大曲 健康祭り
これからを豊かに生きる
 


はじめに
 同時多発テロ事件、炭疽菌事件、国内経済低迷、過去最高の失業率国内外共に大変な事態を迎えています。今後もいろいろと困難な時代は暫く続くものと予想されます.
 この時代だからこそ、より豊かに生きるために発想の転換が必要です.私は「豊かに生きる=自分らしく、自由に生きること」と思っておりますので、本日はそれについてお話しすることといたします.
 私が医師になって30年たちました.この間いろいろな変化がありました.
「生活レベルが向上」「少子高齢化」「家族関係、人間関係の変化」「病気の質が変わった」「医療の発達」「医療制度の発達」などです.
 この辺のことを医師の立場から日常感じていることを述べてみたいと思います.
ただし、本日お聴きになっている方々で、主治医が居て生活指導されている方は主治医の先生の意見を第一に考えていただきたいと思います.



時代の変化・年齢と共に健康への関心は高まった
 年齢と共に、受診や服薬を通じ医師、医療機関との関係は徐々に濃厚になっていくことは、加齢による体調の変化、健康に対する不安から当然のことと思います.我が国の国民の受診率は世界で一番だとされています.医療機関、特にかかりつけの主治医を上手に利用して欲しいとおもいます.それにはよく話をすると言うことが一番です.
 私も、苦痛や悩みを持って訪れる患者さん方に、出来るだけ満足していただけるような対応をしていきたい、と日常から考えています.
 ただ、最近、医療は意外と、皆さんが思っているほど役に立っていない、患者さん方は皆自分のパワーで元気に生きている、ということです.それに医師も患者も気づいていないだけです.
 患者さん方にはもっと生きる自信を持って欲しい、と思います。



医療がさほど役立たない生活習慣病
 現在は急性疾患が減少し、慢性的な生活習慣病が大部分になっています.要するに、一義的には過去、現在、将来の生活の質が、健康度を決めるもので、医療は大した効果をあらわさない.
 生活調整は必要だが、だからといって、各年代の患者さんが一様に考えて行くものでもない.若いほど生活調整の価値が高く、高齢者にはそれほどの価値は無いと考えます.高齢者は程々の制限で良いし、場合によっては制限無しでも良いかもしれません.



生活調整の困難さ
 生活習慣病の原因となって、健康に悪いとされる生活習慣は、実はその人には快適なものです.また、生活習慣病はひどい状態に進行するまで全く無症状です。
だから、生活改善は困難なんですね。虫歯があると解っていても痛くなるまで受診しない、これが普通の方々の行動なのです.喫煙だって健康に悪いことは、誰でも解っています。しかし、咳しながらも止められないかたもいますし、肺ガン手術してさえ止められない方もおられます。
生活習慣を決めるのは自分
 健康的に長生きしようとすれば、楽しみの我慢が基本になります。はじめから経験なければそう困難ではありませんが、一度快適さを経験した人に取っては決して楽なことではありません。出来ないから、生活習慣はそのままほとんど努力しないで、医療に頼ることになります。高血圧症、糖尿病、高脂血症、高尿酸血症、脂肪肝で肝機能が悪い方々で、かつ肥満体の方は第一に減量が必要です。しかし、努力しないで薬を求めるし、医師も出してしまうのが現状です。結果的に薬物の効果はそれほど期待できないのです.
 受診する度に、たばこ止めろ、やせろ・・・なんてことばかり言われては、血圧も上がってしまいます。
 自分の生活設定は自分が主体的に決めるべきであって、医師が決めるものではありません。いっそのこと、先生私はこれでいいんです・・その範囲で治療してください。というべきです。



近代医学はどこまで期待できるのか
 今後、医学医療が発展しても、生活習慣病や加齢による変化に対してはほぼ無力でしょう。
 生命の維持と言うことに関しも、最小限生かせるだけで、患者さんを元気に生かすことはできないのです。むしろ寝たきりを作る可能性が大きいと言えます。
 人間は、ただ受け身で、世話して戴きながら生きるだけでは満足できません。生き甲斐、その人らしく生きるアイデンティティが必要であり、加えて、他の人に何かを与えられること、役に立つことが必要です。
 あの世に、地獄も、極楽もないだろうと思いますが、この世には確実に生き地獄 があります。人生の最後の総てを医療に委ねると、それを味わうことになります。
そうならないようにするにはどうするか、については後にお話しいたします。

(2001.11.3)

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