徒然日記
2008年10月分

 日記と言うより、自分の行動記録からの抜粋と日々の雑感です。

徒然日記バックナンバーへ戻る       徒然日記へ戻る   トップページへ戻る

先月の日記          来月の日記


10/31(金)晴れ 永年勤続者院内表彰 ドック診察 患者取り違え防止検討会 ノロ対策拡大診療部会議 坂本名誉院長救急功労者表彰祝賀会
2:00起床、ドック判定総括。徒然他。5:10病院着、6:10回診他。8:00救急カンファ。病棟書類処理業務。11:00病棟患者対応、12:30永年勤続者院内表彰。15:00患者取り違え防止検討会。16:00ドック診察、17:30ノロ対策拡大診療部会議、18:30坂本名誉院長救急功労者表彰祝賀会。20:30帰宅。21:00就寝。

永年勤続者院内表彰  地道な努力こそ評価されるべき
 ここ2ヶ月ほどいろいろな賞の受賞がニュースになっている。

 まず、9月中旬はスタチン研究で本荘市出身の遠藤章氏(74)が米国最高の医学賞とされる「ラスカー省」を授賞されたと言うビッグニュースがあった。この賞はノーベル賞の登竜門とされるものでノーベル賞受賞者の利根川氏も受賞している。そんなこともあって今年のノーベル医学賞も遠藤氏か、と期待もしていたが、今年は選に漏れたようである。後は長生きして頂いてその機会を待つだけである。

 10月7日にはノーベル賞で4名の日本人が授賞した。尤も、そのうちのお一人南部氏は殆ど米国の研究費を用いて研究を進め、市民権も得て米国在住であることから米国人とカウントされている。これは当然のことだろう。
 つい先日は小澤征爾氏とかの著名人が文化勲章、文化功労者として発表になった。

 本日夜は秋田組合総合病院坂本名誉院長が救急功労者として総務大臣から表彰を受けられたことで祝賀会が催された。200人超の出席者で盛会であった。救急病院を代表して締めの挨拶を請われたが、入院患者が不調で中座せざるを得ず、残念ながらお断りした。

 本日昼、当院では20年、30年勤続者の院内の表彰があった。
 本来は法人表彰で、去る21日夕方から表彰式があったが欠席された被表彰者が多かったために病院の職員を改めて表彰したもので、私から8名の方々に賞状と記念品を贈呈した。又、これには数日ではあるが休暇の権利も副えられている。
 最後の挨拶では、永年勤続表彰の日を迎えられた方々に心からお祝いと感謝の気持ちを伝え、「上記に挙げた様な華々しい表彰とは質的に異なっているが、各人の身の丈にあった地道な努力もしっかりと評価されなければなりません。皆さん方が20年・30年と培って身につけてきたノウハウは何物にも代え難い値があります・・」と述べた。

 小さな表彰式であったが、職場の同僚達もお祝いに駆けつけてくれてとても良い雰囲気であった。


10/30(木)晴れ 外来 秋田県医療的ケア連絡協議会
2:15起床。ドック総括他。5:15Taxi病院。6:30回診等病棟業務。8:00救急カンファ、8:45-13:40外来、14:00-16:10秋田養護学校にて医療的ケア連絡協議会。16:40病院、書類処理。20:45帰宅、夕食、21:40就寝。

秋大医学生「地域医療体験実習」(2)早めに医療の現場に触れる意義は大きい 
 私どもの学生の頃を例に出してもしょうがないが、6年間の学生生活で最初の2年間は医学部進学課程で一般教養課程のみ、3-4年次は基礎医学中心、臨床は5-6年となっていて実質的医学教育は4年間であった。大学病院での外来実習、病棟実習には大きな意味はあったが、現実の地域医療の実態とは大きくかけ離れた環境の中での教育・実習であった。当時は国民は十分な医療を受けられず、医療環境も良くなかったが、そのような地域医療の実情を教えるカリキュラムは一切無く、医学生は社会医学研究会等のサークル活動などを通じなければそのような事情を知る術もなく、教える側も教わる側も社会医学的関心は乏しかった。
 私は6年間学生寮で過ごしたが、人権問題等、そちらの面の方向に詳しい人文系の友人達からいろいろ刺激を受けた。
 
 最近の学生たちは折りにふれ病院実習や見学等をしているし、病院も門戸を開けている。秋大では毎年6月に6年次の学生に3週間の「地域包括実習」の機会を作っている。地域医療の現場に実習として接する機会も増えてきている。これはとても良いことだと思う。

 秋大医学部では昨年から新入生を対象に「地域医療体験実習」を行っている。病院訪問はわずかに2-3時間に過ぎないが、事前の学習時間、事後のまとめの時間もあり、地域医療の実際の問題点を聴き・見学する意味は大きいと思われる。多分、入学後の初めての実習ではないかと思う。

 事前の学習で準備された質問事項は決して充分な考察から発せられたものでは言えないだろうが、入学後間もない学生の立場ではこれで充分である。それを現場の医師とか院長が直接解説し、働く現場を見学することで関心が深まることにつながれば、この実習の意義大きい。

 聞くところによると、この実習の国からの予算は2年間だけなのだと言うことであるが、秋大ではこの実習の意義を評価し独自の判断で次年度からも継続するとのことである。良い判断だと思うし、協力したいと思う。

 学生の個人票の中に「秋田県出身ではありませんが、卒後には秋田の医療に貢献しようと考えています・・・」と記載した学生が2名いたのも嬉しい。


10/29(水)晴れ 外来 市保健所立ち入り検査 医療行政懇談会+情報交換会
 1:30起床。ドック総括他。5:15病院着。6:30回診等病棟業務。8:00救急カンファ、8:45-12:58外来、13:00秋田市保健所立ち入り検査、16:20高い評価の講評をもって無事終了。担当した全職員に感謝。16:45医療行政懇談会に遅れて出席。17:30-19:30情報交換会。19:45帰宅、書類処理若干。21:00就寝。

秋大医学生「地域医療体験実習」(1) 多彩な質問事項
 去る10月28日火曜日、14:00-16:30にかけて秋田大学医学部医学科1年生18人が「地域医療体験実習」で当院を訪問した。

 これは秋大医学部の新入生に対して、「秋田県の地域医療の現状を把握し、課題を抽出し、解決策を考察することを介して、地域医療の実態への見識を深め、その重要性を理解するとともに、課題解決への意欲を持つ」と言う壮大な目的を掲げて昨年から実施されているものである。

 内容は学生達が抽出したテーマに沿った講演聴講と討論、院内見学である。今年は引率が秋大の教育研修責任者である阿部教授で緊張した。18名中8名が女子学生であった。

 学生はこの実習に際して事前学習を行い、実習のテーマを「「地域医療の現状について」とし、以下の如くの20項目の質問事項を用意してきた。

 ■ 医師不足対策としてやっていることは? ■医師の過重労働を防止するための対策は? ■女性医師の産前産後などの支援は? ■患者の年齢層、特に受け入れている科、症例、手術などは? ■不足している科、又確保する対策は? ■研修医の出身は? ■市内や県内の他の病院との連携で取り組んでいることは? ■自治体と連携して取り組んでいることは? ■医師の確保はどのようにして行っていますか?又、その内訳は? ■臨床研修必修化の影響は? ■診療が集中する科、この病院に今最も必要とされる医師は何科の医師ですか? ■救急患者の受け入れ拒否をしたことはありますか?どのくらいの頻度で? ■夜間の当直体制はどうなっているか? ■専門の技術を磨く環境は整っていると思いますか? ■実際、医師の確保は難しいですか? ■秋田全体を見て不足していると思われる分野(科)は何ですか? ■医師としてだけでなく、地域医療に携わる医師として達成感、喜びを感じるのはどんなときか? ■救急外来の患者さんを受け入れるためにどのような対策をしていますか? ■救急カンファレンス以来、何か変わったことがありますか? ■日中に来るべき患者が待ち時間が夜間診療に患者が受診することが多いと聞きますが、そのような患者にはどのように対応していますか?

 上記の質問内容は、何れも最近の我が国の地域医療の問題点を突いているものであり、説明するのに難渋する内容もあった。

 これらの質問に断片的に答えても全体像が分からないだろうと考え、この内容を含む講演を行い、その上で質問に答えた。学生達は事後学習を行い実習の成果をまとめるのだという。
 なかなか体系化された実習で、受ける側の準備は大変であるが、私はとても良い企画だと思ってい担当している。


10/28(火)雨,外来 秋大医学生地域医療体験実習 法人常務会(欠)研修医との話し合い+情報交換会
2:00起床。ドック総括、午後の講演準備他。5:20病院着.6:20回診。8:00救急カンファ。8:45-13:45外来。14:00-16:40秋大医学生地域医療体験実習で病院訪問、90分ほど地域医療の実情について講演。法人常務会は欠。17:30-18:40研修医との話し合い、19:00-20:55情報交換会。21:10帰宅。21:45就寝。
 
夜間道路工事で見る提灯のような自家発電型の照明器具
 最近の早朝5時過ぎは最近真っ暗闇に近い。
 冬を迎える前の準備なのか街の中心部で数カ所下水工事なのか道路脇を掘り起こしている。夜の帰宅時にはまだ行われていないから深夜から朝にかけて、交通量の少ない時間帯に集中的に行う工事のようである。今朝は川反付近の道路で工事が行われていた。

 そこには3基の夜間照明が置かれ、近くなら新聞でも充分読めそうな明るさである。この照明機器はガソリン発電機に直結になっていて3-4m程の支柱があって光源が付いている。騒音は思った以上に静かである。夜間帯に使われる器具だから当然でもある。東北電力の配線から夜間電気をとる方が効率的、省エネ的だろうが結構手続きが煩雑らしいし、この型だと移動も便利と言うことだろう。

 ここ数年、工事現場では強烈な裸電球による照明は姿を消し、発光部は横に広い提灯の様なタイプになっている。和紙で光をソフトにしたランタンの様な雰囲気で傍目に見ても綺麗だし、光が目に優しい。暗い街に良い雰囲気を醸し出している。いつも側を通る度に私も一台欲しいものだ、と思うほど気に入っている。

 ところが疑問なこともある。全方向に光が放射されている。高いところの工事の際にも用いられることもあるからのなだろうか、道路工事、下水工事等においては上に向けての光の放射は無駄でないだろうか。光源周囲に若干工夫して上に向けられる光を反射盤か何かで下に放射するようにしてはどうだろうか。そうすれば効率が一層上がるからパワーを一段下げられ省エネにもなると思う。

