徒然日記
2009年12月分

 日記と言うより、自分の行動記録からの抜粋と日々の雑感です。

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12/31(木)(年末休暇3日目)曇り 病棟拘束 
0:30起床、ドック処理、徒然ほか。6:00病院に。6:30朝回診、8:30救急カンファ。退院カルテ総括他。11:00帰宅、ドック判定総括など。古い文献、書籍廃棄処分。19:00NHK紅白楽しむ。しかし、私にとって7-8割方の出演者、歌われた曲はなじみ無し。踊り他のバックの動員は過多であり、演出は過剰だと思う。20:30夕食、21:00微睡む,23:30年越しそば。0:10就寝。

この一年(4)私の周辺 今年も昨年と同じく「感謝」 で締めたい
 時間の経過は実に早い。2009年もついに最終日を迎えてしまった。

 国際的に・国内的にもいろいろなことがあった。あまり明るくない話題で終始した一年と言うことになろうかと思うが、そんな見方だけの総括はしたくない。
 いろいろな明るい予兆も見られた。オバマ大統領就任、政権交代、地球環境への意識の一層の高まり等々。来年は特に経済面の回復が望まれる。当面、高望みは出来ないだろうが、すべての人が、せめて衣食住を確保できるようなそんな社会になって欲しいと思う。

 この一年間、私的にもいろいろなことがあった。小さな家族が一人増え、かつ全員無事今日の日を迎えることが出来た。今年も多くの方々のご支援をいただいた。
 年末に、長女・長男も帰省し、今日はみんなで夕食の準備をし、部屋を片付け、紅白見ながらダベリ疲れて、呑み疲れて居間で雑魚寝をしている。その傍らでこれを書いている。これが毎年繰り返されるわが家の大晦日の、いつもの様子である。

 こんなあたりまえの日常が今後も続くよう、願っている。

 この一年間、私どもを支えてくださった方々に心から感謝いたします。本当に有り難うございました。
 来年がより良い年になりますことを祈念して、この徒然の締め、と致します。


12/30(水)(年末休暇2日目)曇り 病棟拘束 餅つき
2:30起床、ドック処理、徒然ほか。6:00病院に。6:30朝回診、8:30救急カンファ。11:00帰宅。年賀状追記、ドック判定総括。 17:30休宝寺で餅つきとミニパーティでつきたての餅中心に夕食を取る。親戚の子供達に正月行事の一部を伝えていく事の意義、みんなが一堂に会して共同作業をし、語り合うことは意義あることである。そう言う私はちょっとのビールに酔って19:00前に中座帰宅、19:30就寝。

この一年(3)社会・医療界・秋田の動きをキーワード的に見ると(2)7-12月 
 本年後半の動きは何と言っても新型インフの蔓延と政権交代であろう。

 前者は年末になってかなりおさまってきたし,ワクチンも潤沢になってきたために恐らく第二波、第三波は来ないと推定している。今後のj新型インフ対策はH1N1以外の新・新型インフの発生に備えての準備にシフトさせていく必要があろう。
 後者はわが国の政治の歴史の中で初めてと言っていい大変革である。ただ、来年の予算はは何とか作り上げたものの、掲げた政策を具現化するにあたって最大の弱点は長期的な財政確保の道が不透明な点である。そうそう、普天間問題も未解決である。来年も政治的混迷は続くだろう。
それと,指導者である小澤氏、鳩山首相にとってホントの意味で政治とは何だろうか?「コンクリートから人へ」は素晴らしい標語であるが、その場合の「人」とは誰を指すのだろうか。権力者、富裕者に庶民の生活感覚は果たして分かるのだろうか。

7月
■ 秋田でも大麻所持、秋大准教授逮捕■北朝鮮ミサイル発射■臓器移植法改正案成立■秋田市政120周年■麻生首相衆議院解散■大雪山で遭難事故中高年10人死亡■民主党後期高齢者医療制度廃止・医師数1.5倍等のマニフェスト発表■鹿児島で皆既日食、県内でも部分日食

8月
■ 押尾MDMA使用で逮捕■酒井法子逮捕■北秋田市民病院開業延期■新型インフ流行期に、沖縄で初死者■全国学力テスト3年連続トップクラス■失業率過去最高の5.7%■42回衆議院選挙で民主308議席、自民大敗。

9月
■ 消費者庁発足■イチロー2.000本安打■鳩山代表90年比25%削減表明■3党連立で新内閣案■八ッ場ダム工事中止■巨人三連覇■JR西日本事故調査の情報漏洩■横手焼きそばB級グルメでトップ■あきた美彩館で食中毒■県高齢化率29%全国2番目■サモア諸島でM8.0スマトラ島沖でM7.6地震■本県の高校中退率全国一少ない■秋田大学に新病棟完成

10月
■ 五輪東京落選■新型インフワクチン接種優先順決定■日ハム優勝■オバマ氏にノーベル賞■能代で竜巻、35棟に被害■鳩山首相医療費抑制政策転換表明■貧困率15%■鳩山首相施政方針演説友愛、You & I■中医協日医外し■本県の有効求人倍率沖縄と並びワースト■日本郵政社長交代■JAL再建計画発表、批判浴びる■新型インフ、全国的本格的流行

11月
■日沼氏に文化勲章■松井MVP■巨人日本シ制覇■顔の整形手術を機に市橋容疑者逮■事業仕分け■オバマ氏初来日■韓国射撃場火災15人死亡■初孫誕生■ 政府デフレ宣言■ドバイショック■新型インフルエンザ感染者報告数全国で二番目に■ 大仙市で新型インフルエンザ死亡例■返済猶予法成立■肝炎対策基本法成立

12月
■原爆症救済法成立■郵政民営化凍結法成立■赤松農相補償から秋田除外発言■医学部定員360人増、過去最大の8846人に■天皇陛下中国国家副主席と会見■布川事件再審■COP15閉幕、実質合意得られず■厚生連が湖東病院廃止??のニュース■羽越線事故送検■診療報酬改訂0.19%アップ■次年度政府予算案決定92.3億円、国債発行額は44.3兆円


12/29(火)(年末休暇初日)病棟拘束 iPhone3G購入一周年 知人と情報交換
2:30起床、ドック処理ほか。6:00病院に。重症者対応数件、8:30救急カンファ、退院総括など。10:30帰宅、自宅でトロトロとドック処理ほかの業務、賀状記載など。16:30病院、18:30-20:30遠来の知人と情報交換、えびす。iPhone3G購入一年で使い方若干理解。20:45帰宅。21:30就眠。

この一年(2)社会・医療界・秋田の動きをキーワード的に見ると(1)1-6月 
 光陰矢のごとしである。時間の経過は実に早い。この一年もあっという間にもう二日残すだけである。
 09年は一体どんな年だったのか?
 自分のメモや徒然の記録を見直しながらザッと並べてみた。挙げきれないほどあるし一つ一つの意義は決して小さくない。現時点で再度コメント付けたいのも少なくない。あえて絞ると前半のトピックはオバマ大統領就任、新型インフルエンザ発生と蔓延が二大トピックかな。いや、わが国と秋田の経済低迷も挙げるべきだろう。

1月
■ホテルハワイ休業■年越し派遣村解散■県でうつ病詐欺事件■中央大学教授刺殺■ハドソン川に旅客機着水■エチオピアで拉致された日本人医師解放■高血圧学会治療ガイドライン改定■オバマ政権発足■角界で大麻所持

2月
■県と25市町村が2700人臨時雇用に■明和会社会医療法人に■県が厚生連に13.5億円補助■中川財務相辞任■国が新型インフ対策行動計画全面改定■ 米アカデミー賞、おくりびと・積み木の家授賞■厚労省・文科省医師臨床研修制度改定案まとめ■日医グランドデザイン2009発表■ダボス会議経済復興の道見えず

3月
■人材派遣グッドウイル破綻■藤里畠山被告二審も無期■ソマリア沖海賊対策に自衛隊■老人ホーム火災で10人死亡■WBC優勝■小沢秘書逮捕●定額給付金

4月
■ハンセン病対策基本法案■北朝鮮ミサイル発射・秋田市にパトリオット配備■オバマ氏核無き世界を■政府が15兆円追加経済対策「地域医療再生計画 3.100」円」■新知事に佐竹氏、12年寺田県政終焉■SMAP草なぎ氏猥褻容疑報道■新型インフメキシコ米国で発生■WHO新型インフフェーズ5宣言 ■クライスラー破綻

5月
■秋田、北都銀行共に赤字決算■秋田市の製材会社で女性二人刺され死傷■新型インフルエンザ国内初確認■県が新型インフルエンザ対策本部設置■和歌山カレー事件死刑確定■小澤代表西松建設問題で辞意■民主党代表に鳩山氏■裁判員制度開始■北朝鮮地下核実験

6月
■GM破綻■ピアニスト辻井氏バンクライバーンで優勝■阿修羅展■鳩山邦夫総務相辞任■本県自殺率14年連続全国ワースト■政府景気底打ち宣言■県内で新型インフルエンザ発生■厚労省終末期医療ガイドライン発表■足利事件再審■WHO新型インフフェーズ5宣言■県人口110万人を割る■鳩山代表個人献金が故人献金だった等の虚偽発覚


12/28(月)曇り いわゆる御用納め 管理会議 
1:30起床、ドック処理x1、卯月便り挨拶文、新聞チェックほか処理。5:10病院着、道路は雪なし。6:30回診、病棟業務。 7:45-8:35管理会議、以降は書類処理に。12:00外来若干。新聞チェック。予定外の新型インフルエンザワクチン接種。20:30帰宅、夕食、 21:00就寝。終日倦怠感強度、何故か?

