安保 徹 (著) 「医療が病を作る--免疫からの警鐘--」岩波書店 2001

価格:¥1,800
 著者は新潟大学教授で免疫学が専門。数年前秋田で講演を聴き著者の洞察力に驚いた経験があるが、読み返してみて改めて優れた発想に驚く。病気の成り立ち、現代的医療が免疫系に与える悪しき影響を説き、証明していく。 病気にかからない方法、罹ったらどうすればいいのかも教えてくれる。13年飼った猫が私に教えてくれた病気への対処法は、私の医療観に影響を与えているが免疫の立場から見て結構リーズナブルなものであると今更ながら驚く。
(2002/2/20)


長沼 雄峰【著】「偏屈医者の落書き帳 これだけは言っておきたい!」   ISBN:493083144X
[B6 判] 販売価:\1,500(税別)

 2ヶ月ほど前に病院医局秘書室に私宛に書籍が一冊届いていた。また誰かの自費出版らしい。最近は自費出版が盛んで年に数冊-10冊ほどが送られてくる。通常は「フーン、あの人も書いたか・・・」と感心はするもののパラパラとめくる程度で「機会あったら、後でゆっくり・・」と書架の一隅に鎮座するが、今回は著者を見て驚いた。

元秋田組合総合病院小児科科長の長沼雄峰氏の著書である。私は医師になてから間もなく家内を通じてその名を聴き、また、我が家の3人の子供達の主治医として、その後は医師会活動を通じて、特に秋田県医師会50年誌編纂では編纂委員会委員長を務めていただいたのでよく知っている。表題にもあるように自称偏屈医者といっているが誰から見ても十分に偏屈医師である。私も本当は長沼氏のごとく偏屈な性格は有しているが、同時に存在するバランス感覚でそれが発揮できず、忸怩たる思いで暮らしている。その意味では長沼氏は私にとっては羨望的存在であるのです。
  内容は一言で言えば「何事があっても決して譲ることの出来ない自身の医師としての良心を語る」と言うことになろう。読み続けるにつれ、彼の行動の、発言のルーツのいくつかをうかがい知ることが出来た。方々に珠玉の宝石のような言葉が出てくる。フむフム、納得納得!!。長沼氏と私はかなり共通のところがあるようだ。
  本人は自費出版のつもりであったらしいが出版社の薦めで市販されることになったという。先日書籍のカタログを見ていたら何と日野原氏の著書と同列に扱われていた。それだけの内容があるから当然でもある。感心のある方には是非読んでいただきたい。フローラル出版1500円である。
 「クソッ、やられた!!!・・・」が、私の偽らざる本音である。
 (2003年3月現在 在庫切れだそうです)