 多くの方々が眠っている夜間から早朝にかけて社会基盤の整備に従事されている方々には本当に頭が下がる思いである。
 病院に入ると、外来当直業務に就いているスタッフの姿が見える。病棟では深夜勤務の若い看護師達がキビキビと働いている.同様に頭が下がる。この方々と朝の挨拶を交わすのは私の日課の一つでもあり、楽しみでもある。


10/27(月)曇り 管理会議 外来 新型インフ行政関係者対応研修会 療養病棟判定会議(欠) 長副会議 県がん診療連携協議会総会
1:30起床、ドック判定ほか文献整理。5:10病院着、6:00回診他、7:45-8:30管理会議、8:45-14:30外来。15:30-17:00新型インフ行政対応研修会:岩崎仙台副市長講演。16:00療養病棟判定会議(欠)。17:00-18:10長副会議。18:30-20:30県がん診療連携協議会総会。21:10帰宅、21:45就寝。

急に「円が強く」なった(2) 意外、小泉首相の功績でないか?
 私は経済関連には疎く、興味も乏しいが、聞きたくなくとも耳に入ってくるし、見たくなくとも目に入ってくる。今朝の5:00amのNHKラジオのニュースも株価の低迷に関してであった。

 これらのニュースについて考えると、今欧米の金融界が陥っているサブプライムローン破綻を契機に生じているこの金融崩壊状態、各国で行っている公的資金の投入は、規模と深刻さには当然違いがあるが、かつてバブル経済後に金融機関が不良債権を抱えて機能低下を生じた際の日本の金融界の「失われた10年」と称される状況に似ているような気がする。
 
 多額の不良債権を抱えたことによる金融界の機能低迷が景気の低下に直結していると判断し、小泉首相が約14兆円もの公的資金を投入した当時、私はその意味はよく理解できなかったが、その結果として日本の経済は流動、回転し始め、国としては景気持ち直したとされる。
 この景気高揚策の結果、国は間接的ではあるが税収として既に12-13兆円程は回収したことになっているのだそうだ。この不良債権処理はそれまで問題点として上がってきてはいたものの、森政権は何も強権を発揮出来なかった。小泉首相は02年の内閣改造で竹中氏を経財相と金融相を兼務させたことで事態を急転させた。

 不良債権処理が直接経済を好転させたか、については異論もあるようであるがこれを契機に我が国の停滞した経済は好転に転じたのは明らかとされている。もし、小泉・竹中ラインが思い切った手を打っていなかったとしたら、日本の経済はどうなっていたか、と思う。又、今回の金融危機でどうなっていたのだろうか。私には予想すら出来ない。

 今のところ、我が国の金融界は諸外国のそれに比して経営状態は良いようである。
 サブプライム関連の投資が少なかったことが幸いしていたようだ。しかし、諸外国に有している他の債券や株式の値下がりで、何れは日本の大手銀行も徐々に苦しくなってくると予想されている。大手はそれぞれ対策を模索しているのだ、と言う。
 よく分からないがどんな手があるのだろうか?

 小泉首相の足跡は、どうしても医療崩壊等のネガティブな面が表面に目立ってしまうが、大きな意味での国の方向を変えたと言う業績は、後に歴史が証明してくれるのかもしれない。


10/26(日)東京曇り・秋田降雨  日本医師会第119回臨時代議員会
2:00浅草Viewにて起床、持参の新聞チェック、ドック判定総括x1。文献整理、徒然など。8:30日医会館へ。9:30-15:30日本医師会第119回臨時代議員会。決算委員を務めた。順調に進行し予定より早めに終了。時間があったので空港のデスクで業務。20:00ANA767-300で満席。30分遅れで離陸、終始大揺れ。21:25秋田着、22:00帰宅、夕食、22:45就寝。

 羽川真介チェロリサイタル 見事な美音、演奏であった
 10月24日(金)17:00からアトリオンホールでチェロ羽川真介さんのチェロリサイタルがあった。ピアノ伴奏は田中美千子氏。演奏曲はベートーヴェン「魔笛の主題による12の変奏曲」、バッハ「無伴奏チェロ組曲第5番」、ラフマニノフ「チェロソナタ」の3曲。アンコールは「白鳥」など3曲。

 羽川さんは我が家の長男と藤原ケイ子先生の教室の同門生で、東京芸大に進まれ、卒後は東京で演奏活動されているとのことである。そんなことでソリストの羽川さんをより身近に感じられる事もあってわが家では「さん」で呼んでいる。彼は去る8月31日のアトリオン室内オーケストラ第29回定期公演で松尾葉子氏の指揮でハイドン作曲チェロ協奏曲第2番ニ長調を弾いたが、この時も見事な演奏で、今回のソロを楽しみにしていた。 

 会場は3/4程度の入りで思っていたよりも多かった。
 演奏は3曲とも見事であった。音が美しかった。シーンと静まったホールに彼のチェロの美音が反響した。8月の協奏曲の時も感心したが今回のリサイタルは一層素晴らしかった。ラフマニノフが終わった瞬間、聴衆の大きな拍手があったが、私の席からそう遠くないところから大きな「ブラボー・ブラボー」という声が何度もかけられた。チェロの美音に満足していただけに実に不快であった。

 当日配布されたプログラムにあった彼の挨拶も良かった。郷里でのリサイタルにあたっての心情が良く表現されている。引用させて頂く。

 『本日は「羽川真介チェロリサイタル」にお越しいただき、誠にありがとうございます。生まれ育った秋田で、このようなリサイタルを行なえることを大変うれしく思います。大学人学のために東京へ出て、早くも14年が過ぎました。この間、すばらしい体験、手痛い失敗、挫折などを繰り返しながら、僅かずつなりとも進歩をしてきたのではないかと思っています。今回このリサイタルに取り組むことが決まった時、まず考えたのは、聴きに来てくださる皆様に自分が今何を伝えられるだろうか、ということでした。私がチェロという楽器を通して見てきたもの、感じてきたものを伝えたい。そして音楽のすばらしさ、楽しさを一緒になって感じてもらえる演奏をしたい。そう思いながらプログラムを考えました。その結果、今自分が一番身近に感じる音楽、ベートーヴェン、バッハ、ラフマニノフの作品3曲を選びました。それぞれの作曲家の音楽の魅力、そしてチェロという楽器の魅力を皆様にお伝えできるよう演奏したいと思います。最後に、このリサイタルのためにご尽力くださった多くの方々に心より御礼申し上げます。』

 感謝の気持ちの他に、「すばらしい体験、手痛い失敗、挫折などを繰り返しながら、・・」「聴きに来てくださる皆様に自分が今何を伝えられるだろうか」「チェロという楽器の魅力を皆様にお伝えできるよう演奏したいと思います」の一文が胸を打つ。

 今後の活躍に期待したい。秋田でも定期的にリサイタルを持たれるよう望んでいる。


10/25(土)秋田晴れ・東京曇り  前半病棟拘束 東北医連打ち合わせ会議+情報交換会
2:30起床、ドック判定総括x1. 再検査結果報告。5:10病院。6:40回診。8:30救急カンファ。10:00病棟対応。14:00病院発空港へ、15:00ANA B767-600R、50%位か、後方はガラガラで快適。京急線で羽田→日本橋→九段下へ。18:30-20:30東北医連打ち合わせ会議+情報交換会、浅草Viewへ。21:00就寝。

新型インフルエンザ対策(8)企業・事業所の対策(3)
 「新型イ」流行の場合、疾患への対策に注意が向けられる。これは当然で、流行を予防し重症化しないようにすることは重要である。しかし、医療上の配慮だけでは到底出来ず社会的な対応を同時にとらなければその努力は生かされない。「新型イ」が判明した地域の社会生活をどうするのか、如何にして維持していくのか、は重要である。

 「新型イ」が流行した際,あるいは蔓延する過程に置いては、個々の患者への対応と同等に、あるいはそれ以上に社会としての危機管理が重要な鍵になる。病院や医療機関が対応できるのは流行前のごく初期だけで、患者が多発した状態では現在の医療機関の規模では充分な医療を提供できないだろう。多くの患者は在宅療養が基本となる。感染規模がここまで至れば、医療の意義は相対的に低くなる。従業員の罹患によっても病院機能は低下する可能性がある。

 この様な状態では医療以上に重要になるのは社会機能、秩序の維持であり、その中でもまず重要なのは水道やガス、電気等の確保である。現時点での「新型イ」対策はこれらライフラインが守られることを前提に計画されている。ライフラインの破綻は社会秩序の破綻にも直結する。こうなるとすべての対応が後手後手になり、収拾がつかなくなる。だから、これらの関連業種の従業員の健康は優先的に守られなければならない。だから、プレパンデミックワクチンワクチン、抗インフルエンザ薬はこれらの職種員に優先される。

 それに次いで警官や消防士、医療関係者である・・と優先すべき職種を挙げていくのは不可能ではないが、ことが健康や生命に関わることだから国民的なコンセンサスを早めに得ておく必要がある。これを事前にしておかないと国民の不満は増大する。危機管理上はスイスの様に国民全体の分のワクチンや薬品を用意しておけば良いのだが、今の所は夢物語のようである。

 社会機能という意味では、各企業、事業所の対応は重要である。流行時に如何にして機能を維持するか、大勢の従業員が欠勤した状態で業務をどうするのかの判断も重要である。尤も、この様な事態を迎える時にはもう既に社会全体が大変な状況になっており、通勤も出来なくなることも考えておかなければならない。

 本日、空路東京に出ており、羽田から京急線を使って都心に移動した。土曜の夕方だからこの程度なのだろうが空港もホームも車内も混雑していた。就労している方々の大部分がこの様な状況の中で連日交通機関を利用して移動しているであろう。この様な状況は「新型イ」蔓延防止対策は大都市圏ではとても難しいものになる、と考えながら移動した。


10/24(金)雨 教育庁特別支援教育課員来訪打ち合わせ ドック診察 法人理事会 羽川真介Vcリサイタル
2:00起床、ドック判定総括x1。徒然他。5:10病院着、6:10回診他。7:10患者家族面談。8:00救急カンファ。病棟書類処理業務。10:00特別支援教育課員来訪、医療的ケア関連打ち合わせ。13:30A Bank来訪、処理。14:00ドック診察、17:30-18:30法人理事会。19:00-20:45羽川真介Vcリサイタル。外食、21:30帰宅。22:00就寝 。

急に「円が強く」なった 一過性だろうが厳しい局面の一つ
 最近のTV、ラジオ、新聞のヘッドラインニュースは大部分が経済問題である。
 私は経済関連には疎く、興味も乏しいが、聞きたくなくとも耳に入ってくるし、見たくなくとも目に入ってくる。一方、厳しい医療情勢の中で政治・経済の今後の動きを知り、予測するためにも立場上は無関心ではいられない。