この一年(1) 初孫誕生
 昨年秋結婚した次男夫婦に11月18日に男の子が生まれた。秋田赤十字病院で産んだのでそう頻回に見に行けない。退院前日におそるおそる面会した,と言うか見に行った。確かに居たね、小さいのが。白い産着にくるまってすやすや眠っていた。「へー、これが孫か・・」という感じであった。その瞬間に私は立場が変わり、心理的にどっと老けた。

 我が家では30年振りの赤ん坊の誕生である。私どもにとって初孫であるが,同居していないから泣声も聴くことがなく私にはなかなか実感がわかない。2週間目頃にも見に行ったがこの時も若干黄色い顔ですやすやであった。3回目の訪問予定は業務の関係で私は外れた。だから未だ2回しか見ていない。寝顔だけしか見ていないし、未だ触っても居ない。標準だというが不慣れな私にはあんまり小さくて私はこわさが先に立って抱き上げられない。わが子3人の時は責任感があったからそれでも何とか抱き上げていたように思うが,今回は完全に傍観的で,気楽である。

 新しいいのちの誕生は実に良いものである。気分としてはとても良い。

 次男夫婦は私を「じいさん」として立ててくれているのであろう、命名の際の御札とか手形・足形を取るから名前を筆で書いてくれという。こんな場合は断れない。よし、上手なのを一発書いてやるか、とやる気満々になる。ただ、これがいざ書くとなると緊張してなかなか上手くいかない。くだらん伝言とかメモ等はサラサラと簡単に書けるのだが。
 命名の御札は赤十字から戴いた用紙だけでは足らず,私どもの病院の産婦人科病棟からも用紙を貰って書いたが,どれ一つとして良いのがかけなかった。一枚だけ気に入ったのがあったが、じっくり見ようと持ち上げた途端に墨がだらだらと流れておじゃんになった。実に残念であった。うまく書けなかったと,心に傷が残った。

 名は「耕明」。私は名付けに一切関与していないが、そう決めたのだそうだ。私の祖父が「耕陽」、父が「耕栄」、私ども兄弟には何故か「耕」の字は用いられていないが,私の代で復活させて次男は「耕二」とした。本人がどう思っていたか確かめたこともなかったが自分の息子にも同じ字を用いたところを見ると気に入ってくれていたのであろう。その意味でもうれしい命名であった。

 この、まだ手で触れたこともない初孫であるが、ひたすら幸多からんことを願っている。


12/27(日)曇り 病棟拘束 
2:30起床、ドック処理x1、新聞チェック、そのほか淡々と処理。7:00病院着、7:30回診、事務処理、8:30救急カンファ。重症患者対応、11:10帰宅。以降自宅で卯月便り新年の挨拶に呻吟。文献検索など。NHKのど自慢総集編観る。午睡若干。ハイドンのテレジアミサは欠とした。 19:30夕食、20:30就眠。

がん検診推進?本県死亡率全国ワースト脱却へ--がん検診もっと積極的に受けよう
 12年連続で全国ワーストとなっている本県のがん死亡率の改善を目指し、県は2008年度に県がん対策推進計画をまとめ、5カ年計画で「予防」「検診」「治療」の総合対策に取り組んでいる。
 がんの早期発見などを重点目標に掲げ、▽部位別で20-30%台にとどまっている検診受診率を5割まで引き上げる▽県民総参加で10年以内にがん年齢調整死亡率(75歳未満)を2割減らす-ことを目指している。
 特に検診受診率の向上に向けては、検診実施主体である市町村に対して県が一層の指導・支援を行うことも盛り込んだ。
 県がん対策委員長を務める中通総合病院(秋田市)の福田光之院長から本県のがん対策の在り方を、秋田大学医学部の田中俊誠教授から女性特有のがん対策について聞いた。

 ■全国ワーストが続く本県のがん死亡率の特徴は。
 福田 がん死亡率ワーストは否定できない事実だが、罹患率や健診受診率、背景因子など一つ一つを比べていかないとワーストの意味付けができない。
 本県の特徴について明確に説明できるのは、がん登録の精度が比較的高い胃がんなど一部だけ。それから分かっているのは★罹患率が高い★検診の結果よりも、病院の診断によって判明する場合が多く、判明した際には既に進行しているケースが多い★検診受診率が低いこと。
 ここから導き出せるのは、罹患率が高いにもかかわらず検診受診率が低い、塩分摂取や喫煙などの生活上の問題、それに高齢化ということだ。

 悪性腫瘍は年齢を増すにつれて罹患のリスクが高まる。胃がん死亡率が高いのは、生活要因と高齢化が背景にあるわけだが、死亡率を下げる方策は生活習慣の改善と検診率の向上に帰着する。これは大腸がんにもいえることだ。

 ■県は5カ年計画で検診率5割を目指している。
 福田 本県のがん検診率は全国平均を上回っているが、罹患率が高いことが分かった以上、現状の検診率程度では満足できない。だから医療側と県がタイアップして50%という高い検診率を目標にした。これを達成できれば、死亡率は明らかに下がると期待できる。
 ただ、検診率を上げるといっても従来の自治体の取り組みでは弱い。積極的に受診するよう県が呼び掛けても、県民にはピンとこないはず。自治体が責任を持って住民を巻き込んでいくことはもちろん、町内会単位とか小さなコミュニティーで検診推進に取り組んだり、キャンペーンを展開していくことが大切だ。
 また、検診で要精密検査とされた人の本県の精検受診率は、全国平均を下回っている。これは検診を実施した側にも責任がある。異常が見つかった人に対しては、精検を受けるよう何度でも強く誘いかけることにつきる。もちろん県民性もあるだろうが、自治体や現場の保健師などがしっかり住民に対してフォローしていくしかない。

 ■県の計画には、放射線・化学療法の推進と人材育成など治療側に対する項目も掲げられている。
 福田 胃がんの場合、罹患率は高いが死亡率は全国平均を下回っている。進行した状態になって医療機関で発見されるケースが多いという悪条件の中で、診断や治療が行なわれている現状から見ても、本県の医療レベルは全国に比べて決して劣っていない。逆に評価していい。進行した状態でがんが発見されているのだから、結果的にがんの進行や再発によって亡くなるケースは多い。検診率が上がり、早期診断される人が増えれば、がんが原因で亡くなるケースが減少するはずだ。

 がん診療連携拠点病院は県内各地にあるものの、患者の約3分の1が秋田市の医療機関で治療を受けている。本来なら患者や家族に便宜を図る意味からも、どの地域にいても治療を受けられるようになるべきだ。ただ秋田市以外の病院では、設備はあってもスタッフ不足という問題がある。こうした医療崩壊の解消こそががん診療のレベルアップに重要だし、間接的には検診率のアップにもつながる。

 ■放射線・化学療法の推進と人材育成、それにがん登録推進も計画に盛り込まれているが。
 福田 これらの専門医は少なく、化学療法においては学会レベルの資格を持つ医師は数人しかいない。だから、人材の育成は重要課題。一方、緩和ケアへの対応は、ここ10年間でかなり向上してきた。診断がついた段階からサポートする体制や考え方が備わってきており、疼痛治療も急速に向上している。全体で見れば、まだ不十分な面もあるが、ひと昔前の患者のQOL(生活の質)とは比べものにならない。
 登録事業はまだ入り口の段階だが、すべてのがんの経過観察や予後調査まで網羅されて各病院が同じフォーマットで入力し、国立がんセンターともリンクできるようにするのが目標。そうなれば県民のメリットは計り知れない。問題は入力操作が難しいこと。がん登録の専門職員の養成も課題だ。

 ■県民総参加とする対策計画がスタートして2年近く経過した。今後どのように展開していけばいいのか。
 福田 県民に向けた計画なのに、十分に伝わっているとはいえない。自分の健康を守りたいと考える人にはもっと便宜を図るべきだし、関心の低い人に対しては、なぜ検診が必要なのかを周知していく努力が求められる。本県において健康がいかに大事かを行政も医療関係者も訴えていかなければならない。
 がんの現状をすべての県民に理解してもらう段階まで意識改革を図るには、行政、医師会、自治体、コミュニティーが一体となった総合的なキャンペーンが必要だ。県民が自覚すれば検診や精検受診率も上がる。健康維持にがん対策の重大さを認識してもらうことが第一段階でのポイント。県民一人一人が、健康とは何なのか、健康は自分の責任でまもるのだ、と言うことを今一度かみしめてほしい。
         (秋田魁新聞12月25日に掲載された記事より前半を引用させて戴いた)


12/26(土)曇り降雪若干 病棟拘束 
2:30起床、ドック判定総括他。5:10病院着。6:30回診その他。8:30救急カンファ。徒然、退院総括。14:00入院患者対応。一年間出番の少なかった文献や書類等を処分。19:30帰宅、長女帰省していた。夕食、20:30就眠。

政権交代(22)子育て支援 隣の韓国の出生率低下をみて
 わが国の合計特殊出生率が、昨年は前年より僅かに上がって1.37になった。2005年に過去最低の1.26まで落ち込んで以降、2年連続上昇している。ただ、まだ楽観はできない。まだ子育て世代を取り巻く生活環境が良くなったとは言い難いからである。

 政治・経済と出生率の関係は深い。現在、深刻な低出生率にあるのが隣の韓国である。
 「一人っ子政策」といえば人口増に悩む中国の政策として有名である。あまり知られていないが、韓国は子供が多くなり人口が増えれば経済成長が滞る、という発想で経済成長を優先させ「一人っ子政策」を敷いて来た。その結果、1980年初頭に出生率は2.0を切り、方向変換が必要な状況を迎えていたが、 1988年のソウルオリンピックの成功に向けて政策を継続した。その後、出生率は更に低下し1.5程度となり,当時低迷にあえぐ日本の出生率以下にまで達した。日本では社会問題となっていたが韓国ではその深刻性を重視することなく、政策の変更を行わなかった。

 韓国の出生率に更に影響を与えたのは90年代末のアジア経済通貨危機による景気低迷とされ、結果的に1.1台にまで低下した。 
 社会が成熟すると共に出生率が低下することは先進国でも見られてきた。子育てには費用もかかるから景気も影響を与える。就職率低下により婚姻率も低下し出生率も低下する。特に韓国は世界的にも知られている学歴重視社会で小学から英語塾などに通わせるのは当たり前のことで教育費は日本の3倍はかかるらしく、教育関連の負担が余りにも大きく若い両親は子供を生みたがらなくなっているのだという。
 間もなく出生率が1.0を切りそうな危機的状況を迎え、伊大統領は先月になって初めて少子化対策政策会議を開き、小学校入学を一年引き下げるほか、種々の優遇措置を講じ始めている。子供3人以上の公務員の定年延長も考えているとのことである。嫁不足に悩む地域では国際結婚を奨励し、ベトナムやフィリッピンに若者を公費で送り込み婚活させている,とのことである。
 韓国の経済の成長には目覚ましいものがあったが、経済を優先させるためにこの様な策を取ってきたというのは驚きでもある。

 日本の政策は、特に小泉政権以来顕著になったのだが、何でも経済効率第一で決定されて来た。その歪みが政権交代の原動力になったと言えよう。新政権はその方向転換に必死であり,政策の方向性は大いに評価したい。

 安心して結婚、出産、子育てが出来る環境を作るためには若い世代への支援を若者が実感できるほどのレベルで、しかも、長期的政策でなければならない。前政府も「安心こども基金」をつくり、妊婦検診の公費負担を増やしたが、いずれも経済活性化対策の一環にすぎず、場当たり的で短期策であった。そもそも国内総生産(GDP)に対する家族関係支出は、わが国はわずか0.8%に過ぎず、出生率を大きく回復させたフランスやスウェーデンの3%と比べて余りにも貧弱であった。 
 政権交代で民主党は子供手当、教育費の低減も視野に大胆な政策を掲げ実践しつつあるが、これはとても大きな意義がある。恐らく、子育て世代に与える安心感は大きいと思う。しかし、長期的政策として行っていくための財源確保の見通しが立っていないことが最大の弱点,不安材料である。
 これは医療面でも同じである。


12/25(金)曇り ドック関連業務 法人理事会
2:40起床、ドック処理x2など、6:55病院着。路面上には雪は殆ど無し。脇には積まれている。7:30病棟業務、回診。9:00ドック結果説明、意見書、退院総括など。13:45ドック面談診察。17:30-18:30法人理事会。20:45帰宅、21:30就寝。

政権交代(21)10年ぶり診療報酬アップ(2)財務・厚労の両省の意見相違は当然なのだ
 医療費抑制は厚労省の方針ではなく、財務省の姿勢である。だから国民の医療を実際に決めてきたのは厚労省でなく財務省であり、医療崩壊をもたらしたのも財務省である。

