怪我をした鳩 3


 兵庫県 大学院生 RK 様とのメール書簡:


往診1

 初めまして。突然のメール失礼致します。

  今日、夕方車を走らせていたところ、国道のど真ん中で鳩がうずくまっているのを発見しました。一瞬目がパッと合ったような気がして、とっさに生きていると感じました。慌てて引き返し、取り合えず車に乗せ、内に持ち帰りました。抱きかかえた時も大人しくじっとしていました。そのまま病院に連れて行こうとしましたが、あいにく病院が休みだったため、今夜は様子を見ることにしました。
 衰弱してしまうといけないと思い、無理に果物とご飯は口に入れて食べさせました。目立った外傷も無く、羽も問題ないようなのですが、両足がぶらぶらした状態です。
 あまり元気が無いようなので、私も先生に相談されたお二方と同じように、インターネットで検索した結果、先生のすごく丁寧な心温まるやりとりにいきつきました。これも何かのご縁だと思い、早速メールさせていただきました。

 実はつい少し前にも、家のベランダに迷い込んできたスズメのヒナを保護して、死なせてしまったばかりなんです。とても元気だったのに、申し訳ない気持ちで一杯です。今回もまた同じような悲しみを味わうことになるのかと思うと、大変心苦しいです。元気になって自然界に返してあげられればよのですが、どうすればよいでしょうか。お忙しいことと思いますが、何か良いアドバイスがあれば頂戴できればありがたいです。宜しくお願い致します。
                                                     兵庫県 大学院生 RK


返信1   RK 様へご返事
 初めまして。
 私のホームページをご覧戴き、大変有り難うございます。前の記載も若干はお役に立てましたでしょうか。
 メールの確認が8月20日1:30am頃、業務一段落後にご返事と思っていたところ、北上中の台風15号のの強風下で停電、結局本日夕方まで電気が復旧しなかったのでご返事出来ませんでした。病院からの通信は可能でしたが、メールそのものが自宅のパソコンに入った状態で、思いがけない事態とは言え、生き物の健康維持に関するご質問に直ぐに応えられず私自身もやきもきしておりました。

 本日夕方、やっと電気も復旧、パソコンも無事立ち上がりました。今8月21日2:30amです。この時間帯の活動が私にとっては通常のパターンですので、今やっとご返事を書いています。
 もうあれから丸1日経過していますので、既に何らかのアクションはとられたと思いますが、貴女の場合に今選択出来るベストな方法は獣医の診察を受けることだと思います。情報量として多くないのでそれ以上の判断は今は困難です。

 食事に関しては無理矢理食べさせる必要は無いと考えます。自然の食欲の改善に待って良いと思いますし、餌としてはペットフードを少量用意してみては如何でしょうか。

 皆様方のやさしいお気持ち、本当に感心いたします。

 取り急ぎ、ご返事いたしました。良い方向に進みますよう願っております。


往信2

 お忙しいところ早々の温かいお返事、本当に有難うございました。心より深く感謝致しております。
  メールさせて頂いた次の日、獣医に診てもらいに行きましたところ、野鳥であるということで、病院の方で預かって様子を見て頂けるとのことでした。その後のことは、素人である私としては、できることが限られてくると思いましたので、病院に委ねることにしました。後は鳩の幸運祈るのみです。

 今回、病院が預かってもらえるということで、自分の責任から手が離れたということ
 で、正直ホッとしてしまいました。私も無責任な人間の一人です。
 こんな私ですが、今回、交通量の激しい道路の真ん中でうずくまってじっとしていた鳩に、何人かの人は気付いていたのではないかと思って、悲しみを感じていました。でも今回、先生のような温かい方と出会うことができ、また他にも先生と熱心にメールのやり取りをされている優しい方々がいらっしゃるということがわかって、安心すると同時に、私にとって、心が満たされる思いです。一匹の鳩との出会いに改めて感謝したいと思います。

  お仕事、遅くまで本当にお疲れ様です。お体にお気を付けて下さい。




返信2  RK 様へご返事

 自然災害とは言え直ぐに連絡出来ず、残念に思っておりました。どうなったことかと心配しておりました。

 結果的に一番ベストな方法の一つが選ばれたと私は思います。ご連絡いただき安堵いたしました。

 先のことまで考えないうちに手をさしのべたという、私はその様なRK様の優しさこそが最も価値のあることだと思います。今まで怪我した鳩を保護されたお三人方に共通しているお気持ちを、私は大きく評価したいと思っています。
 現実には、病気や怪我を負った生き物の世話、特に野生の動物の場合は実に大変なものです。それこそ動物園とか獣医さんでなければ、不可能に近いものと思います。

 手をさしのべなければ、後悔することもなかったわけです。むしろ自分の中で誇っても良いくらいですから、無責任などと自分を責める必要は無いと考えます。

 今回は貴重な経験をなさったと思います。
 ご連絡、本当に有り難うございました。

 で、お願いがあります。前の方と同様、お名前を伏せてホームページに掲載させてください。きっと後ほどまたどなたかの役に立つかも知れませんので。ご承諾のご返事を頂ければ幸いです。



往信3
 お返事遅くなってしまって申し訳ありませんでした。
 掲載させて頂けるとはたいへん光栄です。有難くお受けいたします。
 掲載楽しみにしております。
 福田先生とお知り合いになれて大変嬉しかったです。お元気で。
        兵庫県在住 大学院生 RK 

返信3

 有難うございました。早速、掲載の手続きをとりました。
 それではお元気でお過ごし下さい。
        秋田県 福田光之




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