 サブプライム問題が表面化した昨年夏頃は投機家は「低金利で弱い円を売って、高金利の通貨を買う」という動きのために円が値下がりしていた。日本の国際競争力、活力が落ちて円の力が弱まっていたからである。欧米通貨に比較して日本が低金利であることは投資家にとっては魅力が乏しい理由の一つであった。

 それが、特に今春から、更に今秋から顕著になったのは投機家の「円の買い戻し」であり,そのために円が急速に値を上げている。これは今年になってから急速に顕著になってきた現象で、この間日本の経済活動が上向いた訳でないから、決して「円が絶対的に魅力になった」からではない。世界的規模の金融破綻で一気に弱体化した欧米の通貨に対して、低いレベルながら「相対的に円が強くなった」からに過ぎない。

 ただ、今後欧米でも金利を下げる動きがあるから「低金利の円」でも過去に比べて若干は魅力が増すだろうが、「低金利円」が中・長期的に買い続けられる可能性は少なく、金融市場が落ち着きを取り戻すと共に円が売られ、過度の円高は修正されていく、と考えられている。

 海外に投資している日本、日本の投機家・金融界は海外資産が大幅に値減りしていることに加えて、異常なレベルの円高はダブルパンチと言うことになる。日本の経済を牽引している自動車等の輸出関連業も打撃が大きい。このことは今後の景気、経済の成長率に直結する。

 世界金融危機から比較的安全な位置にいる日本の経済は決して安泰ではない。何れは世界の経済の低迷の影響を受けて景気が悪化していく。

 だから、麻生新政権の景気高揚策は重要な意味を持つが、空振りに終わるようなことになれば、穴は更に拡大していく。


10/23(木)晴→曇り 外来+ドック関連  療養病棟診療部会議
2:00起床、ドック総括、他、5:10病院着。6:30回診など。8:45-14:00外来、混雑。17:00-17:45療養病棟診療部会議。21:00帰宅、夕食、22:00就寝。

新型インフルエンザ対策(7)企業・事業所の対策(2)
 WHOが予想したレベルの「新型イ」流行の場合の米国の国土安全保障会議のシナリオ2の概要は以下の如くである。
■ 欠勤率は約40%で、全部門の幹部、管理者、技術スタッフ、従業員など全職種に及ぶ。
■ 国境地域、国内の交通制限等で資材供給の動きが遅延又は停止する。
■ サービス業では、対人距離を確保するため生産効率が低下する。
■ 企業は不要不急な生産ラインやサービスを自主的に停止し、従業員を自宅待機させる。
■ 地域的に停電、断水が発生する。中小企業の閉鎖や倒産が増える。集会場所や学校が閉鎖される。
■ 金融市場、銀行業、市場の換金機能は維持される。生活必需品の供給などは維持されるが、燃料と食品の選択肢は減少し入手可能な場所が制限される。

 この様な状況の中では市民生活は相当の影響を受け、企業や事業所の維持は困難になることが予想される。予め状況を想定して人事管理、危機管理上の対応策を決め、従業員に提示しておかなければならない。

 又、企業や事業所は各々社会的責任を負っている。その立場に応じて社会からあるいは国から機能維持が求められるので対策も変わってくる。 

 厚労省の「新型イ」対策ガイドラインの改定案では社会機能維持のために事業継続を要請される事業者を以下の如く提示している。
(1)国民の生命の維持関連:医療従事者、救急隊員、医薬品製造販売業者等
(2)社会機能の維持に関わる事業者
■治安・社会秩序維持関連:消防士、警察職員、自衛隊員、海上保安庁職員、法曹関係者等
■ライフライン関係:電気事業者、上下水道関連事業者、ガス事業者、石油事業者、熱供給事業者、金融事業者、情報処理事業者、食料品、生活必需品製造販売事業者、鉄道業者、道路旅客・貨物運送業者、航空運送事業者(国内線関係)、水運業者(国内線関係)等
■国又は地方公共団体の危機管理担当者:国会議員、地方議会議員、都道府県知事、市町村長、国家公務員・地方公務員のうち危機管理に携わる者、在外公館職員、航空運送事業者(国際線関係)、水運業者(国際線)等)
■生活維持のための情報提供関連:報道機関、通信事業者等

 これらの事業の従業員の勤務はボランティアであってはならず、健康上の安全性が確保され、事業所内でも社会的にも働きが評価され、被った被害は補償されなければならない。


10/22(木)快晴 外来 友の会理事会 県医師会理事会 
2:00起床、ドック総括、他、5:10Taxi病院着。6:30回診など。8:45-13:50外来、14:00-15:00友の会第1回理事会。16:30-18:45県医師会理事会。21:00帰宅、夕食、21:40就寝。

最近、足下が不安定でふらつく  運動不足?
 最近、時間に追われている。
 病院の机上、その後の床は未処理の書類やドック関連書類、外来カルテ、書籍などで山になっている。総括を、書類を、紹介状を、剖検依頼書を早く・・・と各部署の担当からの無情な伝言も届く。確かに締め切り間際になっているのもある。そんな時はその日の予定を変更して処理に取り組む。すると次の予定がくるう。こんなことを繰り返していてやや苦しい毎日である。

 月曜は隔週,火曜から木曜日までは連日午前外来があるほか、午後もいろいろ立て込んでいるため夜間、早朝に処理するが絶対的に時間が少なくなかなか進まない。木曜午後から月曜朝まではこれらの処理に集中してあたるが、次週持ち越しになるのも少なくない。

 これらの未処理の書類、カルテ等は一旦重ね置きすると埋没してダメなので机上に少しずつずらして並べておくが、机だけではスペースが足らず外から見えない床にも並べる。週の後半になると床の上は足の踏み場もなくなる。奥の机と椅子周辺の床は特に大変である。重ねた書類は滑って危険だから踏まないように気を遣う。

 最近、目眩があるわけではないが、この狭いスペースの中で結構ふらついている。
 書棚などに掴まったり、もたれたりて何とか転倒は免れている。体制が崩れた時にリカバリーするための下肢筋の瞬発力が減退しているからなのだろう。

 高齢者が転倒して大腿骨々折等で運び込まれるが、私も何か似たような状況に近付きつつあるような気がしてならない。
 こんなことから、大部分の時間坐位で過ごしている今の生活様式を何とかしなければなるまいと気持ちだけは焦っている。何としようか。


10/21(火)晴 外来 常務会 法人永年勤続者表彰式
2:00起床。ドック判定総括。5:10病院着、6:10回診、処置種々他。8:45-13:45外来。14:45-15:45常務会。17:30-19:30法人永年勤続者表彰式+懇談会。20:20帰宅、21:00就寝。

新型インフルエンザ対策(6)企業・事業所の対策(1)
 企業や事業所における新型インフルエンザ(新型イ)対策は地震災害等とは大きく異なる。
 地震等の自然災害は如何に強烈なものであっても限られた期間、かつ地域的なものである。そのために非被災地からの援助が期待できる。従って、事業の継続・早期復旧を図ることが可能となる。

 しかし、新型イの場合にはその影響は長期間にわたって日本国内だけではなく全世界に及び、他からの援助は期待できない。事業継続に必要なマンパワーの確保、一連の事業取引の確保が困難となり、事業がかなりのレベルで停滞することが予想される。

 更に、事業を継続することは従業員や他の関係者が新型イに感染する危険性がより高くなることでもある。
 新型イが大流行した場合、地域での流行は8週間ほどと予想されているが、その影響は長期間にわたって全世界に及び、事業継続に必要なマンパワー、物資等の確保が困難となることが予想される。

 従って、事業者は事業継続に不可欠な機能の範囲で維持できるよう業務を大幅に縮小する方向で事業計画を立てなければならない。

 米国の国土安全保障会議は新型イの流行を想定して、以下の如く3種類のシナリオを例示している。
■ 流行がより軽度の場合を想定したシナリオ1では、重要業務を見直、労働力の再配置で事莱停止には至らない。
■ WHOの予想レベルの流行の際のシナリオ2では、多くの事業所で一時的な事業停止が予想される。
■ 流行がより重篤な場合のシナリオ3では、社会機能維持に関わる事業者の事業継続に政府等の支援が必要となる。


10/20(月)快晴 管理会議 安全・感染管理者・事務長と巡視 療養病棟判定会議 長副会議
 0:30起床、ドック判定総括x1、医学生実習用資料検討。5:30Taxi病院。6:20回診他業務.7:45-8:15管理会議、10:00-11:30安全・感染管理者・事務長と打ち合わせ、巡視。16:00-16:45療養病棟判定会議、6名。17:00-18:20長副会議。20:30帰宅、夕食、21:00就寝。終日寝不足感、これでも時間不足。

革靴のヒールがとれ、初めて修理を体験した
 私は革靴を履くのが嫌いである。履くのはフォーマルな会とかで最小限にしている。靴下と靴を履いて足が火照るといる身体具合が悪くなる。だから、通常は素足にスリッパである。

 革靴は今まで3足しか買っていない。1足目は成人を迎える前後、2足目は30代後半頃、今履いている靴は10数年前に購入した。随分長持ちしているが、要するにそれだけ履かないと言うこと。それでも10数年経つとボロボロになり、即ゴミ箱行きである。

 一昨日、看護学院の戴帽式に出るために歩いていたところ、左の靴の調子が変だ。見たところヒールが今にも取れそうになっている。まずい、祝辞を述べるために壇上に上がらなければならないがその時壇上で取れたらどうしようか、と思ったが、幸い何とか取れなかった。これほど靴に感謝したことはない。

 直ぐに西武デパートに急いだ。途中タクシーの中でヒールが取れた。
 売り場では「本社に送るので2-3週間はかかります」、とのこと。何と大げさなことだ、間もなく看護協会祝賀会で祝辞があるからそれでは困る。やむなく新しく購入しようかと思ったが気に入ったデザインのが無い。Regalとかのブランドで1種類だけあったが目が飛び出た。やむを得ない、背に腹は替えられん、これにしようかと決めかけた時に、意気消沈した私を見かねたのだろう、店員が親切にも「デパート入り口に修理コーナーもあります・・」と教えてくれた。

 結果的に30分の待ち時間で両側の底を全部取り替えてくれた。おかげですっかり新しい雰囲気になった。大変な技術で感心した。費用は5千円、売り場で覚悟した出費の約1/7で済んだ。

 看護協会の祝賀会で、私は来賓祝辞の1番目と聞いていたから内心はかなり焦っていた。何とか間に合ったが、靴に時間がとられ祝辞の最終稿が出来ていなかった。半分近くがアドリブとなって冷や汗ものであった。