 旧政権においては厚労大臣の力は弱かった様に思える。それが、現政権ではちょっと様相が変わった。これは評価しなければならない。ところが、今回の10年ぶりの診療報酬アップに対しても医療関係団体のコメントは厳しいものがある。
 日医は24日、診療報酬全体のプラス改定は2000年以来であり、医療費抑制政策が転換されつつあることを評価したい、と評価する一方、小幅な改定で医療現場は失望している。今回の改定率は、医療現場に希望を与える水準ではなく、新政権に期待を寄せてきた全国の医師、医療現場は、今、大きく失望し、憤りすら覚えている、と指摘した。立場上、この見解は分かるが、日医はどうやって全国の医師、医療現場の声を集約し発表したのであろうか。

 古いことであるが、2006年10月に財務省は財政審議会に「医療制度の現状と課題」と題した資料を提出した。同省は、その頃は医療費を下げるために軽い疾患の場合には健康保険が効かない「保険免責制の導入」などを考えていた。

 同省は老人医療費抑制が必要な根拠として「日本の老人の一人あたりの医療費が若い人の約5倍であるのに対し、楮外国では2-4倍」、「日本では病院で死亡する割合が高く医療費がかかり増し」、など種々のデータを提示し、老人医療給付費の増大は財政的にも国の重荷になっているので、老人医療給付費を一層抑制しなければならない、と訴えた。 
 
 ところが、財務省が提示したこれらの考え方、資料は実は厚労省が社会保障審議会特別部会に提出したデータとほとんど同じであったとされる。要するに厚労省の方針であった、と言うことである。

 財務省が、厚労省の方向性をプッシュする意味で同じデータを提示したのだとすれば、両省間で高齢者医療に対する基本的スタンス、医療費抑制の方針は一致していたと言うことになる。これは実際恐ろしいことである。

 財政再建を最大の命題とする財務省が老人医療費抑制の必要性を提示するのは当然である。しかし、厚労省がそれと同じ立場に立って医療費抑制を主張するのはおかしい。
 厚労省に求められるのは、国民が、高齢者が、どこで、どのような医療を受けたいか、という国民の意識や医療現場の医療関係者がどう考えていることを把握して、その上であるべき日本の医療をデザインすることである。しかし、前政権の厚労省にそのような姿勢は見えず、財務省の医療費抑制の指示を如何に具現化するかに腐心しているようにしか見えなかった。

 藤井財務大臣はマイナス改訂を主張したが、長妻厚労大臣が医療の再生に絶対に必要とプラス改訂を求め、貫き通してプラス改訂をなしえた事の意義はとても大きいと思う。最終的に財務省も無い袖を振った事になる。


12/24(木)曇り・寒波緩む 患者家族面談 外来 療養病棟診療部会 
2:10起床、ドック処理x1など、5:25病院着。6:30回診。7:00-7:45入院患者家族面談。8:00救急カンファ、8:40-14:15外来。意見書、退院総括など。17:00療養病棟診療部会議。20:45帰宅、帰路、両手にケーキの箱を持った中年のお父さんが21:30就寝。

政権交代政権交代(20)10年ぶり診療報酬アップ(1) 政権交代の期待が現実に
  政府は23日、2010年度の診療報酬を0.19%引き上げることを決めた。

 0.19%引き上げると言うことは、100円の品物が100.19円に値上げになるだけであり、こんな程度のわずかな値上げが一般社会では話題になることは殆ど無いだろう。私はこの様な、実に小幅なアップであることには不満であるが、ウジウジと決断力の乏しい鳩山内閣がなしえた初の快挙と評価したい。

 診療報酬改定は2年に1回行われているが、引き上げは2000年度改定以来実に10年ぶりと言うことになる。この10年間で実に6%以上も診療報酬が下げられ、結果として医療崩壊が一気に進んだ。医療崩壊の誘因として新臨床研修制度を挙げる考え方の方が一般的であるが、主因が継続的な診療報酬の削減にあった事は明快な事実だけに、今回の診療報酬のアップは国民の健康をまもるという意味が認められた点でわれわれ医療関係者のみならず、全国民にとっても朗報である。

僅か0.19%アップと決まっただけでこれ程大喜びする私は実に情けない弱い存在だと思うが、われわれにとって過去12年間で6.7%も下げられた中で医療を継続していることが如何に大変であったか、医療関係者として世に大きな声で訴えたい。

 医療行為や薬などの単価は国が決めている。医療機関の自由度はゼロである。
 診療報酬体系は、医師の技術料などの「本体」と薬や医療材料などの「薬価」部分に分かれる。10年度は薬価を1.36%下げ、本体を1.55%上げる事になるからネットでは0.19%のアップと言うことになる。厚労省によると、今回の引き上げで、医療費に投入される国費は年160億円増加事になるのだという。

 この診療報酬改定に関しては厚労大臣と財務大臣の間でかなり意見の食い違いがあったという。全体の改定率で意見が合わず、互いに政治や経済の考え方を批判しあったという。21日の閣僚は、厚労大臣が医療を樽生するためには絶対に必要とプラス改訂を求めたのに対し、財務大臣はマイナス改訂で讃らなかった、と報道されている。

 結果として長妻厚労大臣が姿勢を貫き通しプラス改訂で決着したと言うことであるが、長妻厚労大臣は年金に関してのキャリアは評価されたが医療福祉の方面における力量が未知で不安を持たれていた。実際に中医協に医師会の代表を入れなかったことなどもあって先の采配が危ぶまれたが、なかなかどうして良い働きをしたものだと思う。


12/23(火)天皇誕生日 小雪・曇 病棟拘束 組合病院看護師茶会
3:00起床、ドック処理x2、文献他、徒然。6:00睡魔あり若干微睡む。11:00看護師来訪前に北海道へ発つ石井さんを送り病院へ。寒波はかなり緩んできて路上の雪はかなり融けている。ドック処理、文献検討廃棄処分他。迷ったがキエフバレーは行かず、魁新聞用原稿校正など業務。18:30帰宅、業務、20:00夕食、21:00就寝。

年末恒例行事の京都東・西本願寺のすす払い 不衛生で見ていて息苦しくなる

 京都市下京区にある東・西本願寺ではこの時期にお堂につもった埃を払い落とす「すす払い」が恒例の行事となっている。今年は12月20日の早朝から行われ、門徒や僧侶などが作業に勤しんだという。仏教の立場でどんな意義があるのかは知らないが、名物となっている行事の一つで毎年TVや新聞で紹介される。今年も当日夜にNHKニュースでやっていた。

 それによると西本願寺の阿弥陀堂では7:00am過ぎから作業が始まり、御影堂と合わせ約500人もの人が竹の棒で一斉に畳を敲いていた。見ていて、何であんなに埃が出るものか、と思うほどのひどい埃がモウモウと堂の中に舞い上がっていた。それを人の背と同じ程度のサイズの大きなうちわで風を起こし埃を堂外へ払っていた。
 普段よっぽど手を抜いて掃除をしているとしか思えない。あるいはこの日のためにため込んでいるものだろうか。

 作業に参加した人はとりどりにマスクをはめているのであるが、マスクの装着は総じて下手で、あれでは埃をかなり吸引しているものと思われ、些か心配になった。これは一年の無事を喜ぶ行事だとのことで約500年前から伝わっているのだそうだ。500人も集まると言うことは参加すれば何らかの御利益があると言う言い伝えでもあるのかもしれない。

 私は幼少時期喘息持ちであった。成長と共に改善したが、秋田に移り住んで数ヶ月後に約一ヶ月間、夜間早朝に発作を来したことがある。幸い治療を受けなければならないほどではなかったし、徐々に自然と改善していったが、それでも随分苦しい思いをした。当時、秋田では新屋付近に製紙工場があってかなりの噴煙をはき出していたが、それと関連があったのかもしれない。

 だから、私は日常から埃が舞い上がるような環境は嫌いである。出来るだけ近ずかない様にしている。埃を吸い込むと喉のあたりがヒュンヒュン言い始める。家の中でもできるだけ埃を立てないように着替えや寝具等を扱うときもソロソロと扱う。それでもスポットライトの下で仕事をしているとかなりの埃の中で暮らしている事が分かる。子供の頃は掃除機など無かったのであるが隙間風があって風通しが良かったのかこれ程ではなかったような気がする。

 年末恒例行事になっている京都東・西本願寺のすす払いは見るからに不衛生でTVの画面であっても見ていて息苦しくなる。行事は行事として生かすにしても、埃を舞上げない工夫をすべきだろうと思う。


12/22(水)曇り・雪 新型インフ対策会議 外来 法人常務会 秋大第三内科忘年会
2:20起床、ドック処理、文献チェックなど。5:15病院着。6:20回診。7:45新型インフルエンザ対策会議。8:45-14:20外来、混雑し大変。14:30-16:00法人常務会。19:00-22:00秋大第三内科病棟忘年会。22:45帰宅、23:15就寝。

冬至(2)小豆とかぼちゃ、ゆず湯と楽しむ 早く朝が明けて欲しい 
 本日は冬至である。冬至は北半球では昼が一番短く、夜が長い日。この日を境に日脚は徐々にのびていく。最近、私は諸般の事情から出勤時間を1時間ほど遅くし 6:00am前後に家を出るようにしている。遅くしたと言えど真っ暗な中を出勤する事になる。それが、明日からは日々その夜が明けるのが若干ずつ早くなっていくのはうれしい。ただ、日照時間は長くなっていくのであるが、実際にはこれから一層厳しい寒さの季節になっていく。

 我が国の風習として、古くからこの日は各家庭で「冬至かぼちゃ」を食べて金運を祈り、「ゆず湯」に入って無病息災を祈願する習慣が伝わってきた。

 昨夜は私の出身医局である秋大第三内科と病棟の忘年会に出席した。多くの会では酔うこともあって中座するのであるが、今夜は22時過ぎのお開きまで過ごした。私が、あるいは私を知っている医局員は数少ないが、とても暖かく楽しい雰囲気で楽しめた。

 帰路、空車のタクシーがなかなか無く結局キャスルホテルまで歩いたが、その間に身体が冷え酔いもかなり覚めた。帰宅後、直ぐに風呂で身体を温めたのであるが、風呂には4ヶの大きめのゆずが浮いていて、ほのかな良い香りが風呂場に漂っていた。確かにゆずを入れた湯は香りが良いほかに何となく皮膚がすべすべする効果もあるようだ。湯冷めもしない、とされている。恐らくゆずから何らかの成分が溶出するからであろう。なかなか良い風習である。

 いつもの如く早朝3時頃夜起き出して持参のドックの判定総括等の業務を進めたが、冷蔵庫に家内が作った小豆と共に煮たカボチャがあった。冬至にカボチャを食べると風邪を引かないと言われており、今年は特に新型インフルエンザが流行している事もあるので縁起を担いでちょっとだけ味わった。

 私は寒いのが苦手で、早く春になって欲しいと思っているが、今年は朝が早くなって欲しいという気持ちがいつもより大きい。朝の出勤時に旭川の鯉に餌をやりたいのであるが、暗い中で餌を撒いてもよく見えず、楽しくないからである。実際には明るくなっても,恐らくは水温の関係で餌に食らいついてくれないだろう。

