駆使するスピード狂、ヨットやスキー分野で華麗なアスリート、等々、彼の一挙一動が話題になった。中でも必ずあげられるのがナチに入党である。映像や録音関連のエレクトロニクスに興味を持ち、積極的に発展に寄与し、自らも多数の記録を残したことも必ずしも評価されているとは言えないが、これは偉大な業績の一つである。恩恵を享受しながら悪しく言う自称評論家が多すぎる。

 従来、指揮者は世間知らずで、禁欲的にひたすら指揮の世界にこもってひたすら音楽に奉仕することがイメージとして作られていたのかもしれないが、カラヤンは全く違う考え方を持っていたのだろう。凡人でなかったから、超人に近かったから軋轢も多いのだ。本物は風評とかでぶれることはない。

 私は生前のカラヤンが演奏以外のことで酷評されるのを不快に思っていたが、死して約20年、さすがに音楽以外のことは話題にあげることは少なくなって、残した音楽遺産の真の価値が純粋に再評価されて来たと思う。
 これからも節目節目にカラヤンの遺産が世に出るだろう。これは彼を利用する側の価値観の問題である。しかし、それに十二分耐えうるような素晴らしい演奏を残してくれたからであって商業主義に利用されているからではない。

 今、彼の最期の公の講演会となった、ウイーンフィルと演奏したブルックナー交響曲第7番が耳元で壮麗に鳴ってる。彼の残したブルックナーはフレーズが大きく流麗であり、楽譜に小節がないようにさえ聞こえる。カラヤン・レガートとでも言うべきか、とさえ思う。


8/3(月)晴れ 竿灯祭り初日 管理会議 外来 患者家族面談 療養病棟判定会議 長副会議
2:00 起床、ドック総括、文献チェック。5:30病院、6:30回診他。7:45-8:25管理会議。8:45-13:30外来、疲弊。患者家族面談後来訪者あり歓談。16:00療養病棟判定会議。17:00- 18;00長副会議。20:45途中まで徒歩で帰宅、夕食、21:50就眠。

竿灯祭り初日  観覧席の売れ行き不調は不景気とインフルエンザ?
 青森ねぶたから始まり、秋田竿灯、仙台七夕と短期間に集中する東北三大夏祭りの時期となった。
 今日が竿灯祭りの初日であった。

 やや古いデータであるが、地方紙によると、7月8日現在で、竿灯祭りの観覧席の売れ残りが多く、企画する側の立場ではかなり深刻なのだという。まつりは8月3-6日に開催されるが、4日間分の約4万席のうち、まだ約7.700席が売れ残っているとのことであった。

 これは秋田だけの現象、減少ではなく、8月2-7日の青森ねぶた祭は6万1干席のうち1万8.500席が残っているとのこと。
 JTBでは8月6-8日の仙台七タまつりを含む東北三大祭りツアーなどを企画しているが、祭中心のこの企画は昨年より団体客の申し込みが2割方減っているという。 

 また、東北だけの現象、減少でもなさそうで、高知のよさこい祭り本祭も、徳島の阿波踊りも団体客が減っているらしい。
 竿灯まつりの桟敷席は1枚2.000-2.500円。販売する秋田観光コンベンション協会は急遽、旅行会社やコンピニのチケットセンターでも販売することにした(データは秋田魁新聞より引用)。

 上記のデータから約一月経つ。本日初日を迎えたが、その後の売れ行き状況はどうなのだろうか、気になるところである。 

 秋田竿燈まつりは国の重要無形民俗文化財にも指定されている。今年は70団体が253本を出竿する予定とのことであった。
 私は秋田に住むようになってから36年になるが、初めての年に一回だけ見に行ったことがある。合図と共に全部の竿灯が一斉に立ち上げられた瞬間の高揚感は素晴らしいものがあり、すごいと思った。その時の光景は未だに忘れられない。が、その後はお囃子が響き渡る中、差し手たちが、手、額、肩、腰に竿燈を移動させて、自慢の技を披露するだけで如何に大変なことかも分からず、これが何で妙技なのか、別におもしろくも可笑しくもなく、印象は「なんだ、こんなものか」で、早々に引き上げた。その後は一度も行っていないし見たいとも思わなかった。
 だから、何とも評論する資格もない。