10/19(日)快晴 病棟拘束 県医師会設立61周年記念医学大会+懇親会
1:30起床、ドック判定総括x1、その他書類処理。文献整理。6:30病院、8:30救急カンファ。9:30入院患者家族面談。机上の書類チェック、処理。13:30県医師会設立61周年記念医学大会。家内も表彰を受けた。閉会の辞担当。16:30懇親会、18:15中座し帰宅。20:00就寝。

秋田県看護協会創立60周年記念祝賀会(2)秋大医学部生によるPとVn二重奏を聴いた
 県看護協会創立60周年記念祝賀会ではアトラクションとしてPとVn二重奏があった。プログラムには秋大医学部生とある。Pは神田周輔さん、Vnは石村まりこさんであった。演奏曲目は「タイスの瞑想曲」「愛の喜び」「チャルダッシュ」「四季より」「英雄ポロネーズ」。最後は「看護協会歌」?らしい、参加者みんなで合唱した。

 私の席は舞台に最も近かったので会場の喧噪に邪魔されず十分に楽しむことが出来た。いずれも佳演と思った。会場の拍手によってアンコールとして再度「チャルダッシュ」を弾いたが、二回目の方が遙かに良かった。

 私は演奏したお二人について全く知識は無かった。後で知ったのであるが、Pの神田さんは富良野を中心に広く演奏活動をしてきた方で、秋田でも「なまはげオーケストラ」とかを組んで先日アトリオンホールで演奏会を行ったようである。
 Vnの石村さんは全国規模の「日本クラシック音楽協会主催のコンクール」で5位に入賞したことのある方、だと思う。

 この様な才能豊かな方々が秋大で医学を学んで居るとは驚きであり、喜びでもある。何かの機会があれば改めて聴いてみたいものである。

 ところで、懇親会か祝賀会でアトラクションとして少人数による演奏が行われるが、一般的にはクラッシック系でなくジャズとか和太鼓とか民謡等のように音が大きく刺激的なものが良い。会の中で挨拶とか祝辞が終了し、しばらくすると会場がどうしても喧噪な状態になる。この状態では舞台で如何に名演を繰り広げてもじっくり聴いている人はいない。演奏者がとても気の毒である。

 私は、はじめからその予定が分かっている場合には、予定を変えて早めに演奏してもらうのが良いと主催者に提言しているが、今回は演奏者が登場するまで企画に気付かなかった。同日夜に秋大心臓血管外科教授就任10周年記念祝賀会の席上では弦楽四重奏で数曲演奏されたが、やはり喧噪の中での演奏で気の毒であった。

 もし、音楽を入れるならクラシック系ならば開宴前、あるいは主たる行事が終了した直後、例えば乾杯後とかに間髪を入れずに開始するのが良い。この時ならまだ座に緊張感があってうち解けておらず静かだからである。他の分野ならむしろ酔いが回った状態の方が乗りが良いだろう。
 このような会でのアトラクションは工夫をしなければ出演者に気の毒である。アトラクションに格調を求めても結果は往々にして逆効果となる。

 アンコールで演奏された「チャルダッシュ」は一層素晴らしかったが、その原因は座の雰囲気にあった。この時は私語も少なく、多くの方々が静かに聴き入ったからである。


10/18(土)快晴 病棟拘束 アキレス切断5周年 ドック結果説明 看護学院戴帽式 靴修理 秋田県看護協会創立60周年記念祝賀会 秋田県病院大会(欠) 秋大心臓血管外科教授就任10周年記念祝賀会
2:00起床。ドック判定総括、戴帽式+看護協会祝賀会の原稿草稿作成。5:20病院着、6:30回診、8:30救急カンファ。9:00ドック結果説明x2。10:00-11:30中通看護学院戴帽式、挨拶。12:00-12:40靴修理、13:00-15:10秋田県看護協会創立60周年記念祝賀会、挨拶。若干酔ったのでJAビル第19回秋田県病院大会聴講は取りやめ。17:15秋大心臓血管外科教授就任10周年記念祝賀会、19:10中座し帰宅。20:30就寝。あわただしい一日。

秋田県看護協会創立60周年記念祝賀会(1)祝辞

 今年は全国各地の看護協会の創立60周年記念の年である。本日は秋田県の看護協会の記念大会、祝賀会が催され、会長代理として出席挨拶した。その直前、たった一足しかない靴のヒールがとれ急遽修理に時間を要したために挨拶文の推敲の時間を失い、冷や汗ものであった。祝辞は医師会との連携を中心に構成した。

 秋田県医師会副会長の福田です。
 本来であれば会長の小山田が出席のうえで御祝辞を述べるところでありますが、本日は所用で出席できませんので、私から一言お祝いを申し上げます。
 まず、はじめに、秋田県看護協会におかれましては、このたび創立60周年を迎えられましたことを、心よりお喜び申し上げます。
 資料によりますと、協会は昭和22年、会員数100名で「秋田県看護婦会」として設立され、その後も発展を続け、昭和55年には「社団法人・秋田県看護協会」となり、現在は会員数6.663名を擁しているとうかがっております。県医師会院はまだたかだか1.500余名と少なくとても羨ましく感じられます。

 職能団体としての看護協会の活動は「看護職の教育水準の向上」や「会員への働きやすい環境への支援活動」、「看護の質の向上」に努めると共に、時代のニーズに応えられるよう「地域社会とのコミュニケーション」をはかり、「新しい看護サービスの提供」を通して、広く社会への貢献することを目指しておられるとのことで、心から敬意を表したいと思います。

 わが国の医療は、WHOが世界一と評価した国民皆保険制度の下で世界最長の平均寿命を達成するなど、世界に誇れる保健医療水準を実現しております。しかし、我が国の医療供給体制は一言で言えば医療従事者の犠牲のもとに成り立っている制度であり、医療現場に目を向ければ、地域における医師不足、看護師不足などが顕著であり、まさしく医療は崩壊過程にあります。その原因は我が国の低医療費政策にあることは明らかでありますが、それを許してきたものいわぬ医師、看護師を含む医療関係者にも大きな責任があると考えております。

 私たちは、今まであった姿を反省し、組織力を高め、情報を中央に発信していかなければなりません。しかし、私たち各団体が各々単独で活動していても限界があります。そのために、平成8年に看護協会、歯科医師会、薬剤師会と共に秋田県医療関係団体協議会を立ち上げ、出来る範囲で共同行動をとる様に努めております。また、その協議の過程で平成17年1月に「21世紀の医療をまもる会」を立ち上げ、県民を交えた運動体として県民によい医療を提供すべく活動を開始したところです。

 限りある医療資源のなかで、わが国が世界に誇るべき医療制度を将来にわたって維持・発展させるとともに、地域の医療が改善されたと実感できるよう、きめ細かく対応していかなければなりません。大変難しい問題ではありますが、行政府はもとより、開業医や勤務医、看護師をはじめとするコ・メディカルなどの医療関係者や国民が英知を結集し、おのおのの立場を理解しつつ一致協力して一歩一歩取り組んでいくことが解決につなげられる唯一の方法と考えております。
 秋田県医師会といたしましては、今後とも、秋田県看護協会の皆様と共に率直な議論を重ね、意思疎通を十分に図りながら、医療の質の向上に努め、医療提供体制の整備拡充を進めてまいる所存でありますので、引き続き、一層のご協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

 最後になりましたが、貴会会員の皆様方のますますのご健勝を祈念いたしますとともに、貴会が引き続き、国民の信頼と尊敬を集める団体として一層飛躍されますことを期待いたしまして、お祝いの言葉とさせていただきます。


10/17(金)晴れ ドック診察 医務薬事課員来訪打ち合わせ
2:10起床、ドック判定総括、その他文献チェック。5:20病院着 6:20回診・病棟業務。8:00救急カンファ。以降は机上事務的処理。14:00ドック診察、15:30医務薬事課員来訪、新型インフ関連打ち合わせ。20:15帰宅、夕食、21:00就寝。

書評「うるさい日本の私」中島義道 新潮文庫 1999(2)著者はやはり病気だ
 著者の前書きは「私は病気である。・・・病名はスピーカー音恐怖症である」から始まる。
 確かに通常の方々から見れば異常な程度の感受性をお持ちな様である。「拡声器騒音を考える会」という市民グループを通じて自分と同じ苦痛にあえぐ人々を知ったと言うが、この会には音を逃れるために外国移住を考えたり、周囲からキチガイ扱いされている人もいたと紹介されている。これも驚きである。

 そして著者はこの時から自ら「風車にまっしぐらに突進して戦いを挑む、ドン・キホーテとなった」と説明する。

 それ以降の著者の闘いは「音ノイローゼ」を自認する私から見ても極めて異常であり、壮絶であり、果てしなく空しくつづく。音源の内容を録音して置くのだろうか、詳細に記述している。
 要するに音を忌避しながら自ら耳と感受性を集中させて音源を記録し分析していく。気の毒なことに無視できないのだろう、自ら求めて騒音と戦っている姿勢が見える。だから、著者は音を無視できる人に比較して何100倍にも増幅された音を聞くことになる。
 
 その上で、耐え難い時には持参のCDでオペラをイヤフォンで最大音量にして聴いて騒音から逃れるのだというが、これはかなり苦痛なのであろう。筆者の場合、その苦痛が新たな闘争心の源になっているようだからあえて続けていかねばならない行動なのだ。

 著者は音そのものだけでなく、常識人とされる人々の音に対する考え方の病理にも迫る分析をしている。それだけでなく自分の異常性についても分析している。この本の記述の異常性についても言及する。その辺の論理は実に面白い。

 著者は私が四六時中愛用しているノイズキャンセルヘッドフォンは興味の枠外だろう。音源をそのままにしてより快適な状況に身を置くことは著者にとっては、ドン・キホーテにとっては敗北を意味するからである。

 私はどちらかというと対人恐怖であり、人と交渉するのが不得意でイヤである。だから音源に対して交渉するのはタクシーとかレストランくらいで、それもよその方が同席している時は口には出さない。でも、一人の時はいろいろ工夫をする。人が集うところには近づかない、窓は開けない、換気扇やエアコンは用いない、出来るだけ騒音源となるものは周辺に置かない・・・等々で、更にノイズキャンセルヘッドフォンで逃避をはかる。

 最近ソニーから一段と機能的なノイズキャンセルヘッドフォンが発売されたと聞く。愛用のBOSEクワイエットコンフォートより機能的に良ければ即決購入する積もりだが、残念なことに置いてある店が少なくまだ試聴出来ていない。これに関してはカタログを見ただけで購入するわけにはいかない。