 そういう意味では冬至を迎えたといえども、まだまだちょっと寂しい季節が続く。


12/21(月)降雪 寒波 管理会議 秋田朝日放送収録 療養病棟判定会議 長副会議 
2:30起床、ドック総括x1他淡々と処理。文献・新聞チェック。5:20病院着。路面は圧雪状態。6:30回診他、7:45-8:35管理会議。8:45-14:20外来、超混雑。15:00-16:00秋田朝日放送TV収録、16:00-16:40療養病棟判定会議(欠)。 17:00-19:10長副会議。21:00帰宅、夕食、22:00就寝。

ブタインフ(40)あきれた国のワクチン接種計画 方針あれどワクチンなし
 新型インフルエンザは秋田でも若干下火になりつつあるようでホッとしている。
 小中学生の30%ほどが罹患した,と言うデータもあり,更に20%ほどの不顕性感染もあるようなので当然である。ただ、未だしばらくはジクジクと感染は続いていくだろうし、感染年齢は徐々に高くなっていくだろう。それにより死亡例も増えていくことが危惧される。

 いつもならそろそろ季節性インフルエンザが九州近辺から生じてくる時期であるが未だそのニュースはない。

 新型インフの対策の統括責任は国にある。
 今年春から始まった騒動は、水際作戦から始まり、感染拡大対策、パンデミック状態での診療体制,抗インフルエンザ薬の使用基準、サーベイランス体制が次から次に変えられた事に起因している。疫学的対策については国の準備が強毒型のH5N1を基本にして構築していたから,それを改訂していくことは止むを得なかったであろう。

 そうは思っていてもどこか腰が引けている印象はぬぐえなかった。各自治体の対応は国の指示待ち、国の方針通りの対応で反応は遅かったが、医療現場では医師会が中心になってその地域に相応しい体制を構築し診断、治療、患者指導にあたったからだと思っている。

 ただ、国のワクチン事情があまりにもめまぐるしく変わり朝令暮改調であきれ果てた。
 11月中旬から始まったワクチン接種以降、新型ワクチン分配についての采配はまさに「朝令暮改」の態で、毎日のようにメーリングリストに届く厚労省の電子書類の数、翌日に届くファックス書類の束には、ウンザリした。

 厚労省の方針とワクチンとの関係は「接種方針はあれどワクチンなし」という状態。
 ワクチンの分配については、全国一律の接種計画に沿って行い、ワクチンは24時間以内に使い切ること、余ったワクチンは廃棄せよ、勝手な判断は許可できない、と何度も念を押していた。
 しかし、数日後には地域の事情に合わせて開始を早めても良いが、国が決めた接種優先順の変更は認められない。接種はとにかく妊婦と基礎疾患を有する患者を優先させる,としたかと思ったら、罹患者の大部分は若年者だからそちらを優先することにして基礎疾患を有する患者は後回しにせよ,ただし、就職活動や高校・大学受験を理由にした中高生への接種は認められない,と来た。
 その後に届いた通達では、高校受験を控えている中学3年生を優先させよう。大人の順番は少し後へ廻して良い、・・・・等である。
 この朝令暮改様の方針変更は何のためなのだ,と思う。


12/20(日)寒波・降雪 病棟拘束 除雪機故障
 2:30 起床、ドック処理x2、総括、新聞チェック、徒然などいつもと同じ。今朝は病院には行かず自宅で業務、高校駅伝見つつ年賀状準備開始。午睡多少、 16:30-19:15病院、19:40-20:40初除雪、8割方終了時点で故障、前進しなくなった。夕食、ドック総括x1等、22:00就寝。  

冬型の気圧配置 除雪機が故障した!!(3)
 16日以降、秋田市周辺は雲が厚く覆い、時折降雪の天候である。一冬の中で1-2回程度しか来ない程度の強い寒気団が南下しつつあると言うことで降雪が予想されていた。17日は県内のJRダイヤにも影響がでて特急「日本海」と「あけぼの」「特急「いなほ」が運休、秋田空港では始発便が欠航した。

 18日は雪で秋田市では7cmの降雪があり、道路はのろのろ運転だったとのことで予約に遅れた患者が受付に大勢並んでいた。19日以降は厳しい寒気を伴う冬型の気圧配置の影響で内陸部を中心に気温は低下して雪に見舞われた。

 本日午後、病院に向かう時点で玄関先は10cm以上の積雪となっていた。まだまだ降りそうと言うことで朝までは待てない。だから帰宅後に除雪することとした。19:40-20:40約一時間かけて除雪した。実際には吹きだまりがあり、20-30cmに達しているところもあり、私も難渋したが除雪機にも大きな負荷がかかった。

 本当は今日の除雪は最小限で済まそうと思ったのであるが、近所の80代の女性が除雪しているのを見てしまったので、より若い私としてはその方の家の前の道路までやらざるを得なくなった。だから時間がかかってしまった。
 我が家の敷地とアプローチの細い道路を私は「へその緒付き胎盤道路」に例えている。だから、時には「へその緒」部分まで除雪が必要となり距離もあり除雪機が欠かせない。

 で、我が家に戻ってきてだいたい8割方進んだところで突然除雪機が前進も後進も出来なくなった。故障である。クラッチレバーが効かなくなっているからワイヤーが切れたのだろうと思う。この除雪機は1990年に購入したから19年間ほど前の製品である。HONDA製で5.5馬力、最小の規格である。大切に使ってきたのだが、やはり寿命か? 

 さすが長年も用いただけに外観はボロボロ、購入時は真っ赤だったボディは今は黄土色である。可動部はガタが来始め、いつダメになるかとハラハラしながら使っていたが、ついに昨年1月下旬にチョークレバーが故障した。この時も落ち込んだが、ダメモトで修理に出したらみごとに直ってきた。それが、今回初出動でまた故障した。

 私は、最近体力が減弱し、近年はすっかり除雪機に頼り切っていたので、今後のことを考えて今夜はすっかり落ち込んでしまった。今から買い換えようと思っても殆ど手に入らないらしい。さりとて除雪機が無ければ殆ど降雪への対応は無理である。夕食も喉を通り難かった。
 明日、藁にもすがるつもりで再度修理を依頼してみたい。


12/19(土)曇り・降雪・寒波 病棟拘束 ドック結果説明 患者家族面談 医師面談
 3:00 起床、ドック処理x1等いつもの如く。家内不調なのでゆっくり出勤、7:30病院着、8:30救急カンファ。9:00ドック結果説明。9:30患者家族面談、再度回診他。14:30医師面談、18:00帰宅、夕食、不調のプリンター2機種と格闘、結局残存機能を生かし配置換えで解決。21:00就眠。現時点で積雪10cmほど。

CVSバンド(8)秋大心臓血管外科忘年会 とんでもないことになりそう(2) 
 時の流れが実に速い。12月6日に秋大心臓血管外科の忘年会のアトラクションのバンド練習に恐る恐る参加したのであるが、驚くことに、私がバッハの「G線上のアリア」のソロパートを受け持つことになってしまった。

 私にとっても難しい曲で、特に最期の数小節はリズムも未だ不案内であった。これを人前で弾くなど、清水の舞台から飛び降りるに等しい暴挙である。しかし、もう二度とこういう機会はないだろう、与えられたチャンスは何とかせねばならんとも考え、必死に練習しようと思ったのであるが、次の練習日まで自宅で楽器を取り出す余裕は全くなかった。
 準備出来なければ折角の会の雰囲気を壊す。だから、2回目の練習時に辞退したのであるが、周りの方々の言葉に乗せられて結局やることになった。ならば練習、と思ったのであるが、気持ちはあれど時間はなし、で全く練習することなく、結局3回の練習で5回ほど通しただけで昨日本番を迎えてしまった。

 バンド名は教授の発案で「Be Young Forever」となった。なかなかの発想である。演奏曲目は「Fly to the moon」「G線上のアリア」「クリスマスメドレー」があり最期はアンコールとして定番となっている「神田川」。
 「Fly to the moon」はかなり有名な曲らしいが、私は聴いたこともなかった。戴いた譜面見る限り曲想もわかない。急遽Apple Storeから宇多田ひかるが歌っている曲をダウンロードして聴いたがそれでもよく分からなかった。これと3曲目は学生さん方の邪魔にならぬよう控えめに音を出した。エア・ギターならぬエアヴァイオリンで済ました小節もあった。

 「G線上のアリア」は弦四重奏,キーボードによるチェンバロパート、ベースのアシスト等があり、何とか気分よく,大きなミスもなく弾き終えることが出来た・・・と思っている。バックの演奏がなければどうなっていたか、考えるだけで冷や汗ものである。「神田川」のソロパートも比較的良かったような気がするが、実際には後で送られてくるDVDを見て一人冷や汗をかくのが今までの通例である。

 個人的にもいろいろなことがあったこの一年、昨日のバンド演奏は本年を締めくくる最良の思い出としていつまでも残るだろう。関連した皆さん方に感謝,感謝である。


12/18(金) ドック結果説明+診察 秋大心臓血管外科部年会
2:30起床。何時もと同じ。文献検索、徒然他。6:15病院。到着後強度の脱力感、倦怠感があり自室でしばらく休む。徐々に改善し総括等着手。 13:30ドック診察、患者家族面談など。17:30Viewへ、18:00CVS練習。19:00-21:30秋大心臓血管外科忘年会、22:00帰宅、22:30就寝。

警察、検察、裁判官には何故業務上過失が問われない?(2)布川事件再審
 茨城県利根町で1967年に起きた「布川事件」は、一人暮らしの男性が殺害され、現金10万円余りが奪われた事件。男性2人が強盗殺人罪で起訴された。
 指紋などの物証はなく立証は2人の自白と近所の住民の目撃証言のみだったとされる。1978年に最高裁判決で無期懲役が確定していた。2人共既に服役し仮釈放されている。
 二人が裁判のやり直しを求めた第2次再審請求の審理で、東京高裁は現場の状況と自白内容に矛盾があると指摘し真犯人でない可能性を挙げた。

 警察や検察側が描いたシナリオに合わせるために強引に自白を引き出す様な取り調べが行われていることは徐々に明らかになってきている。えん罪となった他の事件と共通している。身近な同様の事件は足利事件である。クロと認めることを自白というのもおかしな事だが、そのおかしさがまかり通っていた事が今度の布川事件の再審査の過程で明らかになるだろう。

 今回の再審請求では新たな目撃証言などが提出されたが、その中には検察が初めて出したものが多かったという。要するに2人を有罪にするため検察側に不利な証拠は隠蔽していたと言うこと。高裁は取り調べの録音テープも、編集されたような不自然な点が認められると認定した。都合が悪い部分が消去されたのかもしれない。

 これが事実としたなら検察側の犯罪行為でないか?
 このような事件を見ていると、実に不思議な、素朴な疑問が沸いてくる。明らかな判断ミス、過誤を犯したと思われる警察、検察、裁判官は、後に誤った判断だと分かった際にも、何故業務上過失の罪が問われないのだろうか、と言うことである。最近はマスコミもそうなのだが、被疑者に被害を与えながら、何故罪が問われないのだろうか。

