秋田県看護協会創立60周年記念祝賀会 祝辞



秋田県医師会副会長 福田光之

秋田県医師会副会長の福田です。
 本来であれば会長の小山田が出席のうえで御祝辞を述べるところでありますが、本日は所用で出席できませんので、私から一言お祝いを申し上げます。

 まず、はじめに、秋田県看護協会におかれましては、このたび創立60周年を迎えられましたことを、心よりお喜び申し上げます。
 資料によりますと、協会は昭和22年、会員数100名で「秋田県看護婦会」として設立され、その後も発展を続け、昭和55年には「社団法人・秋田県看護協会」となり、現在は会員数6.663名を擁しているとうかがっております。県医師会院はまだたかだか1.500余名と少なくとても羨ましく感じられます。

 職能団体としての看護協会の活動は「看護職の教育水準の向上」や「会員への働きやすい環境への支援活動」、「看護の質の向上」に努めると共に、時代のニーズに応えられるよう「地域社会とのコミュニケーション」をはかり、「新しい看護サービスの提供」を通して、広く社会への貢献することを目指しておられるとのことで、心から敬意を表したいと思います。

 わが国の医療は、WHOが世界一と評価した国民皆保険制度の下で世界最長の平均寿命を達成するなど、世界に誇れる保健医療水準を実現しております。 
 しかし、我が国の医療供給体制は一言で言えば医療従事者の犠牲のもとに成り立っている制度であり、医療現場に目を向ければ、地域における医師不足、看護師不足などが顕著であり、まさしく医療は崩壊過程にあります。その原因は我が国の低医療費政策にあることは明らかでありますが、それを許してきたものいわぬ医師、看護師を含む医療関係者にも大きな責任があると考えております。

 私たちは、今まであった姿を反省し、組織力を高め、情報を中央に発信していかなければなりません。しかし、私たち各団体が各々単独で活動していても限界があります。そのために、平成8年に看護協会、歯科医師会、薬剤師会と共に秋田県医療関係団体協議会を立ち上げ、出来る範囲で共同行動をとる様に努めております。
 また、その協議の過程で平成17年1月に「21世紀の医療をまもる会」を立ち上げ、県民を交えた運動体として県民によい医療を提供すべく活動を開始したところです。
 限りある医療資源のなかで、わが国が世界に誇るべき医療制度を将来にわたって維持・発展させるとともに、地域の医療が改善されたと実感できるよう、きめ細かく対応していかなければなりません。大変難しい問題ではありますが、行政府はもとより、開業医や勤務医、看護師をはじめとするコ・メディカルなどの医療関係者や国民が英知を結集し、おのおのの立場を理解しつつ一致協力して一歩一歩取り組んでいくことが解決につなげられる唯一の方法と考えております。

 秋田県医師会といたしましては、今後とも、秋田県看護協会の皆様と共に率直な議論を重ね、意思疎通を十分に図りながら、医療の質の向上に努め、医療提供体制の整備拡充を進めてまいる所存でありますので、引き続き、一層のご協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

 最後になりましたが、貴会会員の皆様方のますますのご健勝を祈念いたしますとともに、貴会が引き続き、国民の信頼と尊敬を集める団体として一層飛躍されますことを期待いたしまして、お祝いの言葉とさせていただきます。

        (2008/10/18)
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