10/16(木)晴れ 検討委員会 外来 県緩和ケア推進検討委員会 県医師会委員会
2:30起床。ドック判定・総括x1、徒然他。5:15病院、6:20回診ほか病棟業務。7:45検討委員会。8:45-14:00外来。14:00Mayo Clinic 小児科教授で小児血液学の権威のお一人であるCarola A.S.Arndt氏が病院見学に来訪、ご挨拶した。17:00-19:05県緩和ケア推進検討委員会。19:15-20:20県医師会検討委員会。病院、21:40帰宅、家内39.5℃と高熱状態。22:20就寝。

書評「うるさい日本の私」中島義道 新潮文庫 1999(1)著者はすごい
 私は音に関しては人一倍敏感である。
 特に、身体から発する音、たとえば鼻をすする音、咳払い、痰を処理する音,これらには耐えられない。鳥肌が立ち、自律神経系が勝手に活動し始め体調不調になる。食事時のクチャクチャ音、これは地獄。飛行機、JR、レストラン等で近くにそのようなヒトが近くに居れば、いたたまれなくなる。

 次に嫌なのが聴きたくもない音楽、例えば電話の取り次ぎの時に鳴らされるメロディー風の雑音。無い方が良い。その他、もろもろあり、自分でも喧噪から逃れる手だてをいろいろやっている。
 タクシー無線に関してドライバーと諍いを起こしたことも何度もあるが、概して私の対策は消極的である。まず、音源に出来るだけ近づかないこと、集会等を避ける、自室の窓は開けない、ノイズキャンセリング機能付きヘッドフォン・・等である。これでダメなら耐えるしかない、と諦めている。

 今回、学会出張の折り、たまたま書店で中島義道著、新潮文庫「うるさい日本の私」を見つけて購入、共感できる部分も少なくないので一気に読み切った。著者と音に対しての感じ方の方向性は一緒であるが、私とはレベルが全然違う。私は音から逃げる、キャンセルする方法であるが、著者は音の発生源に徹底的に抗議し、体当たりている。その内容が詳細に記述されている。殆ど成果を上げていないにもかかわらず怯むところはない。著者と関わった担当者は如何に大変だったことか、読んでいて同情もしたくなる。

 著者は私とほぼ同年代で東大、ウイーン大学卒で哲学博士、現在は電気通信大学教授。著作も多数あるが、私はかつて「ウイーン愛憎」を読み興味を覚えていた方である。その他、著作多数あるが、何れも私にとって興味深いものであり、共感できる部分も多い。


10/15(水)快晴 外来 県医務薬事課員来訪打ち合わせ 院内感染症対策委員会
 2:20起床。ドック総括。5:10Taxi病院着、6:10回診、8:00救急カンファ。8:45-14:10外来+ドック診察。14:30県医務薬事課員来訪、打ち合わせ。16:00-17:20院内感染症対策委員会。新入院患者他対応、紹介状返事、主治医意見書。20:45帰宅、夕食、21:30就寝。

『お盆のような月』 何で月はあんなに強く、均質に光るのだ?? 
 「月影の いたらぬ里は なけれども ながむる人の 心にぞすむ」。これは私が好きな道元の詩である。見事な月の夜、いつも浮かんでくる。

 ここ数日、21:00頃、帰路に観る月はほぼ満月で明るく、とても美しい。紺青の空にこれ以上明るくは輝けないだろう、と思うほど見事である。高い空に所々にある雲ぐもも月の光を受けて青白く輝く。良い取り合わせである。

 刈り取りの終わった広い田んぼ脇の農道を通る。対向車も少ない。車のライトを消し、窓を開け、冷えた空気を身体で感じながらゆっくり走る。冷気で疲れて弛緩した気持ちも身体も引き締まる。ひんやりとした空気と月の青白い光がマッチする。周囲も、道も、燈火が無くとも十分に明るい。見事な情景である。

 いかに太陽の光が強力とはいえ、月は何でこれほど豊かに光と反射できるのだろうか?あたかも鏡面のごとくでもある。望遠鏡とか、写真でみる月面の様子は荒々しく灰色の岩石、ちりが中心で、粗であり、とてもこんなに豊かに光を反射する様にはとても見えない。実に不思議である。
 
 ところで、童謡にも唄われているのだが、月はなぜ「お盆」の様に見えるのだろうか。月の周辺部も中央部もほとんど差がないように均等に明るい。なぜなのだ??中央部が太陽の光を受けて燦然と輝くのは十分理解できるが、理屈で言えば周辺にいくにつれて受ける光量もは減衰し、反射光は更に少なくなっていくはずである。なのに、月は「お盆」の様に均質に見える。

 今は月は球形であることは誰でも知っているが、大昔には月は「お盆」のような平らな天体と考えられていたこともあるのだという。
 童謡にあるような素直な感覚で、私も「お盆」の様だ、と思いたい。

 朝5:00am、西の空に雲の隙間から昨夕見た月がまだ見える。今日の天候は若干曇るみたいだ。


10/14(火)晴 管理会議 外来 常務会 医局カンファ 長副会議   
2:00起床、ドック判定総括x1、文献チェック、徒然など。5:20病院、6:30回診、7:45管理会議。8:45-14:25外来。14:45常務会、17:30医局カンファ、18:30-19:20長副会議、回診。20:50帰宅、夕食、21:30就寝。

新潟大学医学部46年卒同級会 多くは仕事上では着陸態勢に入っている
 10月12日はほぼ毎年開催されている新潟大学医学部46年卒同級会が新潟東急インホテルで開催され、京都の学会の帰路に新潟に立ち寄り、秋田から向かった家内と共に出席した。

 卒業後20数回開かれたとのことで、私は2003年以降皆勤で6回目、家内は10回目ほどの出席である。当初、私は出席していなかったが10年ほど前に浜松での会に一人出席した家内とエスコートした長女から激しく抗議を受けてから、同伴するのもつとめの一つと割り切って出席、今まで続いている。

 確かに出席してみるとなかなか楽しい会であるし、教授連も揃っているから新潟大学を中心とした文科省、厚労省の、医政上の情報を得ることも出来る。

 出席者のスピーチも様変わりしていく。
 数年前は孫の話など中心であったが、一段落し、各々の仕事中心の話となり、一昨年は日本海中部地震の話題、昨年は外科系を中心に麻酔科医師不足による業務の停滞、いわゆる医療崩壊が話題となった。

 司会者のまとめによると私共の46年卒としての特徴は(1)教授を沢山輩出している、(2)カップルが多い、(3)物故者が極端に少ない、と言う特徴を挙げていたがまさしくその通りである。
(1)今回も教授連が5人出席、更に数人いるから卒業生の1/10が教授になったことになる。(2)に関しても出席したのは4組であったがまだまだいるようだ。(3)に関しては卒後37年も経つのに亡くなられたのは数年前のお一人だけである。ただ、この点に関しては今年までのことで、みんな高齢化しているから来年はどうなるか分からない。あまり平穏だと次は自分か、とさえ思ってしまう。

 出席者が各々ショートスピーチをしたが、個別の話題は別としてその場の全体的な雰囲気は、業務上ではそろそろ引退の準備にあるような、航空機で言えば着陸態勢に入り徐々に高度を下げているような、何かしらホッとしたようなソフトな雰囲気が漂っていたことである。昨年とはがらっと変わった様に感じられた。既にリタイヤした方もいたし、ここ1-2年で退職、閉院?を考えている方、業務半分?で野菜作りにいそしんでいる方、山を見れば登りたくなる方・・・と様々であった。

 考えてみれば全員還暦を過ぎた高齢者の集団である。医師として精力的に働くのはそろそろ限界であろう。各々が方向転換を模索し、踏み出しているようである。そのことを語る時の柔和な表情がとても良い。

 私も既に持ち物など処分を始めて着陸態勢に入っているが、うまく着陸できない時のことも含めていろいろ考えるべきであることを改めて教えられた。


10/13(月)体育の日 新潟・秋田快晴 病棟拘束 患者・家族面談 
2:20新潟東急インにて起床。持参のドック判定総括x1、文献チェックなど。8:33特急「いなほ」にて帰秋、12:30病院。13:30患者・家族面談. 15:00回診、病棟業務他、18:50帰宅。夕食、21:00就寝。

体育の日 テニスを止めて今年は運動不足に

 本日は体育の日で休日であった。体育の日は10月10日とインプットされているので違和感がある。

 体育の日を迎えて反省しなければならないことは、今年は私共にとって明らかに運動不足となった、ということである。
 昨年までは、もう20年以上にもなるだろう、4月初旬からから11月末までの間、現秋田市医師会長夫妻とほぼ毎日曜ごとに3-4時間テニスを楽しんできていた。これが私どもにとって唯一の運動の時間であった。しかし、今年3月についに先方から「ゴルフに集中するために、今年はテニスはやりません」と通告があった。

 先方は夫妻ともに徐々にテニスからゴルフに興味を移しており、時間をみては練習をして腕を上げていた様である。それで毎日曜にテニスに時間を割くのが惜しくなったのだろう。それに、ここ数年、私どもの方の体力不足によって勝負してもすっかり劣勢になり、立場が逆転して緊張感が失われてきたことも一因だろう。

 マア、いつかは来るであろうと予想していたことだし、こちらにも原因があるからやむを得ない、と受け止めた。
 私ども夫婦には共通の運動としてはテニスしかない、に等しい。だから、4月から6月初旬までは近所のテニスコートで2時間ほど汗を流す程度の練習をしてきたが、それも家内が体調を崩したのを機会に中断し、まだ再開できないでいる。多分今シーズンはだめだろう。

 そういうことで今年の後半はすっかり運動不足に陥っている。運動不足は健康管理上やはり良いことではない。職場では階段をエレベーターには一切乗らないなど出来るだけ自分の足で移動しているが運動量としては絶対的に不足である。歩いて通勤するのも一つの方法と考えているが時間が惜しくて実行できていない。

 とにかく、休祭日を含め殆どデスクワークの毎日で、こんな状況をなんとかせねば患者の生活指導する資格もない、と体育の日を迎えて改めて考えた。


10/12(日)京都快晴・新潟晴れ 第70回日本血液学会三日目 新潟大学46卒同級会
2:00京都リノホテルにて起床。本読み、文献チェック他。7:30葉っぱとコーヒー中心の朝食。9:30学会場着、教育講演聴講。12:30リムジンにて伊丹に。14:10ANA新潟へ、DHC-8-400Qのプロペラ機で若干揺れた。16:00新潟東急インへチェックイン。16;40家内と合流、18:10新潟大学46卒同級会、20:00酔って中座し就眠。