 私ども医療関係者はわれわれに落ち度があって患者に何らかの被害が及んだ際、刑事罰すら科せられる。適正な判断がリアルタイムに次々と求められていく医療現場での一つのミスさえ許されない。その判断の結果は後になって分かってくる。そんなわれわれには業務上過失罪が待っている。この違いはどこから来るのだろうか。

 ところで、40日も前の自分が何をしていたのかはっきり言える人はどれだけいるのだろうか。布川事件の被疑者は警察に突然拘束され詰問されたらしいが、到底答えられなかったのだろう、と思う。私は3回目の職務質問を受けた際、慌てたこともあったが10日前の自分を語れなかった。その時、連行されるのではないか、と感じたことが日々の記録を再開した切っ掛けである。


12/17(木)降雪 患者・家族面談 外来 ドック結果説明 魁新聞取材 研修管理会議 褥瘡学習会(欠) 秋大第一内科忘年会
2:10起床、ドック処理x1他 文献新聞チェック。6:10病院。6:30回診その他。7:00患者・家族面談。8:00救急カンファ、 8:40-14:25外来+ドック結果説明。15:00-15:50魁新聞がん検診関連取材。16:00-17:00研修管理委員会。18:00褥瘡全体学習会(欠)。19:00-20:40秋大第一内科忘年会、酔って中座。21:00帰宅、21:20就眠。

研修管理委員会  臨床研修マッチング結果について
 昨日、当院の研修管理委員会が開かれ、10名の臨床研修医を迎える来年度の研修のカリキュラム等を検討した。その際、全国、秋田県内のマッチング結果についての資料提供があり、いろいろ考えることもあった。

 厚労省が発表した来春に卒業する医学生の臨床研修マッチング結果は定員10.500人で、内定者は7.875人。
 従来から異常なほど多くの研修医が集まって地方の医療崩壊の一因として問題となった、東京、神奈川、愛知、京都、大阪、福岡で研修する医師は68人減少したが、それでも全研修医の47.7%を占めた。結果的にそれ以外の道府県で研修する医師は前年に比して85人増えた。研修病院として大学病院を選んだ研修医の比率も上昇、全体の49.7%で過去5年では最高となった。

 この結果を厚労省は、地方への分散と地方の大学への医師定着を図った制度の改善が効を奏したと評価している。確かに、数値上では増加したが実に小幅な増加でしかなく、地方の相変わらず厳しい状況を見れば厚労省の評価はあまりにも我田引水的である。

 地方の深刻さは大変なもので、例えば鳥取県は定員が68人で25人、島根県は100人で31人で厳しい状況にある。一方、富山、石川、福井の北陸3県は前年比で併せて83人増である。どんな手立てを取ったのだろうか。
東北6県では山形県が17人増と飛び抜けて多かったので全体的に2名減に止まったが宮城県が13人減、秋田県が8人減ととても厳しい状況に変わりない。山形県は大学病院が著しく増加したとされるが、どんな手立てを取ったのだろうか。知りたいものである。
 秋田県の8人減となった65名の内訳は大学病院が定員37人で15人、一般病院が定員87人で50人となっている。

 研修医の大都市への集中はなお続いている。医療崩壊を防ぐと言う視点から見ても研修医の分布は重要である。
 各大学病院、研修病院、都道府県が一層努力して研修医をが残るようにすることも大切であるが、地方の大学医学部が、秋田大学もその通りであるが、大都市圏出身者の医師養成所に化している現状を見ると努力だけでは何ともならない。
 また、大学病院は大学としての特徴を前面に出したカリキュラムを作っているが、2年間と言う短期の研修の中に大学としての特徴を強調しても、本来持っている大学病院の機能から見て初期研修の理念に対しては中途半端にならざるを得ないのではないか。
 だから、大学が初期研修を扱うなら研修医が最も望む形に思い切って研修内容を変容させるか、あるいはそれが無理なら大学は初期研修を扱わず、いわゆる後期研修の分野で持てる特徴を発揮すればいいと思う。それには研修病院とのタイアップが重要になる。


12/16(水)降雪 新型インフ対策会議 外来 入院患者家族面談  院内感染対策委員会(欠) 県医師会理事会
2:10起床、ドック処理x1、文献チェック。5:55病院。6:15患者不調で対応。回診その他入院業務。7:40新型インフ対策会議。 8:45-14:30外来+入院家族面談。15:00県医務薬事課スタッフ来訪、がん関連。16:00院内感染対策委員会(欠)。16:30-18:30 県医師会理事会。20:30帰宅、夕食、21:30就眠。

政権交代(19)天皇会見問題?不快な小澤の会見  軽すぎる鳩山
 中国の次期国家主席の最有力候補である習近平国家副主席の来日に際し、天皇陛下との会見が、鳩山首相の強い要請で、長い間の慣例を破ってまでセッティングされた事に対し、いろんな意見が飛び交っている。

 鳩山政権は習氏来日の直前になって、宮内庁に会見の実現を強く求めた、とされる。宮内庁では外国の要人との会見は1カ月前までに打診を受ける「1カ月ルール」があったとのことであるがこれが数日遅くなり、結果的に破られた、と言う。

 宮内庁長官は、相手によって例外を認めることは、天皇の政治利用につながりかねないとの懸念を表明した。当然である。
 私は当初、宮内庁も随分変わったものだ、よく応じたものだと思ったのであるが、TVで報道された小澤幹事長の会見の様子と続く首相のコメントを聞いて考えを改めた。

 小澤氏のコメントは、この会見が実現することは日中双方にとって意味が大きい、それに天皇の国事行為は内閣が決める事になっている、「1カ月ルール」は法律でも何でもない、との主張であるが、個々の発言は正論なのであろう。しかし、間違っている。正論は実社会においていつも正しいわけではない。
 私は彼の表情を見てとても不快に思った。宮内庁長官は意見を言う前に辞表を用意すべきだ、などと傍若無人である。あまりにも。対面で行ったのなら分かるが、全国放送の画面でカメラに向かって言った言葉である。と言うことは国民に向かって言った言葉である。最後に、自分はこの件を直接指示していないと結んでいた。到底信じがたい。

 続いての総理のコメントが流された。内容はほぼ同じであったが表情に力を欠いており、へらへらと空虚な笑顔で「良いじゃないですか・・」であった。だとすれば、これからずっとそうするのだろうか。首相の姿勢は、長い間の慣習、これは天皇の健康をまもるためのものらしいが、その原則を権力で軽んじたものと言わざるを得ない。

 首相はこの決断に直接関与していないだろう。責任だけが負わされている状況が推測出来た。
 最近首相の表情に締まりが無くなってきている。かつての安倍氏の如くに見える。首相の八方美人的発言が問題になっているが、自分の言葉で語っていないからである。
 黒幕の言いなりなので無かろうか。


12/15(火)降雪 外来 法人常務会 県健康推進課・医務薬事課スタッフ来訪 医局カンファ(欠) CVS練習
2:10起床、ドック処理x1。いつもの如し。病院6:00着、路上に今期初めて数cm積雪あり。車は滑った。6:15重症患者対応、回診その他。8:00救急カンファ、8:45-14:00外来。14:45-15:50法人常務会、17:00県健康推進課・医務薬事課スタッフ来訪、新型インフワクチン関連打ち合わせ 17:30医局カンファ(欠)。19:00-20:50 CVS練習、21:30帰宅、軽食、22:00就寝。

「ヘルスチャレンジ2009」 ウオーキング60万歩は2週間で諦めた  
 法人共済会では毎年「ヘルスチャレンジ」と称するキャンペーンを展開している。全部で13項目あって「ジョギング100Km」、「完全禁煙」、「ウオーキング60万歩」・・・と身近な項目である。
 私はこのうち2007年には「スリム3Kg作戦」、「エレベーター・エスカレーターを使わない」の2項目にエントリー共に達成し2000円分の図書券を獲得した。

 今回の「ヘルスチャレンジ2009」はかなりの意気込みを持って「ウオーキング60万歩」にエントリーし、安全弁として「エレベーター・エスカレーターを使わない」にもエントリーした。
 後者については期間が年間であっても私にとってはあまり苦が無く達成可能な項目で「ヘルスチャレンジ」という面ではまずかった、と締め切り後に反省した。
 
 ウオーキングについてはこの企画以前から時々徒歩で通勤していたから歩くこと自体はそう困難ではない。60万歩/2ヶ月は平均すると1万歩/日と言うことになるが、私のペースは6Km/6.000歩/時間だから、毎日100分ずつ歩かなければならなかった。
 結論として2週間頑張って継続を諦めた。この間、土日は若干遠回りして通勤みるなど努力したが、2週間の間で平均7.580歩/日で日毎に達成目標から遠のいた。 
 やはり時間的にきつかった。通勤時間を1分でも短縮しようといろいろ工夫している中で、2ヶ月間連日100分の歩行時間を確保は最初から困難だったのだ。
 諦めた後は自転車通勤とした。

 先日、「ヘルスチャレンジ2009」の総括が回ってきた。「ウオーキング60万歩」にエントリーした81/126人が達成したと言うから驚きである。「エレベーター・エスカレーターを使わない」は22/27人が達成していた。私もその一人で1.000円の図書券も届いた。「スリム3Kg」は8/24人と最も達成率が低い項目であった。

 次回は何時になるか分からないが辛い「スリム3Kg」に再度挑戦したいと考えている。


12/14(月)降雪 寒波 管理会議 安全管理者・事務長との打ち合わせ 療養病棟判定会議 長副会議
2:10起床、ドック総括x1、友の会挨拶他淡々と処理。この時間の起床は時間的に余裕がある。文献・新聞など。5:20病院着。6:30回診他、7:45-8:25管理会議。10:00-11:00安全管理者・事務長との打ち合わせ。総括数編完成。16:00-16:40療養病棟判定会議。 17:00-19:00長副会議。20:50帰宅、夕食、21:45就寝。

着衣での血圧測定 厚手のセーターのままだと高めに出るらしい
私は現在週3-4日の午前外来を担当している。かつて先人が高血圧外来としていた分野を引き継いだことに始まっているので通院患者は殆どが無症状の高齢者で、疾患としては高血圧が最も多い。最近、長期投与とかで受診回数を減らしているので一日平均55人程度になった。それでも相当に時間がかかるし、何のための外来だ、とも思うから、ますますストレスになる。

 ある日、立ち番の看護師に「変わりなく元気な患者は断りたいものだ・・」と愚痴ったら即座に「なら、連日休診ですね・・」と返された。私と同じ事を考えていたようである。当を得ている。
 私は医師にはなったものの、人を相手にする職業には基本的に向いていない、とよく思う。対人関係についてはこれも医療技術の一つと割り切って学んで何とかやってきたが、最近、付け焼き刃が落ち始めてきたらしい。節目を迎えたら一時でも休業してみたい、それが今の私の望みの一つになっている

 それはさておき、秋田の冬は寒い、外来に通院してくる患者達は総じて厚着である。そのために秋から春までの間は血圧測定の準備に結構手間取ってしまう。特に高齢者の場合は動作が緩慢なために時間がかかる。私はその度に相当苛ついてはいるのだが立場上そんな素振りは見せられない。

