中通病院関係


友の会理事会挨拶

 あけましておめでとうございます。
 今年もよろしくお願いいたします。

 さて、昨年は、私どもの病院にとって、とても大きなインパクトがあった年であったと思います。
 より厳しさを増して行く医療情勢の中、私どもの病院は創業以来始めて、病院運営を右肩上がりでない方向に転換をいたしました。すなわち、一般病床の削減と療養型病床の導入であります。

 皆様方覚えていらっしゃるでしょうか、昨年の3月8日、この場に於きまして、私が「中通総合病院の医療福祉宣言」についてと「療養型病棟の導入」についてお話を申し上げました。
 そのときに提示したのは、形の上では病院機能の縮小に見えるけれども、療養病床の導入の最大のコンセプトは、21世紀初頭の厳しい医療情勢に確実に対応していくために、中通総合病院の変容、活性化のために導入するのだ、というお話をいたしました。

 そのときにお示ししたように昨年の5月に療養病棟を開設し、この厳しい情勢に職員一丸となって対峙してきましたが、その結果、療養病棟の開設の効果もあって、少しではありますが明るい展望も見え始めてきている、と昨年一年間の働きを評価したいと思います。

 改めて全職員の方々に感謝すると共に病院を支えてくださっている友の会の皆様方にも感謝いたしたいと思います。


 さて、今年のことですが、私は昨年以上に大きな節目になる年だろうと考えております。それを三つの項目にまとめて簡単にお話してみたいと思います。

 第一に、病院の今後の医療展開の基本姿勢についてであります。
 平成
18年度を一つの区切りとして、国からは病院医療、経営に対して、厳しい施策が次々と打ち出されてくると考えられます。従って、私たちは時代の流れを的確につかみ、病院のあり方も、私たち医療従事者自身も変容していかなければなりません。

 400-500床規模の病院にとって、変容の方向性はいろいろあります。どの様な道を選んでも厳しい条件は次々と襲いかかってきます。しかし医療機関の原点は何なのかと考えた場合、最も力になるのは、患者さん方から選ばれる、身近な病院である、ということに尽きます。
 幸い、私たちの病院は市の中心部にあるという立地上の利点をもっております。それ以上に、
40数年、全職員と友の会のみなさん方のご協力の下「親切で安心できる医療の提供、提供してきたという歴史があります。「中通病院に行けば何とかなる」という住民の信頼感や評価は何事にも代えがたい私たちの財産です。
 当院は今後もこれらを大切にした、地域密着型の総合病院として、住民にとって最も身近で信頼のおける病院となることを目指して行きます。

 第二には、この4月から新卒医師の臨床研修が始まります。
 当院では8名の研修医を受け入れることになっており現在その準備を誠心誠意進めております。この初年度の研修をうまくスタートさせること、一定の評価を得ることは、当院の今後の医師体制、後継者養成のためにも重要です。若い医師が当院に入局するということは、それだけでも当院の活性化につながります。
 私は研修医を指導するに当たり、技術研修の片寄らず、病める患者さんを大切にする、やさしく暖かなこころを持つ医師に育て上げようと考えております。われわれの病院にはそのような医師を育て挙げてきたという実績も土壌も備わっておりますし、優しい心を持ったスタッフに恵まれております。必ずや研修医からも高い評価を受けるものと確信しています。

 第三に病院機能評価受審の取り組みについてお話しいたします。
 私たちも自分たちの仕事についてはそれなりの自己管理を各部門で行っておりますが、ともすれば自己満足に落いっている部分があります。従って、しっかりと確立された判断基準による第三者の評価を受けることは意義あることだと考えられますし、多くの利点を挙げることができます。
 現在病院では来春にこの医療評価を受けるべく委員会を設置し、委員がそれぞれの分野を分担しながら進めております。昨年私がお話した「医療福祉宣言」を患者さん方に公開したのもその一環であります。


 来賓挨拶としては些か長くなりました。今後の病院の有り様を論じ始めればどんなに時間があっても足りないほどの話題があります。その中から昨年については一つの項目について、本年度については三つの項目についてお話申し上げました。

 医療を取り巻く情勢は予想以上に厳しく、この激動の時代、夢を語っていること、立ち止まることは後退を意味します。今ほど「時代を先取りしていく目と実行力、行動力」が求められている時代はありません。

 花岡院長を先頭にして全職員が一丸となってこの難局を切り抜けていくを友の会のみなさまの前でお約束したいと考えます。

 皆さんのご協力をお願いして、新年の挨拶といたします。

 

これからの医療の在り方