今回の出張は往復ともボンバルディア機であった
 今回の出張は往路は秋田→伊丹がIBEX CRJ機、復路は伊丹→新潟はANAのDHC-8DHC-Q400であった。双方共にカナダのBombardier社の機体である。同社はボーイング社、エアバス社に次いで世界三位の民間航空機製造会社である。
 後者の機種は我が国では前輪が出なかったとかのトラブルがやや多いことで名が知られている。

 往路のCRJ機は短距離向け双発ジェット旅客機。胴体尾部にターボファンエンジンを2基設け、50席という小振りなサイズによって地方路線でも採算がとれることで世界の航空会社で多くの実績を積み重ねている。日本ではIBEXエアラインズで4機とJAL関連会社のJ-airで9機運航されている。私は今回で秋田・小牧間、秋田・伊丹間で4回利用しているが、シート幅も通路も若干狭く、やや苦しい。

 復路のDHC-8-400Qの原型はカナダのデハビラント・カナダ社が開発したターボプロップ機DHC-8で、30-40人程度の小型機であった。Bombardier社に買収された後、機体は胴体が延長され、最大の400シリーズでは76席となり、プロペラも6枚羽となった。
 更に、1996年よりエンジンの静粛性を高め、振動を防止する改造を施行し、Qシリーズと呼ばれるようになっている。本日のがその機種であった。400Q型は巡航速度が700Km/hとYS-11の約1.5倍で、ジェット機と比べても遜色ないため、急速に数を増やしている。日本でもANA、JALグループで使用されている。最近トラブルが続出し、日本国内で問題となっている。高知空港で前輪が出ず胴体着陸をしたのはこの機種である。

 私は初めて乗る機種で興味を覚えた。
 エンジンの回転数を上げると共に機体には細やかな振動が生じる。これは飛行中も終始続いた。YS-11には秋田空港が移転した1981年以降乗ったことはないが、振動もこんな感じだったと懐かしくなった。滑走時の加速はジェットより勝ると感じられた。今日は気流の関係か名古屋付近までは随分揺れたが以降はスムーズであった。ほぼ満席であったが隣の席が空いていたので快適であった。


10/11(土)京都降雨→快晴 第70回日本血液学会二日目
2:30ホテルにて起床。ドック処理、本読み、文献チェック他。7:30葉っぱとコーヒーの朝食。10:00学会場着、教育講演中心に聴講。16:30ホテル着、書籍10冊ほど購入。19:00夕食。ドック総括、本読みなど。21:00就眠。

「学会受付自動化」、「京都リノホテル」、「ナビオス横浜」など
 学会の受付付近は、若いスタッフが大勢で会場費や懇親会費等の受け付けをしており、いつも混雑しているものであった。

 今回はそれが自動化されていた。銀行などにある現金自動支払機をスリムにし、機能を単純化したような機器が並び、会場費15.000円を投入すると領収書兼学会参加証が発行される仕組みとなっていた。だから、今回は学会関連のスタッフ数が極端に少なく、すっきりした感じを受けた。とても合理的とも思ったが、こんなに自動化したら若い人達が働く場所がどんどん狭まっていく。これで良いのかとも思ってしまった。

 久々の京都国際会館である。いつものことながらこの周辺の山々の景観は素晴らしい。未だ若干紅葉には早い様であった。会館内のレストランは今回は閉鎖されていた。昭和41年に開かれ国際会議場のはしりであったが、その後各大都市に同様の会館が建設され、使用頻度が減っているためなのだろうか。これも寂しい感じである。ちなみに、来年の第71回日本血液学会もこの会場で行われることになっている。

 ホテルは名の通ったホテルを確保したいと考えている。交通の便をはじめ何かと安心だからである。
 ところが最近は聞いたこともない名のホテルに宿泊することが多い。学会出張の決断が遅れるためである。ほぼ皆勤してきた春の日本内科学会総会は、担当患者の複数名が重症化、あるいは不調状態が続いていたために直前にキャンセルした。今回の学会も春から予定はしていたが、最終決断したのは約一週間前で、その後も重症患者が入院してきて迷ったが、何とか良い方向に向いたので後輩医師にお願いした。航空券と宿泊をJTBに依頼したがホテル確保には難渋したらしい。結果的に聞いたこともないような名前のホテルとなった。

 今回は「京都リノホテル Rhino Hotel Kyoto」であった。「Rhino」というのは医学用語では「鼻」を表すが、動物の「犀(さい)」の意味もあるようだ。何でRhinoなのか分からない。平成4年開業の80室程度の中ないし小規模ホテルである。京都市右京区西院にあり、京都駅からはタクシー料金1.400円程度と若干離れているが、阪急電鉄「西院」駅のすぐ近くだから結構便利なところにある。
 館内にレストラン、フィットネスクラブ等の他、モスバーガーの店もある。多角経営である。私にとって最高だったのは中規模の書店があったことで、ゆっくりと見ることが出来た。20-30冊は欲しかったが読む時間がない。それでも日常からマークしていた本を中心に10冊ほど購入し、ベットの上に並べてとっかえひっかえ乱読している。読書三昧の2泊になりそうである。

 思い出すと、昨年の学会はほぼ同時期にパシフィコ横浜で行われたが、同様に直前に申し込んだために「ホテル・ナビオス横浜」と言う、日本船員厚生協会が運営する宿泊施設であった。協会は船員やその家族の宿泊休憩施設として全国主要港湾に9ヶ所の会館を運営しており、ナビオス横浜もそのひとつであった。確かにロビーには錨などの船舶の部品が陳列されており不思議な雰囲気であった。

 各地の小ホテルには名の知れたホテルには無い特徴があってなかなか良い。


10/10(金)秋田京都快晴  第70回日本血液学会初日
1:30起床、ドック総括、新聞チェック、本読みなど。5:00病院に。回診、出張準備。11:20病院発、12:30IBEX機にて、13:50伊丹。15:10リムジン、京都駅着。国際会議場、第70回日本血液学会初日午後のセッションは短時間のみ。17:30京都リノホテル着。19:30外で夕食。読書三昧。ドック総括等持参の業務もこなし21:30就寝

すずめ蜂の巣の脇を毎日通っていたとは
 わが家では年に数回、シルバーセンターを通じて庭の雑草の処理、植木の剪定とかを依頼している。
 9月末、その方々から玄関脇の庭木の中に20cm程のスズメバチの巣があることを知らされた。処理までしてくれるのかと思ったが、手を出さないらしい。市役所に依頼するのが良い、との提言であった。

 この営巣の場所は私が通る所であり、1mも離れていないところを毎日通っていたことになる。にもかかわらず、私はスズメバチがいるのに一度も気付いていない。通るのは5:00、21:00頃だからハチがまだ活動していない時間帯だから当然としても、日中いる家内や賄いの石井さんも気付いていなかった。

 休日にソッと覗いてみたが、確かに葉っぱが茂みになっていて巣は外からは全く見えない。あまり激しく活動しているようには見えなかったが、そうは言っても巣の周りには何匹かが警護にあたっておりとても危なくて手は出せない。

 冬になればハチはいなくなるから放って置きその時期に処理すれば良いのであるが、このハチはとても攻撃的で不用意に近づいたりちょっかいを出したりすると危ない。刺されてショック死する場合もある。

 知らなかったこと、実害もなかったことは幸運であった。しかし、そこに巣があると知った以上気がかりであるし、子供をはじめ不特定の方が通る場所だからやはり危ない。責任上放っておけない。早速、市役所の担当部署に連絡し駆除してもらった。宇宙服様の完全防御スタイルで処理したという。その経費2万円であった。

 昨年も、今年も猛暑であったために全国的にハチの活動は盛んでハチ刺され事故もいつもよりは多かったらしい。しかし、新聞紙上で見る限り、幸い今年は致死的事故の報道は無かった様に思う。

 私はハチに刺された時のアナフィラキシーショックの予防にエピネフリン注射器を処方する資格を持っている。しかし、あまり普及しておらず今のところ山に登るのが趣味という中年の方1名だけが対象になっている。
 これはもう少し宣伝が必要と思う。


10/9(木)曇り 被爆者検診 外来 来客歓談 入院患者対応
2:00起床、ここ数日寝不足状態続く。ドック判定x1。徒然など。5:10Taxi病院着、6:30回診他業務。8:00救急カンファ、8:45-14:20被爆者検診+外来。15:00来客歓談。18:00入院患者数名不調で対応。20:00帰宅、夕食、21:00就眠。明日より第70回日本血液学会総会に出席予定。この間、更新できるかは不明。

第70回日本血液学会総会  京都のホテルがなかなかとれない
 10月10日から3日間京都国際会議場にて第70回日本血液学会総会が開かれる。
 今春は業務の都合で日本内科学会に出席できなかった分、是非とも出席したいと考えていた。10日ほど前に最終的に出席を決めた。

 多くの学会が細分化されていく中で、「日本血液学会」と「日本臨床血液学会」が今回から統合される。これは画期的なことだと思う。昨年の同時期には両学会は横浜で同日同会場で開催されたが、名称は「第69回日本血液学会」、「第49回日本臨床血液学会」としてであった。過渡的な開催だったのだろう。

 今年の「第70回日本血液学会総会」は統合して初めての総会になる。
 私は双方の学会とも入会が1973年だから35年間の学会歴である。1990年以降は臨床血液学会の評議員も返上し、専ら聴講だけになったが、この間、一昨年迄、春は日本血液学会総会、秋は日本血液学会総会と結構煩わしかった。演題を双方に出のは至難のことであった。
 私はどちらかというと臨床により直結する演題が多い日本臨床血液学会の方を好んで出席していた。
 統合した学会では従来の伝統も踏襲しながら、新しい試みが行われるとのことで、どのように運営されるのか楽しみである。

 京都のホテルの確保はJTBを通じたが、難渋したらしい。市の中心部からはかなり外れたホテルで、ツインの一人使用と、あまり良い条件ではない。多分、秋の観光シーズンだからであろう。京都の学会では宿が取れず、大阪から国際会議場に通ったことも何度かあるから確保できただけで満足すべきだろう。

 私はホテルと国際会議場、空港以外に動く予定は無いが、秋の京都国際会議場周辺の山々の紅葉はいつ見ても美しい。今回は数年ぶりである。この景観は京都を訪れる際の楽しみの一つとなっている。


10/8(水)曇り 外来 県感染症評価委員会 医師会常任理事会+郡市医師会長協議会
1:50起床。ドック判定総括x1。文献チェック、5:10病院着.6:30回診他病棟業務、8:00救急カンファ。8:45-14:20外来。14:00県感染症評価委員会。16:30県医師常任理事会+郡市医師会長協議会+情報交換会。20:30帰宅、21:00就寝。