 他の医師達はどうしているのか分からないが、私が担当している外来では時間の節約のために基本的には着衣のまま測定している。勿論、その前に数10名について着衣のままと、片腕を出した場合での血圧測定値を比較し、薄手のセーターまで程度であれば着衣の影響がないことを確認した。もう、30年ほど前の事である。着衣のままの測定を非難されたことも2-3度あるが無視してきた。

 今秋に開催された第32回日本高血圧学会総会で高知大学医学部検査部の山崎氏が着衣の血圧測定に及ぼす影響について報告している。それによると、中厚のニット、厚手のニットではコントロールに対して3.4±3.8、4.9±2.7mmHgと有意に高い血圧値となった、と報告している。中厚とは4mm厚のニットと0.2mm厚のシャツの重ね着、厚手とは7mmの厚さと0.2mm厚のシャツの組み合わせ、と言うから相当な厚さである。カフの圧力が分散されるからであろう。有り難い検討結果がでたものだと思う。 

 私は厚手の着衣の場合にはそのまま測定することはない。せいぜい中厚レベルまでである。山崎氏の検討では影響あると言っても平均3mmHgだから、便宜さの方を重視していく。そうしなければ私の方が持たない。


12/13(日)晴 病棟拘束 
1:45起床、ドック総括x1。新聞整理。友の会新年の挨拶原稿に呻吟。7:00病院。8:30救急カンファ。病棟は比較的平穏、11:00帰宅。業務、15:30離秋の長女夫婦送り病院に。17:30-19:45CVS練習。21:10帰宅、夕食。22:00就寝。

「Proceed at your own risk」(2) 自衛官の船釣り 秋田のハタハタ釣り
 「Proceed at your own risk」、私はこの言葉が気に入っている。ハワイのワイキキ海岸にある看板に書いてあった、と何かの本で読んだ事がある。有名なワイキキ海岸にも危険な場所もあるらしく,そこに立っている看板の文章とのこと。日本の「遊泳禁止」などと同義だろう。

 我が国では自己責任の上で,という言葉はあまり大きな意味を持っていない。誰かが事故に遭うと個人の責任よりもそこの管理者が責任を問われる。だからピンからキリまで画一的に、画一的言葉で禁止にする。画一的だからみんなさほど気にしない。

 今月11日深夜、苫小牧市東港の防波堤付近で7人乗りのプレジャーボートが転覆し、1人は乗り込む前で助かったが、海に投げ出されたが6人死亡した。7人共陸自の自衛官。釣りに行き天候が悪化したため戻ろうと係留していたボートに乗り込む最中に転覆したという。7人全員が救命胴衣をつけていた。恐らく体温の急激な喪失によるショック死なのだろう。大事故である。

 現場は苫小牧港管理組合が管理する「立ち入り禁止」区域であった。周辺では11日午後5時に海上強風警報が発令されていた。

 同様の事故がこの後もどこかで起きていて死亡者が出ているようだが、メモするの忘れた。

 秋田でも同様らしい。数日前の地方紙のコラム「地方点描」に掲載された記事によると、にかほ市で季節ハタハタの初水揚げがあった8日、待ち構えていたハタハタ釣りの人たちが一斉に岸壁などでサビキ釣りに興じた。平沢漁港の東防波堤では、「立ち入り禁止」の柵が設置されているにもかかわらず、一昨年、昨年と釣り人が海中に転落して死亡、行方不明となる事故が起きた。しかし、同日も港湾管理者の県担当者が巡回すると、柵を越えて入り込んでいた釣り人がいたという。にかほ市内の平沢、金浦、象潟の各漁港の防波堤などには、危険な場所に「立ち入り禁止」の看板を設置しているが、一部の釣り人たちはお構いなしにメ侵入モ。「退去をお願いしても、応じるのは半分ほど」(県担当者)という。
 実際、ハタハタ釣りは近年、加熱気味。1時間5キロも釣れるらしい。こんなの私から見れば釣りではない。漁業作業に近い。この新聞のコラムは全文のニュアンスとして「立ち入り禁止」区域に入り込んだ釣り人を非難していない。これも問題である。

 苫小牧のも、秋田のもあってはならない事故である。
 亡くなられた方々には実にお気の毒であったが、不可抗力ではない。この方々の危機管理意識が全くなっていない。苫小牧の方々は自衛官であったというから更に驚いた。知識は十分だったのだろうか。それ以上に道義とか、社会道徳とか欠けていると私は思う。
 秋口には同様のレベルとしか考えられない山岳遭難事故も何件か生じていた。貴重な事例だが、なかなか教訓にならないものである。


12/12(土)漢字の日 雨 病棟拘束 休宝寺結婚式
2:30起床、ドック総括x1、徒然。5:15病院着。6:00一部回診他,7:30帰宅。9:50-13:45休宝寺で結婚式、ホテル大和で披露宴、中座し帰宅,午睡。15:30Castlesへ。16:30-19:50披露宴第二部。隣の会場では病院の看護師の披露宴があった。20:15帰宅、20:40就寝。

漢字の日 年の瀬のちょっとしたいい行事
 本部が京都市にある日本漢字能力検定協会は12月12日を「いい字」を一字覚えて欲しいと漢字の日にしている。そして、今年の漢字を毎年公募して、一番投粟数の多かった漢字を「今年の漢字」として選んでいる。
 毎年この日に発表される「今年の漢字」は「新」に決まった。

 昨年は「変」であった。オバマの「change」の影響が大きかった。今年は,新政権、新型インフルエンザ、イチローの新記録などが背景らしいが、いかにオバマの「change」のインパクトが大きかったかが分かる。

 昨年は11月1日-12月5日に全国348カ所程度に応募箱を置き、インターネットやハガキ、学校や塾の集団応募も受け付けた。過去最高の11万余万から応葬があったという。
 今年は公募の詳細は分からないが16万余集まって「新」はそのうちの1.5万通だったという。

 昨年の「変」は6.000人ほど,約半数の人が選んだ事からみれば、今年は票が割れたことになる。以下は順に「薬」「政」「病」でこれ以下は「改」「政」「鳩」・・・と殆ど政権交代に関連している漢字であったという。

 その年を漢字1字で表すことになったのは、漢字の奥深さを知ってもらおうと、協会が独自に1995年に始めた。
 過去の記録をみれば、1997年「倒」,2001年「戦」、2004年「災」、2007年「偽」等があるが並べてみればどんな一年であったか朧気ながら思い出す。明るいイメージの漢字が選ばれた年もある。2005年の「愛」、2006年の「命」などである。「毒」が選ばれた年もあった。

 一回ごとの印象はふーんという程度でそれほどでないが、並べてみればなかなか良い感じ,良い漢字に受け取れる。年の瀬のちょっとしたいい行事である。


12/11(金)曇 入院患者家族面談 発熱外来 ドック結果説明+診察 法人理事会 
2:20起床、ドック総括x1、新聞チェック、徒然など。6:00病院着、6:20回診、入院患者家族面談他。9:00ドック結果説明、その後発熱外来。患者数は減っている。13:300ドック診察。17:30-18:20法人理事会。21:15帰宅、21:45就寝。

自転車(14)鯉への給餌 池の鯉と川の鯉の違いから感じたこと

 私は最近夜明けが遅くなっている。秋田での最近の日の出は6:50近くで,7時過ぎなければ明るくならない。自転車通勤は寒さと不安定な天候で雨が多く先月下旬以降は2回しかない。

 車での通勤の場合でも夏頃よりは家を出るのを遅くしている。我が家の事情もあるのだが、旭川の鯉の給餌ためでもある。それも最近雨が多く水かさが増して水が濁り,かつ、水温が低くなったせいかあまり鯉が集まらなくなったし,餌に食いつく様子も前ほど旺盛でなくちょっと残念である。

 旭川の鯉は橋の上からのぞくと上流に向かってほぼ整然と並んで泳いでいる。これは魚に備わっている習性なのだろう。
 川の鯉は餌を投げ入れてもせいぜい斜めに進むだけで直ぐに向きを上流に向ける。だから、餌をめぐっての鯉同士の競争やいさかいは見る限りでは少ない。自分のいる場所のまま大きく移動することなしに餌の投入や餌が流れてくるのを待っている雰囲気である。だから、特定の鯉を目当てに給餌する必要はない。

 一方、秋口に観察できた会津の料理屋の池の鯉はそうではなかった。餌を投げ入れると方々から鯉たちが集まってくる。そして激しい餌の奪い合いである。決して鯉同士が争っているわけではなさそうなのだが,大型の鯉の動きが力強く結局は体力勝負で決まっていた。気の毒な鯉に向けて餌を投げ入れてもサッと他の鯉が失敬する。

 こんな状況を見ながら、動物は生きるために自己保存のためには勝手な行動をするものだと感じてしまう。要するに、動物も人も自由にしておくと生きるために争いが絶えないと言うことである。これが自然の姿ではあろうが、だからといって放って良いことにはならない。「人間にとって最大のオオカミは人間である」という言葉もある。自己中心的である個々のあり方を何らかの形による規制が必要だ,と言うことになるだろう。


12/10(木)快晴 外来 県障害者福祉専門分科会 県医師連盟執行委員会 
2:20起床、ドック総括x1他、文献チェック。5:10病院、6:20回診他。8:00救急カンファ、8:40-14:30外来、混雑。 15:00-16:10県障害者福祉専門分科会。17:00-17:40県医師連盟執行委員会。19:00市内で家内が体調不良に。悪寒戦慄で運転できず。新型インフにでも?? 自宅に送り届けて休ませたが39.2℃ほど。病院に戻り,明朝発行の紹介状など対応し、21:20帰宅、22:10就眠。

雲一つない空に高くある早朝の月はちょっと寂しい やはり月と雲の饗宴が良い
 5:00過ぎ、予定が込んでいたので早めに家を出た。
 一昨日と異なり、今日の早朝は雲一つない紺青色の、本当に深みのある紺青色の空であった。あえて色調の違いを探すと、東側がの尾根付近がかすかに黄色みを帯びている感じであった。

 放射冷却のためか今朝は一昨日よりも一層冷え込んでいる。一昨日に雲間から見た満月に近かった月に比較して更に欠けていたが、真上の空にある月が青白く強烈に光を放っていた。月から離れた空に見える星々も清んだ空に美しく点滅している。しかし、何か違う。一昨日に比較してなんか寂しい。

 空の演出にはやはり雲である。特に、この季節の空、雲が広く空を覆うことも勿論あるが、厚い雲が大小とりどりに群れをなして流れていることが多い。
 雲にも名称がいろいろある。その中でも月の光に映えるのは高積雲、積乱雲、積雲などで、雲の部分と隙間とがクリアに分かれる。だからひび割れ雲とも言われるが、この雲間に見える月が実に美しい。この時、月の側を流れる雲の端が月の光を浴びてとりどりの色調を発するからである。

 今朝の紺青の空は7:00頃にやっと陽が昇り、明けてきた。雲一つ無い朝ほど明るくなるのが遅い。高積雲、積乱雲、積雲などの高々度にある厚手の雲は陽が昇るはるか前から太陽の光を受けて地上に光を放つから明るくなるのがより早い。


