今回は、秋田市立体育館でバレーボールを 指導しておられる利部さんをお招きしました。 利部さんは角館南高校卒業後、日立製作所 に入社オリンピックをはじめ数々の国際大会で活躍されました。そういったご経験から、 健康についてどのようにお考えなのかうかがいました。


Q お会いしてみて、やはり「大きい」という印象ですね。

身長は170センチです。バレーボールをやっていたな かでは小さい方なんですよ。 私は4000グラムで生まれて丈夫に育ち、小学生の頃 は160センチありました。 それで、勧められて中学から バレーボールを始めたんで す。その後、高校ではインタ ーハイや国体に出るようにな りました。私は指導者に恵ま れましたね。両親も、自分が決め た道なのだ からと応援 してくれま した。

Q スランプの時など、どのよう に努力されてきたのか教えてください。

よく心技体と言われますが、バレーボールも同じです。スランプに陥っても頭だけでは解決できなくて、私の場合、 クタクタになるまで練習しました。これ以上は動けないと いうぐらい身体を酷使した後、多めに食事をして、眠り に落ちる少し前、自分の理想とするプレーをイメージする んです。今で一言うイメージトレーニングなんですが。

Q 一時、スポーツ少年団が 加熱化して問題になりましたが、成長期のスポーツのありかたについてどのようにお考えですか。

スポーツは小学校で終 わるわけではないんで す。 思い出をいっぱい作ってあげ ではなく、これからも続けて いくための準備運動の段階だ と考え、継続して楽しめる環 境を作りたいですね。子ども たちには、スポーツをすると いうより外で遊んでほしい。 外で遊ぶ子には パワーがあるん ですよ。 また、親や指導者のスポーツではなく、子どもたちのための スポーツだということを間違えないでほしい。もちろん身体 を鍛えることは大事ですが、それよりも、心を育てること の方が大切。幼い時期に、スポーツを通して「楽しい」と か「心地いい」とか「ほめられて嬉しい」とか、そういう ることが私たち大人の夢であり、責任であると思います。

Q ママさんバレーの指導もしておられますが、中高年の運動についてどうお考えですか

怪我をしてはスポーツを楽しめないので、ウォーミングアップやクーリングダウンをしつかりと してほしいですね。中高年の男性は運動不足になりやすいようですが、疲れているからこそ、 少し身体を動かすと楽に疲れがとれるんです。ストレスがあって運動不足のお父さ んたちに、気軽にスポーツができる場を作ってあげたいですね。例えば、ソフトバレーは親子でも夫婦でもできる楽しいスポーツですよ。

Q 現在、健康維持のために心がけていることはあリますか

私の健康のバロメーターは体重です。痩せ過ぎては身体に異常があるということだ し、体重が増えると走った時に足首や膝が痛くなるんです。また、東京オリンピックからソウルオリンピツクまでの メンバー有志でチームを結成し、年に数回、各地でママさんバレーの教室を開いている のもいい刺激になっています。それを目標に体調を整えてトレーニングをしているの で、自分自身の健康維持にも 役立っていますね。

Q スポーツをなさっている立場から県民へのメッセージをお願いします。

たくさんの方がスポーツを 楽しんでおられますが、好き なスポーツを見つけられた人 は幸せだと思いますね。私自 身、好きなスポーツと出会い、 続けているということはとて も幸せなことで、楽しんでい くためには健康でなければな らないと思います。 そして今、夢のある子ども たちと一緒にスポーツをして いることは、本当に幸せなことだと実感しています。 ◆
利部陽子
【プロフィール】

全日本女子バレーボールチームで活躍し
ロスアンゼルスオリンピックで銅メダル
現在、秋田市教育委員会体育科勤務
秋田市出身

2000年11月15日 すこやかさんinAKlTA Vol.2


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