いきいき対談

すこやかさん創刊号を発行するにあたり、第一回の対談には板東久美子副知事(当時)をお招きしました。 秋田に来られてから2年近くたとうとしていますが、ご自身やご家族の健康、そして秋 田県民の健康について、どのようなお考えなのかお聞きしました。



Q これまで全国各地に住まわれた経験から、秋田の土地柄、県民性などをどのように感じておられますか?
NHKの県民性調査によりますと、秋田県民の61パーセント以上が、1年以上他県に 住んだことのない生粋の秋田県民。これは沖縄県に次いで2番目とのこと でした。ですから、県民は比較 的共通のべースを持っているということでしょう。 自分たちでは当たり前と思えるようなことでも、端から見ればユニーク。例えば、季節感ある山の幸。山菜の豊富 さは県民にとっては当たり前のことでも、他県から見れば驚きです。観光の面から見れば、もっと意識を高めていく べき貴重なものでしょう。


Q 秋田は酒の消費量が全国で一番。秋田の人のお酒の飲み方についてどう感じておられますか?
私は若い時から日本酒党ですが、それほど量は飲めません。秋田の方の比ではないですね。 秋田の方はお酒に関しては瞬発力、持久力ともにすごいと思います。立食パーティはほとんどなく、じっ くりと座って飲み交わす。ご飯など食べずにひたすら飲むケースが多いようで、タンパク質過剰、アルコ ールの摂りすぎという感は否めないですね。お酒を媒体としながら人問関係をつ くっていくような、コミュニケーションの手段としているような印象を受けます。私の場合も日本酒は好きです が、「おいしく楽しむ」という感覚を越えるケースが多くなってしまったように思います。

Q テレビなどで拝見するといつも笑顔を絶やさない印象です。 健康管理について気を付けておられることは?
飲み過ぎ、食べ過ぎの生活に加え、車で移動することの 多い毎日です。少しでも運動になればと、昨年四月からジョギングを始めました。オンとオフの切り替え、精神的な健康を保つためにも運動を取り入れたいとと心がけています。 東京の自宅に帰る時には、野菜を 多く使う料理を作るようにしています。子どもたちに は「肉がない」「野菜だけだね」と一言われますが、やはり普段の生活で少なくなっている野菜を食べてもらいたいし、生活にはスポーツも取り入れてもらいたいものです。 私自身のストレスに関しては、真剣に考えればたまってしまうことがあると思うのですが、物事を前向きにとらえカラッポになる部分や切り替えの部分を大切にしたいと思っています。

Q 秋田は少子高齢化でまもなく全国のトップ。福祉の面から、この状況をどうごらんになりますか?

まもなく介護保険制度がスタートすることもあり、整備の面では介護サービスに目が向いていますが、これからは、健康に暮らすにはどうしたら いいかが重要になるでしょう。病気になられた方でも、リハビリをして積極的に健康増進につなげていく、スポーツなどで生きがい作りをしていくという、イキイキ過ごしていくための体制作りが必要 と思います。 また、長寿を楽しんでいけるような土壌作りをしなければならないでしょう。県民性であげられる真面目さ、誠実さ は強みですが、その反面、自分を追い込むことが高い自殺率にも結びつくという指摘があります。 あまり突き詰めて考えずに、適度に幸せを感じて過ごしたいものです。

板東久美子
【プロフィ−ル】
東京大学法学部卒業後、文部省に入省
平成10年4月に秋田県副知事に就任
平成12年6月 退任
岡山県出身





秋田県医師会情報誌「すこやかさん in AKITA」 Vol.1 発行日2000年1月


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