12/9(水)曇り 新型インフルエンザ対策会議 外来 県感染症評価会議(欠)県医師会常任理事会+忘年会
2:00起床、ドック総括x1,5:45病院着。6:20回診他、7:40新型インフルエンザ対策会議、8:45-14:00外来、混雑。 14:00からの県感染症評価会議は失念、欠席。16:00-17:30県医師会常任理事会、18:00-20:30忘年会、事情があって久々中座せず。 20:50帰宅、21:30就眠。

サンクトペテルブルグ祝祭管弦楽団演奏会---ドラマティック3大協奏曲 観客数は最も少ない演奏会だった
 12月8日19:00から秋田県民会館にてドラマティック3大協奏曲と銘うったオーケストラ演奏会があった。
 演奏はサンクトペテルブルグ祝祭管弦楽団、指揮はA.アニハーノフ氏。演奏曲目はメンデルスゾーン「Vn協奏曲.ホ短調」、モーツアルト「Fl協奏曲第一番」,チャイコフスキー「P協奏曲第一番」である。
 管弦楽団、指揮者、独奏者共に私にとっては全く初耳の方々である。

 パンフレット、新聞等でこの演奏会自体の開催は知っていたが、直前まで聴きに行く予定にしていなかった。当日午後、脈絡もなく突然聴いてみたくなった。招聘元に確認したところ当日券はあるとのこと、病院の全体学習会は中座し、何とか演奏開始に間に合った。

 指揮者のA・アニハーノフ氏はムラヴィンスキーの孫弟子とのこと。数々の経歴を経て来日歴も頻回。現在東京ニューシティ管弦楽団の客演指揮者の一人でもあるとのこと。
 サンクトペテルブルグ祝祭管弦団は指揮者のA・アニハーノフ氏によって創設された楽団で、当地で活躍する若き音楽家達によって組織されている、と紹介文にはあったが、実際に舞台上には中高年の演奏家達が半数ほど占めていた。

 「Vn協奏曲.ホ短調」を弾いた中村アヤサさんは現在桐朋高校に在学中の、ピンクのドレスがよく似合った痩身の少女。右腕など細くて今にも折れそうなイメージであった。昨年4月より「サントリー天然水」のCMに出演しているのだそうだ。演奏は楽しめたが、音量はやや小さい目であった。スタイル良し、演奏前後の笑顔のとても素的なお嬢様であった。今後期待出来るかな?
 「Fl協奏曲第一番」を独奏したのは「yumi」と言う方だが、芸名なのだろうか? 20歳代だろうか。同じくピンクの裾の広いドレスがよく似合う女性。フルートを吹く姿も美形であったが、独奏がないときの楽曲に併せた身振り、表情がとても良かった。2006年にはNHK総合の番組にレギュラー出演したこともあるという。名曲である。

 ここで休憩。後半はヨーロッパで高い評価を受けている今川裕代というピアニストによる「P協奏曲第一番」であった。どんな演奏を聴かせるか興味はあったのだが、業務が押しておりいつもの如く前半のみで中座した。

 秋田でのオーケストラの演奏会は一般的にそう入りはよくない,と思っていくと当日券がなかったりする。今回は名曲を並べたのだから混むだろうと思って最も安い一階の最後列を選んだが、入ってみてわずか30%ほどの入りでしかなく驚いた。こんなに少ないのは初めてである。演奏始まる前に前方の席に移動して聴いた。だから演奏者の表情も楽しめた。空いているからと言って値段の異なる席への移動は本来許されないだろう。今回は前半だけしか聴けないから・・,と後ろめたい気持ちを勝手な理屈をつけて正当化した。

 ミュンヘンの歌劇場では空席が目立つ高級な席の周辺では会場係がチケットをチェックしていたのを思い出した。


12/8(火)曇・寒 外来 法人常務会  ABS収録 全体学習会 サンクトペテルブルグ祝祭管弦楽団演奏会
 2:30 起床、ドック総括x1,準備途中で病棟より電話、患者不調に。5:25病院着。患者対応。6:20回診他、8:45-14:00外来、結構混雑。 14:45-16:00法人常務会。16:00ABS放送TV収録。17:45全体学習会「高齢者のせん妄・不穏について---その理解と対処法」。 19:00-18:10県民会館でサンクトペテルブルグ祝祭管弦楽団演奏会を聴く、中座し業務に戻る。22:00帰宅、22:30就眠。

久々,雲間に月 早朝 ややかけ始めた満月の光が青白い
 秋田の冬はすっきりと快晴になることは希である。日照時間は全国的に見てもかなり少ないほうであろう。週間の天気予報を見ても秋田だけが曇りや雨のマークが出ていることが多い。特にこの一週間ほど出勤時は殆どが雨、時にミゾレであった。

 最近,特に秋口からは体調の加減と旭川の鯉への餌やりを兼ねて若干出勤時間を遅くしている。小一時間ほど遅くなっている。今朝は病棟から患者不調の報告が入ったために早めに出勤した。冷えた朝である。
 久々降雨なく、空は大部分が厚い雲に覆われていたが、雲間に見える空は見事なほど清んで高い。厚い雲と見事な対比であった。その中にやや欠け始めた見事な満月を見ることが出来た。この厚い雲の中、この満月のために、わざわざ隙間を作ってくれた様な不思議な感覚であった。冷え切った早朝の中の満月、澄み切った淡青色の満月、その光を受け雲も淡青色に染まり見事である。

 冬場の、特に早朝の月の光は淡青色で強烈である。澄み切った空気と、厳しく冷え切った雰囲気を良く醸し出す。のぼり始める満月の光は橙黄色を帯びて柔らかいが,深夜、早朝の満月は青い。清く淡く、青いから一層清んださわやかな雰囲気になる。今朝はやや急ぎながらも幻想的な景観を十二分に味わった。

 そう言えばオペラでも夜のシーンの演出に用いられるのは満月であり,時に三日月であるが、用いられる光は総じて青である。サロメ、魔弾の射手、オテロなどのシーンが浮かぶ。
 また,この様な月を見る度に私は法然和尚の「月影の 至らぬ郷は無けれども  ながめる人の心にぞすむ」を思い起こす。月の光と人の心の間を見事につないでいる名歌だと思う。


12/6(日)低気圧で曇・雨  病棟拘束  CVSバンド練習
2:40起床、ドック判定総括x3他、徒然等多数処理。文献・新聞チェック。10:00病院。重症者回診。12:00帰宅、ドック総括などこなしつつ1年振りに楽器を取り出し基礎練習。17:00-20:00Alveにて秋大心臓血管外科忘年会準備の練習。20:30帰宅、夕食、21:30就寝。

CVSバンド(7)秋大心臓血管外科忘年会、とんでもないことになりそう 
 あれよれよと言っているうちにもう12月。時の流れが実に速い。私自身の時間感覚が一層鈍くなってきたようだ。夜、帰宅の度に少しずつ街路樹とかアーケードに色とりどりのLEDによるイルミネーションが光を放ちクリスマス、師走の雰囲気が高まっている。

 新政権が誕生したものの、経済対策、対米対策でもう息切れが始まっているようである。一時上向き加減との見方もあったが、デフレとか円高とかいろいろ暗い話題が目白押しである。場合によっては我が国の景気は更に落ち込みかねない厳しい状況にある。

 師走だ、クリスマスだ、年末だ、・・と浮かれる状況にはないが、やはり我が国の文化に基づいた種々の行事は重要であるし、苦しくもあり、楽しみでもある。最近週末帰宅時には街中に人出が多い。一年の締めくくりの忘年会シーズンである。私も昨日今年初めての忘年会に出席した。これから年末にかけて今のところ5-6回の回が予定されている。

 その中で私にとって特異と言うべき忘年会は秋大心臓血管外科の忘年会である。ここでは2004年以来毎回バンド演奏がなされ、恥ずかしながら私もそのバンドの初回からのメンバーの一人である。

 本日夕方からその練習があった。初回の練習は出席できなかったので恐る恐る参加してみた。
 メンバーは10人ほど、ギター、ドラム、キーボードあり、他に、医学部サークルの4人だろう、弦楽四重奏の形で参加していた。学生さん方は今月中旬にコンサートをすると言うことで、その曲を中心にすえているのでもう出来上がっている状況で、私は第一ヴァイオリンの側らで邪魔しない程度に音を出したが下手な私でも合奏はとても楽しい。

 ただ、私にとって大問題が発生した。
 何故か、私がバッハのアリアのソロパートを受け持つことになってしまった。これは私にとって難解な曲で、土素人の私にとってはこれを人前で弾くなど、清水の舞台から飛び降りるに等しいことである。
 とにかく与えられたチャンスでもある。これから必死に練習しようと思うが、残念ながら時間はそれほどない。

 準備が進まなければ折角の会の雰囲気を壊すことになりかねず、その際は辞退せざるを得なくなるだろう。学生さん方のアンサンブルの方がずっと良く出来上がっているので最終的にはそれも一方法かと思う。とにかく、しばらく譜面と格闘してみることにした。
 一体どうなる事やら、いまから緊張し始めている。


12/5(土)曇り 患者家族面談 病棟拘束 秋大泌尿器科教室忘年会
2:30起床、ドック判定x1他、いつもの如く処理。6:10病院着。6:30回診他、8:30救急カンファ。9:30入院患者家族面談2件。以降は退院患者総括、各種の臨床書類処理。18:30秋大泌尿器科教室忘年会、21:30帰宅、夕食20:50就寝。

政権交代(17)鳩山首相苦境に
 鳩山首相が苦境に立っている。一部では12月に何かが起こる、12月危機との憶測すら生じてきた。なかなか政局は厳しさをましている。
 首相が板挟みになっている事項をつらつらと挙げてみた。この師走、政局から目が離せない。

■連立の基盤が揺れている。
 亀井金融担当相は追加経済対策問題で、福島内閣府特命担当大臣は普天間基地移設問題で政府がまとめようとしている方針に対立する意見を頑強に言い張りはじめた。両者とも連立解消の伝家の宝刀をひらつかせて首相に迫っている。一方、財務省はもう一円も出せないと主張、首相は厳しい板挟みに遭っている。参議院の優位性を維持することは重要だが、党利のために政策を変更するのか?