明るい話題(2) 今年のノーベル化学賞に下村 脩氏

 2日連続で日本人のノーベル賞受賞が決まった。驚いた。
 元ウッズホール海洋生物学研究所上席研究員、米ボストン大名誉教授下村 脩(80)で、クラゲの発光のメカニズムを研究し、その過程で副産物としての発見した緑色蛍光たんぱく質が評価されたとの事である。生物発光の研究に取り組み始めてから約50年で、発見後40年の評価であった、とのこと。

 この研究も、私は当然のことながら皆目想像も及ばない遠い世界のことである。クラゲが何故あんなに美しく光るのか、興味を感じないわけではないし、それを解明したのはすごいことだと思うが、その成果がノーベル賞受賞に値するものなのかについては全く分からない。距離が有りすぎる。
 細胞生物学の分野では、この蛋白の応用により細胞機能や蛋白の合成の過程を可視化することが出来る様にした、革命的業績との評価である。今後、研究の一部が分かりやすく解説記事になって出ることもあるだろうから、それに期待している。

 日本人の化学賞受賞は5人目らしい。2002年の田中氏と小柴氏の時に続き、物理学賞と化学賞のダブル受賞となる。

 下村氏も80歳で長命、発光蛋白発見後40年も経過してからの受賞で、昨日物理学賞受賞が決まった南部氏と年齢も評価されるまでの期間がとても長いという共通点がある。しかも両氏ともアメリカ在住である。

 未だ詳細な紹介記事は掲載されていない。今週末の新聞の科学欄の解説記事が楽しみである。


10/7(火) 曇り 外来 常務会 男鹿消防所副所長来訪 医局会 
2:00起床,ドック判定総括x1. そのほか書類処理、徒然、5:20病院着.6:30回診他。8:00救急カンファ。8:45-14:00外来、14:45-16:15法人常務会。17:30男鹿消防署副所長他来訪。17:30-18:15医局会に遅れて出席。20:45帰宅、21;30就寝。

明るい話題 今年のノーベル物理学賞が南部・小川・益川の3日本人に

 連日連日、世界恐慌にまで至りうる程の米国の金融破綻のニュースが飛び交い、今後、世の中がどうなるのかと、不安をかき立てるネガティブな話題が多い中、本日、帰宅時のラジオニュースで本年のノーベル物理学賞を日本人3人が受賞したと素晴らしいニュースを報じていた。

 米シカゴ大南部陽一郎名誉教授(87)、高エネルギー加速器研究機構小林誠名誉教授(64)、京都産業大理学部益川敏英教授(68)である。最近の日本人の授賞は02年の小柴昌俊東京大特別栄誉教授の物理学賞、田中耕一島津製作所フェローの化学賞以来6年ぶりで、これで日本人の受賞者は計15人、物理学賞は7人となった。

 3氏の関連はよく分からないが、3氏は60-70年代に「対称性の破れ」論を初めて素粒子の世界に導入、これにより合理的関連する物理現象が説明できるようになり、理論物理学の発展に大きく貢献したとのことである。
 私には、全然分からない、遠い世界の研究で、正直、どれだけ遠いかも分からないほどである。なんだか分からないが嬉しいニュースである。

 02年にノーベル物理学賞を受賞した小柴昌俊東大特別栄誉教授は現在82歳だから授賞時は76歳で、あのときも確かかなり前の研究が評価されたと記憶している。今回の3氏の研究も30-40年前の研究が今客観的に評価されるようになったと言うことらしい。それだけ先見性があって、イヤ、あり過ぎて評価に時間がかかった、と言うことだろう。
 
 それにしても、学者は大変な命題を背負っている。まず、若い時にユニークな発想を打ち立てたら、堂々と世に問うこと、問い続けることが大事であるほかに、その評価をを見届けるためには延々と、出来るだけ長生きしなければならない、と言うことである。
 この点から見れば平均寿命が長くなった時代の研究者は、特に、日本の学者は真に価値ある業績なら適正な評価を受ける機会が増えた、と言うことでもある。

 次の授賞の可能性のある研究者としては、スタチンの研究で国際的に評価され、先日ラスカー賞を受けた、秋田出身の遠藤氏という声もあるようだ。静かに期待していたい。


10/6(月)雨 管理会議 安全管理者・事務長との打ち合わせ 療養病棟判定会議 長副会議   
2:20起床。ドック判定総括x1。早朝のバイク通勤はもう無理、短パン通勤はOK。5:10病院。6:30回診、病棟業務、7:45-8:30管理会議。10:00-11:00安全管理者・事務長との打ち合わせ。医師会に投稿。16:00-16:40療養病棟判定会議。17:00-19:00長副会議。20:50帰宅。夕食、21:30就寝。

ドヴォルザーク新世界交響曲に取り付かれている
 ここ半月ほどドヴォルザーク新世界交響曲の各部分の旋律が次々と頭に浮かび離れない。ふと気づくと歩きながらとか、カルテや書類を書きながらその一節を知らず知らずに口ずさんでいることもある。

 これは9月17日秋田県民会館であったベルリン交響楽団演奏会の影響であろう。それ以外のきっかけは考えられない。
 その日の演奏曲は「未完成」、「運命」、「新世界」と有名曲が並び、我が国の地方都市の音楽文化が何となくバカにされたような気がしてならなかったが、実際には老若男女で県民会館がほぼ満席になった。いわゆるクラッシック系演奏会でこれほどの人が入ることは滅多にないので、やはり秋田の聴衆には妥当な選曲だった、と言うことになろう。

 聴いている最中には演奏に新鮮みをあまり感じなかったが、私は何れの曲とも充分楽しめた。
 その翌日あたりから「新世界」の各所の旋律が浮かんで来るという後遺症がでた。フッと気を休めた時など次々と浮かんでくる。やや苦痛を感じるほどである。幸い「運命」の旋律は浮かんでこない。

 頭に浮かんでくるだけでは中途半端で、かえって気持ちが治まらない。月末から時間があれば自宅でも職場でもレコードやCDをかけて聴いている。レコード盤ではターリヒ、アンチェル、ケルテス、CD盤ではノイマン、スイトナー、カラヤンあたりが私の手元にあるソースであるが、それらを引っ張り出した。前4者がプレーヤーの上に載せられたのは実に30年振りとなる。何れも古い録音であるが私の古い装置には合っているようだ。そう大きな不満なく聴くことが出来ている。

 ここ2週間ほどで取っ替え引っ替え何回聴いただろうか。職場の自室では支障のない限りカラヤン盤のCDをリピートをかけ、音量を絞って鳴らしっぱなしにしている。カラヤン盤は金管の咆哮が派手で見事である。音量を絞っても充分楽しめる。

 私はドヴォルザークの作品は概して好きである。交響曲も同様でケルテス、スイトナー盤は何れも9曲揃った全曲盤である。協奏曲、室内楽にも有名ではないが、良い作品が沢山ある。この機会に久々交響曲を全曲を通して聴いてみることにした。
 この前のベルリン交響楽団演奏会が私に残していった後遺症であるが、新鮮な気持ちで「新世界」を、ドヴォルザークの作品を、改めて楽しむと言う至福な時間を与えてもらった。


10/5(日)晴れ 病棟拘束 患者家族面談   
2;00起床.ドック総括、6:00病院。6:30回診他。8:30救急カンファ。11:10帰宅。県医師会機関誌「すこやかさん in Akita」の原稿と格闘。17:30再度病院、患者家族面談など。19:30帰宅、夕食、20:45就眠。

対決姿勢の麻生 vs 小沢  面白いけど・・・
 麻生新首相の所信表明演説は、野党に対して問題提起・質問を投げかけた、今までにないユニークなものであったが、これに対する国会の代表質問が始まった。
 民主党の小沢代表の代表質問は首相の所信に対する意見や質問でなく、なぜ政権交代が必要なのか、民主党が政権をとったらこうする、という自らの政権構想の表明が中心であった。

 これに対して、麻生首相は質問に何ら答えていないと激しく詰め寄る場面もあった。
 所信に対する代表質問として野党側としては鋭く切り込む質問を並べるのが普通で、時には重箱の隅的質疑が繰り返されてきた。今回は大きく異なる内容であった。これは与野党の勢力が均衡し、解散総選挙も間近、与野党逆転もあり得ると言う、わが国の政治の中であまり経験したことのない緊張状態なればこそなのだろう。

 小沢代表にしてみれば、自分が首相になった際の政策をこの機会に並列に論じておくことの意義は大きい。対立点をはっきりさせて国民の支持を得ようとする姿勢は悪くない。なかなか政治が面白くなってきた。

 麻生首相側は、経済運営や安全保障、外交など日本が今直面している難局を乗り切れるのは長い実績を持つ自民党で、政権交代はあり得ない、と声を張り上げて主張する。一方、小沢氏はガソリン暫定税率を廃止、高速道路無料化などの理解しやすい方針を出し、その財源は補助金や特別会計の廃止などで賄い、国の経済を立て直していく方針を挙げている。年金問題をはじめとして長期の自民党政権がもたらした歪みを本気で改善していくには、政権交代しかない、と主張する。しかし、果たして出来るのか、不明な点も多い。

 首相は明言していないが、補正予算審議の後の解散が取りざたされている。予算の審議は政策審議でもある。この審議を通じて両者の考え方、対立点が更に明らかになればいい。

 安易には言えないが、民主党を中心とした今の野党側に国の政治を切り盛りしていく十分な人材は果たしているのだろうか?この辺のことは情報不足である。与野党逆転があったとしても早期に頓挫し、政治はますます混迷するのではないのだろうか。それでも、これは日本が通るべきプロセスなのかもしれない、私はそう感じている。

10/4(土)早朝激しい降雨→曇り 病棟拘束 入院患者家族面談 歯科治療 第118回秋田市医学集談会 
2:00起床、ドック総括他、本読み。5:10Taxi出勤。6:30回診、8:30救急カンファ。患者関連書類処理。11:00-11:40入院家族面談、15:00-15:30歯科治療17:00第118回秋田市医学集談会、県医師会長の挨拶を代読。城西大学井関友伸准教授の講演「試練の時代の地域医療とその再生」。懇親会中座、20:00帰宅、夕食など。20:30就寝。

道路交通法細則改正で「運転中の携帯電話、ヘッドフォン禁止」 実は自転車だった
 先日切り取った新聞記事に、今年6月に道路交通法施行細則が改正され、10月1日から「運転中の携帯電話、ヘッドフォン」の規制が強化されて禁止になったとの記事が載っていた。
 時間無く、その時には詳細は読まずに処理したが、ついに運転中のヘッドフォンが具体的に禁止になったか、とガックリ来た。その理由は、私は多くの場合ヘッドフォンをつけて車を運転しているからである。

