中通総合病院の理念研修
---現状と今後----
 

中通総合病院の理念研修についての質問を受け、改めて考えてみる機会があった。
 私の立場で以下の如くに回答したが、ご意見を伺いたい。一緒に考えていきましょう。

1 医の倫理についての研修
 当院では日本医師会の「医の倫理綱領」を医療人として遵守すべき心構えの規範とし医師のみならず全職員に機会あるごとに伝え徹底している。また、当院には独自に作成した
医療・福祉宣言がある。それに沿い、病気や障害をもつ方々の苦しみや生き方に共感できる人間性と高い人格・教養を身に付けるため、診療科のみならず医局会議等を通じて日常的に指導を行い倫理観の向上に努めている。

2 医療安全管理セフティについての研修
 当院では医療・福祉宣言にも謳っているが、診療に関わる安全管理体制に最大限努力している。リスクマネージャー、院内安全管理委員会は良好に機能している。収集されたヒヤリハット事例は全て検討分析され、管理会議、運営会議、診療部会議を通じて全職員に行き渡る。さらに各診療科のカンファレンス、医局会議を通じた機会教育を重視している。外部で講習会等があれば研修のために派遣する。

3 生涯学習についての研修
 医師が生涯にわたって地道に研鑽し、安全な医療の推進のために、科学的根拠を得る努力、論理性の確立、更に医療技術の研鑽等に務めることは当然である。その視点から当院では各診療科ごとに抄読会や症例カンファレンス、術前術後の検討会を充実させている。また専門領域に過度に偏らないように全診療科参加で医局のカンファレンスを開催し、医療の基本を互いに学び取る。各診療科の学会活動も充実している。

4 医療経済・保険についての研修
  患者さんがいつでも安心してかかれる医療制度の実現と福祉の向上、人間の尊厳がより大切にされる社会保障制度の充実に向けての活動に関しては当院には長い歴史があり、地域医療の中で果たした役割は小さくはない。近年のこの厳しい医療情勢の中、保険制度の改訂等がある度に学習会を開催し、点数改訂に留まることなく医療経済、保険制度のあるべき姿について議論を重ねている。
                            2003/1