■米国との間がぎくしゃく
 普天間基地の移転問題は年内決着はほぼ不可能となった。核兵器密約問題に関しては,何故今問題にするのか、と意義が問われ始めている。元々米国との距離を開ける方針を掲げてきた首相に対し,元々米国は良い感情をいだいていない。

■鳩山氏自身の献金問題
 献金とすれば額が多すぎる。贈与とすれば脱税に問われる。あれだけのお金を何に使ったのであろうか。

■対デフレ経済対策
 景気対策が急務だが財源が足りない。成長なくしてデフレ離脱はないとされる。どうやって景気を向上させるのか。国債発行額をマニフェストの如く抑制するのは困難になっている。今年並みの44兆円にすることも困難か。

■対社会景気対策
年末の雇用対策、失業対策が問題になりそうである。

■八方美人的対応が首を締めないか
 育ちの良さなのか,与野党逆転という大仕事をなした後だからか,多方面に良い返事をし過ぎているようだ。だから何れは自分の言葉が自分の首を締めることになりそう。オバマにも自分に任せて欲しいと述べ、沖縄にも県民の気持ちを大事にする,と述べたが、これは相反する約束である。


12/4(金)晴れ 新型インフ・ワクチン接種担当 ドック診察 発熱外来
2:30起床、ドック総括x1他、文献チェック、徒然他。5:40Taxi病院着。6:20回診ほか病棟業務。8:00救急カンファ。 9:00-12:00新型インフ・ワクチン接種担当、13:40ドック診察、新入院対応。17:00-21:15発熱外来、10数名か。22:00帰宅、 22:40就寝。

病院内暴力(4)病院を責める識者もいる
 院内暴力は私どもにとって深刻な問題である。しかし、この院内暴力という言葉は法律の専門用語ではない。まだそんな位置づけすらされていない。
 しかし、社会的重要性、事の重要性から見て家庭内暴力、校内暴力、公務員対象暴力などと同様と見なされて当然である。

 院内暴力は放置すれぱ、関係した職員の心理的トラウマは大きい。個人的にも、職員集団としても士気は低下し、病院の機能が低下し、甚だしくは崩壊に向かう。そして、広くは地域の医療崩壊につながる因となる。現に、勤務医が立ち去る原因の一つにもなっている。

 暴力沙汰については理知的な方々、思慮深い方々は直ぐ院内暴力の背景とかを論じてくる。重要な考え方であることは理解できるが、この人達は最も重要なポイントがずれていて院内暴力を是認しているのに気が付かない。
 例えば、院内暴力の原因は病院が、あるいは職員が誠実な対応をしないことも原因になっているから、院内暴力の防止にはまずは職員教育を十分に行って誠実な対応に努めなければならない、という優等生的論調である。

 これらの意見のルーツは羨ましいほどの物わかりの良さ、広い視野である。しかし、そのような論調が院内暴力を助長してしまっている。暴力沙汰を起こす人はこの様な物わかりの良い偉い人の意見を自分に都合良く利用する。つまり、病院が悪いから耐え難くてやっているのだ、などと勝手なことを言って正当化する。

 暴力と誠実な対応とを絶対にリンクさせて論じてはならない。例え、病院の対応が不誠実であっても暴力は絶対ダメでその間に関連性は一切認められない。暴力の禁止は社会秩序の根幹であって、暴力を肯定する何物も存在しない。

 院内暴力に対しては厳然と対処しなければならない。病院職員を院内暴力から守ることは、病院の責務である。まず110番通報は厭わない。次いで、事の次第に応じて考えられる法的手段を取る。
 院内暴力はあらゆる手段を用いて追放すべきである。先に県医師会でも院内病力防止の啓発ポスターを作成した。私どもの病院の救急室にも掲示されている。


12/3(木)曇り 外来 患者家族面談 AKT収録 
2:45起床、ドック総括x1他、徒然など。6:10Taxi病院着、6:30回診他。8:00救急カンファ。8:45-14:10外来、混雑。患者家族面談、15:30AKT収録。重症者へ対応。21:00帰宅、夕食、21:30就寝。

鳩山献金疑惑 首相は庶民感覚を分かるのか 党内の地位をお金で??
 総選挙の前から小澤幹事長、鳩山首相の献金問題が浮上していた。前者では企業献金が、後者では個人献金の問題だったように思う。

 鳩山氏の場合、個人年金が故人献金だったりしていた。
 総選挙後は下野した自民党から国会の場で激しく追求されてきているが、献金問題はそのあっと驚くような展開を見せている。

 鳩山氏の献金に関しては、まず、個人献金の名簿に身に覚えのない方や故人が含まれていたことが発覚していた。実に不思議なことである。どなたの名前を使うにしても献金のためには資金が必要となる。首相自身はそれに関して6月頃に、用いたのは自分自身の資金であった、と説明していた。自分で誰かの名義を借用して自分に献金していたと言うことになる。11月4日の衆院予算委員会で、母親からの資金が含まれるのか?と問われた際、首相は明快にその可能性を否定していた。

 それが、この一週間ほどの間に、首相の母親も濃厚に関与していて、しかも半端な金額でなく億単位の資金が動いたらしいことが分かってきた。これについて首相本人は全く知らなかった、と自らの関与は否定している。
 母親個人の資金だとすればすごい事であるが、個人献金の年間上限は150万円であるから、献金に使われたとなれば法に抵触する事になる。
 これは母の子を思う気持ちの表れなのだろうか。昔、「山之内の一豊の妻」という美談があった。しかし、今回のは明らかに異常である。

 鳩山氏は恵まれた家庭に育った事を自ら語ったことがあるが、感覚的に何かおかしい様な気がする。彼にはいろいろ発言しているが、国民の大多数を占める庶民の経済感覚が本当に理解できるのだろうか。彼がマイクに向かって言っていることは真に心の中から出た言葉なのだろうか。
 私は金持ちは貧乏人のことは理解できないし、逆もしかりだと思う。全然住んでいる世界が違うのだ。口では何とでも言える。

 党運営にはお金がかかる。例外はあるのかもしれないが、自民党の場合は党の上層部にいた方々はおしなべて集金能力が高かった方が並んでいた、と私は理解している。党への財政上の貢献は常に問われ、評価されているのだろう。
 首相は自己資金、あるいは家族の資金も投入して党内の地位を固めてきた、と思われてもやむを得ない方向に向かっている。この件は何れ解明されていく事になろうが、これで求心力が萎えなければいいと思う。
 いま、普天間など首相として英断すべき懸案事項が目白押しである。


12/2(水)曇り 外来+ドック診察 県健康推進課・医務薬事課スタッフ来訪 県医師会倫理委員会 遺影完成1年経過
2:00起床、ドック判定総括x1、文献処理、徒然。6:10病院着.6:15回診、患者家族面談、病棟業務。7:40新型インフ対策会議。 8:45-14:00外来+ドック診察。16:00県健康推進課・医務薬事課スタッフ来訪。18:30-20:50県医師会倫理委員会。21:15帰宅。 22:00就寝。

病院内暴力(3)最近多発傾向 

 全日本病院協会は昨年春に院内暴力などの院内リスク管理体制に関する調査結果を公表した。
 調査は会員病院2.248病院で、平成19年12月から1月にかけて行ったもので、回答したのは1.106病院。

 結果は、過去1年間に院内暴力が「あった」と回答した病院が何と52.1%であった。このうち患者本人によるのが5.900件ほどで全体の87%を占めた。患者以外からの暴力としては身体的危害を加えるというのではなく、精神的暴力が784/904件と大多数を占めていた。従業員に対するセクハラも 940件ほどであった。
 このうち警察に届け出を行ったのはわずかに397件で全体の6%弱でしかない。弁護士への相談は更に少なく144件、2.1%に止まった。

 要するに大部分の院内暴力は内部でのみ対応しているということが分かる。これが病院内暴力の一つの特徴であろう。この背景は何だろうか。

 私どもの病院も決して院内暴力は少ないわけではない。
 この際、従業員の安全確保は最も重要である。そのために危害を加えられそうになった時点では迷わず警察に届けるようにしている。病院は地域に果たしている役割は大きいが、未収金にせよ暴力被害にせよ事が起こっていても従来は公表したがらなかった。

 恐喝やクレームの対象になりやすい企業や団体は、自治体>病院>学校の順でこれら三者がダントツに多いのだという。いままで被害を受けながらきちんと対応してこなかったからなのだ、と思う。

 3日ほど前の新聞に校内暴力のことが掲載されていた。
 それによると、全国の小中高の教育現場における児童生徒の暴力行為は3年連続して増加し、2008年度は約6万件と教育現場の暴力も相当なものだという。うち中学が4.3万件、小学校は6.500件ほど、高校は1万件だった、と言う。暴力は生徒間が54%、器物破損が30%ほどで、リピーターが増えているとのことである。これについて文科省生徒児童課の誰か分からないが「感情を上手くコントロール出来ない、コミュニケーション能力不十分な生徒が増えているのではないか?」と超優等生的コメントを発している。

 医療現場と教育現場の状況はほぼ共通した問題点が潜んでいる。上記のコメントは「感情を上手くコントロール出来ない、コミュニケーション能力不十分な患者が増えているのではないか?」と置き換えても成り立つ。


12/1(火)曇り 外来 法人常務会  病院新築関連3病院拡大合同医局会
2:00起床、ドック判定総括x1他。5:20病院着、6:30回診。8:45-13:15外来,比較的少ない。14:45-16:00法人常務会。18:00-20:10中通総合病院新築関連3病院合同新築検討会。21:30帰宅、22:00就寝。

医療機関の未収金(2)未収の背景は様々 それでも診察すべき
 医療費未払い問題検討会が4病院団体協議会の提起を受けて厚労省に設けられた。その報告書が2008年6月にまとめられた。
 その検討の資料のため、検討会は2007年12月に新たに4病院団体協議会加盟の2844医療機関に対して未収金の調査を行ない、4月にその速報値が報告された。

 集計済みの637病院、平均病床数272床では、平成16年から18年度の1病院あたりの未収金は平均が、何と4.800万円だったという。
 未収金の発生要因については、本当に払えそうもない生活困窮者は件数で17%、金額で22%、支払い能力がありながら最初から払う意志がない、暴言を吐くなどの悪質滞納者は件数で9%,金額で8%であった。診療内容に不満があって払わない、とか未払いのままで出国する外国人も少なくなかった。
 その報告書は、■未収金は発生させないことが大事、■医療機関は未収金回収にさらに努力を、■それでも同収できない場合には、保険者徴収も一手段段、国はその基準を明確にすべき、という内容である。
 最後の部分に価値があると思うのだが、継続的な対応はされているのだろうか。

 未収金間題の核心部分である、どうしても同収できない未収金は誰が負担すべきか、と、悪質な未払患者に対しても医師は応招義務があるのか、すなわち未納者に対しても診療すべきなのか、といった課題については両論併記で何ら進展しなかった。

 一部負担金は実務上の問題から医療機関の窓口で代行徴収するようになったとされているから保険診療に係る未収金は最終的には保険者が負担すべきということになる。

 一方、応招義務は医師法の規定であり、応召義務が及ばない正当な理由の中に未払い患者は含まれていない。患者の支払い能力や人間性と病気の発生とは直接関係ないから私も基本的にはそれで良いと思う。しかし、法的に医師に応召義務を課すならその対価は国が何らかの方法で補償すべきである。
 この様に、ラーメン一杯の踏み倒しですら逮捕される社会でありながら、医療機関は医療費を踏み倒されても簡単に訴え出ることも出来ず、どこからも補償もされず、応召義務のために診療を断ることも出来ない、という弱い立場に置かれている。
 やっと、少しずつ動きが出てきた。医療者側も一歩一歩常識的になってきたと言うことだろうか。


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   年を通じてワンパターンで淡々とした毎日です。AM2:00-5:00にメールチェック・返事送付、人間ドック(HDD)判定・報告書作成、新聞切り抜き、病院・医師会業務など。
  月〜土曜は6:00頃出勤、HDD報告書印刷、外来書類処理など。病棟回診、HDD受診者とミーティングと診察。8:45-14:00外来とHDD受診者に結果説明。昼食は摂りません。午後は病院業務・医師会業務、各種委員会等に出席など。20:00頃帰宅。
  日曜・祭日もほぼ同様ですが、病院には午後出かけます。時間的に余裕無いのが悩みです。


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