 本日、20:30ころ徒歩で帰宅した。大型のバスがそれぞれ指定されたところに停まっていたが、確かに例年より少ない気がした。それが例年のことであるが、早朝になると大部分が姿を消している。遠方からバスを連ねて来秋した観顧客は殆どが宿泊無しで移動しているとしか思えない。

 観覧席の売れ行き不振には確かに不景気の影響はあろう。新型インフルエンザによる影響はどうだろうか。
 祭りの関係者も気にはしていると思うが、医療関係者もとても気にしている。竿灯祭りでもかなりの方々が秋田に来るし、これが終われば盆を中心とした民族大移動の時期である。これを機会に今まで発症者が少なかった秋田でもかなりの患者が発生すると思われる。医療体制の構築が遅れており、気になるところである。


8/2(日)曇り-雨 病棟拘束 
2:30 起床。ドック判定総括、特定疾患継続用紙記入、文献・新聞チェック他。6:00病院。回診他。数日後の講演の準備。11:00帰宅。その後、持参のドック業務と法人化した県立2大学の評価関連業務処理。17:00-19:30病院。20:00帰宅、夕食、21:00就寝。明日から竿灯と言うも今年は座席の予約などでは苦戦しているらしい。

ツバメを見なくなった(2) 小鳥たちも田舎を捨てつつあるのか
 ツバメや雀の営巣場所は、わざわざ人の気配の豊かな民家を選んでいたが、その背景には天敵である蛇やカラスとの関係が濃厚と考えられる。加えて、人も、特にいたずら盛りの子供達が小鳥を虐めなくなったという変化、安心感もあったのだろう。

 実際、ツバメ、雀、ドバトといったヒトの身近にすむ鳥類の背後には、常に恐ろしいカラスの存在が関係しているらしい。この小鳥たちは現実にはヒトとカラスの狭間で右往左往しているのが現状と思われる。
 現に、私も出張の際訪れた何処であったか忘れたが、公園でカラスがドバトを襲ったのを見たことがある。

 カラス側の状況の変化を私は知らないが、今日、人の生活様式は田舎では大きく変化している。
 則ち、最近は高齢化、核家族化が進み、田舎の民家の周辺に人がいる時間帯はとても少なくなった。カラスは人の目を盗んで行動するから、民家のそばに営巣してもカラスに襲われる機会は増えてきた。
 そのため、小鳥たちはむしろ田舎を捨てて人が多い都市に移り、倉庫、駐車場、駅等に集中して営巣を始めているらしい。
 限界集落という言葉があるが、田舎では小鳥たちにはもうとっくに人の存在をあてにした生活は出来なくなってきて、田舎生活に限界を感じ、さらなる適応を果たしているらしい。

 ツバメにとっては農薬等の使用で飛んでいる昆虫等が減少しているのも姿が見えなくなった理由なのかもしれない。また、田舎の住宅の構造が様変わりし、雨は壁が受けるようになり、屋根は小さくなり、深いひさしを持った構造の住宅は少なくなったことも関係があるだろう。その点、街は構造上で雑多な建造物が多く、隠れる場所にも事欠かず、より安全な住み家を確保できる事になる。だからか、人の生活域の近くのビルの壁の隙間などでツバメ、雀、ドバトが営巣し、時折街の話題としてタウン誌などに紹介されていることもある。
多分、これらの小鳥たちは人間生活の変化に戸惑いながらも、天敵から身を守るために人や人工環境を巧みに利用し、自らの習性や行動を少しずつ変化させ、都市環境に適応しつつあるのだろう。

 秋田の私の周辺や視野からツバメや雀が消えつつある様な印象を私は抱くが、単に偏在だけでなく、本当に減っているのかもしれない。
 なんか、小鳥のことを考えていると秋田県の医師不足と似通っているような気がしてならない。