 昨日、たまたま必要があって記事を検索して読んでみたところ、車でなく「自転車」の「ながら運転禁止」であった。それによると、自転車を運転中に携帯電話を使ったり周囲の音も聞こえないような大音量でイヤフォンやヘッドフォンを使用することが禁止になり、何れも違反すると5万円以下の罰金が科せられることになった、とのことである。

 確かに、高校生の自転車は、実際には一部の生徒だろうが、マナーが悪いと言う印象である。傘さし、無灯火、横並び、信号無視・・と危険である。更に最近は携帯電話を使いながら、あるいはイヤフォンを耳に入れて自転車に乗っている姿をよく見る。さすがにヘッドフォンは殆どいない。暗くなってから無灯火自転車で携帯を使っていると顔だけが青白く、幽霊の雰囲気が漂う。

 自動車運転中のヘッドフォン禁止でなくてホッとしたが、私の後ろめたい気持ちはそのままである。多分、取り締まりに合うと注意されるだろう。
 私が運転中につけるのはBOSEのノイズキャンセリングヘッドフォンで、エンジン音やタイヤ音、街の喧噪から逃れるためである。救急車等の音は充分聞こえるし、低騒音で心が安らぐから危険は無いと自分では判断しているが、うまく通じるだろうか。警官に止められたら取り付けてあるiPodは急ぎ外さなければなるまい。これが付いている限り音楽を聴いていなかったと主張しても信じられないだろう。

 運転中のカーステレオ、TV、喫煙、談笑・・等許されているのだからノイズキャンセリングヘッドフォンは取り締まり対象外としてはっきりと認めて欲しいものだ。

 常々、後ろめたい気持ちで使っているから、新聞記事をみて早とちりしていた。


10/3(金)快晴 ドック診察 秋田南中・東中合唱部「秋の小さなコンサート」
2:00起床、ドック判定総括x1。5:10病院着、6:30回診他病棟業務。8:00救急カンファ。14:00ドック診察。16:00-17:10秋田南中・東中合唱部「秋の小さなコンサート」。20:45帰宅、夕食、21:30就寝。

秋田南中・東中合唱部「秋の小さなコンサート」 かなりハイレベルであった

 本日夕方、秋田市立秋田南中学校・東中学校の合唱部による「秋の小さなコンサート」が当院外来の二階のロビーで行われた。

 この催しは私のメモによれば2002年から毎年行われている。昨年までは秋田南中学校合唱部単独で開催されたが、今年から合同となったもので唱ったメンバーは混成で16名であった。
 聞くところによると、この2校の合唱部が一緒に活動するようになったのはつい最近のこと、と言う。その背景には部員不足と思われる。更にその背景は少子化による生徒の減少があり、さらに、合唱部入部者も減っているのだという。

 にもかかわらず、南中・東中合唱部は今年8月の「NHK全国合唱コンクール秋田県大会」では銀賞を、つい先日、9月27日に行われた「全日本合唱コンクール東北大会」では銅賞を得たとのことである。いろいろなサークルや組織が互いに連携して活動することはとても良いことだと思う。

 私は弦楽器の響きを好むが、一方では声は最も優れた楽器だと思っている。声楽には心に直接訴えかける魅力がある。歌うことを好まないという方は少ないと思われるが、合唱となると、調和とハーモニーが魅力なのだが、これがなかなか難しく、おいそれと参加できるものではない。

 唱われた曲は、「手紙」「Ave Maria」「Gloria」「信じる」「Jupitar」「Winding Road」「いのちの名前」「空も飛べるはず」「赤とんぼ」「故郷」の10曲。それにアンコールとして秋田出身の方の作品という「けやき」が唱われた。
 何れもハイレベルの合唱を聴かせた。合唱によってもたらされる心と身体への共鳴はまさしく心地よく、私自身も充分癒やされた。

 入院されている患者さん方、車椅子の方々もスタッフに連れられて聴きに降りてこられていた。
 私が担当している患者さんも10名ほど来ていたが、その中には難聴の方も何人かいたが、何れも最後までしっかり聴いていた。雰囲気を感じ取っていたのだろう。「赤とんぼ」「故郷」の二曲は参加者みんなで合唱し、豊かな笑顔と共に戻っていった。

 最後に指導の先生が「本日、これほど熱心に聴いて頂き、唱った生徒達も感動を共有したと思います。この貴重な経験は生徒達の今後の人生に、必ずや大きな意味があるはずです。有り難う御座いました」と謝辞を述べられたが、私はこの言葉にも感じ入った。


10/2(木)快晴 対策会議 外来 ドック診察 県医療審議会医療法人部会
2:00起床。ドック判定総括x1他。5:15病院着、6:20回診他、病棟関連業務。7:45対策会議、救急カンファは欠。8:45-14:30外来+ドック診察+結果説明。16:50-17:40県医療審議会医療法人部会。20:50帰宅、夕食、21:30就寝。

信じ難い米国下院の緊急経済安定化法案否決
 私はチマチマとケチなくせに経済関連の知識も関心も乏しい。

 それでも、昨年来の米国のサブプライムローン破綻を契機に世界経済が不安定となり、投機筋の資金が大量に原油に流入してバレルあたりの価格が60ドルから一時150ドルにまで値上がりし、世界の経済の流れが大きく揺らいだあたりのことは若干関心を持っている。原油の値上がりはガソリン価格のみならず、現代社会の隅々まで影響を与え、間接的に患者の受診行動にも、病院の運営状況も影響を受けている。

 約1年たち、原油価格も良い方向に戻り始めてきたと若干安堵しつつあったが、先週米国の大手銀行が破綻し一段と大きな経済の荒波が生じた。このレベルは金融恐慌も十分想定せざるを得ないほどなのだ、と言う。
 米国が公的資金を大量に補充する緊急経済安定化法案を用意したのは当然と見ていたが、予想に反して下院が法を否決したことで、全世界があわてふためいている。充分根回しもしてあったらしいのに、である。

 米国は世界経済に与える影響を回避すべき責任があるが、何故、米下院はなぜ否決したのか。その辺の事情は理解しにくい。
 自由と正義の大義名分を掲げて世界の警察と自認し、世界の隅々の紛争に乗り出している米国が世界的恐慌を防ぐための法案を成立させ早急に対応することは当然のことと思っていたが、否決は全く予想外のことであった。この背景は格差社会の歪みに悩む国民の憤り、国民感情が底流にあり、それに来月改選期を迎える下院議員が敏感に反応したためと言われている。国民感情を大切にすることは大事なことであるが、選挙対策の一環として利用するべきレベルの話では無いはずである。

 大体、サブプライムローン問題が本格化したのは昨年夏であった。こんなに世界中に影響を与えたのに、米国はこれに対してどんな対応をしてきたのか、全く見えてこない。何故なのか?と不思議であった。

 その後、米上院が緊急経済安定化法案の修正案で合意し、一旦否決した下院も修正に取り組むことになったらしい。これに期待するしかない。世界経済の破綻を防ぐために早急に対応して欲しいものである。

 日本の国民一人一人は遙か遠い世界の経済問題の情報を与えられても全くなすすべを知らない。ただ漠然とした不安が高じるだけである。日本の経済の一層の停滞のニュース、生活必需品も値上がりの話題に事欠かない。その不安は国民の日常生活に現れている。その一つが患者の受診抑制である。

 だから、私も経済問題に関心がないと言っていられない。


10/1(水)快晴、一時雨 外来 ドック診察 入院患者家族面談、ほか
2:00起床。ドック判定総括x1他。文献若干読む。5:10病院着.6:20回診等病棟関連業務。8:45-14:30外来+ドック診察、混雑。プリンターCanon 80iがインク吸収体が一杯になったと言うことで機能停止、修理に出す。15:00、16:00、17:00と面談3件。21:00帰宅、夕食、21:30就寝。

新型インフルエンザ対策(5)遅れている企業の対策状況
 政府は新型インフルエンザ「新型イ」発生時には感染者数は住民の約25%、死亡率は2%で64万人と推計している。流行は6-8週間続き、そのピークでは本人や家族の看病のために欠勤率は40%にも達するのではないかと予想されている。もし、これが現実のものになると、元々マンパワーをぎりぎりまで切りつめているだけに、各企業にとって事業継続そのものが困難になりうる可能性がある。
 「新型イ」が流行時の経営危機管理、すなわち、業務の縮小、人員の確保と配置、企業間連携対策などが求められる所以である。

 本年5-6月に月三井住友海上グループのインターリスク総研が上場企業約4.000社に「新型イ」流行時の対策をアンケート調査し、その概要が7月の新聞に掲載された。443社が回答したとのことで、回収率はわずか11%であった。従って、その結果にはかなりのバイアスがかかっていることになるだろうが、得られた回答の集計は以下の如くであった。

「新型イ」対策についての問いでは、回答した443社中で、■実行している10%、■計画中が14%、■対応予定が23%。■対応予定なしは52%、233社。
 対応予定なし233社が複数回答で挙げた理由は、■事態が重大で企業の対応能力を超える 55%■具体的症状が不明 45%■まだ発生していない 24%■社員の自己責任 22%■国や自治体の責任 13%、であった。

 各企業にとって社員個々人の健康管理、地域や社会に対する責任、経営上の危機管理等の面からも大変な状況を迎えうる可能性があるのに、回答した上場企業ですら上記のレベルに止まっている。回答しなかった企業は恐らく対応が未と考えられるので、対応はかなり遅れてると言うことになろう。

 実際には、遅れているのは企業だけでない。教育関係も、ライフラインとかの社会機能維持の関連も、医療機関すらも、都道府県、自治体も準備状況は遅々としているように思われる。

 地域産業保険センター便り 2007.4月号巻頭言に「新型インフルエンザ対策を進めていますか?」について述べたが、県内の企業の対策準備状態も遅れていることが予想されるために再度寄稿を求められた。いま、いろいろ資料をあたっているところである。


徒然日記バックナンバーへ戻る       徒然日記へ戻る   トップページへ戻る

   年を通じてワンパターンで淡々とした毎日です。AM2:00-5:00にメールチェック・返事送付、人間ドック(HDD)判定・報告書作成、新聞切り抜き、病院・医師会業務など。
  月〜土曜は6:00頃出勤、HDD報告書印刷、外来書類処理など。病棟回診、HDD受診者とミーティングと診察。8:45-14:00外来とHDD受診者に結果説明。昼食は摂りません。午後は病院業務・医師会業務、各種委員会等に出席など。20:00頃帰宅。
  日曜・祭日もほぼ同様ですが、病院には午後出かけます。時間的に余裕無いのが悩みです。


ご意見・ご感想などをお聞かせください

これからの医療の在り方:Send Mail