8/1(土)曇り 開腹一周年 病棟拘束 ドック結果説明 県健康推進課スタッフ来訪打ち合わせ。
2:00起床。ドック判定総括、文献・新聞チェック他。5:30Taxi 病院、6:40回診。8:30救急カンファ+ドック結果説明。9:00-10:000県健康推進課スタッフ来訪,新型インフ打ち合わせ。14:00散髪、 16;30西武デパート。駅前で志位氏選挙演説。19:30帰宅、夕食、20:30就寝。膀胱頚部硬化症+膀胱憩室で開腹手術二周年、術後経過良好。この点は夢のごとし。

ツバメを見なくなった(1) 野鳥とヒトの関わりも変わってきている
 早朝3時過ぎになると外が徐々に騒がしくなってくる。小鳥たちが騒ぎ始めるからである。なかなか良い雰囲気である。ただ、チュンチュンという雀の鳴き声はそれほど聞こえてこない。5時は私の出勤時間であるが,小鳥たちの姿を見ることはとても少ない。何故なのだろうか。
 その中でフッと気がついた。そう言えば今年は未だツバメを見ていない。

 ツバメも雀もヒトと共に生活する小鳥で最も親しまれている小鳥である。ツバメは北半球に広く分布している渡り鳥で、春になると渡ってくる。
 昔からツバメとヒトとの関連は深く,春先に渡ってくると季節の移ろいを感じたものだ。雀と違ってスタイルも流線型で、飛ぶ姿も速く優雅、かつ、瞬時に方向転換出来ることからJRバス等のシンボルマークにも使われているし、ツバメ返し等という言葉にもなっている。「若いツバメ」は何でツバメなのか?と思う。清楚、優雅な姿に合わないイメージである。いや、この雰囲気、イメージが良いのかもしれない。確かに「若いスズメ」では絵にならない。

 ツバメは穀類を食べない。飛んでいる昆虫を飛びながら捕獲して餌にしている。その事から農家では害虫駆除に役立つ益鳥として昔から大切にしてきた。
 子供の頃、雀等には石を投げたり、パチンコでねらったこともあるが,ツバメを的にしたことはない。尤も、私の遊びの犠牲になった雀はいない。ツバメはいじめてはならないと禁じられていた。また、ツバメは民家の軒下等に巣を作ったものだが,ヒトの出入りが多い家ほど営巣に選ばれる傾向にあったから縁起の良い事ともされていた。これは、ヘビやカラスから卵や雛を守るための知恵らしい。

 雀はツバメ以上にヒトと密着している。営巣は民家や小屋などの隙間を利用して行うが,殆ど直接見ることはない。雛の鳴き声で巣の場所が分かる。数年前、トイレの換気扇の隙間で子育てされて巣立つまでの間換気扇を止めていた。
 一方、ツバメは堂々と人前で営巣、子育てをする。ツバメの巣は民家の軒下が多く、下からは抱卵を直接見ることは出来ないが、見え隠れする親の行動から抱卵中であることが分かる。雛がかえって一週間もすると親鳥が休み無く餌を運んでくるし,子供達が頸をのばし、黄色い口を必死に開けて餌をねだる様子が見られたものである。

 最近,突然、ツバメを見ることは殆ど無くなったことに気づいた。日中私が家にいないから見ることが無くなったのか、と思い休日に意識して外を見ているが未だ一羽も見ていない。私以上に鳥に興味を持っている家内に聞くと田んぼのあたりにツバメはいるのだという。

 本当に個体数が減っているのかは全く分からないが、身近には居なくなったのは確かである。ヒトの生活振りが変わったためにツバメや雀も暮らし難くなってきているのだろう。

徒然日記バックナンバーへ戻る       徒然日記へ戻る   トップページへ戻る

   年を通じてワンパターンで淡々とした毎日です。AM2:00-5:00にメールチェック・返事送付、人間ドック(HDD)判定・報告書作成、新聞切り抜き、病院・医師会業務など。
  月〜土曜は6:00頃出勤、HDD報告書印刷、外来書類処理など。病棟回診、HDD受診者とミーティングと診察。8:45-14:00外来とHDD受診者に結果説明。昼食は摂りません。午後は病院業務・医師会業務、各種委員会等に出席など。20:00頃帰宅。
  日曜・祭日もほぼ同様ですが、病院には午後出かけます。時間的に余裕無いのが悩みです。


ご意見・ご感想などをお聞かせください

これからの医療の在り方:Send Mail